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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
管理番号 1349793 
審判番号 不服2018-8790 
総通号数 232 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-04-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-06-27 
確定日 2019-02-27 
事件の表示 商願2016-136131拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「CREO ECAD-MCAD COLLABORATION EXTENSION」の欧文字及び記号を書してなり、第9類及び第16類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年12月2日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同29年7月11日付け手続補正書により、第9類「コンピュータソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータプログラム(ソフトウェア),コンピュータソフトウェア用インストラクションマニュアル及びユーザーマニュアルに関する電子出版物,電子出版物,電子応用機械器具及びその部品」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4342976号商標(以下「引用商標1」という。)
・商標の構成:「CLEO」の欧文字を書してなるもの
・登録出願日:平成8年7月11日
・設定登録日:平成11年12月10日
・更新登録日:平成21年11月4日
・指定商品:第16類「印刷物」
(2)登録第4669545号商標(以下「引用商標2」という。)
・商標の構成:「CREO」の欧文字を標準文字で表してなるもの
・登録出願日:平成13年2月19日
・設定登録日:平成15年5月9日
・更新登録日:平成25年2月5日
・指定商品:「光磁気ディスクドライブ,光ディスクドライブ,磁気ディスクドライブ,イメージスキャナ用のオイル塗布装置,電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類、第1類、第2類及び第7類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(3)登録第4748134号商標(以下「引用商標3」という。)
・商標の構成:「CREO」の欧文字を標準文字で表してなるもの
・登録出願日:平成9年10月1日
・設定登録日:平成16年2月20日
・更新登録日:平成26年3月4日
・指定商品及び指定役務:「電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類、第7類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(4)登録第4748136号商標(以下「引用商標4」という。)
・商標の構成:「CREO」の欧文字を標準文字で表してなるもの
・登録出願日:平成12年5月9日
・設定登録日:平成16年2月20日
・更新登録日:平成26年2月18日
・指定商品及び指定役務:「イメージセッター,サーマルイメージングヘッド」を含む第9類、第7類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(5)登録第5172971号商標(以下「引用商標5」という。)
・商標の構成:別掲のとおり
・登録出願日:平成19年7月2日
・設定登録日:平成20年10月10日
・更新登録日:平成30年8月14日
・指定商品及び指定役務:「写真,写真立て」を含む第16類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(6)登録第5242405号商標(以下「引用商標6」という。)
・商標の構成:「クレオ」の片仮名を標準文字で表してなるもの
・登録出願日:平成20年10月21日
・設定登録日:平成21年6月26日
・指定商品及び指定役務:「写真,写真立て」を含む第16類、第35類、第38類、第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「CREO ECAD-MCAD COLLABORATION EXTENSION」の欧文字及び記号を書してなるところ、その構成中、語頭に位置する「CREO」の欧文字は、辞書等に載録された成語とは認められない。
また、その構成中の「ECAD」の欧文字は、「電子回路設計用のCAD装置」(「第2版 略語大辞典」丸善出版)の意味を有する語であり、「ECAD」の欧文字の後にハイフン(「-」)を介して配置された「MCAD」の欧文字は、「ECAD」に関連する語として、「機械設計用のCAD装置」の意味合いで使用されている例も見受けられる語である。
さらに、その構成中の「COLLABORATION」の欧文字は、「共同、協力」の意味を、「EXTENSION」の欧文字は、「伸ばすこと、拡張」の意味を有する英語であって(いずれも「ランダムハウス英和大辞典第2版」小学館)、いずれも、我が国において親しまれた英単語と理解されるものである。
そうすると、その構成中、語頭の「CREO」の欧文字は、特定の語義を有しない造語として理解されるものであるのに対して、「ECAD」以下の各語は、上記のとおり、それぞれ、上記の意味合い等を有する語として理解されるものであるから、「ECAD」以下の文字部分と造語である「CREO」の文字部分とを常に一体のものとして把握しなければならないような意味上の関連性はない。
そして、本願商標全体から生じる「クレオイーキャドエムキャドコラボレーションエクステンション」の称呼は、長音を含めて25音と極めて冗長なものである。
以上のことからすれば、本願商標の構成中、語頭に位置する造語の「CREO」の文字部分は、本願商標に接する取引者、需要者において、最も目立つ文字部分として強く印象づけられ着目されるものであるから、該文字のみを捉えて取引にあたる場合も決して少なくないというのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中、「CREO」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部といえるものである。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「CREO」の文字部分を記憶にとどめ、該文字部分をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえるから、本願商標から該「CREO」を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも許されるものといえる。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から「クレオイーキャドエムキャドコラボレーションエクステンション」の称呼を生ずるほかに、該「CREO」の文字部分に相応して「クレオ」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標2ないし引用商標6について
