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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W2528
管理番号 1356035 
審判番号 取消2017-300780 
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-10-16 
確定日 2019-08-16 
事件の表示 上記当事者間の登録第5622161号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5622161号商標の「第25類 全指定商品,第28類 運動用具,釣り具」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5622161号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの図形からなり、平成24年12月15日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ナイトキャップ,帽子,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),ウインドサーフィン用シューズ」及び第28類「 スキーワックス,運動用具,釣り具」を指定商品として、同25年10月11日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録(予告登録)は、平成29年10月31日になされたものである。以下、本件審判の請求の登録前3年以内を「要証期間」(平成26年10月31日から同29年10月30日)という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第25類「全指定商品」及び第28類「運動用具,釣り具」(以下「請求に係る商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 平成30年2月21日付け審判事件弁駁書による主張の要点
被請求人は、答弁書にて、本件商標をその指定商品中第28類「運動用具」に属する「スノーボード用締め具(ビンディング)」について使用している旨主張し、乙第1号証ないし乙第10号証(以下、証拠については、「乙1」のように表示する。)を提出しているが、これら書証を検討するもその使用事実は見受けられない。
(1)乙1及び2について
被請求人提出の商品包装箱写真(乙1)及び商品写真(乙2)は、いずれも平成29年12月13日に撮影されたものであり、本件取消審判の予告登録が同29年10月27日になされたものであるから、要証期間に登録商標の使用をしていることを証明していない。また、乙2の商品及びその部品並びに取扱説明書には、いずれも本件商標は付されていない。
(2)乙3について
「スノーボードバインディング取扱説明書」(乙3)には本件商標の記載がなく、また平成28年8月に作成されたことを裏付ける資料もない。したがって、乙3は、被請求人が本件商標を指定商品中の「スノーボード用締め具(ビンディング)」について使用していることを証するものとはならない。
(3)乙4及び5について
「TZY SHENQ ENTERPRISE社が平成28年5月28日付けで発行した注文確認書」(乙4)の「Model No.」欄には、「YELLOWBUS」の文字が記載されているが、該文字は本件商標と同一ではなく、また社会通念上同一と認められる商標ともいえない。また、「第四銀行が発行した平成28年6月22日付け支払完了書」(乙5)にも本件商標の記載は無いので、乙4及び5からは、被請求人が本件商標をその指定商品「スノーボード用締め具(ビンディング)」等に使用していることを証するものとはならない。
(4)乙6ないし8について
『お買い上げ明細書』(乙6ないし乙8)は、その「商品名/商品番号/項目:選択肢」欄に「YELLOWBUS」の記載があるが、該文字は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
(5)乙9について
「楽天市場の商品ページ』(乙9)は、平成29年12月7日に出力されたものであり、本件審判請求の登録後に、被請求人が、本件商標を付した2015/2015モデル(又は2016モデル)であると称する商品「スノーボード用締め具(ビンディング)」をウェブサイト上で販売しているということに過ぎない。
(6)乙10について
被請求人自らが発行する「本件商標を使用している商品の販売推移表」(乙10)は、第三者が作成した客観的な証拠ではなく、被請求人自らが作成し、かつ、その販売数推移の裏付け資料もない。
(7)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが継続して3年以上日本国内において、その指定商品中の第28類「運動用具」に属する「スノーボード用締め具(ビンディング)」について使用していないことは明らかである。その他、本件商標の請求に係る商品について本件登録商標を使用している証拠は提出されていない。
したがって、本件登録商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中第25類「全指定商品」及び第28類「運動用具,釣り具」について、その登録を取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張
1 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙1ないし10を提出した。
(1)使用に係る商品
