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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W3541
管理番号 1355064 
審判番号 不服2018-9904 
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-19 
確定日 2019-09-02 
事件の表示 商願2016-125593拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ワンクリックで申込み」の文字を標準文字で表してなり、第35類「広告業,経営に関するコンサルティング,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,輸出入に関する事務の代理又は代行,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,求人情報の提供」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務として、平成28年11月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ワンクリックで申込み』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『ワンクリック』の文字は『コンピューターで、マウスボタンを一度押すこと。』を、『申込み』の文字は『申し込むこと。』をそれぞれ意味する語であるから、本願商標は全体として、『ワンクリックで申し込むこと』程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、例えばインターネット記事情報や新聞記事情報によれば、本願の指定役務を取り扱う業界のみならず様々な業界において、『ワンクリックで申込み』の文字が上記意味合いで使用されており、ワンクリックで申込みができるサービスが広く一般に提供されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定役務のうちワンクリックで申込みができる役務について使用しても、これに接する取引者・需要者は、ワンクリックで申込みができるサービスであることを認識・理解するにすぎないといえるものであるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成31年2月12日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。

4 証拠調べの結果に対する請求人の意見の要点
証拠として挙げられた「ワンクリックで申込み」等の文字の使用例は役務の内容を説明するものであり、さらにこれらの証拠の文字はいずれも文字が小さく文章の一部として使用されているものがほとんどで、独立して商標として使用されているものではない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「ワンクリックで申込み」の文字からなるところ、当該文字は、「コンピューターで、マウスボタンを一度押すこと。」を意味する「ワンクリック」の文字と「申し込むこと。」を意味する「申込み」の文字(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)を格助詞の「で」で組み合わせたものであるから、容易に「ワンクリックで申し込むこと」程の意味合いを看取させるといえるものである。
そして、「ワンクリックで申込み」の文字について、原審で示した事実のほかに、別掲のとおり、様々な役務のウェブサイトにおいて、当該役務等の申込みの方法等を表す語として使用されている実情がある。
なお、「ワンリックで申し込み」、「ワンクリックで申込」、「ワンクリックでお申込み」等の文字は、「申込み」の文字の送り仮名や接頭語等の有無の差異にすぎず、いずれも同義のものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、役務の申込み方法の一類型と認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものである。
イ 本願商標の使用による識別性について
請求人は、「商標登録出願当時にはすでに請求人の役務を表すものとして自他役務識別標識としての機能を有する商標となっていた。」旨主張し、第1号証ないし第4号証(枝番号含む。以下、枝番号を含む号証で枝番号の全てを引用するときは、枝番号を省略して記載する。)を提出している。
しかしながら、請求人の提出したウェブサイトの写し(第4号証)からは、請求人が「ワンクリックで申込み」の文字を使用していることがうかがい知ることができるものの、当該ウェブサイトの記事は、どの程度の需要者が閲覧したのか不明であり、当該記事の多くは、請求人の提供する役務の機能の一つとして「ワンクリックで申込み機能」と紹介されているものや、「ワンクリックで申込みができる・・・」等、本願商標が出所識別標識として認識され得る態様をもって使用されているとはいえないものである。
さらに、当該記事に掲載されている請求人の役務と本願の指定役務との関連性も明確ではない。
そうすると、本願商標は、これが使用された結果、全国的に周知であるとはいい難く、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているものとは認められない。
ウ 小括
以上のことから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、過去の登録例を挙げ、「登録例から判断すると、『ワンクリック』の文字が『コンピューターで、マウスボタンを一度押すこと。』を表すものとしても、この文字に業界で広く使用されている語を組み合わせれば、自他役務識別力が生じるものになると考えられる。・・・引用商標の指定役務は本願と同じ35類の役務であるため、この引用商標をもって『本願と事案を異にする』のは失当である。」旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記(1)の判断が左右されるものではない。
