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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W43 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W43 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W43 |
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管理番号 | 1355006 |
審判番号 | 不服2018-12118 |
総通号数 | 238 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-10-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-09-10 |
確定日 | 2019-09-03 |
事件の表示 | 商願2017- 20746拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類「カレーを主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成29年2月21日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第950182号商標(以下「引用商標」という。)は、2007年(平成19年)11月15日に国際商標登録出願、第43類「Providing of food and drink; cafes; cafeterias; canteens; fast-food restaurants and snackbars; self-service restaurants; providing of food and drinks (meals); catering services; food and drink tasting services; services for preparing take-away food.」並びに第16類及び第29類ないし第31類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品及び指定役務として、平成21年7月31日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、上段に「Curry Shop」の欧文字を横一連にやや小さく表し、中段には、上段よりも横幅をとって「Bruno」の欧文字を大きく横書きし、下段には、「SINCE 1979」の欧文字及び数字を、やや小さく横一連に表した構成からなるものである。 本願商標の構成中、上段の「Curry」及び「Shop」の文字は、それぞれ「カレー料理」、「店」を意味する英語(ジーニアス英和辞典第5版 株式会社大修館書店)であって、これらは我が国において親しまれたものといえるものであるから、「Curry Shop」の文字は、「カレーの店」の意味合いを容易に認識させるものである。 そして、中段の「Bruno」の文字は、「男子の名」を意味する英語(ランダムハウス英和大辞典第2版 株式会社小学館)であるものの、これは、我が国において親しまれたものとはいえないから、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものである。 また、下段の「SINCE」の文字は、「??から、??以来」を意味する英語(ジーニアス英和辞典第5版 株式会社大修館書店)であって、我が国において親しまれたものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、「SINCE 1979」の文字より、「1979年以来、1979年創業」程の意味合いを容易に認識するといえる。 そうすると、本願商標構成中の「Curry Shop」及び「SINCE 1979」の文字は、1979年から営業しているカレーの店の役務であるという、役務の質(内容)を認識させるものといえ、これらの部分は、役務の出所識別標識としては機能し得ないものというのが相当である。 また、構成中の「Bruno」の文字は、指定役務との関係において、役務の質や内容を表すものとはいえず、出所識別標識として機能し得るものであって、その外観も、本願商標の構成中、一際大きく顕著に表されているものである。 そうすると、本願商標においては、構成中の「Bruno」の文字部分が、これに接する取引者、需要者に、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから、取引者、需要者は、該文字部分をもって取引にあたる場合もあるというのが相当であって、本願商標においては、該文字部分を要部として、他の商標との類否を判断することも許されるというのが相当である。 してみれば、本願商標は、「Bruno」の文字に相応して、「ブルーノ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、茶色で塗りつぶした円図形内の上部に、「TERRES DE TRUFFES」の欧文字を、白抜きで円周に沿って表し、同図形の下部にも、同欧文字及び菱形状の図形を、薄茶色で円周に沿って表しており、円図形の中央には、白色と灰色のまだら模様で、上部に緩やかな膨らみを持ち、下部にはへこみを有する略楕円型図形を配し、その中央には、白線の枠を有する茶色の楕円型を配し、その内側に「Bruno」の欧文字を特殊な筆記体風の書体で表した構成からなるものである。 その構成中、上方と下方にある「TERRES」、「DE」、「TRUFFES」の文字は、それぞれ「土地」、「?の」、「トリュフ」の意味を有するフランス語(クラウン仏和辞典第7版 株式会社三省堂)であるものの、これらは一体となって、特定の観念を認識させる語として、我が国において親しまれたものとはいえず、「TERRES DE TRUFFES」の文字は、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであるから、該文字部分よりは、「テールドゥトリュフ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 また、構成中の中央に配された図形は、我が国において特定の事物を表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであるから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。 加えて、中央の図形内に配された「Bruno」の文字は、「男子の名」の意味を有する英語(ランダムハウス英和大辞典第2版 株式会社小学館)であるものの、我が国において親しまれたものとはいえないから、当該文字は、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであるところ、該文字は、円図形と同じ茶色を背景色として、特殊な筆記体風の書体で、一見して判読しづらい文字で表されており、引用商標に接する取引者、需要者に、出所識別標識としての強い印象を与えるものとはいい難いものであるから、該文字部分のみをもって取引に資されることはないというのが相当である。 そして、引用商標は、茶色で塗りつぶした円図形内に、全ての構成要素がまとまりよく表されており、これに接する取引者、需要者は、引用商標の全体をもって一体不可分の商標として認識、把握するとみるのが相当である。 また、引用商標はその構成全体として、特定の事物を表すものとして、我が国において認識されているというべき事情は認められないものであるから、特定の観念を生じるものとはいえない。 してみれば、引用商標は、構成中の「TERRES DE TRUFFES」の文字に相応して「テールドゥトリュフ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 (3)本願商標と引用商標の類否について 本願商標と引用商標の類否について検討するに、本願商標と引用商標とは、それぞれの構成文字及び態様において、明らかな差異を有するものであるから、本願商標と引用商標は、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼においては、本願商標から生じる「ブルーノ」の称呼と、引用商標から生じる「テールドゥトリュフ」の称呼とは、その音構成及び音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明瞭に聴別されるものである。 さらに、観念においては、いずれの商標も特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、これらを総合して判断すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、商品及び役務の類否について判断するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標 別掲2 引用商標(色彩については、原本参照。) |
審決日 | 2019-08-21 |
出願番号 | 商願2017-20746(T2017-20746) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W43)
T 1 8・ 261- WY (W43) T 1 8・ 262- WY (W43) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 大塚 順子、石塚 文子、野口 沙妃 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
鈴木 雅也 真鍋 恵美 |
商標の称呼 | カレーショップブルーノ、ブルーノ |
代理人 | 中川 慶太 |
代理人 | 辻田 朋子 |
代理人 | 樋口 頼子 |
代理人 | 下田 一徳 |