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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W09163536414245 審判 全部申立て 登録を維持 W09163536414245 審判 全部申立て 登録を維持 W09163536414245 審判 全部申立て 登録を維持 W09163536414245 |
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管理番号 | 1356250 |
異議申立番号 | 異議2018-900298 |
総通号数 | 239 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-11-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-10-15 |
確定日 | 2019-09-27 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6062812号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6062812号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6062812号商標(以下「本件商標」という。)は、「IPOC」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年9月6日に登録出願、別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同30年5月28日に登録査定、同年7月20日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、次のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 引用商標 (1)登録第4486269号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:i?Pod(標準文字) 登録出願日:平成12年6月15日 設定登録日:平成13年6月29日 更新登録日:平成23年2月1日 指定商品 :第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」 (2)登録第4604351号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:iPod 登録出願日:平成13年10月23日 設定登録日:平成14年9月13日 更新登録日:平成24年6月26日 指定商品 :第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」 (3)登録第4943584号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:IPOD(標準文字) 登録出願日:平成17年1月28日 優先権主張:域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠) 2004年(平成16年)7月28日 設定登録日:平成18年4月7日 更新登録日:平成28年4月12日 指定商品及び指定役務:第16類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 (4)登録第4985277号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:IPOD(標準文字) 登録出願日:平成17年1月28日 優先権主張:域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠) 2004年(平成16年)7月28日 設定登録日:平成18年9月8日 更新登録日:平成28年6月7日 指定役務:第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務 (5)登録第5106892号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:iPod(標準文字) 登録出願日:平成18年9月29日 優先権主張:香港 2006年(平成18年)4月3日 設定登録日:平成20年1月25日 更新登録日:平成30年2月6日 指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第28類、第35類、第38類、第40類ないし第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 (6)登録第5211658号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:アイポッド(標準文字) 登録出願日:平成20年10月9日 設定登録日:平成21年3月6日 更新登録日:平成31年2月12日 指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 (7)登録第5899656号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:iPod 登録出願日:平成28年6月13日 設定登録日:平成28年11月25日 指定商品:第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 (8)国際登録第839467号商標(以下「引用商標8」という。) 商標の構成:IPOD 国際商標登録出願日(事後指定):2017年(平成29年)6月2日 設定登録日:平成30年2月23日 指定商品:第9類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品 2 申立人が、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、「iMac」、「iPhone」、「iPod」、「iPad」等の語頭に「i」の文字を有する申立人の業務に係る商標である(以下、まとめて「iシリーズ商標」という。)。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)商標の類似性について 申立人は、「iシリーズ商標」を多数使用しており、「iPhone」「iPod」「iPad」「iTunes」「iOS」をはじめとしてそれらは周知著名となっている。