「商品包装箱写真」(乙1)、「商品写真(PHA-1080 EGOIST WHITE,S/M 111080-20660008)」(乙2)、「スノーボードバインデイング取扱説明書」(乙3)、「注文確認書 TZY SHENQ ENTERPRISE社(2016年5月28日付)(PHA-1080 EGOIST WHITE,S/M 111080-20660008)を含む」(乙4)、「支払完了書 第四銀行(2016年6月22日付)(COVERING SNOWBOARD BINDING)を含む」(乙5)、「お買い上げ明細書 A氏(2017年2月12日付)(ビンディングカラーサイズ:WHITE)を含む」(乙6)、「お買い上げ明細書 B氏(2017年2月12日付)(ビンディングカラー サイズ:WHITE)を含む」(乙7)、「お買い上げ明細書 C氏(2017年2月23日付)(ビンディングカラー サイズ:WHITE)を含む」(乙8)及び「楽天市場の商品ページ」には、「SnowboardBinding2014/2015 model XROSS バス図形」(乙9)が記載され、「本件商標を使用している商品の販売数推移表」には、請求に係る指定商品「運動用具」に属する「スノーボード用締め具(ビンディング)」の販売年度毎の販売数が記載されている(乙10)。乙4のとおり、ビンディングには4種の色数があり、いずれの商品も乙1の包装箱に入れて共通使用している。
(2)商標の使用者
「スノーボードバインデイング取扱説明書」(乙3)には、商品と共に、被請求人の3条支店名が記載され、乙4には、被請求人である「株式会社共栄スポーツ」の英語表記が記載され、乙5には、被請求人である「株式会社共栄スポーツ」の英語表記と被請求人の3条支店の住所が記載されている。
また、乙6ないし乙8には、被請求人である「株式会社共栄スポーツ」と被請求人3条支店住所が記載され、乙9には、被請求人である「株式会社共栄スポーツ」が記載され、乙10には、被請求人である「株式会社共栄スポーツ」、「新潟県燕市分水学校町2丁目4番2号」の住所が記載されている。
(3)使用に係る商標
乙1の「商品包装箱写真」、乙9の「楽天市場の商品ページ」には、本件商標が記載されている。
(4)使用時期
乙4には、「DATE 2016/5/28」、乙5には、「DATE 2016/6/22」と記載され、乙6及び7には、それぞれ、「ご注文日2017年2月12日」と記載され、乙8には、「ご注文日2017年2月23日」と記載され、乙9の「楽天市場の商品ページ」には、「2017/12/07」と出力日が記載されている。
(5)むすび
本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中「運動用具」に属する「スノーボード用締め具(ビンディング)」ついて使用していることが明らかであるから、本件審判の請求は成り立たない。
2 当審における審尋に対する被請求人の答弁
当審において、被請求人が提出した乙1ないし10からは、商標権者が要証期間に本件商標を「運動用具」に属する「スノーボード用締め具(ビンディング)」に使用したものとは認められないとする審尋に対して、被請求人は応答していない。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)「スノーボード用締め具(ビンディング)」(以下、「使用商品」という。)の包装箱の側面及び上部から側面部分には、バスを模した図形(以下、「使用商標」という。)が記載され(乙1)、また、該包装箱の内容物とされる使用商品の写真(乙2)が示され、被請求人はこれらがいずれも平成29年12月13日に撮影したものと主張しているが、当該包装箱及び使用商品の写真(乙1及び乙2)には、商品を特定するための品番や撮影日の記載はない。
(2)「スノーボードバインデイング取扱説明書」(乙3)には、本件商標は付されておらず、かつ、当該取扱説明書の作成日は記載されていない。また、当該取扱説明書には、「発売元」として、「KYOEI CORPORRATION ワールドグランブルウィンター事業部」及び「新潟県3条市荒町2-9-7」の記載があるが、当該名称及び住所は被請求人(商標権者)の名称及び住所とは異なるものである。
(3)「TZY SHENQ ENTERPRISE CO.,LTD.」が「KYOEI SPORTS CO.,LTD.」に宛てた、2016年(平成28年)5月28日付け発行の「PERFORMA INVOICE(注文確認書)」(乙4)には、「Model No.」欄に、「PHA-840 YELLOWBUS」の文字及び商品の写真等が記載されているが、本件商標は付されていない。
(4)第四銀行が発行した2016年(平成28年)6月22日付け「Irrevocable Documentary Credit」には、「Applicant」として「KYOEI SPORTS CO.,LTD」及び「No.2-9-7 ARAMACHI,SANJO CITY,NIIGATA,JAPAN 955-0083」、
「Beneficiary」として「TZY SHENQ ENTERPRISE CO.,LTD.」の記載、また、「COVERING」の項目に「SNOWBOARD BINDING,SAMPLE SHIPPING CHARGE BY OCS:2-807-529-6502」」の文字が記載されているが、本件商標は付されていない(乙5)。
(5)「KYOEISPORTS楽天市場店」お買い上げ明細書(全3頁)には、「KYOEISPORTS楽天市場店 https://www.rakuten.co.jp/kyoeisp」、「株式会社共栄スポーツ」及び「新潟県3条市荒町2丁目9番7号」の記載、また、その「商品名/商品番号/項目:選択肢」欄に、「スノーボード スノボ3点セット 板 レディース 2017年新作 YELLOWBUS MIRAGE ミラージュ ブーツ」と記載され、注文日が2017年(平成29年)2月12日(1、2頁)、同年2月23日(3頁)とそれぞれ記載されている(乙6ないし乙8)。記載中の株式会社共栄スポーツは、被請求人(商標権者)と同一の名称であり、住所は被請求人の主張によれば、同人の3条支店のものである。
