• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W19
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W19
管理番号 1347791 
審判番号 不服2017-9377 
総通号数 230 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-02-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-27 
確定日 2018-12-06 
事件の表示 商願2016- 43294拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「東北硅砂」の文字を標準文字で表してなり,第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年4月15日に登録出願され,指定商品については,原審における,同年11月21日受付の手続補正書により,第19類「東北地方で採れた珪砂」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『東北硅砂』の文字を標準文字で表してなるところ,全体として『東北地方の珪砂』程の意味合いを把握,理解させるものであるから,これを補正後の指定商品について使用しても,本願商標に接する取引者,需要者は,『東北地方で採鉱された珪砂』程の意味合いを認識するに留まり,結局,本願商標は,単に商品の品質(産地)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって,自他商品識別機能を果たさない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。なお,出願人は,本願商標について,商標法第3条第2項の主張をしているところ,2種類の業界刊行物の広告のみで,宣伝広告を立証するには充分とはいえず,東日本を中心とした取引実態であって日本全国にわたる取引は認められないこと,第三者による客観的証拠の提出がないことから,本願商標が使用によって自他商品識別力を獲得するに至ったと認めることはできない。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において,平成30年6月18日付けで通知した審尋により,使用例等の事実を新たに示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当し,同法第3条第2項の要件を具備しない旨の見解を示し,請求人に意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は,前記3の審尋に対して,要旨以下のとおり,意見を述べ,甲第4号証及び甲第5号証を提出している。
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
地域名や地名に「硅砂」や「珪砂」を組み合わせた語句は,それぞれの使用者の商品(珪砂)を識別する商標として使用されているものであり,その地域や地名で産出された珪砂であれば,だれでも使用できる語句ではない。仮に,これを認めてしまえば,各商標が使用されている珪砂とは異なる品質の珪砂について,当該商標が使用されることになり,これでは商取引の混乱を生じさせる。
さらに,東北地方で採れる珪砂は,「飯豊珪砂」(山形県西置賜群飯豊町)や「いわき硅砂」(福島県いわき市)などが存在しており,これらは「東北硅砂」とは区別して認識されている。本願商標が東北地方で採れる珪砂との意味合いで理解されるのであれば,既に商取引上の混同が生じているはずであるが,生じていないのは,まさしく本願商標が請求人の業務に係る珪砂を識別するための標識として機能しているからである。
よって,本願商標は自他商品識別力を有する商標である。
(2)商標法第3条第2項該当性について
ア 第三者の使用について
「東北硅砂株式会社」(以下「東北硅砂社」という。)の文字が表示されている袋詰硅砂に使用されている商標は,「天然/乾燥硅砂」であり,「東北硅砂」ではない。そして,商品説明に「東北硅砂」の商標が使用されているが,これは,販売者の誤認による使用である。
実際に,東北硅砂社は,請求人の取引先であり,当該東北硅砂社との間では,請求人が「東北硅砂」の商標を使用し,東北硅砂社は,「天然/乾燥硅砂」の商標を使用することが取り決められているから,東北硅砂社が提供している硅砂の袋に,「東北硅砂」の商標が付されている商品は存在しない。
