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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W25
審判 査定不服 外観類似 登録しない W25
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W25
管理番号 1354314 
審判番号 不服2018-9356 
総通号数 237 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-07-06 
確定日 2019-08-06 
事件の表示 商願2017-71171拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第25類「被服,ベルト,コート,手袋,ジャケット,ミトン,パンツ,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,レインウェア,シャツ,ショーツ,スカート,スコート,スラックス,セーター,スウェットシャツ,ベスト,ウィンドシャツ,履物,帽子,バイザー(帽子)」を指定商品とし,2016年(平成28年)12月6日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,同29年5月26日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(4)であり,これらの商標権は,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)登録第2183496号商標(以下「引用商標1」という。)は,「パーソンズ」の片仮名を横書きしてなり,昭和62年10月2日登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成元年10月31日に設定登録され,その後,同21年11月11日に指定商品を第5類「失禁用おしめ」,第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」,第10類「医療用手袋」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第17類「絶縁手袋」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第2356123号商標(以下「引用商標2」という。)は,「パーソンズ」の片仮名を横書きしてなり,平成元年8月31日登録出願,第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同3年11月29日に設定登録され,その後,同14年5月1日に指定商品を第3類,第6類,第8類,第10類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,同23年11月15日に商標権の存続期間の更新登録が第6類,第8類,第10類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類についてされた結果,その指定商品については,第6類「金属製のバックル」,第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,マニキュアセット」,第10類「耳かき」,第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」,第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」となったものである。
(3)登録第2588101号商標(以下「引用商標3」という。)は,「パーソンズ」の片仮名を横書きしてなり,平成3年5月7日登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同5年10月29日に設定登録され,その後,同16年3月3日に指定商品を第6類,第14類,第18類,第21類,第22類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされ,また,同30年8月2日受付けで本権の登録の一部放棄がなされた結果,最終的に,その指定商品は,第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「履物」となったものである。
(4)登録第2665923号商標(以下「引用商標4」という。)は,「PERSONS」の欧文字を横書きしてなり,平成元年2月28日登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同6年5月31日に設定登録され,その後,同16年6月30日に指定商品を第5類,第9類,第10類,第16類,第17類,第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,同26年6月17日に商標権の存続期間の更新登録が第5類,第16類,第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類についてされた結果,その指定商品については,第5類「失禁用おしめ」,第16類「紙製幼児用おしめ」,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第21類「家事用手袋」,第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」,第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」となったものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,顕著に太く大きな文字で「PARSONS」の欧文字を円弧状に湾曲させて横書きし,「PARSONS」の欧文字を強調するように両脇に円形の図形が配置され,「PARSONS」の欧文字の下部には3本の長さの異なる直線が配置されており,更にその下部に小さな文字で「XTREME GOLF」の欧文字が横書きされている構成よりなるものである。
そして,本願商標の構成中,上段の「PARSONS」の欧文字部分は,「教区牧師,聖職者」を意味する英語(ジーニアス英和辞典 第五版 大修館書店)であるが,我が国において一般に馴染みのある語と認め難いことから,この文字に接する取引者,需要者が直ちに上記意味合いを理解するとはいい難いものである。
一方,下段の「XTREME GOLF」の欧文字部分の構成中「XTREME」の欧文字は,特定の意味を有しない語であり,「GOLF」の欧文字は,「ゴルフ」を意味する英語(前掲書)であるところ,これらの語を結合した全体が我が国において親しまれているということもできず,これらの文字に接する取引者,需要者が直ちに特定の意味合いを理解するとはいい難いものである。
さらに,本願商標の両端に配された図形部分及び3本の罫線は,特定の意味合いを直ちに想起させない幾何図形と認められ,単に装飾的に配置されているとの印象を与えることから,これより特定の称呼及び観念は生じないというべきである。