引用商標2ないし引用商標4は、「CREO」の欧文字を標準文字で表してなり、引用商標5は、別掲のとおり、構成各文字を縦に細長くするデザインが施されているものの、各種のレタリング文字が広く使用されている現状にあっては、「CREO」の文字を表したものと無理なく理解されるものであるところ、引用商標2ないし引用商標5を構成する「CREO」の欧文字は、辞書等に載録された成語とは認められないことから、特定の語義を有しない造語として理解されるものである。
そして、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及しているローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、該文字は、その綴りから英語の読みに倣って「クレオ」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標6は、「クレオ」の片仮名を標準文字で表してなるものであるところ、該文字は、辞書等に載録された成語とは認められず、特定の語義を有しない造語として理解されるものであるから、これよりは、「クレオ」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じないものである。
してみれば、引用商標2ないし引用商標6は、いずれも、「クレオ」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標2ないし引用商標6の類否
本願商標の要部である「CREO」と引用商標2ないし引用商標6との類否について検討するに、まず、本願商標の要部と引用商標2ないし引用商標5とは、ともに「CREO」の文字の綴りが共通するものであるから、両者は、外観上、類似するものである。
また、本願商標の要部と引用商標6の「クレオ」の文字は、欧文字と片仮名の表記の相違があるとしても、それぞれの文字を置き換えたものとして、取引者、需要者に看取されるものであるから、外観上、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標の要部と引用商標2ないし引用商標6は、共に「クレオ」の称呼を生じるものであるから、称呼上、両者は同一である。
また、観念においては、本願商標の要部と引用商標2ないし引用商標6は、ともに特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標の要部と引用商標2ないし引用商標6は、観念において比較することができないとしても、外観上、類似又は近似した印象を与えるものであって、かつ、その称呼を同一にするものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、本願商標の要部において、本願商標と引用商標2ないし引用商標6は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標2ないし引用商標6の指定商品の類否
本願の指定商品中の「コンピュータソフトウェア,ダウンロード可能なコンピュータプログラム(ソフトウェア),電子応用機械器具及びその部品」は、引用商標2の指定商品中の「光磁気ディスクドライブ,光ディスクドライブ,磁気ディスクドライブ,イメージスキャナ用のオイル塗布装置,電子応用機械器具及びその部品」、引用商標3の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」及び引用商標4の指定商品中の「イメージセッター,サーマルイメージングヘッド」とは、それぞれ同一又は類似の商品である。
また、本願の指定商品中の「コンピュータソフトウェア用インストラクションマニュアル及びユーザーマニュアルに関する電子出版物,電子出版物」は、引用商標5及び引用商標6の指定商品中の「写真,写真立て」とは類似の商品である。
(5)小括
以上によれば、本願商標は、引用商標2ないし引用商標6と類似する商標であり、また、本願の指定商品と引用商標2ないし引用商標6の指定商品が同一又は類似の商品であるといえるから、本願と引用商標2ないし引用商標6は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張
請求人は、請求人の業務に係る「CREO VIEW」、「CREO VIEW MCAD」及び「CREO VIEW ECAD」という名称のソフトウェア等の製品が提供されているので、本願商標に接する需要者は、本願商標とこれらの商品の名称との混乱を避けるために、本願商標の構成中の「CREO ECAD-MCAD」又は「CREO ECAD-MCAD COLLABORATION」の文字部分をもって取引にあたるのが自然であるから、本願商標と引用商標は類似しない旨を主張する。
しかしながら、本願商標を構成する各文字部分については、前記(1)に記載したとおりであって、「CREO」の文字部分が、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る要部といえるものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、最も目立つ語頭に位置する「CREO」の文字部分に強く印象づけられ、該文字のみを捉えて取引にあたる場合も決して少なくないというのが相当であり、請求人の業務に係る「CREO VIEW」、「CREO VIEW MCAD」及び「CREO VIEW ECAD」という名称のソフトウェア等の製品が提供されているとの理由をもって、本願商標と引用商標2ないし引用商標6が、類似の商標であるとの判断を覆すことはできない。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標5(色彩については、原本を参照。)



審理終結日 2018-09-18 
結審通知日 2018-09-25 
審決日 2018-10-17 
出願番号 商願2016-136131(T2016-136131) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W09)
T 1 8・ 262- Z (W09)
T 1 8・ 263- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
渡邉 あおい
商標の称呼 クレオイイキャドエムキャドコラボレーションエクステンション、クレオイイキャドエムキャド、クレオ、イイキャドエムキャド、コラボレーションエクステンション 
代理人 特許業務法人 大島特許事務所 

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