よって,第三者の使用は,その商品に表示されているとおりに「天然/乾燥硅砂」と表示すべきところを,誤って「東北硅砂」を使用しているにすぎず,これをもって第三者の使用と認めることができない。
イ 提出した証拠について
請求人が提供している硅砂は,コンテナバックの荷姿であり,商品自体に本願商標を付すことはできない商取引がなされ,商品の特定は,「東北硅砂」の商標によってなされており,本願商標がその指定商品である「硅砂」について使用されている(甲1,甲2)。
上記のとおり,商品の梱包などを行っていないことから,商品自体に商標を表示できないが,請求人は,過去10年にわたる1年毎の売上数量と売上金額を示す(甲4)。
また,請求人が東北硅砂社から仕入れた硅砂に関する請求書を提出する(甲5)。
本願商標は,少なくとも過去10年において,請求人によって使用されており,毎年2,000トン前後,多い時には,2,802トンも出荷するほどに使用されている商標である。
ウ 以上述べたとおり,本願商標は,請求人の業務に係る硅砂について長年使用されている商標であるから,その使用実態からも登録に値する自他商品識別力を獲得している。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,このような商標は,商標の産地,販売地その他の特性を表示記述する標章であって,取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠き,商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和54年4月10日,昭和53年(行ツ)第129号,最高裁判所第三小法廷判決参照)。
そして,同号は,取引者,需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が,商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年9月4日,平成12年(行ケ)第76号,東京高等裁判所判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
ア 本願商標は,「東北硅砂」の文字を標準文字で表してなるところ,「奥羽地方,すなわち福島・宮城・岩手・青森・山形・秋田6県の総称。東北地方。」(「広辞苑 第六版」岩波書店)の意味を有する「東北」の文字と本願の指定商品を表す「珪砂」に通ずる「硅砂」の文字を結合したものと容易に認識するものであり,「東北地方で採れた珪砂」を指定商品とするものである。
イ 本願の指定商品を取り扱う業界においては,例えば以下(ア)ないし(オ)のように,地域名や地名に「硅砂(珪砂)」の文字を組み合わせた「遠州硅砂(珪砂)」,「いわき硅砂」,「飯豊珪砂」,「豊浦硅砂」,「三河珪砂」等の使用例があり,「○○(地域名)産の硅砂(珪砂)」の意味合いで普通に用いられている実情がある。
また,例えば,瑞穂礦業株式会社のウェブサイト(http://mizuhokougyou.net/itemlist_iwaki/)には,「東北・関東・中部・関西・九州地区などの各種硅砂のお取り扱いもいたしております。」として,「山形県産」,「茨城県産」,「栃木県産」の硅砂の紹介がされている。
(ア)東海サンド株式会社のウェブサイト
「オリジナル製品」の見出しの下,「遠州シリーズ 遠州硅砂」及び「遠州珪砂(太平洋に面する遠州灘海岸で採取された砂)とは,ゴミ・粘土等の不純物をほとんど含まず,自然の転磨により優れた美しい球状で構成され粒度のバラツキが少なく,硬度・靭性(しなやか)に優れた特性を有する天然砂を,使用しやすく粒度調整した最高級天然珪砂です。」との記載がある。 http://www.tokaisand.co.jp/products/enshu.html
(イ)瑞穂礦業株式会社のウェブサイト
「いわき硅砂」の見出しの下,「福島県いわき市にて生産される人造硅砂です。」との記載がある。
http://mizuhokougyou.net/itemlist_iwaki/
(ウ)JFEミネラル株式会社のウェブサイト
「鉱産品事業部」の見出しの下,「飯豊鉱業所」の項に,「飯豊鉱業所(山形県西置賜郡飯豊町)は,飯豊鉱山の天然珪砂を原料として,遅谷工場・手ノ子工場の最新の設備で,鋳物向け・建材向け・農薬キャリア向けの珪砂(飯豊珪砂)を生産しています。」との記載がある。
https://www.jfe-mineral.co.jp/zigyo/zigyo01.html