その中でも本件商標は、著名商標「iPod」「IPOD」と外観及び称呼において類似する。 上記のうち「iOS」の商標は、その構成中「OS」の文字部分が「オペレーティングシステム(OperatingSystem)」の略称であり、「世界40カ国、主要OS・機種シェア状況」(甲4)等の当該語の使用実態と照らしても、かなり一般的に用いられ、かつ、その意味で理解されている。 そうすると、基本的には既成語との結合が多いものの、略称との結合パターンについても需要者にとって馴染みのあるものといえる。 本件商標は、「IPOC」は会社名の略称であり、アドレスのようにすべてを小文字で「ipoc」と表す使用が多く想定される。「POC」部分は小文字にしてもその形に変更がなく、「iPOC」や「iPoc」の使用態様も想定されるところ、申立人における略称との結合パターンからすると、「申立人ないしその製品又はサービスを用いたProof of Concept」と理解され得る。 特に、申立人のコンピュータ関連の商品及び役務に関する著名性や、iシリーズ商標の浸透状況においては、本件商標にかかる指定商品及び指定役務のうち、少なくとも、第9類「コンピュータソフトウェア,データベース管理用コンピュークソフトウエア,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのデータベースの設計及び開発,技術者と投資家とをマッチングさせるためのデータペースの設計及び開発,データベースの設計及び開発,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守、技術者と投資家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,技術者と投資家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,コンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,コンピューターソフトウェアの貸与,データベースの保存用記憶領域の貸与,電子計算機又はそのプログラムの性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの提供,技術者と投資家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの提供,技術者と投資家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの提供,データベース管理用のコンピューターソフトウェアの提供」に関して、申立人の商品又は役務であると誤認されるおそれがあるといえる。 さらに、申立人の「iシリーズ商標」との関係では、本件商標の語頭が欧文字の「I」で始まっており、上記の指定商品・役務に使用した場合、申立人の「iシリーズ商標」の一つと認識される。 (2)iシリーズ商標の周知性について 申立人の「iPod」を含む「iシリーズ商標」は周知著名である。 (3)iシリーズ商標の造語性及び構成上顕著な特徴について iシリーズ商標の構成は、「i」を冠し普通名称を加えた商標であるが、全体としては造語となっており、その構成上「i」を特徴とするものである。 (4)申立人の多角経営の可能性について 申立人は、主としてコンピュータ分野を取り扱う企業であり、ハードウェア等を製造販売するが、アプリケーションや音楽配信サービスも行っており、本社では、コンピュータ関連製品の他、マグカップやTシャツ、文房具等が販売されている(甲28)。 (5)商品及び役務の関連性について 本件商標のうち、上記に抽出した指定商品及び指定役務については、コンピュータ分野に含まれるものであり、関連性があることは十分に認められる。 (6)需要者の共通性等について 上記のとおり、両者は特にコンピュータの分野において関連性が認められるため、需要者の共通性は当然に認められる。また、そのコンピュータ分野は、申立人の主力製品及びサービスにかかるものである。 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、引用商標と称呼及び外観において類似し、かつ、指定商品及び指定役務も同一又は類似するものである(甲29)。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 「iシリーズ商標」の周知著名性について (1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。 ア 米国カリフォルニア州に本社を置く申立人は、パーソナルコンピュータ「iMac」、スマートフォン「iPhone」、デジタルオーディオプレーヤー「iPod」、タブレット型コンピュータ「iPad」、音楽・映像配信サービス「iTunes」、写真やビデオ等を保存するサービス「iCloud」等を提供する米国の法人である。 イ 申立人は、2018年5月24日付けの「Forbes Japan」のインターネット上の記事において、「世界で最も価値あるブランド」ランキングで首位を獲得し、当該ランキングにおいては、8年連続で首位の座を維持している(甲2の1)。 ウ 2018年9月27日付けの「アウンコンサルティング株式会社」のプレスリリースにおいて、2017年7月から2018年7月までのモバイルにおける主要OS、主要機種の平均シェア状況がまとめられ、iPhoneのOSである「iOS」のシェアは、我が国においては7割近い旨記載されている(甲4)。 エ 「株式会社ICT総研」のウェブサイトには、タブレット端末市場に関する調査結果として、「iPad」の出荷台数シェアは、2012年度に53%、2016年度に39.6%と低下するも、所有率は、以前トップであり、顧客満足度も1位で78.8%である旨記載されている(甲5)。 オ 2007年4月10日付けの申立人のプレスリリース及びマイナビニュースには、「iPod」の累計販売台数が1億台を突破し、ミュージックプレーヤーとして歴史上最速のペースでの販売実績である旨(甲11、甲12)、2014年10月30日付けの「ZDNet Japan」のウェブサイトには、「『iPod』を2001年発売以降、4億台以上を販売した。2007年に発売された『iPhone』はiPodの記録を上回り、これまでに5億台以上の販売台数を記録している。」旨記載されている(甲13)。 