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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服201810224 審決 商標
不服201322170 審決 商標
不服2014650086 審決 商標
不服201511441 審決 商標
不服201517817 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない W06
管理番号 1360564 
審判番号 不服2019-6663 
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-22 
確定日 2020-02-10 
事件の表示 商願2018-21635拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「エフ-1」の文字を標準文字で表してなり,第6類,第7類,第10類,第11類,第12類,第17類及び第37類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成30年2月22日に登録出願されたものであり,その後,指定商品については,原審における同年12月28日付け及び当審における令和元年5月22日付けの手続補正書により,最終的に,第6類「非鉄金属及びその合金,金属製分岐管,水道管,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製管,金属製配管パイプ,送水管用金属製バルブ,金属製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),金属製管継ぎ手,金属製フランジ,ケーブル用及び管用の金属製クリップ,金属製金具,ガス貯蔵槽又は液化ガス貯蔵槽用のアルミニウム製の浮中ぶた,金属製液化ガス貯蔵槽,金属製ガス貯蔵槽,キー,コッタ」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,欧文字『F』の発音を片仮名で表記した『エフ』の文字と数字の『1』とを,『-』(ハイフン)を介して一連に標準文字で現してなるものであるところ,いわゆる製造業界においては,欧文字1字と数字の組み合わせは,商品の形式,品番等を表示する記号,符号として類型的に,取引上普通に採択使用されているものである。そうすると,本願商標は,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ず,本願商標は商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第5号該当性について
ア 本願商標は,欧文字「F」の音を片仮名で表記した「エフ」の文字と数字の「1」とを,「-」(ハイフン)を介して,「エフ-1」と標準文字で表してなる商標である。
イ 欧文字1文字と数字とを「-」(ハイフン)を介して組み合わせたものからなる標章は,商品の品番,型番,種別,形式,規格等を表した記号又は符号として,取引上普通に採択・使用されており,具体的には,別掲1のとおりである。
ウ 「エフ」の片仮名が欧文字の「F」の音を表すものであることについて,我が国における代表的な国語辞典を参照すると,以下のとおりである。
(ア)広辞苑第六版(株式会社岩波書店発行)においては,「エフ【F・f】」の見出しのもと,最初の語義に,「アルファベットの六番目の文字」との記載があり,その他「エフアール【FR】」「エフアールピー【FRP】」「エフイーティー【FET】」「エフいんし【F因子】」「エフエー【FA】」「エフエーエス【FAS】」「エフエーオー【FAO】」「エフエーキュー【FAQ】」「エフエフ【FF】」「エフエム【FM】」「エフエムほうそう【FM放送】」「エフオー【FO】」「エフオービー【FOB】」等の見出しがあるが,欧文字「F」の音は,いずれも「エフ」の片仮名をもって表されている。
(イ)大辞泉第三版(株式会社小学館発行)においては,「エフ【F・f】」の見出しのもと,最初の語義に,「英語のアルファベットの第六字」との記載があり,その他「エフアール【FR】」「エフエー【FA】」「エフエーキュー【FAQ】」「エフエフ【FF】」「エフエムほうそう【FM放送】」「エフシー【FC】」「エフじこう【f字孔】」「エフディー【FD】」「エフビーアイ【FBI】」等の見出しがあるが,欧文字「F」の音は,いずれも「エフ」の片仮名をもって表されている。
(ウ)大辞林第二版(株式会社三省堂発行)においては,「エフ【F・f】」の見出しのもと,最初の語義に,「英語のアルファベットの第6字」との記載があり,その他「エフアール【FR】」「エフアールアイ【FRI】」「エフアールエス【FRS】」「エフアールエヌ【FRN】」「エフアールエム【FRM】」「エフアールシー【FRC】」「エフアールティーピー【FRTP】」「エフアールビー【FRB】」「エフアールピー【FRP】」「エフアイ【FI】」等の見出しがあるが,欧文字「F」の音は,いずれも「エフ」の片仮名をもって表されている。
(エ)以上からすると,我が国において,欧文字「F」の音を「エフ」と表記することが,一般に広く行われているということができるものであるから,本願商標の構成中の「エフ」の文字部分に接した取引者・需要者は,当該文字部分が,直ちに欧文字「F」の音を片仮名表記したものであることを認識するものというべきである。
エ 欧文字1文字と数字とを組み合わせたものからなる標章や,欧文字1文字と数字を「-」(ハイフン)を介して組み合わせたものからなる標章を,商品の記号又は符号として用いる際に,その読みを特定する片仮名を含めて併記することも行われているが,具体的には,「A-1」や「B1」の文字に加えて,「エー1」や「ビー1」等との例がある。(別掲2)。
オ してみれば,本願商標は,「F-1」の欧文字部分の読みを片仮名表記して「エフ-1」と表したものと容易に理解されるものであり,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものと認められ,その指定商品との関係でみても,格別自他商品識別力を有するとはいえず,特定人による独占的使用を認めるのに適しているともいえないというのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。
2 請求人の主張について
