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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W0305
管理番号 1357025 
審判番号 不服2018-8637 
総通号数 240 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-25 
確定日 2019-11-07 
事件の表示 商願2017-26463拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「さっぱり清浄」の文字を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用綿棒,化粧用脱脂綿」及び第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,尿吸収用パッド,おりものシート,脱脂綿,綿棒,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,失禁用パンツ,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、平成29年3月2日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「さっぱり清浄」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「さっぱり」の文字は「汚れや余分なものがなくて清潔でさわやかなさま。」の意味を、「清浄」の文字は「清らかで汚れのないこと。」の意味をそれぞれ有するため、構成全体としては「清潔で汚れがない」程の意味合いを容易に認識させる。
また、本願商標に係る指定商品を取り扱う業界において、使用することで肌の汚れを落として清潔にする商品が販売されており、商品の説明に「さっぱり」又は「清浄」の文字が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品中、「清潔で汚れがない状態にする商品」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、商品の品質・効能を表示したものとして認識するにとどまり、本願商標は、単にその商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、「さっぱり」及び「清浄」の語を、せっけん類や化粧品、衛生用品等との関係において、商品の品質(機能)又は効能を表示するために使用する事例(別掲)を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項に基づき、請求人に対して、その結果を通知し(令和元年6月26日付け証拠調べ通知書)、意見を求めた。

4 証拠調べに対する請求人の意見の要点
(1)別掲の事例は、市場に出回ることを前提にしていない試供品や、「さっぱり清浄」の表現を独立した形で使用していない商品が含まれているから、本願商標の指定商品の分野において、当該語が一般的に使用されていることの根拠にはなり得ない。
(2)本願商標は、「さっぱり清浄」との表現を単体で使用し、対象を具体的に特定しないことで、その意味内容を多義的かつ曖昧にしているもので、特異性のある商標である。

