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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 審判 全部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1358865 |
異議申立番号 | 異議2019-900098 |
総通号数 | 242 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2020-02-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-03-22 |
確定日 | 2020-01-09 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6109743号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6109743号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第6109743号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成からなり、平成30年1月5日に登録出願され、第3類「せっけん類,化粧せっけん,シャンプー,水せっけん,せっけん,香料,化粧品,化粧水,クリーム,クレンジングクリーム,香水類」を指定商品として、同年11月13日に登録査定、同年12月28日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第6082710商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成29年12月28日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料,薫料」を指定商品として、同30年9月21日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由(要旨) 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 (1)本件商標は、称呼が「アスハダ」であり、これに対し、引用商標の称呼も「アスハダ」であるから、両商標は「アスハダ」の称呼を共通にする類似のものである。 (2)外観についても、本件商標と引用商標の文字部分は、ローマ字「U」が一文字だけ違うだけであり、また、図形部分もアルファベットの大文字の「A」をサークルで囲んだものであって、類似しているといえる。 (3)取引の実情からしても、両者ともインターネットで販売していることも考慮すると類似しているといえる。 (4)本件商標と引用商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。 (5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、別掲1のとおり、線書きされた三日月状の円弧を基幹とする全体が一体のものと看取される幾何的図形とその下部に「ASHADA」の文字を横書きした構成からなるところ、上記図形部分と文字部分とは、視覚上、分離して看取し得るものであるから、それぞれ独立して自他商品の識別標識として機能を果たす要部として認識され、その構成中の「ASHADA」の文字部分又は図形部分を要部として抽出し、これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。 そして、本件商標の構成中、「ASHADA」の文字は、一般の辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを想起させることのない造語よりなるものといえるところ、当該文字に相応して生じる自然な称呼は、これをローマ字読みした「アシャダ」である。 したがって、本件商標の文字部分からは、「アシャダ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、両先端部を細く、中程を太くした円弧状の図形を上下と左右に花弁状のごとく描き、その円弧状図形の根元から山形の流線形状の図形を4方向に突出させ、それらの内側中央にデザイン化された「A」の文字を配してなる図形とその下部に「ASUHADA」の文字を横書きした構成からなるところ、これを構成する図形部分と文字部分とは、視覚上、分離して看取し得るものであるから、それぞれ独立して自他商品の識別標識として機能を果たす要部として認識され、その構成中の「ASUHADA」の文字部分又は図形部分を要部として抽出し、これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。 そして、引用商標の構成中、「ASUHADA」の文字は、一般の辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを想起させることのない造語よりなるものといえるところ、当該文字に相応して生ずる自然な称呼は、これをローマ字読みにした「アスハダ」である。 したがって、引用商標の文字部分からは、「アスハダ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両商標の図形部分は、本件商標の図形部分が線書きされた三日月状の円弧を基幹とする幾何的図形であると看取されるの対し、引用商標の図形部分は、4つの花弁状のごとく表した図形とその中央に「A」の文字を配した図形として印象されるから、その構成及び受ける印象が明らかに異なるものというべきであって、離隔的に観察しても見誤るおそれはないものであり、また、本件商標の構成中「ASHADA」の文字部分と引用商標の「ASUHADA」の文字部分とは、文字の書体及び前半部における「U」の文字の有無及び色彩の差異があり、両商標の比較的短い構成にあって、この相違は通常の注意力をして視覚上十分に識別できるものというべきである。 さらに、本件商標と引用商標の構成全体を比較してみても、それぞれを構成する図形部分及び文字部分において異なるものであり、外観上、相紛れるおそれがないものである。 次に、称呼においては、本件商標から生じる「アシャダ」の称呼と引用商標から生じる「アスハダ」の称呼を比較すると、両者は、中間において、「シャ」と「スハ」の音の明確な差異を有するものであるから、その音構成の差異により、全体の語調、語感が相違し、明確に聴別し得るものである。 また、観念においては、本件商標と引用商標は、共に特定の観念を有しないものであることから比較することができない。 してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができず、外観及び称呼において相紛れるおそれのない商標であることから、その外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両商標は、非類似の商標というのが相当である。 エ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「化粧品,せっけん類,香料」とは、同一又は類似の商品である。 オ 小括 上記のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)申立人の主張について 申立人は、本件商標からは、「アスハダ」の称呼を生じ、また、本件商標の付された商品の販売においても「アスハダ」の名称で販売されている旨主張している。 しかしながら、特定の読みをもって親しまれた語とはいえない欧文字に接した場合に、取引者、需要者は、そのままローマ字読みを参考として称呼することも少なくないこと、そして、ローマ字(ヘボン式)では、「A」は「ア」と発音し、「SHA」は「シャ」と発音することからすれば、本件商標「ASHADA」の文字から生じる自然な称呼は、「アシャダ」であると判断するのが相当である。 また、申立人の提出に係る証拠(甲4)によれば、Amazonのウェブサイトにおいて化粧品に「ASHADA」の文字と「アスハダ」の文字が並べて表示されていることが認められるが、上記実情は、実際に使用をされている商標の具体的態様であって、特殊的・限定的な取引の実情というべきものであり、商標の類否判断において考慮される一般的・恒常的な取引の実情とはいえないことから、その実情によって、上記判断が左右されるものではない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定によって、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標 別掲2 引用商標(色彩は、原本参照。) |
異議決定日 | 2019-12-26 |
出願番号 | 商願2018-1441(T2018-1441) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W03)
T 1 651・ 263- Y (W03) T 1 651・ 262- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 旦 克昌 |
特許庁審判長 |
金子 尚人 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 有水 玲子 |
登録日 | 2018-12-28 |
登録番号 | 商標登録第6109743号(T6109743) |
権利者 | 株式会社RAVIPA |
商標の称呼 | アシャダ、アスハダ |
代理人 | 原田 貴史 |
代理人 | 牧村 拓樹 |
代理人 | 水野 憲幸 |