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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W25
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W25
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W25
管理番号 1353378 
異議申立番号 異議2017-900302 
総通号数 236 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-08-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-10-11 
確定日 2019-05-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5964603号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5964603号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5964603号商標(以下「本件商標」という。)は,「SUPERHEAD」の欧文字を横書きしてなり,平成29年1月4日に登録出願,同年5月15日に登録査定,第25類「被服,履物」を指定商品として,同年7月21日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
(1)登録第902541号商標(以下「引用商標1」という。)は,「HEAD」の欧文字を横書きしてなり,昭和44年5月16日に登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同46年6月21日に設定登録,その後,平成13年12月12日に,指定商品を第25類「履物」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1038256号商標(以下「引用商標2」という。)は,「HEAD」の欧文字を横書きしてなり,昭和42年12月12日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同48年10月15日に設定登録,その後,平成16年8月4日に,指定商品を第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第5356771号商標(以下「引用商標3」という。)は,「HEAD」の欧文字を横書きしてなり,平成19年6月21日に登録出願,第35類「紳士用被服・婦人用被服・子供用被服・下着・ソックス・マフラー・手袋(被服に属するものに限る。)・サンバイザー・テニス用帽子・その他の帽子・テニス用衣服・スカッシュ用衣服・スキー用衣服・スノーボード用衣服・水泳着・ゴルフ用衣服・その他の被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,靴下止め・ズボンつり・バンド及びベルトの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,リュックサック・その他のかばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘・タオル・その他の布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,テニスラケット・スカッシュラケット・テニスストリング・スカッシュストリング・グリップテープ・リストバンド・テニスボール・テニスラケットカバー・スカッシュラケットカバー・バドミントン用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,テニス靴・スカッシュ靴・ゴルフ靴・スキーブーツ・スノーボードブーツ・その他の運動用特殊靴の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ゴルフクラブ・ゴルフクラブカバー・キャデイバッグ・テニス用バッグ・スカッシュ用バッグ・スキー用バッグ・ゴルフ用手袋・ゴルフボール・スキー・スノーボード・スノーボードビンデイング・ストック・スキー用ヘルメット・スノーボード用ヘルメット・テニス用特殊衣服・スカッシュ用特殊衣服・スキー用特殊衣服・スノーボード用特殊衣服・ゴルフ用特殊衣服・その他の運動用特殊衣服・スノーボード用プロテクター・その他のスポーツ用プロテクター・運動用保護ヘルメット・その他の運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同22年10月1日に設定登録されたものである。
(4)国際登録第1156590号商標(以下「引用商標4」という。)は,「HEAD」の欧文字を横書きしてなり,2012年9月19日にAustriaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2013年(平成25年)2月7日に国際商標登録出願,第25類「Woolly hats, hats, peaked caps, headbands.」を指定商品として,同年11月15日に設定登録されたものである。
引用商標1ないし4は,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。