カ 「新経済サミット2015」のウェブサイトには、iPS細胞の研究で2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授は「iPS細胞の『i』を小文字にした理由は、当時iPodが流行っていたから」と語った旨記載されている(甲20)。 (2)判断 申立人は、「iシリーズ商標」が、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして認識されるものである旨主張しているところ、前記(1)によれば、申立人は、スマートフォン「iPhone」、デジタルオーディオプレーヤー「iPod」、タブレット型コンピュータ「iPad」等を製造販売する米国の法人として知られており、我が国において、特に「iOS」やスマートフォン「iPhone」について高いシェアを有し、デジタルオーディオプレーヤー「iPod」、タブレット型コンピュータ「iPad」の販売台数や出荷台数シェアからすると、「iOS」、「iPhone」、「iPod」、「iPad」等の商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に一定程度知られていることがうかがわれる。 しかしながら、これらの商標は、それぞれ個別の商標として周知性が認められるものの、これらの文字構成に着目し、一文字目が小文字の「i」で、二文字目が大文字からなる構成の商標を「iシリーズ商標」と定義し、該構成からなるものが、すべて「iシリーズ商標」として広く認識されているとする具体例を示した上での「iシリーズ商標」の周知著名性について、申立人は、主張、立証していない。 また、インターネット辞書Wikipediaの「小文字のi」の項(甲21)には、申立人製品の記載とともに、他社の「iRobot」、「iCarly」、「i‐revo」等の記載もある。 してみれば、一文字目が小文字の「i」で、二文字目が大文字からなる構成の商標がすべて申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、需要者の間に一定程度知られているということはできない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)「iシリーズ商標」の周知著名性について 前記1(2)のとおり、「iシリーズ商標」のうち、「iPhone」、「iPod」、「iPad」等の商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に一定程度知られていることがうかがわれる。 しかしながら、これらの商標は、それぞれ個別の商標として周知性が認められるとしても、「iシリーズ商標」という観点における周知性を認めることはできない。 (2)本件商標と「iシリーズ商標」との類似性の程度について 本件商標は、前記1のとおり、「IPOC」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、各文字の大きさ及び書体は同一であって、その全体が等間隔にまとまりよく表されているものである。 そして、本件商標は、「iシリーズ商標」として申立人が例示している「iPhone」、「iPad」、「iPod」等の商標とは明らかに相異し、「一文字目が小文字の『i』、二文字目を大文字とする態様」ではないから、申立人の主張する「iシリーズ商標」の定義とも合致せず、「iシリーズ商標」と定義される構成からなるものを想定して比較してみても明らかに相異することから、類似性の程度は低いといえる。 (3)商品及び役務の関連性、需要者の共通性について iシリーズ商標の中で需要者の間に一定程度知られているスマートフォン、タブレット型コンピュータ等の商品(以下「申立人商品」という。)と本件商標の指定商品及び指定役務とを比較してみると、電子応用機械器具及び電気通信機械器具類には、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、デジタルオーディオプレーヤーが含まれているから、これらの商品の分野は、その生産・販売部門を同一にし、取扱業者が一致する等の関連性を有するものであり、その取引者、需要者を共通にするものといえる。 しかしながら、本件商標の指定商品及び指定役務は、別掲のとおり、第9類、第16類、第35類、第36類、第41類、第42類及び第45類に属する広範な商品及び役務であって、コンピュータ関連以外の商品及び役務を含むものであるから、これらに関する商品及び役務の分野は、申立人商品と関連性を有するものとはいえない。 (4)申立人の多角経営の可能性について 申立人は、マグカップやTシャツ、文房具を販売している(甲28)として、多角経営の可能性を主張しているが、かかる証拠をもって、コンピュータ関連、音楽配信関連以外の商品及び役務についての多角経営の可能性があるとはいえない。 (5)出所の混同のおそれについて 上記(1)ないし(4)によれば、「iPhone」、「iPad」、「iPod」等の商標は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、デジタルオーディオプレーヤー等の商品との関係において周知著名性を有し、本件商標の指定商品中の一部の商品と申立人商品の取引者、需要者が共通する場合があるとしても、本件商標は、「iシリーズ商標」として申立人が例示している「iPhone」、「iPad」、「iPod」等の商標とは明らかに相異し、「iシリーズ商標」と定義される構成からなるものを想定して比較してみても明らかに相異することから、両者の類似性の程度は低いといえる。 そして、本件商標の指定商品及び指定役務は、広範な範囲のものであって、申立人の提出に係る証拠において、コンピュータ関連、音楽配信関連以外の分野についての多角経営の可能性があるともいえない。 してみれば、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、iシリーズ商標を想起、連想して、当該商品及び役務を申立人の業務に係る商品及び役務、あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。 (6)小括 したがって、本件商標は、「iシリーズ商標」との関係において、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、上記第1のとおり、「IPOC」の欧文字よりなり、構成各文字の大きさ及び書体は同一であって、その全体が等間隔にまとまりよく表されているものである。 