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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W28 審判 全部申立て 登録を維持 W28 |
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管理番号 | 1353371 |
異議申立番号 | 異議2018-900353 |
総通号数 | 236 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-08-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-11-30 |
確定日 | 2019-07-05 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6079623号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6079623号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6079623号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成29年12月19日に登録出願、第28類「積み木(おもちゃ),組立おもちゃ,盤ゲーム,ボディビル用具,カーニバル用面,おもちゃの乗物,釣り具,ゲーム用具,ジグソーパズル,愛玩動物用のおもちゃ,動くおもちゃ,パーティー用・ダンス用贈呈品(パーティー用品),クリスマスツリー用装飾品(装飾用照明及び菓子を除く。),携帯ゲームおもちゃの画面保護用フィルム,スキー用底面カバー」を指定商品として、同30年8月21日に登録査定、同年9月7日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する商標(以下「引用商標」という。)は、「HUIZ orbit」の欧文字からなり、申立人が2015年(平成27年)10月20日より現在に至るまで、商品「積み木」に付し、中国及び日本国内で販売しているとするものである。 第3 登録異議の申立ての理由 1 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(以下、証拠については、「甲1」等のように表示する場合がある。)を提出した。 2 申立て理由の要点 (1)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、申立人の商標として広く一般に知られている(甲2ないし甲6)から、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。 (2)商標法第4条第1項第19号について 本件商標がその指定商品に使用された場合、甲5記載のように申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知・著名性について 申立人の主張及び同人の提出に係る上記甲各号証によれば、以下のとおりである。 (1)申立人は、2015年10月20日より現在に至るまで「HUIZ orbit」の商標を付した積み木を中国及び日本国内で販売している旨主張している(申立人の主張及び甲2、甲4ないし甲6)。 しかしながら、申立人提出の証拠(甲2及び甲6)からは、「HUIZ orbit」又は「HUIZorbit社」の表示及び積み木(木の立体パズル)の写真がウェブサイト上に掲載されていることが認められるものの、それが申立人の取扱いに係る商品であることまでは把握することができない。 なお、甲2及び甲5に係るウェブサイトの写しについては、「HUIZorbit」の文字の記載は確認できるものの、当該ウェブサイトへの掲載時期は不明である。また、甲4に係る取引書類の写し及び甲5に係るウェブサイトの写しの多くは、印刷が不鮮明な上に、記載された文字が中国語で小さいため、その詳細な内容を把握することができない。 (2)申立人は、「huizorbit」の欧文字からなる商標(中国登録商標第27253175号)を、中華人民共和国で所有している(甲3)。 (3)申立人は、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)へ「HUIZ orbit」の欧文字からなる商標を付した積み木を販売していたと主張する(申立人の主張及び甲5)。 しかしながら、上記証拠(甲5)の多くは、印刷が不鮮明な上に、記載された文字が中国語で小さいため、その事実を確認することができない。 上記(1)及び(3)によれば、「HUIZ orbit」の欧文字からなる引用商標が、積み木(木の立体パズル)について使用されていることは認められるが、その使用者が申立人であることまでは認めることができない。 また、申立人の提出に係る証拠においては、申立人及びその関連会社が、それらの業務に係る商品について、我が国及び外国おいて引用商標の使用を開始した時期、使用期間、使用地域等、その商品の売上高、シェアなどの販売実績及び営業規模、並びに引用商標に係る広告宣伝の費用、方法、回数及び期間などについては、その事実を具体的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国における取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 2 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標は、前記第1(別掲)及び第2のとおり、共に「HUIZ orbit」の欧文字からなるものである(決定注:本件商標の構成中「o」の文字は、四角形の輪郭で囲まれている。)ところ、構成中「HUIZ」の欧文字は、一般の外国語辞書には載録が見当たらない語であり、「orbit」の欧文字は、「軌道、人生行路」等の意味を有する英語(小学館ランダムハウス英和大辞典)であるとしても、該語は一般に親しまれているものとはいえず、両語を結合した全体は、特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものであるから、その構成文字に相応して「ヒュイズオービット」の称呼を生じ、特定の観念が想起されるとはいえないものである。 してみると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができず、構成中の「o」の文字について輪郭の有無の差異を有するとしても、その構成文字のつづりを同一にするものであるから、外観において近似し、かつ、その称呼も共通にする、類似の商標であるというべきものであり、両商標の類似性の程度は高いといえる。 3 本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品との関連性及びその需要者について 本件商標の指定商品は、第28類「積み木(おもちゃ),組立おもちゃ」を含むものであり、一方、引用商標の使用に係る商品は、「積み木(木の立体パズル)」であるから、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とは、用途等の関連性が高く、また、需要者を共通にするものである。 4 商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標と引用商標とは、上記2のとおり、類似性の程度が高いものであり、また、上記3のとおり、本件商標の指定商品と引用商標の使用に係る商品とは関連性が高く、需要者も共通にするものである。 しかしながら、引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人及びその関連会社の業務に係る商品を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。 してみれば、本件商標をその指定商品について使用をしても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は、上記2のとおり、本件商標と類似する商標であるとしても、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表すものとして、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第19号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ない。 そして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、商標権者が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる証拠は見いだせない。 申立人は、本件商標権者へ引用商標を付した積み木を販売していたから、本件商標権者は、引用商標が既に周知であることを知りながら、本件商標の取得を行っている旨主張している。 しかしながら、上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認められないものであるから、申立人の主張は、その前提において採用することはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 6 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する 別掲 本件商標 |
異議決定日 | 2019-06-27 |
出願番号 | 商願2017-165981(T2017-165981) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W28)
T 1 651・ 222- Y (W28) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 豊田 純一、大岩 優士 |
特許庁審判長 |
木村 一弘 |
特許庁審判官 |
小出 浩子 山田 啓之 |
登録日 | 2018-09-07 |
登録番号 | 商標登録第6079623号(T6079623) |
権利者 | ▲ど▼莱夢(深セン)貿易有限公司 |
商標の称呼 | ヒュイズオービット、フイズオービット、ヒュイズ、フイズ、オービット |
代理人 | 八田国際特許業務法人 |
代理人 | 藤井 健一 |