第3 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,商標法第4条第1項第8号,同項第11号,同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから,その登録は取り消されるべきであると申し立て,証拠方法として甲第1号証ないし甲第259号証を提出した。

第4 当審における取消理由の通知
当審において,商標権者に対し,要旨以下のとおりの取消理由を平成30年3月28日付け取消理由通知書で通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
本件商標と引用商標とは,類似の商標であって,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品について使用するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
また,本件商標は,これを本件商標権者が,その指定商品について使用した場合,これに接する取引者,需要者が,引用商標を想起又は連想し,当該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し,商品の出所について混同を生じるおそれがあったものというべきであるから,仮に,商標法第4条第1項第11号に該当しないとしても,同項第15号に該当する。
したがって,本件商標は,商標法43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。

第5 本件商標権者の意見
本件商標権者は,上記第4の取消理由に対し,何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人は,1950年(昭和25年)に創業したオーストリア国ケンネルバッハに本社を置くオーストリア法人であり,ヨーロッパ,アメリカを中心に世界80カ国以上に販売網を持つスポーツ用品メーカーである(甲13)。
(2)申立人が取り扱う各種のスポーツ用品は,引用商標の表示の下,日本向けの商品カタログにおいて,1993年(平成5年)ないし1999年(同11年)(甲25?甲32),2003年(同15年)(甲41)及び2011年(同23年)(甲14)に「テニスラケット,テニスボール,ガット,グリップ,テニスシューズ,キャップ,テニス用バッグ,ソックス,アンダーシャツ」等が,1993年(同5年)ないし1999年(同11年)(甲16?甲22),2000年(同12年)及び2001年(同13年)(甲42,甲43)に「スキー,スキー用ブーツ,スキー用バッグ,ゴーグル,キャップ,タッセル,ヘルメット,サングラス,グローブ,スキーバッグ」等が,1994年(同6年)(甲33),1996年(同8年)及び1997年(同9年)(甲34)に各種の「スキーウェア」が,2016年(同28年)から2017年(同29年)(甲15)に「スノーボード」等が掲載された。
(3)申立人が取り扱う商品「テニスラケット」は,引用商標の表示の下,本件商標の登録出願前に発行された雑誌「スマッシュ」(2012年(平成24年)8月発行:甲86,2014年(同26年)9月発行:甲87,2016年(同28年)7月発行:甲88)に,雑誌「Tennis classic break」(2014年(同26年)4月発行:甲89,2015年(同27年)2月及び3月発行:甲90,甲91,2016年(同28年)8月発行:甲92)に,雑誌「T.Tennis」(2001年(同13年)2月号及び3月号:甲93及び甲94)に,「Tennis Magazine」(2000年(同12年)12月発行:甲95)等に掲載され広告された。
その他,申立人が取り扱う商品は,引用商標の表示の下,本件商標の登録出願前に発行された雑誌に,「スキー用品」(甲129,甲134,甲244?甲248),「スキーウェア」(甲132,甲134,甲139,甲140,甲141,甲243),「スポーツウェア」(甲133,甲136,甲137),及び「テニス用品」(甲143?甲148)が掲載され広告された。
(4)無効審判事件(甲44)において,請求人(申立人)がスキー用具及びその他スポーツ用品について使用する「HEAD」の欧文字(引用商標2)が,我が国において広く知られた商標とされ,その審決取消訴訟(甲45)においても同様に判断された。
(5)2017年(平成29年)版「スポーツ産業白書」(株式会社矢野経済研究所発行,甲250)によれば,「メーカー名」を「HEAD Japan株式会社」とする商品について,以下の旨の記載がある。なお,当該HEAD Japan株式会社は,オーストリアに拠点を置く「HEAD Sports」の子会社で,「HEAD」ブランドの商品を中核に,スキーやスノーボード・テニス等の幅広いスポーツ用品を販売する会社である(職権調査)。
ア 「硬式テニスラケット」の国内出荷数量について,2014年(同26年)は,数量5万7千本(10.1%),2015年(同27年)は,6万9千本(10.5%),2016年(同28年)(見込)は,7万3千本(11.8%),であって,そのシェアは,国内第4位である。
イ 「スキー板」の国内出荷数量について,2014年(平成26年)は,数量3万2千セット(7.7%),2015年(同27年)は,3万セット(7.6%),2016年(同28年)(見込)は,2万5千セット(7.6%)であって,そのシェアは,国内第3位である。
ウ 「スキーブーツ」の国内出荷数量について,2014年(同26年)は,数量4万5千足(9.6%),2015年(同27年)は,4万1千足(9.0%),2016年(同28年)(見込)は,3万3千足(8.5%)であって,そのシェアは,国内第2位である。