そして、観念については、該文字は、辞書等に掲載されていない文字であって、特定の意味合いを有しない造語というべきであり、その構成文字に相応して生ずる「アイポック」の称呼も、促音を含めて5音と冗長なものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 (2)引用商標について 上記第2の1のとおり、引用商標1は「i?Pod」、引用商標2、引用商標5及び引用商標7は「iPod」、引用商標3、引用商標4及び引用商標8は「IPOD」、引用商標6は「アイポッド」の文字からなり、その構成文字に相応して、引用商標のいずれからも「アイポッド」の称呼を生じるものである。 そして、「iPod」(引用商標2、引用商標5及び引用商標7)は、申立人の業務に係るデジタルオーディオプレーヤーを表示するものとして、需要者の間に一定程度知られていることからすれば、これより、「申立人の業務に係るデジタルオーディオプレーヤーのブランド」の観念を生じ、前記「iPod」の文字以外の引用商標「i?pod」(引用商標1)、「IPOD」(引用商標3、引用商標4及び引用商標8)及び「アイポッド」(引用商標6)の構成文字は、辞書等に掲載のない文字であって、特定の意味合いを有しない造語といえるものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について ア 外観について (ア)本件商標は、上記(1)のとおり、欧文字をすべて大文字で表し、引用商標1、引用商標2、引用商標5及び引用商標7は、上記(2)のとおり、語頭に小文字の「i」又は「i?」と、それに続く文字を大文字と小文字で「Pod」と表してなるから、外観上、区別し得るものである。 (イ)本件商標と引用商標3、引用商標4及び引用商標8は、上記(1)及び(2)のとおり、欧文字をすべて大文字で表してなるところ、語尾における「C」と「D」の文字に差異を有し、この差異は、短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、外観上、区別し得るものである。 (ウ)本件商標と引用商標6は、上記(1)及び(2)のとおり、欧文字と片仮名という文字種の相異があるから、両者は、外観上、判然と区別し得るものである。 イ 称呼について 本件商標から生じる「アイポック」の称呼と引用商標から生じる「アイポッド」の称呼は、語尾における「ク」と「ド」の音の差異を有するところ、全体でそれぞれ促音を含めて5音という短い音構成において、当該差異音が及ぼす影響は大きいといえるから、それぞれを称呼した場合、称呼上、互いに聴き誤るおそれはない。 ウ 観念について 本件商標と引用商標1、引用商標3、引用商標4、引用商標6及び引用商標8は、特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 また、引用商標2、引用商標5及び引用商標7は、「申立人の業務に係るデジタルオーディオプレーヤーのブランド」の観念を生じるものであるから、本件商標とは、観念において相紛れるおそれはない。 エ まとめ してみると、本件商標と引用商標1、引用商標3、引用商標4、引用商標6及び引用商標8とが観念において比較することはできないとしても、外観及び称呼において区別し得るものであり、また、本件商標と引用商標2、引用商標5及び引用商標7とは、観念において紛れるおそれはなく、外観、称呼において区別し得るものである。 そうすると、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)小活 以上のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、商品及び役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 本件商標の指定商品及び指定役務 第9類「コンピュータソフトウェア,データベース管理用コンピュータソフトウエア,電気通信機械器具,腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,電子応用機械器具及びその部品,レコード,インターネットを利用して発信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して発信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」 第16類「文房具類,印刷物,写真,写真立て」 第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する事業調査・分析又はこれらに関する情報の提供,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する市場調査・分析又はこれらに関する情報の提供,工業所有権・著作権等の知的所有権の実施に関する経営の診断若しくは事業の管理又はこれらに関する指導・助言,知的財産を活用するための経営の診断・指導・相談・助言,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理・運営・情報の提供,技術及び知的財産に関する市場調査,企業の業務提携・合併・買収の媒介・取次ぎ及び情報の提供,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるための事業の仲介に関する情報の提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるための人材の紹介・あっせんに関する情報の提供,技術者と投資家とをマッチングさせるための事業の仲介に関する情報の提供,技術者と投資家とをマッチングさせるための人材の紹介・あっせんに関する情報の提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるための人材の紹介およびあっせん,技術者と投資家とをマッチングさせるための人材の紹介およびあっせん,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのコンピュータデータベースの構築・管理,技術者と投資家とをマッチングさせるためのコンピュータデータベースの構築・管理,コンピュータデータベースの情報構築,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とのマッチングに関する事業の仲介,技術者と投資家とのマッチングに関する事業の仲介,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する書類の複製,職業のあっせん,工業所有権・著作権等の知的所有権の専門家に関する人材紹介,人材の紹介およびあっせん,業務提携及び企業買収の斡旋又は媒介に関する情報の提供,株式公開・経営の合理化・業務提携・企業買収・労務管理若しくは事務管理等の経営に関する情報の提供」 