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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W3541 |
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管理番号 | 1356154 |
審判番号 | 取消2017-300775 |
総通号数 | 239 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-11-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2017-10-13 |
確定日 | 2019-09-30 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5705734号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第5705734号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5705734号商標(以下「本件商標」という。)は、「Fashion TV」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年2月8日に登録出願、第35類「テレビジョンによる広告,その他の広告業」及び第41類「娯楽用テレビ番組の制作又は配給,その他の放送番組の制作又は配給」を指定役務として、同年9月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、平成29年10月31日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成26年10月31日から同29年10月30日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)乙第1号証について 被請求人は、フランス法人「ファッションティーヴィー パリ-フォル エス.エー.アール.エル.(Fashion TV Paris FOL s.a.r.l.)」(以下「フォル社」という。)が、株式会社BRAND SCREEN(以下「ブランド社」という。)に対し、株式会社NTTドコモ(以下「ドコモ社」という。)に放送番組を配給する権利を与えていると主張し、その証拠として乙第1号証を提出している。 しかし、フォル社は、本件商標に係る商標権者ではなく、また、フォル社が本件商標権について通常使用権等を許諾する権原を有することは一切証明されていない。 したがって、乙第1号証に示される、フォル社によるブランド社への「fashiontvの配信」等の行為の許諾は、本件商標権とは全く無関係である。 よって、少なくとも、乙第1号証によっては、ブランド社が本件商標権について通常使用権等を有していたことは証明されていない。 (2)乙第2号証について 被請求人は、ドコモ社が配信する各種コンテンツは全てエイベックス・デジタル株式会社(以下「エイベックス社」という。)が管理しており、ブランド社はエイベックス社との間において「配信サービス向け映像作品供給契約」を締結していると主張し、その証拠として、乙第2号証を提出している。 ドコモ社が携帯電話向けなどに配信する各種コンテンツが、実際にエイベックス社によって管理されているか否かは、請求人の知るところではなく、そのような管理があることについて、被請求人から証拠は提出されていない。 しかしながら、エイベックス社によるコンテンツの管理の存否にかかわらず、上記(1)に述べたとおり、ブランド社が本件商標権について通常使用権等を有していたことは証明されていないのであるから、ブランド社とエイベックス社の間の契約の存在は、本件商標の使用の有無と無関係である。 被請求人は、乙第2号証に記載されたフランス法人「Fashion TV SA」の名称は、フォル社の名称の誤記であると主張する。 しかし、「Fashion TV SA」と「Fashion TV Paris FOL s.a.r.l.」は、その名称を構成する文字のみならず、フランス法上の法人属性も異なるのであるから、両者が同一の法人であるとする被請求人の主張には無理があり、到底正当と認められるものではない。 (3)乙第3号証の1及び乙第3号証の2について 乙第3号証の1及び乙第3号証の2は、単に乙第2号証に示される契約の一方当事者(ブランド社)と関係者(被請求人代理人の担当者)の間の電子メールによる相談内容を示すものにすぎず、これらの電子メールのやり取りのみをもって、乙第2号証に示される契約書面上の「Fashion TV SA」をフォル社と読み替えることは不可能である。 そのような変更が認められるのであれば、あらゆる書面による契約が後日の電子メールのやり取りのみで書き換えられ得ることになるからである。 (4)乙第4号証について 乙第4号証には、被請求人代表者と思われる者の署名があるため、一見、被請求人がブランド社に商標の使用を許諾した証拠になり得るものとも考えられる。 しかしながら、同証の作成日は、本件審判の請求の登録日より後の2017年(平成29年)12月22日であるため、同証の存在は、本件審判の請求の登録前における行為が被請求人によって認められていたことを証明するものではない。 よって、同証は、少なくとも本件審判の請求の登録前における本件商標の使用を直接的又は間接的に証明するものではない。 (5)乙第5号証について 乙第5号証には、ブランド社が本件商標を使用して「提供」していたとも思われる「番組」の内容が紹介されているものの、実際に、同社が、いつ、どのような「番組」を制作・配給したのかについては、同証並びに被請求人が提出する他の証拠によって一切証明されていない。 また、乙第5号証は、その作成日が不明であって、作成日付の証明もされていないため、本件審判の請求の登録前の何らかの事実を証明する証拠とはなり得ない。 さらに、乙第5号証が本件審判の請求の登録前に広告媒体として使用されたことについても、一切証明されていない。 ところで、本件商標の指定役務である第35類「テレビジョンによる広告,その他の広告業」は、顧客からの依頼を受けて広告を行う役務を指すと思われるところ、ブランド社は、自社の宣伝物に本件商標を掲載しているだけで、本件商標を使用して顧客の広告を行っているわけではない。 以上より、乙第5号証は、本件審判の請求の登録前におけるブランド社による本件商標の使用を証明するものではない。 (6)乙第6号証について 乙第6号証は、スマートフォン等の画面のプリントアウトであると思料されるが、当該画面の表示日は不明である。 よって、当該画面が要証期間内に表示されたことは証明されていないため、要証期間内における何らかの事実を証明する証拠とはなり得ない。 (7)乙第7号証について 乙第7号証には、「ファッションティーヴィー(Fashion TV)」と称するケーブルテレビ及びインターネット放送チャンネルの概要が説明されているが、これらが本件商標権の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって制作又は配給されたとの記載は含まれていない。 したがって、乙第7号証は、要証期間内に、本件商標の使用があったことを証明するものではない。 (8)乙第8号証について 乙第8号証は、2010年に、株式会社JFCCにより、上述の「ファッションティーヴィー」を視聴できるアプリが発売されたとのインターネット上の記事のプリントアウトであり、本件審判において問題とされている要証期間内の事実を証明するものではないため、本件審判とは無関係である。 (9)答弁書の提出遅延について 被請求人が提出した答弁書は、指定期間を徒過して提出されたものである。 よって、答弁書の提出手続には瑕疵があり、その内容が考慮されるまでもなく、答弁書の提出自体が却下されるべきである。 (10)結語 以上のとおり、乙第1号証ないし乙第8号証は、いずれも要証期間内における商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による本件商標の使用を証明するものではない。 また、答弁書の記載を参照しても、要証期間内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による本件商標の使用があったことを推認できる事実は存在しない。 具体的には、乙第1号証ないし乙第4号証によっては、本件審判の請求の登録前において、ブランド社が通常実施権者であったことは証明されておらず、フォル社が本件商標の使用を許諾する権原を有していたことも証明されていない。また、乙第5号証及び乙第6号証によっても、本件審判の請求の登録前に、ブランド社が本件商標を使用していたことは証明されていない。 加えて、答弁書は、指定期間内に提出されておらず、答弁書提出について手続上の瑕疵が存在している。 よって、答弁書による反論は成り立たず、本件登録は取り消されるべきである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人は、要証期間内に本件商標がその指定役務について使用されていたことを証明しなければならないが、本件商標権は、前商標権者から現商標権者(被請求人)が譲り受けて、平成27年12月24日に移転登録を完了した。したがって、現商標権者に係る本件商標の使用については、平成27年(2015年)12月24日から平成29年(2017年)10月30日の間に使用された事実を証明する。 本件商標は、要証期間内に「テレビ番組等放送番組の配給」及び「放送番組の制作」について使用された。 2 「テレビ番組等放送番組の配給」及び「放送番組の制作」についての使用 (1)テレビ番組等放送番組の配給 テレビ番組等放送番組の「配給」とは、番組制作会社等により制作された放送番組を、放送業者や番組配信業者に供給する役務を意味しているものと判断する。 現在、テレビ番組を視聴する方法としては、地上波放送や衛星放送により、テレビジョン受像機を介して視聴する方法と、インターネットによるブロードバンド回線を利用して、スマートフォンやタブレットコンピュータにより視聴する方法がある。 (2)本件商標の使用 ア 本件商標は、現在、スマートフォン等に放送番組を配信する業者に対する放送番組の配給について使用されている。 なお、本件商標の使用者は、商標権者から使用許諾を受けた日本法人であり、通常使用権者である。 イ 商標権者は、「Fashion TV」グループに属するドイツ法人である。他方、同グループに属し、他社との契約を担当しているフランス法人が、日本の法人に対して、「Fashion TV」の番組を配給する権利や商標を使用する権利を与えており、当該日本法人が放送番組の配信事業者に対して「Fashion TV」の番組を配給している。 ウ 「Fashion TV」とは、1997年にフランスのミシェル アダム リゾウスキー氏により設立された、世界202力国・地域において視聴可能な、主にファッションに関連した情報を放送するチャンネルの名称である。 