イ 請求人は、証拠調べ通知書に対する意見書において、「証拠として挙げられた『ワンクリックで申込み』等の文字の使用例は役務の内容を説明するものであり、さらにこれらの証拠の文字は、いずれも文字が小さく文章の一部として使用されているものがほとんどで、独立して商標として使用されているものではない。」旨主張している。
しかしながら、証拠調べ通知において示した例は、請求人の主張するように、商標として使用されている例を示したものではなく、「ワンクリックで申込み」等の文字が、多くのウェブサイトにおいて、役務の申込みの方法の一類型として使用されている例を示したものである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(証拠調べ通知書で通知した事実)
「ワンクリックで申込み」、「ワンクリックで申し込み」、「ワンクリックで申込」の文字の使用例(下線は審判長が付加。)
1 「株式会社ファルベ」のウェブサイトにおいて、「Farbeファルベ実務セミナー」の見出しの下、「セミナーをワンクリックで申込み/お申込みのたびにお名前や連絡先を入力する必要がありません。」の記載がある。
(https://farbe-net.com/welcome-page/)
2 「株式会社パイプドビッツ」のウェブサイトにおいて、「パイプドビッツからのお知らせ」の見出しの下、「『LINE Bot』の活用例」の項に「LINEユーザーは面倒な入力の手間が省け、ワンクリックで申込みが完了します。」の記載がある。
(https://www.pi-pe.co.jp/news/17716/)
3 「福岡教育連盟」のウェブサイトにおいて、「活動報告」の見出しの下、「申込方法」の項に「ページ下のアイコンからワンクリックで申込みできます。」の記載がある。
(http://www.fenet.or.jp/event/report/id/401)
4 「千葉徳洲会病院」のウェブサイトにおいて、「就職情報サイトからの参加申込み」の見出しの下、「※下記サイト登録済みの方はワンクリックで申込みが可能です。」の記載がある。
(http://www.chibatoku-kango.com/recruit/seminar.html)
5 「GMOグローバルサイン株式会社」のウェブサイトにおいて、「プレスリリース」に「GMOインターネットの『お名前.com共用サーバーSD』でグローバルサイン社の『ワンクリックSSL』が利用可能に」の見出しの下、「【『ワンクリックSSL』とは】」の項に「・・・お申込み画面からワンクリックで申込みするだけで作業が完了するため、・・・」の記載がある。
(https://jp.globalsign.com/info/news_press/2008/151.html)
6 「日本パン技術研究所」のウェブサイトにおいて、「『スペイン製パンセミナー』申し込み」の見出しの下、「*必要事項をご入力頂き、送信ボタンワンクリックで申し込み完了となります*」の記載がある。
(http://www.jibt.com/sy_es_all/sy_es_all.html)
7 「株式会社アイ・キュー」の運営する「人材バンクネット」のウェブサイトにおいて、「求人や人材紹介会社、コンサルタントへのエントリーが便利に」の項に「人材紹介会社やコンサルタントに相談する際もワンクリックで申し込みができます。」の記載がある。
(https://www.jinzai-bank.net/reg/memregist.cfm?mp=cs)
8 「合同会社TEIGAKU」の運営する「サブスクFUN」のウェブサイトにおいて、「conpas(コンパス)」の見出しの下、「サービスの紹介」の項に「行きたいコンサートを選んだらワンクリックで申し込み、・・・」の記載がある。
(https://subscription-service.fun/conpas-2186)
9 「株式会社アイビス」のウェブサイトにおいて、「Facebook広告」の見出しの下、「ワンクリックで申し込みが完了 リード獲得広告」の記載がある。
(https://ibis.gs/promotion_detail?id=236)
10 「株式会社日経BP社」のウェブサイトにおいて、「プラットフォームサービス『MReach』のご案内」と題する資料中の「Web講演会 集客プランの概要」の見出しの頁の「ターゲット読者への案内」の項に「参加申込」の説明として「・ワンクリックで申込」の記載がある。
(https://www.nikkeibp.co.jp/ad/atcl/netmedia/NMO/)
資料(http://web-cache.stream.ne.jp/www11/nikkeibpw/adweb/ba_nmo_MReach3.7.pdf)


審理終結日 2019-07-10 
結審通知日 2019-07-12 
審決日 2019-07-23 
出願番号 商願2016-125593(T2016-125593) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W3541)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 馬場 秀敏寺澤 鞠子 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 木住野 勝也
小俣 克巳
商標の称呼 ワンクリックデモーシコミ、ワンクリックデ、ワンクリック、モーシコミ 
代理人 アイアット国際特許業務法人 

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