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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W18 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W18 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W18 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W18 |
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管理番号 | 1359806 |
異議申立番号 | 異議2018-900177 |
総通号数 | 243 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-03-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-07-10 |
確定日 | 2020-01-22 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6037129号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6037129号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6037129号商標(以下「本件商標」という。)は、「D.KELLY」の欧文字を表してなり、平成29年8月25日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同30年3月13日に登録査定、同年4月20日に設定登録されたものである。 第2 引用商標及び申立人商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録第4341534号商標(以下「引用商標」という。)は、「Kelly」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年2月5日に登録出願、「かばん類,袋物」を含む第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月3日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 そして、引用商標のほか、「KELLY」の欧文字からなる商標、「ケリー」の片仮名からなる商標及び「ケリーバッグ」の片仮名からなる商標を含めて「申立人商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当するものであり、その登録は、同法第43条の3第2項の規定によって取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第64号証を提出した。 以下、証拠については、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。 1 商標法第4条第1項第11号に該当すること (1)引用商標について ア 申立人は、1837年、ティエリ・エルメスによりフランスにて創業され、バッグ、高級婦人服、アクセサリー等で知られる高級ブランドである。2008年における売上高は17億6500万ユーロであるのに対し、2017年における売上高は55億4900万ユーロを記録し、約10年前に比して3倍以上増加している。また、日本における売上高は申立人の本国であるフランスに匹敵し、世界の売上高の約13%を占めている(甲3)。 また、申立人の商品は、現在日本で極めて高い人気を誇り、申立人の商品のみを特集した女性誌すら存在する(例として甲4)。 日本においては、1964年(昭和39年)に、株式会社西武百貨店(以下「西武百貨店」という)と提携し、渋谷、池袋を始め、名古屋、大阪、札幌等全国に合計15店舗の専門店を出店してから、その高い品質及びファッション性がより広い顧客層に知られるようになった。さらに、1983年(昭和58年)に、申立人と西武百貨店の合弁会社であるエルメスジャポン株式会社(以下「エルメスジャポン」という。)が設立されると、さらに積極的な販売活動が行われるようになった。申立人の店舗は年々増え、2009年(平成21年)時点では札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、熊本、福岡等全国に49の店舗を有する(甲5)。 イ 引用商標は、申立人の商品の中でも、代表的な商品である「ケリー」に係る商標である。ケリーの原型であるサック・ア・クロアは、1936年に販売が開始されたバッグである(甲6)。1956年には、ハリウッド女優からモナコ王妃となったグレース・ケリーが、カメラマンにカメラを向けられ、妊娠中のお腹を持っていたサック・ア・クロアで隠したという出来事があった。この写真が世界的に有名な写真雑誌である「LIFE」の表紙を飾り、話題を呼んだ。これを知った申立人の社長が、王妃の名前をバッグにつけたいとモナコ王室に申し入れ、王室が快諾したために、サック・ア・クロアは、現在の「ケリー」の名前により称されるようになった。当時、ハリウッドのトップ女優に上り詰めながら、モナコのレーニエ大公と結婚したグレース・ケリーは、世界の女性の憧れであったため(甲28)、彼女が愛用したバッグということで当該バッグは世界中の女性の憧れる申立人の代表作となった。その後も、ケリーは、その高い品質、美しいデザイン及び機能性ゆえに多くのセレブリティに愛用されている(甲4及び甲8等)。 日本においては、ケリーは、1983年(昭和58年)にエルメスジャポンが設立されて以降販売が開始され、全国の店舗において販売されている。 このように、ケリーは、日本全国において、1983年(昭和58年)以降35年以上にわたり継続して販売されている。 ウ 申立人の代表的な商品であるケリーは、そのほとんどが1個50万円を超え、高価なものであれば200万円を超える高級バッグである(甲4及び甲28等)にもかかわらず、「世界中の女性をとりこにしてやまない垂涎のバッグ」(甲21)として年々売上げを伸ばしている。