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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W08
審判 全部申立て  登録を維持 W08
審判 全部申立て  登録を維持 W08
管理番号 1357902 
異議申立番号 異議2019-900169 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2020-01-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-06-11 
確定日 2019-12-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第6136022号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第6136022号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6136022号商標(以下「本件商標」という。)は,「Venus Light」の文字を標準文字で表してなり,平成30年7月9日に登録出願,第8類「電気式脱毛器」を指定商品として,同31年3月11日に登録査定され,同年4月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は,以下のとおりである。
(1)登録第4381727号商標(以下「引用商標1」という。)は,「VENUS」の文字を標準文字で表してなり,平成11年4月16日に登録出願,第8類「かみそり刃,その他のかみそり」を指定商品として,同12年5月12日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4537588号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成12年11月30日に登録出願,第8類「かみそりの刃,その他のかみそり,その他の手動利器」を指定商品として,同14年1月18日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである
(3)登録第952807号商標(以下「引用商標3」という。)は,「VENUS」の文字を横書きしてなり,昭和44年11月13日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同47年3月7日に設定登録され,その後,平成14年7月31日に第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」並びに第7類及び第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。さらに,同24年2月21日に指定商品を第7類及び第9類とする,商標権の存続期間の更新登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
(4)登録第4742868号商標(以下「引用商標4」という。)は,「ヴィーナス」及び「VENUS」の各文字を上下二段に横書きしてなり,平成15年3月25日に登録出願,第9類「アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,鉄道用信号機,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同16年1月23日に設定登録され,その商標権は現に有効に存続しているものである。
(5)登録第1460733号商標(以下「引用商標5」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和52年10月7日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同56年4月30日に設定登録され,その後,平成14年4月3日に第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品とする書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標1及び引用商標2との類否
本件商標は,「Venus Light」の欧文字を標準文字で書してなるものである。他方,引用商標1は欧文字「VENUS」を標準文字で表してなり,引用商標2は欧文字「Venus」をスタイル化した文字からなるものである。
本件商標に係る指定商品「電気式脱毛器」は,光(ライト)により脱毛を行う器具であるところ,本件商標のうち「Light」の語は,商品が光脱毛を行う器具であることを記述的に表現するものであり,商品の内容を説明する語であることから極めて識別力が弱く,本件商標の前半「Venus」の部分が出所識別標識として強く機能するものである。
そうすると,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,いずれも「Venus(VENUS)」の文字からなる商標であるから,類似する商標である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標1及び引用商標2の指定商品との類否
本件商標に係る指定商品「電気式脱毛器」は,引用商標1及び引用商標2に係る指定商品「かみそり」と同じく除毛用途で使用される商品であり,需要者を共通とすることから類似商品である。
(3)本件商標と引用商標3ないし引用商標5との類否
本件商標に係る指定商品「電気式脱毛器」と引用商標3ないし引用商標5に係る指定商品「電気式ヘアカーラー」は,明らかに類似するものであり,かつ,引用商標3ないし引用商標5からは「ビーナス」の称呼が生じるから,本件商標と引用商標3ないし引用商標5とが類似することも明らかである。
(4)まとめ
以上により,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は,「Venus Light」の文字を標準文字で表してなるところ,これは全体として成語を構成するものではないが,その構成中「Venus」の文字は「ヴィーナス。ローマ神話で菜園の守護女神。のち,ギリシア神話のアフロディテと同一視され,美と愛の女神。金星。」等の意味を,「Light」の文字は「光。照明。軽いさま。手軽なさま。」等の意味をそれぞれ有する文字(参照:「広辞苑 第六版」岩波書店)であるから,本件商標全体としては,それら構成文字の語義を組み合わせた「女神の光」程度の意味合いを想起させるものといえる。
