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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服201811130 審決 商標
不服201813662 審決 商標
不服20194381 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W33
管理番号 1350786 
審判番号 不服2018-5959 
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-04-05 
確定日 2019-04-10 
事件の表示 商願2017-5370拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「半平太酒」の文字を標準文字で表してなり、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成29年1月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『半平太酒』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『酒』の文字は、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別力を有さないものであるため、その構成中の『半平太』の文字が、需要者の注意を特に引く部分であるといえる。そして、『半平太』の文字についてみると、『武市瑞山(半平太)』という歴史上の人物が存在し、当該人物を称する際、『武市』の氏を省略した『半平太』の文字が使用されている事実があり、武市半平太ゆかりの地では、武市半平太の銅像や、旧宅・墓(国指定史跡文化財)などが存在していることから、武市半平太は、その名声が今日においても高く、地元住民をはじめとして広く親しまれており、かつ、観光資源としても活用されているというのが相当である。そうすると、本願商標を、一私人である出願人が、自己の商標としてその指定商品に独占的に使用することは、武市半平太を敬愛する人々の心情を害するおそれがあるばかりでなく、武市半平太にちなんだ観光振興などの公益的な施策の遂行を阻害するおそれがあり、社会公共の利益に反するものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり「半平太酒」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中「半平太」の文字は、「武市瑞山」の見出しの下、幕末の志士、武市瑞山の通称を表すものとして、一般の辞書に掲載されているものであるが、「半平太」の見出しの下では、一般の辞書に掲載されていない。
そして、武市瑞山の出生地である高知県には、武市瑞山を祀る神社である「瑞山神社」、同人の業績を伝える「瑞山記念館」、同人の旧宅及び墓である「武市半平太旧宅及び墓」及び「武市半平太(瑞山)像」と称する銅像があり、高知県においては、「武市半平太」「武市瑞山」又は「瑞山」の文字が施設等の名称に使用されていることは認められるものの、「半平太」の文字のみを冠した施設等は見受けらず、また、「半平太」の文字のみが、公益的な機関による地域振興や観光振興の施策に使用されている事実も見いだすことはできない。
さらに、武市瑞山が本願の指定商品と関連の深い人物であるとの事情も見いだすことができない。
そうすると、本願商標は、商標の一部に「半平太」の文字を有するものの、請求人が本願商標を出願し、登録を受けることが、地域振興や観光振興のための施策等の名称に「武市半平太」「武市瑞山」又は「瑞山」の文字を使用することに支障を生じさせるとまではいえない。
そして、本願商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、その構成自体がそのようなものではなくとも、それを本願の指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえない。
また、本願商標は、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものではないし、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。
さらに、本願商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に該当すると認めるに足る具体的事実も見いだせない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものではないから、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2019-03-20 
出願番号 商願2017-5370(T2017-5370) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W33)
最終処分 成立  
前審関与審査官 太野垣 卓駒井 芳子 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 中束 としえ
石塚 利恵
商標の称呼 ハンペータサケ、ハンペータシュ、ハンペータ 
代理人 小山 義之 

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