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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W3545 審判 全部申立て 登録を維持 W3545 審判 全部申立て 登録を維持 W3545 審判 全部申立て 登録を維持 W3545 審判 全部申立て 登録を維持 W3545 |
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管理番号 | 1349859 |
異議申立番号 | 異議2018-900227 |
総通号数 | 232 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2019-04-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-08-13 |
確定日 | 2019-03-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6044973号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6044973号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6044973号商標(以下「本件商標」という。)は、「Matchapp」の欧文字を水色で横書きした構成からなり、第35類及び第45類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年8月14日に登録出願、その後、同30年4月13日付けの手続補正書により、第35類の指定役務が補正された結果、第35類「インターネットによる広告,映像配信による広告」及び第45類「インターネットによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,インターネットによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供」を指定役務として、同年5月18日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する登録商標は、以下の1ないし5であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第4263956号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MATCH.COM」の欧文字を標準文字により表してなり、平成9年5月30日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同11年4月16日に設定登録され、その後、同21年4月21日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 2 登録第4712423号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MATCH.COM」の欧文字を横書きしてなり、平成14年10月17日に登録出願、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年9月26日に設定登録され、その後、同25年6月25日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 3 登録第5178845号商標(以下「引用商標3」という。)は、「マッチドットコム」の片仮名を標準文字により表してなり、平成19年12月18日に登録出願、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年11月7日に設定登録され、その後、同30年10月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 4 登録第5178846号商標(以下「引用商標4」という。)は、「マッチ・ドットコム」の片仮名を標準文字により表してなり、平成19年12月18日に登録出願、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年11月7日に設定登録され、その後、同30年10月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 5 登録第5178847号商標(以下「引用商標5」という。)は、「マッチコム」の片仮名を標準文字により表してなり、平成19年12月18日に登録出願、第41類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年11月7日に設定登録され、その後、同30年10月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。 以下、引用商標1ないし5をまとめていうときは、「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び(又は)同第15号に該当するにもかかわらず登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録を取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)申立人は、1995年の創設以来、「Match.com/マッチ・ドットコム」の名称の下、インターネットを利用した交際相手探しのパイオニアとして当該業界をリードしており、現在、日本を含む24力国でサービスを提供している(https://www.match.com、https://jp.match,com)。 (2)申立人が提供するインターネットを利用した交際相手探しサービスの名称である「Match.com/マッチ・ドットコム」は、申立人の本国である米国並びに我が国を含むサービス提供国では、当該サービスとの関連において、本件商標出願前から、現在に至るまで周知著名であった。 (3)本件商標と引用商標を比較すると、「(スマートフォン等のための)アプリケーション」を意味する英単語である本件商標後半部の「app」(甲7)、並びに、インターネットのジェネリックトップドメイン(gTLD)を示す引用商標後半部の「.COM/ドットコム/コム」(甲8)は、インターネットを利用したそれぞれの指定役務との関係において自他役務識別力に欠けるか又は自他役務識別力が比較的弱い部分である。 そうとすると、本件商標及び引用商標ともに、「Match」及び「MATCH/マッチ」の部分が、取引者・需要者により商標の要部として独立して把握・認識され得るため、両商標は相互に類似する関係にあると考えるのが妥当である。 (4)本件商標の第45類の指定役務である「インターネットによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,インターネットによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供」が、引用商標の指定役務である「オンラインによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」等と相互に類似する関係にあることはいうまでもなく、特許庁における審査基準においても、両指定役務は相互に類似する役務であると規定されている。また、本件商標の第35類の指定役務である「インターネットによる広告,映像配信による広告」についてみても、現在、インターネットでサービスを提供する場合は、当該ウェブサイト中のスペースを商品・役務の宣伝広告のためのスペースとして第三者に提供・貸与するビジネスモデルが一般的であるから、審査基準上類似関係にあると規定されていなくとも、その役務内容の共通性・関連性から、本件商標の第35類の指定役務も、引用商標の指定役務である「オンラインによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」等と極めて近い関係にあると考えるのが極めて妥当である。 (5)以上を考慮すると、本件商標は引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号の規定に該当する。 