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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20171293 審決 商標
不服202013251 審決 商標
異議2014900320 審決 商標
不服20179972 審決 商標
異議2014900283 審決 商標

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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1354363 
異議申立番号 異議2019-900036 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-09-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-02-01 
確定日 2019-08-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第6096475号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6096475号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6096475号商標(以下「本件商標」という。)は、「THINK DIFFERENT」の欧文字を標準文字で表してなり、2017年(平成29年)8月24日にジャマイカにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し平成30年2月22日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同30年10月16日に登録査定され、同年11月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおり(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4498674号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 Think(標準文字)
指定商品 第25類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日 平成12年9月29日
設定登録日 平成13年8月10日
(2)登録第5233289号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 Think
指定役務 第35類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日 平成19年4月27日
優先権主張 ドイツ連邦共和国 2007年(平成19年)1月26日
設定登録日 平成21年5月22日
(3)国際登録第581508号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2003年(平成15年)8月8日(事後指定)
設定登録日 平成18年1月13日
(4)国際登録第934984号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 Think
指定役務 第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の役務
国際商標登録出願日 2007年(平成19年)4月18日
設定登録日 平成21年9月11日
(5)国際登録第1207171号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 THINK OUTDOORS
指定商品 第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日 2014年(平成26年)4月22日
設定登録日 平成27年3月13日
(6)国際登録第1208270号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品及び指定役務 第3類、第10類、第18類、第25類及び第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務
国際商標登録出願日 2014年(平成26年)1月20日
優先権主張 EUIPO 2013年(平成25年)7月22日
設定登録日 平成27年12月18日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標の構成について
ア 本件商標の構成
本件商標は、標準文字を指定した欧文字で「THINK」と「DIFFERENT」の各英単語を、スペースを1つ空けて書してなる。
イ 引用商標の構成
引用商標1、2及び4は、欧文字で「Think」の英単語を書してなる。
引用商標3は、別掲1のとおりの態様からなる。
引用商標5は、欧文字で「THINK」と「OUTDOORS」の各英単語を、スペースを1つ空けて書してなる。
引用商標6は、欧文字で「Think」の英単語とその右横に感嘆符を書してなる。
(2)商標の類似について
本件商標は上述したとおりの態様からなり、「THINK」と「DIFFERENT」の各英単語は、スペースを一つ空けてあることから、視覚的に2つの単語であることが把握できる。
そして、それぞれの英単語には、「思う。考える。」と「異なった。違った。別の。」というそれぞれの意味があるところ、これら2つの英単語の組み合わせには、特に熟語や成語としての意味合いはない。
もしも、「Think differently」という綴りであれば、「違ったふうに考えよ。」の意味合いになるが、本件商標はそうした構成ではない。「THINK」と「DIFFERENT」という脈絡のない意味のばらばらな英単語が、ただ単に並んでいるに過ぎない。
そのため、本件商標は、特に言葉の意味の上で強い結びつきがあるとはいえない2つの英単語「THINK」と「DIFFERENT」のそれぞれから出所識別標識としての称呼が生じると考えられる。
よって、本件商標のうち、「THINK」の部分だけを引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
一方、引用商標について、引用商標1、2及び4は「Think」の文字からなるものである。また、引用商標3及び6はその構成態様から、及び引用商標5は「屋外。野外。」という商品の用途と強く結びついた意味の英単語「OUTDOORS」が結合されたものであるから、いずれも「Think」の文字列だけを本件商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
以下、これを前提として本件商標と引用商標の類否について論じる。
ア 本件商標と引用商標の外観
本件商標と引用商標の外観を対比すると、両者はともに商標を構成する最初の5文字「THINK」を共通にする。
本件商標は、前方の5文字「THINK」が引用商標中の文字列「Think」「THINK」と一致していることから、本件商標を一見したとき、引用商標と共通する部分に着目し同じ綴りの文字列であると錯覚して、両者を混同して認識するおそれがある。
