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審決分類 審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W09
管理番号 1357875 
審判番号 無効2019-890034 
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2019-06-13 
確定日 2019-12-05 
事件の表示 上記当事者間の登録第5677364号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第5677364号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5677364号商標(以下「本件商標」という。)は,「OKTAL」の文字を標準文字で表してなり,平成26年1月29日に登録出願,第9類「通信用ソフトウェアを搭載したデコーダ,電気通信機械器具,コンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」を指定商品として,同年5月13日に登録査定,同年6月13日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 無効事由
本件商標は,商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから,その商標登録は,同法第46条第1項第1号により,無効にすべきものである。
2 無効原因
(1)請求人であるオクタル(原語表記「OKTAL」,住所 2 Rue Boudeville Immeuble Aurelien 2(「2」はローマ数字) 31100 Toulouse, France)は,1989年(平成元年)1月にフランスの法律に基づいて設立された会社であり,設立時から継続してその商号は「OKTAL」である(甲5,甲6)。
したがって,本件商標は,他人の名称に該当する。
(2)被請求人は,本件商標について商標登録を受けることについて請求人の承諾を得ず,請求人に無断で本件商標の商標登録出願を行った。
3 結論
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当し,同法第46条第1項第1号により,その登録を無効にすべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は,本件審判の請求に対し何ら答弁していない。

第4 当審の判断
1 本件商標の商標法第4条第1項第8号該当性
(1)本件商標は,「OKTAL」の文字よりなるところ,これが他人の名称を含む商標に該当するか否かについて検討するに際し,他人の名称が外国法人の名称である場合には,以下のとおり判示されている。
(2)商標法4条1項8号所定の他人の名称とは,当該他人が外国の会社である場合には,当該国の法令の規定に則って付されたその正式な名称をいい,当該国の法令において,株式会社等の組織形態を含まないものが法令上の正式名称とされているときは,これを含まないものが同号所定の他人の名称に当たると解するのが相当である。なぜならば,他人の名称を含む商標について登録を受けることができないと規定する同号の趣旨は,当該他人の人格権を保護するという点にあるところ,同号が他人の名称については著名性を要するものとしていないのに対し,他人の略称についてはこれを要するものとしているのは,略称については,これを使用する者がある程度恣意的に選択する余地があるためであると解されるから,このこととの対比において,著名性を要せずに同号該当性が認められる他人の名称とは,使用する者が恣意的に選択する余地のない名称,すなわち,法令上の正式名称であるというべきであり,以上の理は,当該他人が法人,ひいては外国の会社であっても異なるところはないからである。また,法令上の正式名称は,人格権保護のために最も重要であるから,略称等と異なり著名性を要件としていないということもできる(東京高裁平成12年(行ケ)257号,平成13年7月18日判決)。
(3)「トゥールーズ商業裁判所書記課」が作成し,2019年(平成31年)4月7日付けで更新した請求人に係る「Kbis抄本 商業・会社登録簿(RCS)の主要登録抄本」(甲5)には,「法人情報」の見出しの下,「登録日」の項に「1989年1月27日」,「会社名または商号」の項に「OKTAL」,「法的形態」の項に「単純型株式会社」,及び「法人期間」の項に「2088年1月27日まで」の記載がある。
そして,「トゥールーズ商業裁判所書記課」が作成し,2019年(平成31年)6月11日に更新した上記請求人に係る商標・会社登録簿(RCS)の修正事項履歴には,請求人の名称(会社名または商号)が変更されたとする記載は認められない(甲6)。
(4)以上からすると,1989年(平成元年)にフランスの法律に基づいて設立された請求人(フランスのトゥールーズ所在)の正式名称は,「OKTAL」と認められるものであり,このことは,本件商標の登録出願時及び登録査定時においても同様であったと認められる。
そうすると,請求人の法令上の正式名称と同一と認め得る「OKTAL」を表記してなる本件商標は,商標法第4条第1項第8号に規定する他人の名称に該当するというべきであり,かつ,その他人の承諾を得ているものとは認められない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。
2 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効とすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2019-10-04 
結審通知日 2019-10-08 
審決日 2019-10-21 
出願番号 商願2014-5937(T2014-5937) 
審決分類 T 1 11・ 23- Z (W09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 榎本 政実
特許庁審判官 浜岸 愛
早川 文宏
登録日 2014-06-13 
登録番号 商標登録第5677364号(T5677364) 
商標の称呼 オクタル 
代理人 ▲吉▼川 俊雄 

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