「Fashion TV」グループは、同チャンネルを運営している数社から成る企業グループである。 商標権者は、「Fashion TV」グループに属する法人であり、グループが使用する商標等を世界各国で出願・登録し、管理する役割を担っている。 同グループには、ほかに、他社との契約を担当するフランス法人のフォル社が属しており、世界各国において、現地の放送事業者等にテレビ番組を配信し、放送する権利を与えるためのライセンス契約を締結する役割を担っている。 日本においては、フォル社が、ブランド社に対して、ドコモ社に放送番組を配給する権利を与えており(乙1)、ドコモ社が放送番組を配信している。 なお、ドコモ社が配信する放送番組を含む各種コンテンツは、全て、エイベックス社が管理しており、ドコモ社に放送番組やコンテンツを供給する業者は、エイベックス社と契約を締結しなければならず、エイベックス社は、それらをまとめてドコモ社と契約している。 ブランド社は、エイベックス社との間で「配信サービス向け映像作品供給契約」を締結している(乙2)。 ここで、「放送番組の配給」に該当する通常使用権者の実際の行為は、契約書第5条「素材納入」に列挙されているように、作品(放送番組)を指定されたサーバーに納入することをいう。 なお、乙第2号証の第1条において、「仏国法人Fashion TV SA」が番組の提供者と記載されているが、この仏国法人の名称は誤記であり、正しくはフォル社である(乙3の1及び乙3の2)。 フォル社がブランド社に商標の使用を許諾する行為やブランド社が番組を配給する行為は、商標権者により認められている(乙4)。 エ 上述のとおり、通常使用権者であるブランド社は「番組の配給」を行っており、本件商標は、同社の会社案内兼広告媒体において使用されている(乙5)。これは、番組の視聴者向けではなく、番組の配信等に興味がある業者向けに、番組内容の紹介等が行われているものである。 したがって、本件商標は、指定役務の「広告等」において使用されているとみなされるべきである(商標法第2条第3項第8号)。 オ 乙第5号証の「項目4」に記載されているように、ブランド社は、ファッション業界及びその他の企業からの映像制作の依頼を受けて、映像も制作する。ここで、「映像」とは、放送番組を含む広い概念であり、放送番組の制作を行うものである。 したがって、本件商標は、本件指定役務の一部である「放送番組の制作」についての広告にも使用されているといえる(乙5)。 カ 本件商標は、スマートフォン等により「Fashion TV」を視聴する際に、画面上にも表示される(乙6)。 (3)上述の「Fashion TV」については、日本国内でスマートフォン等のモバイル機器による展開も含めて、詳細がウィキペディアに掲載されている(乙7)。 また、ブランド社がドコモ社に放送番組の配給を開始する前から、スマートフォンにおいて「Fashion TV」を視聴することができた(乙8)。 (4)以上、本件商標は、その指定役務中「放送番組の配給」及び「放送番組の制作」について、本件審判の請求の登録前から、商標権者により許諾された通常使用権者により使用されている。 第4 当審の判断 1 被請求人提出の証拠について (1)乙第1号証は、被請求人がフォル社とブランド社間の「条件規定書」であると主張する書面の写しであり、そこには、「許諾者」としてフォル社の名称、「被許諾者」としてブランド社の名称が記載され、ブランド社の代表者の署名の下には、「2016年7月22日」の日付の記載がある。 (2)乙第2号証は、被請求人がブランド社とエイベックス社間の配信サービス向け映像作品供給契約書であると主張する書面の写しであり、その1葉目には、「ブランド社とエイベックス社が、別紙記載の配信サービスにおいてブランド社が現に利用許諾する権利を有する映像作品を利用することに関して、契約を締結する。」旨の記載があり、契約書の末尾には、「2016年6月23日」の日付と共にブランド社及びエイベックス社の住所及び名称の記載並びに押印がある。 しかしながら、当該契約書には「別紙」が添付されていない。 (3)乙第4号証は、被請求人が商標権者の宣誓書であると主張する書面の写しであり、そこには、「フォル社は、商標権者名義で登録された商標の使用について、他社にライセンスを与える権限を与えられていること」、「商標権者は、ブランド社に対して、本件商標をその指定役務について使用すること及び『娯楽用テレビ番組の制作又は配給,その他の放送番組の制作又は配給』についての使用を許可していること」が記載されており、当該宣誓書の署名欄には、「2017年12月22日」の日付の記載がある。 (4)乙第5号証は、被請求人がブランド社の会社案内兼広告媒体と主張する資料の写しであり、「媒体資料(2017年度版)」と記載された資料の写しには、「FASHIONTV」及び「fashiontv」の文字の記載がある(3葉目?12葉目)。 (5)乙第6号証は、被請求人がスマートフォン等の画面と主張するものであり、そこには、「FashionTV配信」及び「docomo」の文字の記載がある。 2 判断 (1)「娯楽用テレビ番組の配給,その他の放送番組の配給」について ア ブランド社とエイベックス社間における放送番組の配給について 前記1(2)のとおり、配信サービス向け映像作品供給契約書(乙2)には、「ブランド社とエイベックス社が、別紙記載の配信サービスにおいてブランド社が現に利用許諾する権利を有する映像作品を利用することに関して、契約を締結する。」旨の記載はあるものの、別紙が添付されていないことから、「配信サービス」の内容が不明であり、要証期間内に、ブランド社がエイベックス社に対し、「放送番組の配給」の役務を提供した事実を確認することはできない。 