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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W0103
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W0103
審判 査定不服 外観類似 登録しない W0103
管理番号 1348854 
審判番号 不服2018-7426 
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-05-30 
確定日 2019-01-24 
事件の表示 商願2017-6432拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「セルラディアンス成分」の文字を横書きしてなり、第1類「化粧品の製造に用いられる化学品,化粧品の成分として用いられる化学品,その他の化学品,植物成長調整剤類」及び第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成29年1月25日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5703540号商標(以下「引用商標」という。)は、「Cell Radiance」の欧文字を横書きしてなり、平成26年3月19日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,口臭用消臭剤,つけまつ毛」を指定商品として、平成26年9月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、前記1のとおり、「セルラディアンス成分」の文字を横書きしてなるところ、その構成は、片仮名と漢字による文字種の相違から、「セルラディアンス」と「成分」の文字の結合からなると容易に認識されるものである。
そして、その構成中前半の「セルラディアンス」の文字は、一般の辞書等に掲載されている既成語ではないことから、特定の意味合いを有しない一種の造語と認識されるのが相当である。
また、後半の「成分」の文字は、「一つのものを構成する部分となる要素。」(株式会社岩波書店 広辞苑「第六版」)の意味を有する語として日常親しまれた語であり、かつ、本願商標の指定商品中、化学品、植物成長調整剤類、せっけん類、歯磨き、化粧品、香料、薫料を取り扱う業界においても、その商品に配合されている物質等を表示する際、普通に使用されている語である。
よって、その指定商品との関係においては、自他商品識別標識としての機能は無いか、極めて弱いものといわざるを得ないことから、本願商標に接した需要者は、その構成中「成分」の語の前にある「セルラディアンス」の語に着目するというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中「セルラディアンス」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであるから、当該文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することは許されるものといえる。
したがって、本願商標からは、その構成文字全体から生じる「セルラディアンスセイブン」の称呼のほか、要部である「セルラディアンス」の文字部分から「セルラディアンス」の称呼が生じ、特定の観念を生じないというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「Cell Radiance」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「Cell」及び「Radiance」の欧文字は、各々、「細胞」及び「明るい輝き」ほどの意味を有する語として英語の辞書に掲載されているものの(いずれも、株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典「第2版」)、「Radiance」の文字は、かかる意味合いにおいて我が国で一般に知られている語とはいい難いことから、引用商標全体としては、特定の語義を想起しない一種の造語として認識されるというのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「セルラディアンス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標の要部である「セルラディアンス」の文字部分と引用商標とを対比すると、外観においては、片仮名と欧文字という文字種を異にするものの、両者は共に態様上の特徴が認められない普通に用いられる方法で表されていることに加え、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
次に、称呼においては、両者は、「セルラディアンス」の称呼を同一にするものである。
また、観念においては、両者は共に特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。
そうすると、本願商標の要部と引用商標とは、観念において比較できないとしても、称呼において「セルラディアンス」の称呼を同一にし、外観における差異についても、称呼の同一性を凌駕するほどの顕著な差異とはいえないことから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願商標の指定商品中、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」は、引用商標の指定商品中、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけまつ毛」は同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上によれば、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、また、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、一般に商標を構成する各文字が一様に連なりその各語に対応する文字の大きさや形態に差異がない場合は、仮に一連の商標の構成中に一つの語意を有する単語を含む場合であっても、そのうちの一方が日常使用されない特異な語であるとか、その語自体が特別顕著な印象を与えるとか、称呼が全体として殊更冗長であるなどの特段の事情がない限り商標類否判断は主要部と付加部に区分して観察すべきでなく、商標全体としての称呼、外観、観念を通して一体的に類否判断されることが相当である旨を主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、その構成において文字種が相違することから、「セルラディアンス」と「成分」の語の結合からなるものと容易に看取されること、また、その構成中の「成分」の文字部分には自他商品の識別標識としての機能が無いか、極めて弱いものであることから、造語と認められる「セルラディアンス」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとして、当該文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することは許されるものといえる。
イ 請求人は、本願商標「セルラディアンス成分」における「成分」の文字部分は「あるものを構成している要素・物質」を意味することから、「成分」の文言とその前半部分は一体として初めて意味をなすものであり、本願商標「セルラディアンス成分」から「成分」の文字部分を削除して「セルラディアンス」部分を抽出して要部観察すると、本願商標「セルラディアンス成分」独自の一体感がなくなる、との旨を主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、「セルラディアンス」の文字は、一般の辞書等に掲載されている既成語ではなく、特定の意味合いを有しない一種の造語と認識されることから、「セルラディアンス」の文字と「成分」の文字が結合された本願商標全体としても、何らかの成分名を表すものと認識されるような特定の観念を生じないことは、明らかである。
ウ 請求人は、「成分」の文字を含む商標とその商標から「成分」の文字を除いた商標が別の商標権者によって併存して登録されている事例及び「○○成分」の文字からなる商標が、商標の品質、効能に該当することなく登録されている事例を挙げて、本願商標も全体を一体のものとして判断すべきであるとの旨を主張している。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、いずれも本願商標及び引用商標とその構成態様を異にするものである。また、商標の類否判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の挙げた商標登録の例などがあるからといって、本願商標も必ず登録されるものであるということにはならない。
よって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-11-21 
結審通知日 2018-11-27 
審決日 2018-12-12 
出願番号 商願2017-6432(T2017-6432) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W0103)
T 1 8・ 263- Z (W0103)
T 1 8・ 261- Z (W0103)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 良成 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 浜岸 愛
榎本 政実
商標の称呼 セルラディアンスセーブン、セルラディアンス 
代理人 柿本 邦夫 

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