(エ)株式会社マルイのウェブサイト
「豊浦硅砂」の見出しの下,「山口県豊浦硅石鉱業産の硅砂です。」との記載がある。
https://www.marui-group.co.jp/products/items2_4/item2_4_17/
(オ)株式会社丸東のウェブサイト
「乾燥珪砂」の見出しの下,「瑞浪産,瀬戸産,三河産があります。」,「瑞浪珪砂の粒度分布(代表値)」及び「三河珪砂の粒度分布と化学成分(代表値)」との記載がある。
http://www.marutou.co.jp/material/material0102.html
ウ 以上からすると,本願の指定商品を取り扱う業界においては,本願商標は,「東北地方産の硅砂(珪砂)」を容易に認識,理解させるというべきであり,その書体及び表記方法も普通に用いられる域を脱するものではないから,これをその指定商品である,「東北地方で採れた珪砂」に使用しても,その需要者及び取引者は,単に商品の品質(産地)を普通に用いられる方法で表示したものと認識するものといえる。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)本願商標の商標法第3条第2項の該当性について
ア 使用による自他商品識別力の獲得
商標法第3条第2項の規定によれば,商標法第3条第1項第3項に該当する商標であっても,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては,同項の規定にかかわらず,商標登録を受けることができるところ,ある標章が同項の規定に該当するかは,出願に係る商標と外観において同一とみられる標章が指定商品又は指定役務とされる商品又は役務に使用されたことを前提として,その使用開始時期,使用期間,使用地域,使用態様,当該商品の販売数量又は売上高等,当該商品又はこれに類似した商品又は役務に関する当該標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮して判断されるべきである。(平成25年1月24日,平成24年(行ケ)第10285号,知的財産高等裁判所第4部判決参照)
また,商標法第3条第2項が,同条第1項3号等所定の商標であっても,使用をされた結果,需要者が何人かの業務に係る商品(役務)であることを認識することができるものについては,商標登録を受けることができるとする趣旨は,特定人が,当該商標を,その者の業務に係る商品(役務)の自他識別標識として,永年の間,他人に使用されることなく,独占的排他的に継続使用した実績を有する場合には,当該商品(役務)に係る取引界においては,事実上,当該商標の当該特定人による独占的使用が事実上容認されているといえる。(平成19年4月10日判決,平成18年(行ケ)10450号 知的財産高等裁判第4部判決参照)
イ 本願商標の使用実績及び本願商標を付した商品の販売数量
請求人の提出した参考資料1ないし参考資料3及び甲第1号証ないし甲第3号証によれば,以下の事実が認められる。
(ア)参考資料1として提出されている「積算資料 SUPPORT」(2007年から2016年発行)には,「コンクリート混和剤・材」の見出しの下,品名欄に「その他の混和剤・材」として「東北硅砂4号?8号」,規格欄に「セメント混和用乾燥珪砂骨材 30kg/袋」及びメーカー欄に,請求人名の略称と認められる「北日本産業」が掲載されている。
(イ)参考資料2として提出されている財団法人経済調査会発行の「建設資材データベース」(1998年・2000年?2016年)には,請求人である「北日本産業株式会社」の頁に「東北硅砂」の見出しの下,「天然に産する硅砂を水洗,乾燥,フルイ分けにより製造。商品は4号(粗い)から8号(細かい)までの5種類。」との記載及び商品名毎の価格表の商品名の欄に「東北硅砂 4号」,「東北硅砂 5号」等との記載がある。
(ウ)参考資料3及び甲第2号証として提出されている請求人が日本各地の取引先との納品書(控)又は注文書において,商品名として「東北硅砂 7号」等との記載がある。
(エ)甲第1号証として提出されている「東北硅砂納入実績」においては,日本各地の取引先に対し,平成10年10月26日から同29年2月10日までに,387回の納品がされたことが記載されている。
(オ)甲第4号証として提出されている「東北硅砂の1年毎,10年分の金額及び数量」をまとめたグラフ及び表においては,平成20年から同29年にかけて,最大で平成26年度に約2億3千万円の売上げがあり,約28,000トンの出荷がされたことが記載されている。
