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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1352476 
異議申立番号 異議2018-900296 
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2019-07-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2018-10-12 
確定日 2019-06-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6063447号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6063447号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6063447号商標(以下「本件商標」という。)は、「sexy woman」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年10月6日に登録出願、第3類「化粧品,マッサージ用ジェル,マッサージローション」を指定商品として、同30年6月5日に登録査定、同年7月20日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の3件の登録商標である。
1 登録第4613795号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「セクシーガール」(標準文字)
登録出願日:平成13年6月7日
設定登録日:平成14年10月18日
指定商品 :第3類「紙おしろい,クリームおしろい,固形おしろい,紛おしろい,練りおしろい,水おしろい,一般化粧水,オーデコロン,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,ハンドローション,ひげそり用化粧水,薬用化粧水,クレンジングクリーム,コールドクリーム,ハイゼニッククリーム,バニシングクリーム,ハンドクリーム,ひげそり用クリーム,日焼けクリーム,日焼け止めクリーム,漂白クリーム,ファウンデーションクリーム,薬用クリーム,リップクリーム,口紅,練り紅,ほお紅,髪油,カラーリンス,コールドパーマ用液,すき油,セッティングローション,染毛剤,チック,パーマネント用液,びん付け油,ヘアークリーム,ヘアースプレー,ヘアートニック,ヘアーフィクサー,ヘアーラッカー,ヘアーリンス,ベーラム,ベジリン,ポマード,香水,固形香水,練り香,粉末香水,アイシャドウ,脂肪取り紙,スメリングソルト(化粧品に限る),脱毛剤,タルカムパウダー,ネイルエナメル,ネイルエナメル除去液,バスオイル,バスソルト,パック用化粧料,ベビーオイル,ベビーパウダー,マスカラー,まゆ墨,毛髪脱色剤」
2 登録第5289064号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「Sexy Girl Foot Deo Spray」の文字と「セクシーガールフットデオスプレー」の文字を二段に横書きしてなるもの
登録出願日:平成21年3月17日
設定登録日:平成21年12月18日
指定商品 :第3類「スプレー状の身体防臭用化粧品,その他のスプレー状の化粧品」
3 登録第5126214号商標
商標の構成:別掲1のとおり
登録出願日:平成19年3月19日
設定登録日:平成20年4月4日
指定商品 :「化粧品」を含む第3類に属する商標登録原簿に記載の商品
なお、申立人が引用する登録商標のうち、上記3の登録第5126214号商標は、当審において職権をもって調査したところ、平成30年4月4日に存続期間が満了し、その商標権の登録の抹消の登録が同年12月26日にされている。
以下、上記1及び2にいう登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。また、これら2件の商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号に基づき取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第20号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号
本件商標は平易な英語であり、「セクシーウーマン」の称呼を生じ、「セクシーな女性」の観念が一般需要者にも容易に理解される。一方、引用商標は「セクシーガール」の称呼及び「セクシーな少女」の観念を生ずる。
ところで、英語で「woman」は「女性」、「girl」は「少女」を意味するとはいえ、「ガール」は必ずしも10代の少女を意味するものではなく、一般的に「若い女性」あるいは必ずしも年齢に関係せず「女性」一般を意味する語としても使用されていることから、引用商標から、「セクシーな女性」の観念をも生ずるといえる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、称呼上は後半の「ウーマン」と「ガール」で異なるものの、「セクシーな女性」の観念を共通にするものであるから、両者は類似する商標である。
2 商標法第4条第1項第15号
上記1のとおり、本件商標と引用商標とは、類似する商標である。
そして、引用商標は、遅くとも2011年以降、申立人によって使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「化粧品」に属する商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものである。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、いずれも「化粧品」に属するものとして類似する。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合には、これに接する需要者は、当該商品を申立人の商品と誤認するか、あるいは、「セクシーウーマン」は「セクシーガール」より年齢層が高い需要者層向けの商品であるかのごとく、すなわち両商品がシリーズ商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがある。
さらに、本件商標が使用された場合には、「セクシーウーマン」も「セクシーガール」と同じく「セクシーな女性」を想起させるため、引用商標とそれに係る商品との一対一の対応関係を崩すといえ、希釈化を引き起こすといえる。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「sexy woman」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「woman」の文字は「(成人した)女、女性、婦人」の意味を有する語(「ベーシック ジーニアス英和辞典」大修館書店)として我が国において広く親しまれているものであり、本件商標は、その構成文字に相応して、「セクシーウーマン」の称呼及び「セクシーな女性」の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標1は、前記第2の1のとおり、「セクシーガール」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ガール」の文字は「少女。女の子。」の意味を有する語(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)として我が国において広く親しまれているものであり、引用商標1は、その構成文字に相応して、「セクシーガール」の称呼及び「セクシーな少女」の観念を生じるものである。