エ 「スキービンディング」の国内出荷数量は掲載がないものの,出荷金額については,2014年(平成26年)は,4億8千万円(24.5%),2015年(同27年)は,3億9千万円(21.4%),2016年(同28年)(見込)は,3億5千5百万円(20.4%)であって,そのシェアは,国内第2位である。
(6)上記の事実からすれば,引用商標が使用された申立人の業務に係る「スキー用品,テニス用品」は,商品カタログに掲載され,各種雑誌に継続して掲載され広告宣伝されたものであり,我が国における「テニスラケット,スキー板,スキーブーツ」の国内出荷数量も相当程度であって,かかる数量に相当する商品が販売されたものということができるから,引用商標は,申立人の商品「スキー用品,テニス用品」について使用された結果,本件商標の登録出願日及び登録査定日において,我が国の「スキー用品,テニス用品」の需要者の間に広く認識されていたものと認められる。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,上記第1のとおり,「SUPERHEAD」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成は,広く一般に親しまれている「超・・・,より優れた」等の意味を有する英語である「SUPER」の欧文字(甲47)と,「頭」の意味を有する英語である「HEAD」の欧文字とを結合したものと容易に把握され得るものである。
そして,本件商標は,その語頭の「SUPER」の欧文字部分は,上記の意味合いを表す文字部分として理解,把握され,商品の出所識別標識としての機能は弱いものということができるのに対し,その構成中の後半の「HEAD」の欧文字部分は,上記1のとおり,申立人の商品「スキー用品,テニス用品」について使用された結果,我が国のこれらの商品の需要者の間に広く認識されていたと認められるから,強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうすると,本件商標は,その後半に位置する「HEAD」の欧文字部分が独立して着目され得るものとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,「スーパーヘッド」の称呼を生じるほか,その構成中の「HEAD」の欧文字部分から「ヘッド」の称呼をも生じ,「頭」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は,上記第2のとおり,いずれも「HEAD」の欧文字を横書きしてなるものであるから,「ヘッド」の称呼を生じ,「頭」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標の構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「HEAD」の欧文字部分と引用商標とは,そのつづりが同じであって,「ヘッド」の称呼及び「頭」の観念を同じくするものである。
そうすると,本件商標の要部と引用商標とは,外観において近似し,称呼及び観念を同じくするものであるから,本件商標と引用商標とは,類似の商標というべきである。
(4)本件商標の指定商品と,引用商標の指定商品及び指定役務との類否について
本件商標の指定商品である第25類「被服,履物」は,引用商標1の指定商品である第25類「履物」,引用商標2の指定商品である第25類「被服」,及び引用商標4の指定商品中の第25類「Woolly hats, hats, peaked caps」と同一又は類似の商品である。
また,本件商標の指定商品である第25類「被服,履物」と,引用商標3の指定役務中の第35類「紳士用被服・婦人用被服・子供用被服・下着・ソックス・マフラー・手袋(被服に属するものに限る。)・サンバイザー・テニス用帽子・その他の帽子・テニス用衣服・スカッシュ用衣服・スキー用衣服・スノーボード用衣服・水泳着・ゴルフ用衣服・その他の被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは,商品の販売と役務の提供が一般的に同一事業者によって行われるものであり,また,商品の販売場所と役務の提供場所とを同一にし,さらに,需要者を共通にするものであるから,互いに類似するというのが相当である。
(5)小括
以上のとおり,本件商標と引用商標とは,類似の商標であって,引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品について使用するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
したがって,本件商標の商標登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものというべきであるから,他の申立ての理由について判断するまでもなく,同法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2019-03-07 
出願番号 商願2017-3919(T2017-3919) 
審決分類 T 1 651・ 263- Z (W25)
T 1 651・ 261- Z (W25)
T 1 651・ 262- Z (W25)
最終処分 取消  
前審関与審査官 吉岡 めぐみ 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
小出 浩子
登録日 2017-07-21 
登録番号 商標登録第5964603号(T5964603) 
権利者 有限会社スペリアミュージック
商標の称呼 スーパーヘッド、ヘッド 
代理人 水野 勝文 
代理人 保崎 明弘 
代理人 鈴木 亜美 
代理人 和田 光子 

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