2001年(平成13年)には販売個数は年間3000個を超え、以降も2002年(平成14年)を除いて3000個以上を売り上げ、2006年(平成18年)には販売個数が年間4000個超となっている(甲29)。売上高でいえば、2003年(平成15年)には23億円を突破し、2006年(平成18年)には30億円を突破している。 エ 申立人は、多数の雑誌を通じて継続的に申立人の商品の販売促進を図っており、1984年(昭和59年)から1996年(平成8年)までにケリーに費やした広告宣伝費は8億9600万円にも及ぶ。 しかも、申立人の商品を代表する商品であるケリーは、日本で極めて高い人気を誇っていることから、現在では申立人が広告宣伝を行わなくとも、多数の雑誌がこれを取り上げており、その掲載雑誌は枚挙にいとまがない(例として甲7ないし甲28)。例えば、2004年(平成16年)7月から2006年(平成18年)2月の間に、のべ34回にわたり各誌に取り上げられている。さらに、2007年には、「All about the “KELLY”」として、16頁にわたりケリーのみを特集した雑誌すらある(甲28)。これら雑誌の中で、ケリーは、「エルメスのバッグ作りの精神の粋を極めた」(甲14)、「いまや伝説となったエルメスを語る代表」(甲12)、「永遠の定番」(甲23)、「永遠の憧れ」(甲25)などと称された上、「エルメス」の「ケリー」として、申立人の商品であることが強く印象付けられる記載がなされている。 しかも、ケリーは、日本における販売開始後、年々売上げを伸ばし、ケリーは極めて人気のある商品となった一方、専門の職人が手作業で製造するものであり、大量生産することは困難であった。このため、1997年(平成9年)前後になると、ケリーは品薄状態となり、店頭での提供が困難となっていたことから、申立人は、あえて自ら宣伝広告費を支出してケリーに関する広告を行わないこととした。したがって、申立人は、1997年(平成9年)以降はケリーそのものに対する宣伝広告費は支出していない。それでも、2001年(平成13年)の時点で、ケリーは、予約販売であるばかりか、予約してからの待ち時間が3年とも5年ともいわれていた(甲4)。このような状況は、ケリーがいかに需要者間で人気の高い著名な商品となっていたかを示すものである。 オ このように、引用商標は、申立人のペットマークとして、かばん等の需要者の間で極めて高い著名性を獲得していることはもちろん、申立人そのものをイメージさせるものとして、今やハウスマークに準ずるといえ、極めて著名である。 (2)本件商標と引用商標との類否 ア 外観 本件商標は、その指定商品であるハンドバッグ等の需要者の間に広く認識された商標である引用商標の「Kelly」におけるアルファベットの大文字小文字を一部変更したにすぎない「KELLY」と、他の文字である「D.」とを結合した商標であることから、原則として、「KELLY」の部分が本件商標の要部であり、引用商標と類似することになる。 本件商標の「D.KELLY」を構成する文字のうち、「D.」の部分は、特別な意味を有するものではない。強いて想像するならば、何人かの名のイニシャルとも思われるが、少なくとも、申立人が把握する限り、需要者において著名な、「D」から始まる名を有するKelly氏は存在しない。 そして、「KELLY」の部分は、かばんの需要者にとって著名な「Kelly」を連想させるところ、「D.」と「KELLY」の両語には何らの意味上の関連性がなく、また、両文字の結合による特定の観念も生じない。 したがって、「D.」の部分に自他商品の識別力はないし、「D.」と「KELLY」を不可分一体のものとしてみる必然性はない。 したがって、本件商標の要部は「KELLY」であり、本件商標の外観は、引用商標の外観に類似する。 イ 称呼 本件商標の要部が「KELLY」である以上、本件商標及び引用商標のいずれも、その称呼は「ケリー」であって同一である。 ウ 観念 本件商標の要部である「KELLY」と引用商標「Kelly」からは特段の観念は生じない。 エ 小括 以上からすると、本件商標と引用商標は類似する。 (3)指定商品の類否 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似する。 (4)結論 以上のとおり、本件商標と引用商標は類似し、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品が類似するから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号に該当すること (1)「混同を生ずるおそれ」の存在 申立人の表示である引用商標「Kelly」が、かばん類を取り扱う取引者及び需要者にとって、申立人の業務に係る商品を表示するものとして周知を超えて著名であることは、上記のとおりである。また、引用商標「Kelly」は、グレース・ケリーに由来するものではあるが、日本において一般的な姓でないことはもちろん、「Kelly」が単独で何らかの意味を有する普通名詞でないことは明らかであり、独創的な商標である。 また、本件商標と申立人の表示である引用商標が類似していることは上記のとおりであるが、他人の著名商標を一部に有する商標については、仮に、「類似していないと認められる場合」であっても、商品の出所の混同のおそれがあるときは本号の規定に該当することに留意すべきである。 すなわち、仮に、本件商標が全体として不可分一体であり、引用商標と類似しないと判断される場合であっても、引用商標「Kelly」は、かばん類を取り扱う取引者及び需要者にとって著名であり、しかも本件商標の指定商品は同じくハンドバッグ等である。そして、本件商標は、このような「KELLY」をそのまま含むものであるところ、Kellyないしケリーが、かばん類の取引者、需要者に広く知られていたのに対し、「D.」には何らの意味が生じないことからすると、本件商標が付されたかばん類に接した取引者、需要者は、申立人の「Kelly」を連想し、申立人と関係がある者の業務に係る商品であると誤認混同するおそれがあることは明らかである。 そして、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品はかばん類・袋物等であり、両者は密接に関連し、需要者も女性であって共通する。 (2)結論 以上のとおり、本件商標「D.KELLY」を指定商品に使用するときは、その取引者及び需要者において、少なくとも当該商品が、異立人あるいは申立人との間に親子会社や系列会社等の緊密な関係にある営業主の営業に係る商品・役務であると誤信されるおそれは極めて高いということができる。 したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審における取消理由 当審において、商標権者に対して、「本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、仮に同号に該当しないとしても、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の取消理由を令和元年9月13日付けで通知した。 第5 商標権者の意見 前記第4の取消理由の通知に対し、商標権者は、何ら意見を述べていない。 第6 当審の判断 1 申立人商標の周知著名性について (1)申立人の提出に係る証拠及び職権による調査(別掲)によれば、次の事実が認められる。 ア 申立人は、1956年(昭和31年)から、商品「バッグ」に申立人商標の使用をしている(甲6)。 イ 申立人商標の使用をした申立人の業務に係る商品「バッグ」(以下「申立人商品」という。)が、昭和61年(1986年)から平成30年(2018年)1月までに発行された各種の雑誌等において多数紹介されている(甲4、甲6ないし甲28、甲31ないし甲50、甲52ないし甲61及び別掲1)。 ウ インターネット上のウェブサイトにおいて、申立人商品を紹介する記事が2014年(平成26年)10月31日及び2015年(平成27年)3月26日に掲載されている(別掲2)。 エ 2010年(平成22年)及び2013年(平成25年)に発行されたファッション関連の用語辞典において、申立人商品の名称(申立人商標)が載録されている(別掲3)。 オ 2001年(平成13年)から2017年(平成29年)までの申立人商品の販売個数は、毎年約2千個ないし4千個であり、同売上高は、毎年約16億円ないし46億円である(甲29及び甲64)。 (2)前記(1)で認定した事実によれば、申立人商標は、昭和31年から商品「バッグ」に使用をされ、当該「バッグ」(申立人商品)は、昭和61年以降、各種の雑誌等やインターネット上のウェブサイトにおいて多数紹介されるとともに、平成22年及び同25年に発行されたファッション関連の用語辞典においても、申立人商品の名称(申立人商標)が載録されている。 そして、申立人商品は、平成13年以降、毎年相当数が販売され、極めて高い売上げを上げている。 そうすると、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「バッグ」を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものといえ、その周知著名性の程度は相当高いものと判断するのが相当である。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、前記第1のとおり、「D.KELLY」の文字からなるものであり、その構成文字からして、「D」の文字と「KELLY」の文字とを「.」(ドット)を介して結合させたものと容易に認識されるものである。 そして、本件商標の構成中「KELLY」の文字部分は、前記1(2)のとおり、申立人の業務に係る「バッグ」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている申立人商標「KELLY」と同一のつづりからなるものである。 また、本件商標の構成中「D」の文字部分は、ローマ字の1字であるから、極めて簡単で、かつ、ありふれたものである。 そうすると、本件商標は、その構成中「KELLY」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。 してみると、本件商標は、その構成中「KELLY」の文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、本件商標は、その構成中「KELLY」の文字部分から「ケリー」の称呼を生じるものであり、また、該文字は申立人の業務に係る「バッグ」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている申立人商標「KELLY」と同一のつづりからなるものであるから、「申立人のブランド」の観念を生じるものである。 (2)引用商標 引用商標は、前記第2のとおり、「Kelly」の文字からなるものであり、前記1(2)のとおり、申立人の業務に係る「バッグ」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、「ケリー」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否 本件商標の構成中「KELLY」の文字部分と引用商標とを比較すると、外観においては、大文字か小文字かの違いはあるものの、両者は「KELLY(Kelly)」のつづりを共通にするものであるから、近似した印象を与えるものである。 また、両者はいずれも「ケリー」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。 そうすると、本件商標と引用商標とは、外観が近似し、称呼及び観念を共通にする類似する商標というべきである。 (4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否 本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に含まれているものである。 (5)小括 以上のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に含まれているものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)前記1(2)のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「バッグ」を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものといえ、その周知著名性の程度は相当高いものといえる。 (2)前記2(3)のとおり、本件商標は、「Kelly」の文字からなる引用商標と類似する商標であり、同様に、「KELLY」の文字からなる申立人商標とも類似する商標である。 