つまり、本件商標と引用商標とは、看者の印象に残りやすく目立つ部分である商標の最初の部分「THINK」が一致しており、外観上相紛らわしい類似の商標である。
イ 本件商標と引用商標の称呼
本件商標は、英単語の「THINK」と「DIFFERENT」からなることが容易に看取でき、これら2つの英単語は、言葉の意味の上で強い結びつきがあるとはいえないことから、これより「シンクディファレント」の称呼が生じる他、「シンク」及び「ディファレント」の各称呼が生じ、引用商標からは明らかに「シンク」の称呼が生じる。
そうすると、本件商標と引用商標は、「シンク」の称呼を共通にすることから、称呼上類似することは明らかである。
ウ 小括
上記より、本件商標と引用商標は、外観及び称呼においてその一部が共通する商標である。
よって、本件商標と引用商標は互いに相紛れるおそれのある類似の商標と言わざるを得ない。
(3)商品の抵触について
本件商標の指定商品は、「仮装用衣服,ハロウィンの仮装用衣服」を除き、引用商標の指定商品・役務と同一・類似である。
そして、申立人は、「Think!」を使用した製品「履物」を、大手百貨店において販売している(甲8)ので、本件商標がその指定商品に使用されたときは、申立人の商品との間で、その出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)むすび
以上から明らかなように、本件商標と引用商標は外観・称呼において類似の商標であり、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品・役務と同一又は類似であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、上記1のとおり「THINK DIFFERENT」の欧文字を標準文字で表してなり、その構成文字は同書同大で、まとまりよく一体的に表され、これから生じる「シンクディファレント」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成態様から「THINK」と「DIFFERENT」の2語を結合してなるものと理解されるとしても、かかる構成及び称呼においては、本件商標の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
さらに、本件商標は、その構成中「THINK」又は「DIFFERENT」の文字部分のいずれかが取引者、需要者に対し商品、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成中「THINK」又は「DIFFERENT」のそれぞれの文字部分を分離抽出し他の商標と比較検討することが許されないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、その構成全体が一体不可分のものであって、該文字全体に相応し「シンクディファレント」の称呼のみを生じ、商標全体として特定の観念を生じないものというべきである。
(2)引用商標
引用商標1、2及び4は、上記2(1)、(2)及び(4)のとおり「Think」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「シンク」の称呼を生じ、「考える」の観念を生じるものである。
引用商標3は、別掲1のとおり、大きく描いた「Think」の欧文字及び感嘆符「!」を中心として、円環状に小さく「WELLFORMED SHOES FOR NATURAL WALKING」の文字を配してなるものであり、その構成文字から「シンクウェルフォームドシューズフォーナチュラルウォーキング」の称呼を生じるものである。そして、引用商標3は、その構成態様から「Think!」の文字部分が取引者、需要者に対し商品、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、該文字に相応し「シンク」の称呼、及び「考える」の観念を生じるものと判断するのが相当である。
引用商標5は、上記2(5)のとおり「THINK OUTDOORS」の文字からなり、その構成文字は同書同大で、まとまりよく一体的に表され、これから生じる「シンクアウトドアーズ」の称呼も、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、引用商標5は、その構成態様から「THINK」と「OUTDOORS」の2語を結合してなるものと理解され、「OUTDOORS」が「野外」などの意味を有するとしても、かかる構成及び称呼においては、看者をして、該「OUTDOORS」の文字を商品の用途、品質を表示したものと認識させることなく、その構成文字全体をもって特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。さらに、引用商標5は、上記(1)と同様の理由で、その構成全体が一体不可分のものであって、「シンクアウトドアーズ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものということができる。
引用商標6は、別掲2のとおり「Think」の欧文字及び感嘆符「!」を結合してなるものであるから、該文字に相応し「シンク」の称呼、「考える」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、両者の上記のとおりの外観及び称呼は、それらの構成態様及び語調語感が明らかに異なり、また、観念は比較できないから、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
また、その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき理由は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その指定商品中に引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品が含まれているとしても、上記のとおり引用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標3)

別掲2(引用商標6)


異議決定日 2019-08-14 
出願番号 商願2018-21641(T2018-21641) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊田 純一 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 小出 浩子
瀬戸 俊晶
登録日 2018-11-09 
登録番号 商標登録第6096475号(T6096475) 
権利者 アップル インコーポレイテッド
商標の称呼 シンクディファレント、シンク、ディファレント 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 
代理人 前川 砂織 
代理人 前川 純一 
代理人 山崎 和香子 
代理人 森田 拓 

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