イ エイベックス社とドコモ社間における放送番組の配給について ドコモ社が配信する放送番組を含む各種コンテンツを、全てエイベックス社が管理していることを示す証拠は提出されておらず、エイベックス社とドコモ社間で放送番組の配給が行われていた事実を示す証拠の提出もない。 また、乙第6号証を含め、提出された証拠からは、要証期間内に、ドコモ社がスマートフォン等で放送番組を配信したという事実について、確認することができない。 ウ ブランド社とドコモ社間における放送番組の配給について 上記ア及びイのとおり、ブランド社とエイベックス社間及びエイベックス社とドコモ社間において、放送番組の配給が行われていた事実を確認することはできないから、ブランド社とドコモ社間で、エイベックス社を経由して、放送番組の配給が行われていたということはできず、また、ブランド社とドコモ社間で、直接、放送番組の配給が行われていた事実を示す証拠の提出もない。 エ 小括 以上からすれば、被請求人が通常使用権者であると主張するブランド社が、要証期間内に、日本国内において、「娯楽用テレビ番組の配給,その他の放送番組の配給」の役務を提供したと認めることはできない。 (2)「娯楽用テレビ番組の制作,その他の放送番組の制作」について 乙第5号証を含め、提出された証拠からは、ブランド社が、いつ、どのような番組を制作したのかについて、確認することはできない。 そうすると、被請求人が通常使用権者であると主張するブランド社が、要証期間内に、日本国内において、「放送番組の制作」の役務を提供したと認めることはできない。 (3)「テレビジョンによる広告,その他の広告業」について 商標法における「役務」とは、他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきものと解される(特許庁編 工業所有権法(産業財産権法)逐条解説)ことから、「テレビジョンによる広告,その他の広告業」は、一般に「広告代理店等が広告主(他人)の委託に基づいて行うサービス」を指すものといえる。 しかしながら、乙第5号証は、ブランド社による自社の事業内容を掲載したものであるから、他人のために行う労務又は便益としての広告媒体とは認められず、かつ、その作成日や頒布方法等も不明である。 そうすると、被請求人が通常使用権者であると主張するブランド社が、要証期間内に、日本国内において、「テレビジョンによる広告,その他の広告業」の役務を提供したと認めることはできない。 (4)被請求人の主張について 被請求人は、「ブランド社は『番組の配給』を行っており、本件商標は、同社の会社案内兼広告媒体において使用されている(乙5)。これは、番組の視聴者向けではなく、番組の配信等に興味がある業者向けに番組内容の紹介等が行われているものであるから、本件商標は指定役務の『広告等』において使用されているとみなされるべきである(商標法第2条第3項第8号)。また、ブランド社は、ファッション業界及びその他の企業からの映像制作の依頼を受けて映像も制作する。ここで、『映像』とは、放送番組を含む広い概念であり、放送番組の制作を行うものであるから、『放送番組の制作』についての広告にも使用されている(乙5)。」旨主張している。 しかしながら、前記(1)及び(2)のとおり、ブランド社が、広告の対象となる「番組の配給」及び「放送番組の制作」の役務を実際に提供した事実は認められないから、乙第5号証を「放送番組の配給」及び「放送番組の制作」についての広告であるとは認められない。 そうすると、乙第5号証をもって、商標法第2条第3項第8号に該当する本件商標の使用ということはできない。 したがって、かかる請求人の主張は採用できない。 (5)小括 そうすると、たとえ、ブランド社が通常使用権者であったとしても、要証期間内に、ブランド社が、本件審判の請求に係る指定役務を実際に提供していたことを確認することができないから、該指定役務のいずれかについて、本件商標を使用したと認めることはできない。 その他、要証期間において、その請求に係る指定役務のいずれかについて、本件商標の使用をしたことを認めるに足りる証拠の提出はない。 3 むすび 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについて本件商標の使用をしていたことを証明したものとは認められない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2019-04-26 |
結審通知日 | 2019-05-08 |
審決日 | 2019-05-23 |
出願番号 | 商願2014-9272(T2014-9272) |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(W3541)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 矢澤 一幸 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
冨澤 美加 鈴木 雅也 |
登録日 | 2014-09-26 |
登録番号 | 商標登録第5705734号(T5705734) |
商標の称呼 | ファッションティービー、ファッションテイブイ、ファッションテレビ、ファッション |
代理人 | 特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所 |
代理人 | 瀬戸 一宏 |