また、「ケリー」の文字からなる申立人商標は、前記1(2)のとおり、申立人の業務に係る「バッグ」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、「ケリー」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を生じるものである。 さらに、「ケリーバッグ」の文字からなる申立人商標は、その構成中「バッグ」の文字部分が商品の普通名称を表し、出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められるものであるから、「ケリー」の文字部分から「ケリー」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を生じるものである。 そして、本件商標は、前記2(1)のとおり、「ケリー」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を生じるものである。 そうすると、本件商標と「ケリー」又は「ケリーバッグ」の文字からなる申立人商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、文字の種類を異にするため、外観においては相違するものの、「ケリー」の称呼及び「申立人のブランド」の観念を共通にする両者は、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似する商標というべきである。 したがって、本件商標は、いずれの申立人商標とも類似する商標であり、両者の類似性の程度は高いといえる。 (3)申立人の業務に係る商品「バッグ」は、本件商標の指定商品に含まれるものであるから、両商品の関連性は高く、また、需要者を共通にするものである。 (4)前記(1)ないし(3)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時における申立人商標の周知著名性の程度は高く、また、本件商標と申立人商標との類似性の程度も高く、さらに、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品「バッグ」との関連性は高く、その需要者を共通にするものである。 そうすると、本件商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、申立人商標を連想、想起し、該商品があたかも申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じるおそれがあったものというべきである。 (5)小括 以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、仮に同号に該当しないとしても、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 (1)株式会社海王社発行「海王社ムック98 ブランドBargain SUPERセレクションVOL.7 HERMES エルメス最新アイテムカタログ」(平成21年10月1日発行)において、申立人商標と共に申立人商品が紹介されている。 (2)株式会社海王社発行「海王社ムック ブランドBargain SUPERセレクションVOL.15 BRAND BAG 2014春夏」(平成25年12月1日発行)において、申立人商標と共に申立人商品が紹介されている。 (3)株式会社アシェット婦人画報社発行「ヴァンサンカン 25ans」(2010年(平成22年)6月号)において、申立人商標と共に申立人商品が紹介されている。 (4)株式会社マガジンボックス発行「ブランドJOY」(2018年(平成30年)3月号、同年1月23日発売)において、申立人商標と共に申立人商品が紹介されている。 別掲2 (1)「ロコシーラ Roko Shira」のウェブサイトにおいて、「エルメス ケリーの買取のポイントについて」の見出しの下、「投稿日:2014-10-31」及び「エルメスにおいて「バーキン」と並び、高級バッグモデルとして有名なのが「ケリー」です。」との記載と共にバッグの写真が掲載されている。 (http://rokoshira.jp/column/purchase?tpl=hermes-kelly) (2)「なんぼや」のウェブサイトにおいて、「エルメス・ケリーは二つの顔を持つバッグ」の見出しの下、「2015.03.26」及び申立人商品の紹介記事と共にバッグの写真が掲載されている。 (https://nanboya.com/post-brand/kellybag-hb/) 別掲3 (1)繊研新聞社発行「新版ファッション/アパレル辞典」(2013年(平成25年)5月10日発行)において、「ケリーバッグ Kelly bag」の項に「四角いやや大きめの女性用の鞄で、蓋を錠付きのベルトで留める形のものをいう。本来はフランスの「エルメス Hermes」社の「サック・ア・クロア sac a courroie」(販売開始は1935年)という名のハンドバッグをいう(サックは「袋、鞄」、クロアは「革紐、ベルト」という意味)。」との記載がある。 (2)株式会社研究社発行「英和ファッション用語辞典」(2010年(平成22年)4月26日発行)において、「Kelly bag」の項に「ケリーバッグ(Hermes社製のハンドバッグ;Grace Kellyが妊娠中のおなかを隠すためにもったことから、このバッグが有名になり、「ケリーバッグ」と改名された)。」との記載がある。 |
異議決定日 | 2019-12-13 |
出願番号 | 商願2017-112186(T2017-112186) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Z
(W18)
T 1 651・ 261- Z (W18) T 1 651・ 263- Z (W18) T 1 651・ 271- Z (W18) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 吉野 晃弘 |
特許庁審判長 |
小出 浩子 |
特許庁審判官 |
木村 一弘 山田 啓之 |
登録日 | 2018-04-20 |
登録番号 | 商標登録第6037129号(T6037129) |
権利者 | 宮原 賢夢 |
商標の称呼 | デイケリー、ケリー |
代理人 | 高松 薫 |
代理人 | 鈴岡 正 |
復代理人 | 椿原 直 |