ア 請求人は,「本願商標の構成文字は全て同じ書体,同じ大きさをもって等間隔に,外観上まとまりよく一体的に表示されてなるものであり,本願商標全体から自然に生ずる『エフワン』及び『エフイチ』の称呼も冗長とはいえず,よどみなく一連に称呼しうるものであることからすると,本願商標は,その構成全体をもって一体不可分のものと認識され,把握されると考えるのが相当であり,かかる構成においては,直ちに商品の型式,品番を表すための記号,符号を表すものと認識するとはいえないものである。」旨主張する。
しかしながら,前記1のとおり,欧文字「F」の音を「エフ」と表記することが,我が国において自然に行われており,本願商標の表記自体も,前記1のとおり,普通に用いられる方法で表されたものである。また,別掲1にあるように,欧文字1文字と数字とを「-」(ハイフン)を介して組み合わせたものからなる標章が,商品の品番,型番,種別,形式,規格等を表した記号又は符号として,取引上普通に採択・使用されている実情があることよりすれば,本願商標は,「F-1」の文字を,その片仮名読みを含め「エフ-1」と表したものと容易に理解されるものであり,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が「F-1」の欧文字部分の読みを片仮名で表示したものと理解するにとどまるものというべきである。
イ 請求人は,商標審査基準の商標法第3条第1項第5号の項(甲1)を挙げ,「極めて簡単で,かつ,ありふれた標章」の例として,「片仮名文字のうち,ローマ字1字の音を表示したものと認識されるもの」や「欧文字と数字の組み合わせからなる商標」は掲載されているものの,「欧文字1字の音の片仮名表示と数字の組み合わせからなる商標」は「極めて簡単で,かつ,ありふれた標章」の一例として掲載されていないことから,本願商標も登録されるべき旨主張する。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは,当該商標の構成態様と,指定商品あるいは指定役務の取引の実情等に基づいて,個別具体的に判断されるものであるところ,本願商標の構成態様及び取引の実情については,前記1のとおり判断すべきであるから,請求人の主張は,採用することができない。
ウ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 欧文字1文字と数字とを「-」(ハイフン)を介して組み合わせたものからなる標章が,商品の品番,型番,種別,形式,規格等を表した記号又は符号として使用されている例(下線は合議体による。)
(1)「株式会社水本機械製作所」のウェブサイトにおいて,「連結金物>連結金物06>ステンレス アイスナップ」の見出しの下,「品番」の欄に「F-0」「F-1」「F-1.5」「F-2」の記載がある。
(http://www.mizumoto-mm.co.jp/?product=%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%b3%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%80%80%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%83%8a%e3%83%83%e3%83%97)
(2)「日本ニューマチック工業株式会社」のウェブサイトにおいて,空機事業の製品情報として,「サンドランマ」の見出しの下,「型式」の欄に「F-0」「F-1」「F-2」「F-4」の記載がある。
(http://www.npk.jp/pneumatic/products/sand_rammer.html)
(3)「株式会社ムラカミ」のウェブサイトの「製品情報 > スクリーン関連機械」の「露光機」の「機械寸法」の説明欄において,「F-1型:W1280×D1280×H1170mm・・・F-2型:W1480×D1480×H1170mm」の記載がある。
(https://www.murakami.co.jp/products/machine.html)
(4)「日本アンテナ株式会社」のウェブサイトの「製品>無線通信>金具」の「F型・I型」の製品の紹介欄において,「F-20」「F-24」の記載がある。
(https://www.nippon-antenna.co.jp/ja/product/communication_01/communication_01_03.html)
(5)「有限会社センタースポーツ」のウェブサイトの商品紹介欄において,「F-1 パンチングボール用シーベル金具」の記載がある。
(https://www.center-sp.co.jp/ec/products/detail/67)
(6)「株式会社ミスミグループ本社」のウェブサイトにおいて,「メカニカル部品>空圧機器>薬液用フッ素樹脂製品>フッ素樹脂継手」の製品情報として,「フッ素樹脂製管継手 ハイパーフィッティング LQ1シリーズ フィメイルコネクタ LQ1H-F ミリサイズ (LQ1H43-F-1)」の記載がある。
(https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/221006295287/?HissuCode=LQ1H43-F-1)

別掲2 欧文字1文字と数字とを組み合わせたものからなる標章に,その読みを特定する片仮名を含めて併記されている例(下線は合議体による。)
(1)「インキュベーション株式会社」のウェブサイトにおいて,ミーティングテーブルの紹介として,「イトーキ(ITOKI) A-1(エー1)シリーズのミーティングテーブル」の記載がある。
(https://www.kagg.jp/meeting-tables/itoki/?series=a-1)
(2)「株式会社アクタス」のウェブサイトの商品情報として,「B1 ARM CHAIR」及び「ビー1 アームチェア」の記載がある。
(https://www.actus-interior.com/products/detail.php?idx=00000360)


審理終結日 2019-11-21 
結審通知日 2019-11-29 
審決日 2019-12-11 
出願番号 商願2018-21635(T2018-21635) 
審決分類 T 1 8・ 15- Z (W06)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 大森 友子
山根 まり子
商標の称呼 エフワン、エフイチ 
代理人 特許業務法人藤本パートナーズ 

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