(6)「共栄スポーツ楽天市場店」のウェブサイトにおいては、使用商品の写真4枚が掲載され、例えば中央部の同写真の下部には、「【あす楽対応】【2018年モデル】スノーボードビンディング メンズレディース YELLOWBUS XROSSクロス及び5,184円税込み 送料別」と掲載されており、残る3枚の使用商品の写真下部にも同様に「?YELLOWBUS」の記載はあるが、いずれにも本件商標は明確に確認できない(乙9の1葉目)。乙9の2葉目には、「Snowboard Binding」の文字を上部に大きく表し、右上部に、黄色で表された使用商標、筆記体で書された「Yellowbus」及び「snowboard」の文字を三段で表すとともに、「2014/2015 model XROSS」として、使用商品(黒と黄色の組み合わせ商品と黒とピンクの組み合わせ商品)が2つ掲載されているが、乙9の1葉目の使用商品は2016年モデルと記載され、同2葉目の使用商品は2014/2015 modelと記載されている。また、乙9の右下には2017/12/07の打出日の記載があるが、当該日は要証期間外であり、また当該ウェブサイトへの本件使用商品の掲載時期は不明である(乙9)。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標及び使用商品について
使用商品の包装箱(乙1)には、バスを模した図形からなる使用商標が表示されており、また、「共栄スポーツ楽天市場店」のウェブサイト(乙9の2葉目)の使用商品の写真の右上部には、黄色で表した使用商標が表示されている。
そして、本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、使用商標とは外観上同一視できる図形からなるものであるから、使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
また、上記1(1)商品包装箱及びウェブサイトに使用している使用商品は、「スノーボード用締め具(ビンディング)」であり、当該商品は「運動用具」に含まれる商品と認められる。
(2)使用時期、使用者及び本件商標の使用について
上記(1)の使用商標が付された包装箱の写真(乙1)については、使用者の名称及び使用商標を付した日付は確認できないことから、使用商標が使用商品の包装箱に付されていた時期は不明であり、かつ、平成29年12月13日の撮影日は要証期間外である。
「共栄スポーツ楽天市場店」 のお買い上げ明細書によれば(乙6ないし乙8)、商標権者が2017年新作ビンディングを含むスノボ3点セットを個人に対して販売した事実は推認できるものの、当該明細書には本件商標が記載されておらず、また、当該明細書に記載の販売された商品(ビンディング)に本件商標が付されていたことも確認できないことから、商品の取引書類、商品又は商品の包装に本件商標を付したとはいえない。
また、「共栄スポーツ楽天市場店」のウェブサイトにおいて、乙9の一葉目に本件使用商品の写真及びその下部に、「【あす楽対応】【2016年モデル】スノーボードビンディング メンズレディース YELLOWBUS XROSSクロス及び5,184円税込み 送料別」と掲載されているところ、「共栄スポーツ楽天市場店」の表示からは商標権者が当該ウェブサイトにおける商品の販売者であることは推認できるが、本件商標の掲載は明確に確認できず(乙9の一葉目)、また、本内容の掲載時期について確認できない。なお乙9の一葉目及び二葉目右下部に記載の紙出力日である2017/12/07は、要証期間外である。
加えて、乙9の2葉目には、右上部に使用商標の表示及び使用商品の写真が掲載されていることは確認できるものの、その掲載した者及び本内容の掲載時期が特定できないことから、乙9からは、要証期間に使用商品の広告を内容とする情報に使用商標を付して電磁的方法により提供したことも認められない。
なお、乙9の二葉目に掲載された使用商品には「2014/2015model」との記載があるのに対し、当該商品の写真に対応すると思われる乙9の1葉目の商品の写真には、【2016年モデル】と記載され、両者のモデル時期が異なっている。更に、乙9の1葉目と2葉目の最下部に打ち出されたウェブサイトのURLも異なってることからすれば、乙9の1葉目と2葉目に掲載された商品のモデルとを同一のものとして取り扱うことはできない。
また、被請求人と「TZY SHENQ ENTERPRISE CO.,LTD.」との取引においては(乙4及び乙5)、いずれも取引書類に本件商標の記載がなく、また、当該取引書類に記載の商品(ビンディング)に本件商標が付されていたことも確認できないことから、商品に関する取引書類、商品又は商品の包装に本件商標を付したとはいえない。
以上から、提出された証拠によっては、本件商標権者(又はその使用権者)が、日本国内において、使用商標を付した商品を販売、引渡し、又は使用商標を付した商品に関する取引書類を頒布又はこれらを内容とする情報に使用商標を付したものを電磁的方法により提供したとは認めるに足りない。

3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、第25類「全指定商品」及び第28類「運動用具,釣り具」について、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲


審理終結日 2019-06-10 
結審通知日 2019-06-12 
審決日 2019-07-05 
出願番号 商願2012-101833(T2012-101833) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (W2528)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岩崎 安子佐藤 淳 
特許庁審判長 小出 浩子
特許庁審判官 木村 一弘
豊田 純一
登録日 2013-10-11 
登録番号 商標登録第5622161号(T5622161) 
商標の称呼 ワイビイ 
代理人 江崎 光史 
代理人 黒田 勇治 
代理人 田崎 恵美子 
代理人 佐久間 洋子 

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