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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1359793 
異議申立番号 異議2019-900115 
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-03-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-12 
確定日 2020-01-31 
異議申立件数
事件の表示 登録第6115022号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6115022号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6115022号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、2018年4月2日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成30年10月1日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同年12月28日に登録査定、同31年1月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1430117号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、2018年2月19日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2018年(平成30年)8月9日に国際商標登録出願、第5類「Pharmaceutical preparations for use in oncology.」を指定商品として、令和元年11月22日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標は、大小合せて2つの円からなるものであり、内円が開口部を有する外環に内包されている図案からなるものであるから、互いに類似する商標である。
また、本件商標と引用商標の指定商品も互いに類似するものである。
(2)むすび
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)商標法第8条第1項該当性について
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、前記2に記載の引用商標を引用しているが、引用商標は、本件商標の登録査定時において、商標登録されていない、いわゆる未登録であり、その申立の根拠とする条項は、同法第8条第1項の誤りと認められるから、以下、同条項の該当性について判断する。
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1に示すとおり、左斜め下方部に開口部を有する黒い太線の円輪郭図形とその内部に黒色の小さな円図形を配した構成からなるものであり、当該開口部の幅は内部の円図形の直径とほぼ同じであり、全体として、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2に示すとおり、下方部に逆U字状を有する黄色の円図形と、その中央に青色の小さな円図形を配した構成からなるものであり、当該逆U字状の開口部の幅は中央の円図形の直径よりやや幅広であり、全体として、特定の事物を想起させるものということはできないから、これより、特定の称呼及び観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とを比較すると、上記ア及びイのとおりの構成からなる両商標は、黒い太線の円輪郭図形と黄色の円図形、開口部の幅及び形状といった構成態様などにおいて、明らかな差異を有するものであるから、全体の印象が大きく異なり、両商標を対比観察した場合はもとより、時と処を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、容易に区別し得るものである。
また、両商標は、特定の称呼及び観念は生じないことから、相互に比較することができず、称呼及び観念においても相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似するものではないから、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
オ 小括
上記のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、それらの指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない 。
(2)申立人の主張
申立人は、薬剤にかかる商標の混同により死亡事故まで起きており、さらに両商標は、特に安全管理が必要な向精神薬及び抗がん剤について使用するものであることから、指定商品の性質上、両商標の類似判断はより慎重に考慮されるべきものである旨主張する。
しかしながら、本件商標と引用商標とは、外観において、輪郭図形及び円図形がそれぞれの商標全体に占める割合が大きく異なり、開口部の幅及び形状も明らかに相違することからすれば、需要者に与える全体の印象が大きく異なり容易に区別し得るものであるうえに、両商標の称呼及び観念においても相紛れるおそれのないことからすれば、上記(1)ウのとおり、両商標は非類似の商標と判断するのが相当であるから、指定商品の取引の実情等を考慮したとしても、上記の認定は左右されないというべきである。
その他、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、申立人の主張は採用することはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第8条第1項に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
本件商標


別掲2
引用商標(色彩は原本を参照。)



異議決定日 2020-01-23 
出願番号 商願2018-123442(T2018-123442) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W05)
T 1 651・ 263- Y (W05)
T 1 651・ 262- Y (W05)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉田 昌史 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 中束 としえ
石塚 利恵
登録日 2019-01-18 
登録番号 商標登録第6115022号(T6115022) 
権利者 セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
代理人 矢崎 和彦 
代理人 中村 行孝 
代理人 朝倉 悟 
代理人 永井 浩之 
代理人 砂山 麗 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 魚路 将央 
代理人 本宮 照久 
代理人 水谷 綾乃 
代理人 柏 延之 
代理人 高田 泰彦 
代理人 宮嶋 学 
代理人 副田 圭介 
代理人 黒川 朋也 

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