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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z25 |
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管理番号 | 1351602 |
審判番号 | 取消2017-300813 |
総通号数 | 234 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-06-28 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2017-10-27 |
確定日 | 2019-05-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4327922号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4327922号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は,被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第4327922号商標(以下「本件商標」という。)は,「ブルーライン」の片仮名と「BLUE LINE」の欧文字を上下二段に書してなり,平成10年12月16日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類」を指定商品として,同11年10月22日に設定登録されたものである。 そして,本件審判の請求の登録は,平成29年11月14日になされている(以下,本件審判の請求の登録前3年以内を「本件要証期間内」という。)。 第2 請求人の主張 請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)乙第1号証及び乙第5号証 これらは,いずれも本件要証期間外のものである。 (2)乙第2号証 「請求書」と題する書面は,右上に記載の平成27年4月3日に作成されたものであるとしても,本件商標がその指定商品について使用されたことを示す何ら事実も示されていない。 (3)乙第3号証及び乙第4号証 乙第3号証及び乙第4号証には,シャツの写真が示されているが,被請求人の商品であることすら示されていない。 (4)乙第6号証 取引記録としての通帳の写しと思料するも,取引内容が示されておらず,本審判事件にどのように関係するものか示されていない。 (5)乙第7号証及び乙第8号証 デニムサルーンという会社の名刺及び店舗の写真と思料するが,この場所でどのように本件商標が使用されていたのかを示すものは提出されておらず,本件商標との関わりが不明である。 (6)乙第9号証 「Blue Line」の文字が記載された帯と見受けられるものの,これが何を示すものか判然としない。よって,本書面をもって本件商標がその指定商品について使用されていたことを立証するものとはなり得ない。 (7)乙第10号証 「Assist inc.」のレターヘッドと思しき書面の下方に,「Blue Line」,「METOPE」及び「Rue de France」の文字が確認できるものの,商品との関係,日付などが一切示されておらず,結局のところ,本書面が本件商標の指定商品についての使用を証するものとはいい難い。 (8)乙第11号証 被請求人のロゴを付した生産依頼書であることは判明するも,生産依頼書に記載のものが何か,業としての日本国内における使用を証する書面なのか不明である。 (9)乙第12号証 中国の企業から被請求人に宛てた請求書に見受けられるものの,本件商標の使用とどのように関係があるのか明らかにされていない。 (10)乙第13号証 被請求人名義の通帳の写しであることは理解できるものの,本書面が意味するところは不明である。 (11)結論 上述のとおり,被請求人は,乙各号証がどのように本件商標の使用を立証しているのかの説明もなく,それぞれのつながりも不明である。結局のところ,これらの証拠は,被請求人による日本国内における本件商標の指定商品についての使用を一切証明するには至っていない。 よって,本件商標は,日本国内にて,3年以上継続して使用されていた事実は見当たらず,商標法第50条第1項に基づき,取り消されるべきものである。 3 本件審判の審理について 請求人は,平成30年11月28日付けの上申書により,被請求人が希望する書面審理に同意する旨述べた。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由については,「本件商標を使用し,販売しているため。」とだけ述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。 なお,被請求人は,平成30年11月22日付けの上申書により,更なる主張立証はしないため,書面審理を希望する旨述べた。 第4 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠によれば,以下のとおりである。 (1)商品写真について ア 平成26年11月11日に納品したとする商品写真(乙3)には,商品「七分袖長袖シャツ」が写されており,その右胸部分に紺色の長方形中に「BLUE LINE」の欧文字が黄色で表示されている。しかしながら,当該商品写真からは,当該商品の製造者や品番等は確認できない。 イ 平成27年4月3日に納品したとする商品写真(乙4)には,商品「半袖シャツ」が写されており,その左胸部分に「Blue Line」の欧文字が筆記体で表示されている。しかしながら,当該商品写真からは,当該商品の製造者や品番等は確認できない。 (2)本件商標権者とジーンズリペア専門店「デニムサルーン」(以下「デニムサルーン」という。)との取引について ア 本件商標権者は,平成26年11月11日,デニムサルーンに対し,品名を「AS1007」とする商品30枚について,その商品代金57,956円を請求し,その後,同日に,デニムサルーンのI氏より,当該代金が本件商標権者の普通預金口座に振り込まれた(乙1,5,7,13)。 