5 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本願商標は「さっぱり清浄」の文字を標準文字で表してなるところ、「さっぱり」及び「清浄」の文字はそれぞれ「汚れや余分なものがなく清潔でさわやかなさま」及び「清らかで汚れがないこと」の意味を有するものであり(参照:「広辞苑 第6版」岩波書店)、両語を結合して特定の意味を有する成語となるものではないが、いずれの語義も容易に理解され、互いに似通った意味を有する語であることもあって、全体として「清潔で汚れのないさま」程度の意味合いを認識させる。
イ せっけん類や化粧品、衛生用品等の分野においては、別掲のとおり、「さっぱり」及び「清浄」の語又はそれらを結合した語が、例えば、「さっぱり清浄」、「さっぱりすっきり清浄」、「すっきり&さっぱり清浄」、「お口をさっぱり清浄」、「さっぱりと清浄」、「肌をさっぱり清浄」等のように、商品の品質(機能)又は効能を表示するために取引上一般に使用されている実情がある。
ウ 以上を踏まえると、本願商標は、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、「清潔で汚れのないさま」を実現するという商品の品質(機能)又は効能を表示する標章であると認識、理解させるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものではない。
したがって、本願商標は、その指定商品との関係において、単に商品の品質(機能)又は効能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は「さっぱり」と「清浄」の2語を、本来の日本語の用法とは異なる用法で結合したもので、請求人が創作した造語として認識されるものだから、特定の意味合いが一義的に想起されるものではなく、また、本願商標は「さっぱり清浄」の表現を単体で使用し、対象物を具体的に特定しないことで、その意味内容を多義的かつ曖昧にしているものである旨を主張する。
しかしながら、本願商標を構成する「さっぱり」及び「清浄」の語は、上記(1)アのとおり、いずれの語義も容易に理解され、さらに、上記(1)イのとおり、その指定商品に係る分野において、商品の品質表示等として取引上一般に使用されている実情があることをも踏まえると、本願商標全体として漠然とした意味、あるいは特定の意味を有さない造語というよりは、「清潔で汚れのないさま」程度の意味を容易に認識させるものであるから、その主張は採択できない。
イ 請求人は、本願商標の指定商品と関連して、「さっぱり清浄」の語が、独立した形で、商品の品質等を表示する語として一般的に使用されていない旨を主張する。
しかしながら、上記(1)イのとおり、「さっぱり清浄」の記述を含む「さっぱり」及び「清浄」を結合した語が、商品の品質(機能)又は効能等を表示する表現として取引上慣用的に使用されている実情があることを鑑みても、本願商標のような構成であれば、それに接する需要者及び取引者をして、(1)ウのとおり、「清潔で汚れのないさま」を実現するという商品の品質(機能)又は効能を表示する標章であると認識、理解させるというべきであるから、その主張は採択できない。
ウ 請求人は、過去の審決例及び商標登録例を挙げ、本願商標も同様の判断を行うべきである旨を主張する。
しかしながら、請求人の挙げる審決例及び商標登録例は、本願商標とは商標の構成において相違し事案を異にするものであるばかりか、商標の識別性は各事案における状況を踏まえて、個別具体的に検討、判断すべきであるから、その主張は採択できない。
(3)まとめ
本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するため、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
「さっぱり」及び「清浄」の語を、せっけん類や化粧品、衛生用品等との関係において、商品の品質(機能)又は効能を表示するために使用する事例
(1)「Rakutenラクマ」のウェブサイトにおいて、「コラージュフルフル泡石鹸」の商品紹介の項に、「体のカビとニオイを洗って」、「さっぱり清浄」の文字を表示したボトルの写真が掲載されている。
https://item.fril.jp/821f0582bae57e5947f3bd7358498af2
(2)「株式会社ニッド」のウェブサイトにおいて、「炭シャンプー 詰替 500ml」の商品紹介の項に、「・・・古い角質をさっぱりすっきり清浄し・・・」の記載がある。
http://pb.nidrug.co.jp/goods/sku/?productId=561396
(3)「ミヤタッチ」のウェブサイトにおいて、「ヒルコス Ajn Clearno-クリアーノ-100ml【まつ毛、眉毛エクステノンアルコール施術前処理剤】」の商品紹介の項に、「洗顔後のお肌をサッとひと拭き すっきり&サッパリ清浄」の記載がある。
https://www.miyatouch.com/products/detail.php?product_id=3361
(4)「ホワイトガールプロジェクト」のウェブサイトにおいて、薬用歯ミガキ「MEDICAL SHINE Mint」の商品紹介の項に、「・・・爽やかなミントフレーバーでお口をさっぱり清浄し・・・」の記載がある。
http://www.whitegirl-pro.com/medicalshine/lineup.html
(5)「NATURE‘S WAY」のウェブサイトにおいて、「ヴェレダ マウスウォッシュ」の商品紹介の項に、「さっぱりと清浄にし、息も爽やかに。」の記載がある。
https://naturesway.jp/shop/g/g12071210/
(6)「@cosme」のウェブサイトにおいて、「PEACH JOHN(ピーチ・ジョン)」の「アムール キス マウスウォッシュ」の商品紹介の項に、「うるおいを与えながら、さっぱり清浄。」の記載がある。
https://www.cosme.net/product/product_id/10157828/top
(7)「rocce」のウェブサイトにおいて、入浴剤「あんかけ湯 白檀」の商品紹介の項に、「炭(吸着・清浄成分)が、肌をさっぱり清浄にし・・・」の記載がある。
https://www.rocce.jp/item/029-00481-005-001.html
(8)「日刊工業新聞」(2007年3月26日付け)において、「月桂冠/日本酒配合入浴剤に新アイテム」の見出しの下、「肌をさっぱり清浄するので・・・」の記載がある。



審理終結日 2019-09-03 
結審通知日 2019-09-10 
審決日 2019-09-25 
出願番号 商願2017-26463(T2017-26463) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W0305)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤藤 ことは和田 恵美 
特許庁審判長 岩崎 安子
特許庁審判官 小田 昌子
阿曾 裕樹
商標の称呼 サッパリセージョー、サッパリ、セージョー 
代理人 山田 威一郎 

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