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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W41 |
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管理番号 | 1350825 |
審判番号 | 不服2018-11031 |
総通号数 | 233 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2019-05-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-08-10 |
確定日 | 2019-04-24 |
事件の表示 | 商願2017-32123拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「下水道管路更生管理技士」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年3月10日に登録出願されたものである。 そして、その指定役務は、原審における同年12月15日付けの手続補正書により、第41類「管路更生工事の施工技術の教授,管路更生工事の施工技術に関する資格の付与のための資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,管路更生工事の施工技術の教授に関するセミナーの企画・運営又は開催,管路更生工事の施工技術に係る資格試験に関するセミナーの企画・運営又は開催,管路更生工事の施工技術の教授に関する電子出版物の提供,管路更生工事の施工技術に係る資格の付与のための資格試験に関する電子出版物の提供,管路更生工事の施工技術の教授並びに管路更生工事の施工技術に係る資格の付与のための資格試験に関する書籍の制作」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 本願商標は、「下水道管路更生管理技士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「管路更生」の文字が、ウェブサイト情報によると、「下水道管などの管を補修すること」程の意味合いを表す語として使用されている実情が見受けられることから、商標全体として、「下水道管の補修に関する管理技士」程の意味合いを理解、認識させるものである。 そして、我が国においては、下水道管に関連する排水管等の配管工事については「管工事施工管理技士」、また、下水道管に関する土木工事については「土木施工管理技士」と称する国家資格を有する者として、それぞれ、管理されている実情があることからすると、本願商標は、これをその指定役務に使用した場合、あたかも国家資格を表す名称の一つであるかのように、需要者に誤認を生じさせるおそれがあるというべきであり、その登録を認め、指定役務について独占使用権、排他権を付与することは、取引秩序を乱すおそれがあり、社会公共の利益に反することから、穏当ではないといわざるを得ない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 3 当審の判断 本願商標は、「下水道管路更生管理技士」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「下水道」の文字は、「下水や雨水を流す排水路、またはそれら全体の処理施設。」を表す語(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)であるのに対し、続く「管路更生」及び「管理技士」の文字は、一般の辞書等には掲載がないものである。そして、「管路更生」の文字は、一部の者により「下水道管などの管を補修すること」程の意味合いを表す語として使用されていることはうかがえる。また、「管理技士」の構成中「士」文字部分が、「一定の資格・役割をもった者。」を意味する語(前掲書)であって、一定の国家資格あるいは民間資格をもった者又はそれらの資格自体を表わすものとして理解される場合があるとしても、「管理技士」の文字全体として、具体的な資格を表すものとして親しまれているものとはいえないものである。 そして、上記各語を並べた本願商標の構成全体からは、原審説示のごとき「下水道管の補修に関する管理技士」の意味合いを表したものと直ちに認識し理解されるものとはいい難いものである。 また、請求人の主張及び職権調査によれば、請求人である「一般社団法人日本管路更生工法品質確保協会」は、平成21年4月1日に発足し、管路更生工事の特殊性に鑑み、その知識・経験を取得・確認するための資格試験を企画する団体(協会)であって、多数の管路更生技術の主団体(法人、協会を含む。14工法協会、総会員数95社)の賛同を得て設立されたものであり、2016年(平成28年)4月から「下水道管路更正管理技士」の資格試験制度の運用を開始し、現在まで当該資格試験制度の普及や研修の充実などに取り組んできたものと認められる。 さらに、請求人は、定期的に季刊誌「管路更生」を請求人のウェブサイトに掲載し、管路更生に関する普及啓蒙を現在までおこなってきたことがうかがえる。 そして、当審において調査するも、「下水道管路更正管理技士」と同一又は類似する名称が、他の法律によって使用を規制されているといった事実も見いだし得ない。 以上のことからすると、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者をして、これより直ちに国家資格を表す名称の一つであるかのごとく誤認を生じさせるおそれがあるものとはいえず、また、国家資格制度の秩序を乱すおそれがあるものと認めることもできないから、結局、本願商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ということはできない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2019-04-11 |
出願番号 | 商願2017-32123(T2017-32123) |
審決分類 |
T
1
8・
22-
WY
(W41)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 石塚 文子、藤田 和美、佐藤 純也 |
特許庁審判長 |
木村 一弘 |
特許庁審判官 |
瀬戸 俊晶 小出 浩子 |
商標の称呼 | ゲスイドーカンロコーセーカンリギシ、ゲスイドーカンロコーセーカンリ |
代理人 | 池田 仁士 |