そして,本件商標は,その構成各文字が外観上まとまりよく一体に表されており,その構成文字に相応して,「ヴィーナスライト」の称呼が生じるところ,これは全8音と冗長というほどのものではなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。
また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定商品を取り扱う業界において,「Light」の文字が,商品の具体的な品質等を表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず,さらに,本願商標に接する取引者,需要者が,当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
さらに、本願商標の構成中「Venus」の文字部分のみが取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。
そうすると,本件商標は,その構成中の「Venus」の文字部分だけを引用商標と比較して,本件商標と引用商標の類否を判断することは許されないというべきであって,一体不可分というべきものであるから,その構成文字全体に相応した「ヴィーナスライト」の称呼及び「女神の光」程の観念が生じる。
イ 引用商標1について
引用商標1は,「VENUS」の文字を標準文字で表してなるから,その構成文字に相応して「ヴィーナス」の称呼及び上記アのとおり「女神」程の観念を生じるものである。
ウ 引用商標2について
引用商標2は,別掲1のとおりの構成からなるところ,これは,「Venus」の文字のうち,「V」の文字をややデザイン化したものと把握することができるものであり,その構成文字に相応して「ヴィーナス」の称呼及び上記アのとおり「女神」程の観念を生じるものである。
エ 引用商標3について
引用商標3は,「VENUS」の文字を横書きしてなるから,その構成文字に相応して「ヴィーナス」の称呼及び上記アのとおり「女神」程の観念を生じるものである。
オ 引用商標4について
引用商標4は,「ヴィーナス」及び「VENUS」の各文字を上下二段に横書きしてなり,上段の片仮名は,下段の欧文字の読みを表したものと無理なく把握させるものであるから,その構成文字に相応して,「ヴィーナス」の称呼及び上記アのとおり「女神」程の観念を生じるものである。
カ 引用商標5について
引用商標5は,別掲2のとおりの構成からなるところ,これは,フランス共和国の首都パリに所在するルーヴル美術館に所蔵され世界的に有名な「ミロのヴィーナス」の像を表するものであり,これよりは,「ミロノヴィーナス」の称呼及び「ミロのヴィーナス」の観念を生じるものである。
キ 本件商標と引用商標との類否
(ア)本件商標と引用商標との類否について検討すると,これらは,外観においては,それぞれ上記アないしカのとおりの構成からなるものであって,それぞれの構成態様において,明らかに相違するものであるから見誤るおそれはなく,外観上,明確に区別し得るものである。
(イ)称呼においては,本件商標から生じる「ヴィーナスライト」の称呼と,引用商標1ないし引用商標4から生じる「ヴィーナス」の称呼とは,語尾の「ライト」の音の有無に差異があることから,これら差異音及び音数の相違により,互いに聴別できるものである。
また,本件商標から生じる「ヴィーナスライト」の称呼と,引用商標5から生じる「ミロノヴィーナス」の称呼とは,明確な差異を有するものであるから,互いに聴別できるものである。
(ウ)観念においては,本件商標からは「女神の光」程の観念が生じるのに対し,引用商標1ないし引用商標4からは「女神」の観念,又は引用商標5から生じる「ミロのヴィーナス」の観念が生じるから,両者の観念も明らかに相違する。
(エ)以上を総合して考察すれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないものであるから,十分に区別することができる非類似の商標というべきである。
ク 小括
以上のとおり,本件商標は,引用商標とは類似する商標ではないから,その指定商品を比較するまでもなく,商標法第4条第1項第11号には該当しない。
(2)申立人の主張について
申立人は,本件商標に係る指定商品「電気式脱毛器」は光(ライト)により脱毛を行う器具であるところ,本件商標のうち「Light」の語は商品が光脱毛を行う器具であることを記述的に表現するものであり,商品の内容を説明する語であることから極めて識別力が弱く,本件商標の前半「Venus」の部分が出所識別標識として強く機能するものである旨主張する。
しかしながら,本件商標に係る指定商品「電気式脱毛器」には光を用いて脱毛を行う商品が存在するものとしても,光を用いた商品について「Light(ライト)」の語が必ずしも,商品の品質等を表すものとはいいえない。しかも,本願の指定商品を取り扱う業界において,当該文字が商品の品質等を表示するものとして認識されるというべき証拠はない。
したがって,申立人の上記主張は,採用できない。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 引用商標2



別掲2 引用商標5


異議決定日 2019-11-27 
出願番号 商願2018-88688(T2018-88688) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W08)
T 1 651・ 261- Y (W08)
T 1 651・ 263- Y (W08)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 裕子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 大森 友子
山根 まり子
登録日 2019-04-05 
登録番号 商標登録第6136022号(T6136022) 
権利者 株式会社美伸
商標の称呼 ビーナスライト、ビーナス、ライト 
代理人 高田 泰彦 
代理人 砂山 麗 
代理人 永井 浩之 
代理人 柏 延之 
代理人 中村 行孝 
代理人 宮嶋 学 
代理人 朝倉 悟 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 本宮 照久 
代理人 副田 圭介 

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