また、引用商標2は、前記第2の2のとおり、「Sexy Girl Foot Deo Spray」の文字と「セクシーガールフットデオスプレー」の文字とを二段に横書きしてなり、下段に位置する「セクシーガールフットデオスプレー」の文字は、上段に位置する「Sexy Girl Foot Deo Spray」の文字の読みを片仮名表記したものといえるところ、化粧品を取り扱う業界において、「Deo Spray」の文字及び「デオスプレー」の文字は、スプレー式デオドラント化粧品を表すものとして用いられることもあり、引用商標2の指定商品中にスプレー状の身体防臭用化粧品が含まれていることも相まって、引用商標2の構成中の「Foot Deo Spray」の文字及び「フットデオスプレー」の文字は、自他商品の識別力がないとまではいえないとしても、自他商品の識別標識としての機能を強力に発揮するとはいえないものである。
他方、引用商標2の構成中、「Sexy Girl」の文字及び「セクシーガール」の文字は、上述のとおり、「セクシーな少女」の観念を生じるものであり、引用商標2の指定商品との関係においては、自他商品の識別標識として機能し得るものである。
そうすると、引用商標2は、これをその指定商品について使用するときは、その構成中の「Sexy Girl」の文字及び「セクシーガール」の文字が、取引者、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるといえるから、該文字を要部として抽出し、これと本件商標とを比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
してみれば、引用商標2は、その構成中の要部である「Sexy Girl」の文字及び「セクシーガール」の文字に相応して、「セクシーガール」の称呼及び「セクシーな少女」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とを対比するに、両者は、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものである。
また、本件商標から生じる「セクシーウーマン」の称呼と引用商標から生じる「セクシーガール」の称呼とは、後半部分の構成音が明らかに異なり、その構成音数も異なるものであるから、明瞭に聴別できるものであり、両者は、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標は「セクシーな女性」の観念を生じるのに対し、引用商標は「セクシーな少女」の観念を生じるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても明らかに相違するものであるから、これらを総合してみれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
(4)申立人の主張
申立人は、「ガール」は必ずしも10代の少女を意味するものではなく、一般的に「若い女性」あるいは必ずしも年齢に関係せず「女性」一般を意味する語としても使用されていることから、引用商標から、「セクシーな女性」の観念をも生ずる旨を主張している。
しかしながら、「ガール」の文字は、一義的には「少女。女の子。」を意味する語として我が国において広く親しまれていることから、引用商標は「セクシーな女性」を想起させるとはいい難いものであって、「セクシーな女性」の観念を生じるとはいうことができないものであるから、申立人の上記主張は採用することができない。
(5)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)申立人の使用に係る商標の周知性について
申立人の主張及び同人の提出に係る甲各号証によれば、申立人は、2006年に「セクシーガール」と称するヘアコロンの販売を開始し(甲14)、「セクシーガール」の文字及び別掲2のとおりの構成からなる「Sexy Girl」の欧文字(略同一のものを含む。以下、これらをまとめて「使用商標」という。)を使用したヘアコロン、ボディミルク等の化粧品(以下「使用商品」という。)を現在に至るまで発売しており(甲13、甲15の2)、2011年ないし2017年の期間に、使用商品が、若い女性向けの雑誌に掲載されたことがうかがえる(甲15)。
しかしながら、申立人の提出に係る甲第15号証の1「『セクシーガール』雑誌掲載実績」の一覧表は、甲第15号証の2「商品掲載雑誌の掲載ページ」とする雑誌の各ページと思われる写しに対応していることがうかがえるものの、各雑誌掲載ページが掲載された雑誌名及び発行年月を確認することができる証左は何ら提出されていない。
また、仮に上記雑誌掲載ページが「雑誌掲載実績」の一覧表に記載されたとおりの発行年月に掲載されていたとしても、その掲載時期は2011年ないし2015年の期間に集中しており、近年においては、2016年は5回、2017年は1回のみ掲載されたにすぎない。
さらに、提出された雑誌掲載ページには、画像が小さく、商品容器に表示されている文字が判別し難いものも多く含まれていることに加え、いずれの掲載方法においても、使用商品は、多数の他社の商品とともに掲載されているものであって、他の多くの商品と比較して使用商品を印象づける方法により掲載されているというものでもないから、これらの雑誌掲載ページによって、使用商品のみが需要者に強く印象付けられるとは認められない。
加えて、申立人は、使用商品を紹介する申立人のウェブサイト(甲13)及びインターネット検索エンジンで「セクシーガール」の文字をキーワードとして検索した結果(甲17)を提出しているが、これらの出力日は平成30年10月9日であり、本件商標の登録出願時(平成29年10月6日)及び登録査定時(平成30年6月5日)よりも後のものである。
その他、使用商品の具体的な販売地域、売上高、市場占有率等を裏付ける証左の提出は何らなされていない。
そうすると、使用商標が、我が国の需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、どの程度広く知られているか推し量ることはできない。
したがって、使用商標は、申立人の提出に係る甲各号証によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
(2)出所の混同について
使用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間で広く認識されていた商標ということはできないものである。
また、「sexy woman」の欧文字からなる本件商標と「Sexy Girl」の欧文字あるいは「セクシーガール」の片仮名からなる使用商標とは、上記1に記載の引用商標と同様に、非類似の商標であって、その類似性の程度は高いとはいえない。
そうすると、本件商標の指定商品と使用商標の使用に係る商品は、いずれも化粧品であり、その需要者、取引者において共通性があるものの、本件商標は、これを本件商標権者がその指定商品に使用しても、需要者、取引者が使用商標を想起して、その商品が申立人又は同人と親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると、その商品の出所について混同を生じるおそれもないというべきである。
(3)小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1
登録第5126214号商標


別掲2
使用商標



異議決定日 2019-05-31 
出願番号 商願2017-132956(T2017-132956) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 寺澤 鞠子 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 石塚 利恵
中束 としえ
登録日 2018-07-20 
登録番号 商標登録第6063447号(T6063447) 
権利者 オープンアイ株式会社
商標の称呼 セクシーウーマン、セクシー、ウーマン 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 

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