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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W09 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W09 |
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管理番号 | 1351541 |
審判番号 | 不服2018-14547 |
総通号数 | 234 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-11-01 |
確定日 | 2019-04-24 |
事件の表示 | 商願2017- 77048拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「colors」の文字を標準文字で表してなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成29年6月9日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同30年3月27日受付の手続補正書により,第9類「消防車,酸素マスク(医療用のものを除く。),眼鏡(サングラスを除く。)」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は,「本願商標は,『colors』の文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,指定商品中『眼鏡(サングラスを除く。)』との関係において,コンタクトレンズの各種色を包括的に示すために使用されている語である。してみると,本願商標をその指定商品中『コンタクトレンズ』について使用しても,本願商標に接する取引者,需要者は,『各種色の付いたコンタクトレンズ』程の意味合いを認識するに止まり,結局,本願商標は,単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって,自他商品識別機能を果たさないものといわなければならない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について ア 本願商標は,上記1のとおり,「colors」の文字を標準文字で表してなるところ,該文字は「色,色彩,色調」等の意味の英語の「color」(「ベーシック ジーニアス英和辞典」 株式会社大修館書店)の複数形として広く知られているものと認められる。 そして,「colors」又は該語を片仮名表記したものと理解される「カラーズ」の文字は,原審における拒絶査定において示したインターネット情報(別掲)に加え,以下のインターネット情報によれば,本願指定商品中「眼鏡(サングラスを除く。)」を取り扱う業界において,該文字が「複数の色彩(カラー)のバリエーションがある商品」であることを示す語として,普通に使用されている実情を確認することができる。 (下線は合議体による。) (ア)株式会社アイレのウェブサイト 「ネオサイトワンデー リング カラーズ」「Neo Sight one day Ring colors」という商品の紹介ページにおいて,「POINT 1 瞳になじむシンプルデザイン&カラー」の見出しの下,「ヘーゼル,グレー,ブルーの3色のバリエーション。」との記載とともに,異なる3色の商品「コンタクトレンズ」の写真(画像)が掲載されている。 (http://neo-sight.com/products/color/ring-colors/) (イ)コンタクトレンズのアルコンのウェブサイト 「AIR OPTIX BRIGHT&COLORS/エアオプティクスブライト&カラーズ」という商品の紹介ページにおいて,「それは,明るさを上げるカラーコンタクト。」の記載とともに,「瞳を明るく演出する5つのカラー」の項に,「エア オプティクス カラーズ」の見出しの下,「AIR OPTIX COLORS」の文字が記載された商品パッケージ画像が掲載されるとともに,「個性を引き立てる3色」として「グリーン使用中」,「グレー使用中」及び「ブルー使用中」との記載がある。 (https://alcon-contact.jp/products/airoptix-bright-colors/) (ウ)Glassickのウェブサイト 「COLORS カラーズ」の見出しの下,「C1:Shiny Brown/Green C2:Shiny Green/ Green C3:Shiny Pink/Green」との記載とともに,異なる3色のフレームを有する商品「眼鏡」の写真(画像)が掲載されている。 (http://www.glassick.com/product/product.cgi?bid=1463636804&pid=1463640132) (エ)コンタクトレンズ通販激安.comのウェブサイト 「アキュビュー 2 カラーズ オペークス」という商品の紹介ページおいて,「ジョンソン&ジョンソン(johnson&johnson)・・・カラーコンタクトレンズ」の項に,「アキュビュー 2 カラーズ オペークスは,品質が良いことで人気のジョンソン&ジョンソン社の2週間使い捨てカラーコンタクトレンズです。このコンタクトレンズは,鮮やかな瞳の色を演出しますので個性的な自分に出会えますよ。」との記載及び「Chesnut Brown」「Pearl Gray」「Jade Green」「Hazel Green」との記載がある。 (http://xn--pckhws0c8nsbe3329gtixb9p1dbwi.com/2107_%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC-2-%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BA-%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9/) イ そうすると,本願商標は,本願指定商品中「眼鏡(サングラスを除く。)」との関係において,「複数の色彩(カラー)のバリエーションのある商品」の意味合いを理解,認識させるものであるから,これをその指定商品中「眼鏡(サングラスを除く。)」について使用した場合,単に商品の品質及び特徴を理解,認識させるにすぎない。 してみれば,本願商標は,単に商品の品質及び特徴を普通に用いられる方法で表示するもので,自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当である。 したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,その指定商品「眼鏡(サングラスを除く。)」中,「複数の色彩(カラー)のバリエーションのある商品」以外の商品について使用するときには,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので同法第4条第1項16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は,「『各種色の付いた?』という意味を持つ単語は,『colors』ではなく,『カラーバリエーション(color variation)』などと表現されるものである。『colors』の表記は,日本人にとっては馴染みのない単語であるばかりでなく,『各種色の付いた?』との意味を表す単語としては正確ではない。さらに,『colors』が,本願の指定商品を取り扱う業界において,また,各種商品を取り扱う業界においても,取引上,商品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実を見いだすことはできなかった。」旨を主張している。 しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標の構成文字の意味及び本願商標の指定商品を取り扱う業界における取引の実情からすれば,本願商標がその指定商品中「眼鏡(サングラスを除く。)」に使用されるときは,その商品に接する需要者,取引者は,本願商標が「複数の色彩(カラー)のバリエーションのある商品」であるという商品の品質及び特徴を表したものとして理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては認識し得ないものといわざるを得ない。 イ 請求人は,過去の登録例及び審決例を挙げて,本願商標も登録されるべき旨を主張している。 しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは,当該商標の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品,指定役務との関係や,その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて,個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の挙げた登録例及び審決例は,商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点やその指定商品が異なる点において,本願とは,事案を異にするものというべきであり,また,過去の登録例や審決例が存在することをもって,本願商標の上記判断が左右されるものではない。 したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用することはできない。 (3)まとめ 以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し,登録することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 原審(拒絶査定)において示したインターネット情報(下線は合議体による。) 「LENSMODE」のホームページにおいて,「BAUSCH LOMB ラッセル カラーズ」の商品名の「カラーコンタクトレンズ」の紹介ページにおいて,「COLOR SELECT」として「CHARMING BRONZE」「FROZEN GREY」「JUBILEE VIOLET」「MAJESTIC BLUE」「SPARKLING GOLD」「VIVID GOLD」の記載がある。 (https://www.lensmode.com/goods/index/gc/BLC30) |
審理終結日 | 2019-02-06 |
結審通知日 | 2019-02-20 |
審決日 | 2019-03-08 |
出願番号 | 商願2017-77048(T2017-77048) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W09)
T 1 8・ 272- Z (W09) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 赤星 直昭、森山 啓 |
特許庁審判長 |
薩摩 純一 |
特許庁審判官 |
須田 亮一 大森 友子 |
商標の称呼 | カラーズ |
代理人 | 富樫 竜一 |