2 商標法第4条第1項第10号及び(又は)同第15号該当性について 「インターネットを利用した交際相手探しサービス」を提供するにあたり、「Match」を要部とする本件商標に接する我が国の取引者・需要者は、本件商標に係る役務が、あたかも本件商標出願前から周知著名な申立人の商標「Match.com/マッチ・ドットコム」に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同するおそれがあるか、あるいは、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であると誤認した結果、役務の出所について混同するおそれがあるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び(又は)同第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 引用商標の周知著名性について 申立人は、申立人が提供するインターネットを利用した交際相手探しサービスの名称である「Match.com/マッチ・ドットコム」は、申立人の本国である米国及び我が国を含むサービス提供国では、当該サービスとの関連において、本件商標出願前から、現在に至るまで周知著名であったと主張している。 しかしながら、その周知著名性を客観的に把握することができる証拠は何ら提出されておらず、その他に引用商標の周知著名性を客観的に把握することができる証拠も見いだせない。 したがって、引用商標が、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、前記第1のとおり、「Matchapp」の欧文字を水色で横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ間隔で、まとまりよく一体に表されているものであり、また、該文字に相応して生じる「マッチアップ」の称呼も、促音を含めて6音と冗長なものではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、該文字は、辞書等に記載のないことから、本件商標全体として、特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものというべきである。 また、本件商標は、「Match」の文字部分だけが独立して看者の注意を惹くように構成されているとはいえないことに加え、「app」の文字が「(スマートフォン等のための)アプリケーション」を意味する語であるとしても、その指定役務との関係では、役務の質等を表示する語であるということもできない。 さらに、前記1のとおり、引用商標の周知著名性も認められず、その他に、本件商標について、その構成中の「Match」の文字部分のみが独立して自他役務識別標識として機能するというような事情も見いだせない。 そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって認識され、把握されるというべきものであるから、本件商標からは、「マッチアップ」の称呼のみが生じ、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1及び引用商標2は、前記第2の1及び2のとおり、「MATCH.COM」の欧文字からなり、その構成文字に相応して、「マッチドットコム」及び「マッチコム」の称呼を生じるものである。 そして、該文字は、辞書等に掲載されていない造語といえるから、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標3は、前記第2の3のとおり、「マッチドットコム」の片仮名からなるものであり、また、引用商標4は、前記第2の4のとおり、「マッチ・ドットコム」の片仮名からなるものであるから、いずれも、その構成文字に相応して「マッチドットコム」の称呼が生じるものである。 そして、該文字は、いずれも辞書等に掲載されていない造語といえるから、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標5は、前記第2の5のとおり、「マッチコム」の片仮名からなるものであるから、その構成文字に相応して「マッチコム」の称呼が生じるものである。 そして、該文字は、辞書等に掲載されない造語といえるから、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否について 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、両者は、後半部における「app」と「.COM」の文字の相違、欧文字と片仮名の文字種の相違などから、外観上、明らかに区別できるものである。 次に、称呼においては、本件商標から生じる「マッチアップ」の称呼と引用商標から生じる「マッチドットコム」又は「マッチコム」の称呼とは、後半部における「アップ」と「ドットコム」又は「コム」の音の明確な差異から、明瞭に聴別できるものである。 さらに、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 以上のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第10号該当性について 前記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 そして、本件商標は、上記2のとおり、引用商標とは非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性について 前記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 (2)本件商標と引用商標との類似性の程度について 本件商標は、前記2のとおり、引用商標とは非類似の商標であって、類似性の程度は極めて低いといわざるを得ない。 (3)本件商標の指定役務と申立人の取扱いに係る役務の関連性、需要者の共通性について 本件商標の指定役務中、第45類「インターネットによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介に関する情報の提供,インターネットによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供」と引用商標の指定役務である「オンラインによる結婚又は交際を希望する者への異性の紹介」とは、同一又は類似の役務であり、需要者も共通する。 (4)出所の混同のおそれについて 上記(1)ないし(3)のとおり、引用商標については、申立人の取扱いに係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであって、かつ、本件商標は、引用商標と類似性の程度が低いものであることからすれば、本件商標の指定役務と申立人の取扱いに係る役務が同一又は類似するものであり、その需要者の範囲を共通にするものであったとしても、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2019-03-12 |
出願番号 | 商願2017-106101(T2017-106101) |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(W3545)
T 1 651・ 261- Y (W3545) T 1 651・ 263- Y (W3545) T 1 651・ 25- Y (W3545) T 1 651・ 271- Y (W3545) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大島 康浩 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
冨澤 美加 鈴木 雅也 |
登録日 | 2018-05-18 |
登録番号 | 商標登録第6044973号(T6044973) |
権利者 | 株式会社Parasol |
商標の称呼 | マッチアップ |
代理人 | 大橋 啓輔 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 田島 壽 |