そうすると,本願商標は,その構成中,圧倒的に大きく表された上段の「PARSONS」の欧文字部分は,視覚的に看者の注意を惹くように構成されているのに対して,下段の「XTREME GOLF」の欧文字部分は「PARSONS」の欧文字部分に比してかなり小さい文字で構成されており,上段と下段の欧文字の間には3本の罫線が配されていることから,両欧文字が外観上分離して看取し得るものであり,また,称呼上及び観念上の繋がりもないことから,両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合されている事情は見いだせないものである。
してみれば,本願商標は,上段と下段との欧文字部分が,それぞれ独立して出所識別機能を果たす部分として認識されるものといえるものであり,特に構成中ひときわ大きく顕著に表されてなる「PARSONS」の欧文字部分が見る者の注意を引くものであるから,「PARSONS」の欧文字部分が,取引者,需要者に対し,出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
したがって,本願商標は,その構成中「PARSONS」の欧文字部分のみを要部として抽出し,これを引用商標と比較して商標としての類否を判断することも許されるものであるから,当該部分に相応して「パーソンズ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標1ないし3は,「パーソンズ」の片仮名を横書きしてなるところ,該文字は一般の辞書等には掲載がなく,また,本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから,特定の意味を有しない造語を表したものといえる。
したがって,引用商標1ないし3は,その構成文字に相応して,「パーソンズ」の称呼が生じ,特定の観念を生じないものである。
引用商標4は,「PERSONS」の欧文字を横書きしてなるところ,該欧文字は,「人,人間,一個人」を意味する英語「PERSON」の複数形(前掲書)であるから,「パーソンズ」の称呼を生じ,「人々」程の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標1ないし3との類否について
本願商標は,上記(1)のとおりの構成からなるものであり,引用商標1ないし3は,上記(2)のとおりの構成からなるところ,本願商標の要部である「PARSONS」の欧文字部分と引用商標1ないし3の「パーソンズ」の片仮名とは,文字の種類を異にする点において,その外観が異なるものといえる。しかし,欧文字からなる商標を片仮名で表記することは一般に行われていることから,両商標における文字の種類の違いが,これに接する取引者,需要者に対し,外観上の差異として強い印象を与えるとはいえないというべきである。
また,本願商標と引用商標1ないし3からは,いずれも特定の観念を生じないものと認められるから,この点において両商標に相違があるものではない。
そうすると,本願商標と引用商標1ないし3は,「パーソンズ」の称呼を共通にする一方,その外観において,称呼の共通性を凌駕するほどの顕著な差異があるとはいえず,また,観念においても相違があるものではないことからすると,互いに相紛れるおそれのある類似する商標というべきである。
(4)本願商標と引用商標4との類否について
本願商標の要部である「PARSONS」の欧文字部分と引用商標4の「PERSONS」とを対比すると,「P」「R」「S」「O」「N」「S」のつづりを同じくするものであり,異なるところは,2文字目における「A」と「E」の差異を有するのみであることから,外観上,近似した印象を与えるものである。
また,本願商標の要部である「PARSONS」の欧文字部分からは,特定の観念が生じないのに対し,引用商標4からは,「人々」程の観念が生じるものであるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれがあるとはいえない。
そうすると,本願商標と引用商標4は,観念において相紛れるおそれがないとしても,「パーソンズ」の称呼を共通にし,外観においても近似した印象を与えるものであることからすると,互いに相紛れるおそれのある類似する商標というべきである。
(5)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願商標の指定商品である第25類「被服,ベルト,コート,手袋,ジャケット,ミトン,パンツ,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,レインウェア,シャツ,ショーツ,スカート,スコート,スラックス,セーター,スウェットシャツ,ベスト,ウィンドシャツ,履物,帽子,バイザー(帽子)」は,引用商標1の指定商品中,第25類「被服」,引用商標2の指定商品中,第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」,第26類「腕止め」,引用商標3の指定商品中,第25類「履物」,引用商標4の指定商品中,第25類「被服」と,それぞれ,同一又は類似するものといえる。
(6)小括
以上によれば,本願商標と引用商標とは,互いに類似する商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(7)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標は,各構成要素がバランス良く配置されており,各構成要素を分離して観察することは取引上不自然であり,その構成全体をもって視覚的に一体不可分のロゴマークとして認識されるものといえる旨を主張する。
しかしながら,本願商標においては,その構成中の「PARSONS」の欧文字部分を要部として抽出し,これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されることは,上記(1)のとおりである。
イ 請求人は,過去の審・判決例を挙げて,本願商標は構成全体で一つの商標とし認識され,機能するものであって,本願商標に接する需要者は,本願商標全体を一体不可分のものとして印象,記憶にとどめるとするのが自然である旨主張する。
しかしながら,商標の類否の判断は,対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ,上記審・判決例は,商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり,本願商標については,上記(1)においてした判断のとおりであるから,該審・判決例をもってその判断が左右されるものではない。
(8)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲 (本願商標)



審理終結日 2019-02-20 
結審通知日 2019-03-15 
審決日 2019-03-26 
出願番号 商願2017-71171(T2017-71171) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W25)
T 1 8・ 263- Z (W25)
T 1 8・ 261- Z (W25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 啓之豊田 純一 
特許庁審判長 木村 一弘
特許庁審判官 瀬戸 俊晶
田村 正明
商標の称呼 パーソンズエクストリームゴルフ、パーソンズエクストリーム、パーソンズ、エクストリームゴルフ、エクストリーム 
代理人 網野 友康 

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