第36類「工業所有権・著作権等の知的所有権に関する財産的価値の評価,工業所有権・著作権等の知的所有権の財産的価値の評価に関する助言・指導又は情報の提供,知的財産資産の財務評価,知的財産資産の財務評価に関する助言・指導又は情報の提供,工業所有権・著作権等の知的所有権の実施に対する投資,投資,工業所有権・著作権等の知的所有権の実施に対する投資の管理,投資の管理,金融取引,合弁事業買収の分野における投資の管理,合併及び買収に関する金融又は財務に関する助言,金融又は財務に関する助言」 第41類「知的財産権の鑑定に関する知識の教授,知的財産権の鑑定に関する資格試験の実施及び資格の認定,知的財産権の鑑定に関する資格の付与,資格試験の実施及び資格の認定・付与,知的財産権に関する財産的価値の評価方法の教授,コーチング(教育及び訓練),その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,知的財産権の鑑定に関するセミナーの企画・運営又は開催,その他のセミナー・シンポジウム・会議・講演会の企画・運営又は開催,知的財産権の鑑定に関する電子出版物の提供,電子出版物の提供,書籍・電子書籍・雑誌・テキスト・カタログ・パンフレット・ポスターの制作(広告・宣伝・販売に関するものを除く。),知的財産権に関するビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),技術と技術革新の分野における訓練講座の実施及び講座における知識の教授,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」 第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのデータベースの設計及び開発,技術者と投資家とをマッチングさせるためのデータベースの設計及び開発,データベースの設計及び開発,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,技術者と投資家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,技術者と投資家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,インターネットによるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,コンピューターソフトウェアの設計・作成又は保守,コンピューターソフトウェアの貸与,データベースの保存用記憶領域の貸与,電子計算機又はそのプログラムの性能・操作方法等に関する紹介及び説明,コンピューターシステムの分析,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電気に関する試験又は研究,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの提供,技術者と投資家とをマッチングさせるためのデータベースの検索又は管理用のコンピューターソフトウェアの提供,知的所有権に関する事業家と知的所有権の専門家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの提供,技術者と投資家とをマッチングさせるためのコンピューターソフトウェアの提供,データベース管理用のコンピューターソフトウェアの提供」 第45類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,工業所有権に関する外国への手続の代理又は媒介,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する助言又は指導,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する情報の提供,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する技術的価値の評価,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する鑑定,工業所有権・著作権等の知的所有権の管理,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する価値の証明並びに発明・考案・創作等の時期の証明,工業所有権等の知的所有権の先行調査及び分析,工業所有権のライセンスの契約の代理又は媒介,訴訟事件その他に関する法律事務(ただし、弁理士法において弁理士に許容されているものに限る。),著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,技術移転の仲介・斡旋及び工業所有権に関する実施許諾若しくは使用許諾の仲介・斡旋,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する契約の媒介・取次ぎ・代行,工業所有権・著作権等の知的所有権に関する契約の交渉の代行」 |
異議決定日 | 2019-09-19 |
出願番号 | 商願2017-118165(T2017-118165) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W09163536414245)
T 1 651・ 263- Y (W09163536414245) T 1 651・ 262- Y (W09163536414245) T 1 651・ 261- Y (W09163536414245) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 根岸 克弘 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 冨澤 美加 |
登録日 | 2018-07-20 |
登録番号 | 商標登録第6062812号(T6062812) |
権利者 | IPOC株式会社 |
商標の称呼 | アイポック、イポック |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 伊東 忠彦 |
代理人 | 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 |