イ 本件商標権者は,平成27年4月3日,デニムサルーンに対し,品名を「AS1020」とする商品「シャツ」1枚について,その商品代金3,348円を請求し,その後,同月20日に,デニムサルーンのI氏より,当該代金が本件商標権者の普通預金口座に振り込まれた(乙2,6,7,11,13)。 (3)本件商標権者と「JIANGMEN CITY RAINBOW TRADING LTD」との取引について ア 本件商標権者が「JIANGMEN CITY RAINBOW TRADING LTD」(以下「JCRT社」という。)に宛てた平成27年1月15日付けの「生産依頼書」(乙11)には,「品番」の項に「AS1020」,「品名」の項に「シャツ」,「ブランド」の項に「BLUE LINE」,及び「F」の項に「20」の記載がある。 イ JCRT社が本件商標権者に宛てた平成27年3月20日付けの「COMMERCIAL INVOICE」(商業送り状)(乙12)には,「STYLE NOS.」(品番)の項に「AS1020」,「DESCRIPTION」(銘柄)の項に「BUUE(審決注:「BLUE」の誤記と認める。) LINE LADIES’SHIRT」,及び「QUANTITY」(数量)の項に「20」の記載がある。 (4)その他の使用について ア ブランド織ネームには「Blue line.」の文字の記載がある(乙9)。 イ 提案生地台紙には「Assist inc.」の文字が上部に,「Blue line」の文字が左下部に印刷されているが,「Art No.」,「Quarity」,「Fabric」及び「size」の各項には,いずれも具体的な記載がない(乙10)。 2 判断 (1)商品写真について 商品写真(乙3,4)については,当該商品写真からは,当該商品(シャツ)の製造者や品番等は確認できないし,しかも,被請求人は,本件要証期間内に撮影されたとする客観的な証拠を提出していないから,当該商品(シャツ)に「BLUE LINE」又は「Blue Line」の欧文字が付されているとしても,当該証拠によっては,本件商標権者(又はその使用権者)が,本件要証期間内に,当該商品(シャツ)に本件商標(本件商標と社会通念上同一のものを含む。以下同じ。)を使用したということはできない。 (2)本件商標権者とデニムサルーンとの取引について ア 上記1(2)アにおいて,本件商標権者とデニムサルーンの間において,平成26年11月11日に何らかの商品取引等があったとしても,当該商品取引は,本件要証期間内のものではない。 イ 上記1(2)イよりすると,本件商標権者は,平成27年4月3日,デニムサルーンに品名を「AS1020」とする商品「シャツ」1枚について,その商品代金3,348円を請求し,その後,同月20日に,デニムサルーンのI氏より,当該代金が本件商標権者に振り込まれたのであるから,本件商標権者は,平成27年4月頃に,品名を「AS1020」とする商品をデニムサルーンに納品したとしても,当該品名「AS1020」に係る商品が商品写真(乙4)の商品(シャツ)であることを立証していないから,当該商品に本件商標が付されていたということはできない。 (3)本件商標権者とJCRT社との取引について 上記1(3)よりすると,本件商標権者は,平成27年1月15日,JCRT社に,ブランド名を「BLUE LINE」及び品番「AS1020」とする商品「シャツ」20枚の生産を依頼し,同年3月20日頃に当該商品が,本件商標権者に納品されたとしても,当該品番「AS1020」に係る商品が商品写真(乙4)の商品(シャツ)であることを立証していないから,当該商品に本件商標が付されていたということはできない。 また,生産依頼書(乙11)が,本件要証期間内のものであって,当該生産依頼書にブランド名として「BLUE LINE」の文字が記載されているとしても,当該生産依頼書は,本件商標権者が当該商品(シャツ)の生産を依頼するために作成したものにすぎず,商標の広告的使用を目的とした商品に関する取引書類(例えば,注文書,納品書,送り状,出荷案内書,物品領収書,カタログ等)でないことは明らかであるから,商標法第2条第3項第8号所定の「取引書類」には該当しない。 したがって,本件商標権者(又はその使用権者)が,日本国内において,商品に本件商標を付した又は取引書類に本件商標を付して頒布したとは認めることはできない。 (4)その他の使用について ア 「Blue line.」の文字が入ったブランド織ネーム(乙9)がどの商品に,いつ使用されたか,被請求人は何ら立証していない。 イ 提案生地台紙(乙10)は,具体的な商品について使用される前のものであって,当該提案生地台紙が,本件要証期間内に頒布されたものとはいえないから,本件商標の使用を立証し得ない。 ウ したがって,本件商標が本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品に使用されたということはできない。 (5)以上よりすると,被請求人が提出した証拠によっては,本件商標権者が,本件要証期間内に,本件商標の使用をしたものとは認めることができないところ,被請求人は,上記第3のとおり,本件商標に係る使用については,更なる主張立証はしないと述べているから,上記(1)ないし(4)のとおり,判断するほかない。 3 まとめ 以上のとおりであるから,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。 また,被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2019-03-11 |
結審通知日 | 2019-03-13 |
審決日 | 2019-03-27 |
出願番号 | 商願平10-107055 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(Z25)
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最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 田村 正明 |
登録日 | 1999-10-22 |
登録番号 | 商標登録第4327922号(T4327922) |
商標の称呼 | ブルーライン |
代理人 | 豊崎 玲子 |