(カ)甲第5号証として提出されている「東北硅砂の仕入れ実績(請求額)」の整理表及び「請求書」の写しによれば,平成20年4月21日から同30年3月20日にかけて,東北硅砂社から請求人宛てに120回の請求書が発行されている。
ウ 本願商標と使用商標の同一性及びその指定商品と使用商品の同一性
請求人は,商品名として,「東北硅砂 4号」から「東北硅砂 8号」を「硅砂」に使用しているところ,該「4号」や「8号」の文字は,硅砂の粒の大きさを表すものであるから,請求人の使用に係る商標の要部は,「東北硅砂」といえ,本願商標と同一の商標であり,その指定商品と同一の商品に使用しているといえる。
エ 第三者の「東北硅砂」の文字の使用例
平成30年6月18日付けで通知した審尋で示したとおり,請求人以外の者が販売する「東北硅砂」という商品の包装には「東北硅砂株式会社」の文字が記載されており,本願の指定商品を取り扱う業界において,他人が本願商標と同一又は類似の商標を使用している事実を確認できる。
オ 第三者の証明書について
甲第3号証として,「『東北硅砂』の商標は請求人の業務にかかる『東北地方で採れた珪砂』を特定するための識別標識として認識していること」,及び,「『東北硅砂』が請求人以外の者の『珪砂』について使用されている事実は知らないこと」が記載された書面に,日本各地の取引先が署名,捺印した書面を「同業者,公的機関,需要者などからの証明書」として提出している。
カ 判断
上記の認定事実によれば,請求人は,1998年には本願商標と同一である使用商標を付した商品(以下,「使用商品」という。)を日本各地に販売しており,使用商品は,本願の指定商品と実質的に同一の商品である。
そして,使用商品については,業界紙の一種である「積算資料 SUPPORT」に9年間ほど,「建設資材データベース」には18年ほど掲載されていることは確認できるものの,その他に,請求人の「東北硅砂」という商品(使用商品)の広告の頒布の範囲,数量が不明である。また,本願商標を付した商品の販売数量又は売上高,販売シェア等の具体的な数値については,これを証明するような証拠の提出もなく不明である。
なお,請求人は,少なくとも過去10年において,本願商標が使用され,毎年2,000トン前後,多い時には2,802トンを年間で出荷するほどに使用されている(甲3,甲4)と主張し,その裏付けとして,東北硅砂社からの請求書の写し(甲5)を提出しているところ,市場シェアについて明らかでないから,該出荷数が多いともいい難く,該数量についての評価はし得ない。また,平成30年7月27日受付の回答書においては「毎年2,000トン前後,多い時には2,802トンを年間で出荷」と主張しているが,その裏付けとして提出している甲第4号証では,毎年20,000トン以上,多いときで約28,181トン出荷していることになっており,それぞれの数値が10倍以上ずれており,いずれもその信憑性が高いとはいえないことからも,これら提出書類は採用できない。
そうすると,請求人が本願の指定商品について使用した「東北硅砂」の商標がどの程度の需要者,取引者の目に触れたのかについても不明と言わざるをえず,これらの事実から本願商標が,需要者,取引者の間で,請求人の業務にかかる自他商品の出所識別標識として認識されていたということはできない。
また,甲第3号証として提出している「同業者,公的機関,需要者などからの証明書」は,請求人が本願商標を請求人の業務に係る「東北地方で採れた硅砂」に使用しているとする内容であるところ,該書証は,予め記載された定型文書に事業者等が一部必要事項を書き加えた上で,記名押印等をしたものであって,その証明力は高いとは言いがたいものであるし,各証明者は「『東北硅砂』が請求人以外の者の『珪砂』について使用されている事実は知らない」としているが,上記エのとおり,請求人以外の者によって「東北硅砂」の商標が「珪砂」について使用されている事実が確認できることからすれば,この証明書をもって,本願商標が請求人の業務に係る商品を表すものとして広く知られているとはいい難い。
以上のとおり,本願商標は,請求人の業務に係る商品が需要者の間で,自他商品の出所識別標識として認識されていたことを具体的に示す証拠はなく,その使用の結果,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものとはいえないから,商標法第3条第2項の要件を具備するものということはできない。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は,本願商標は,商品(珪砂)を識別する商標として使用され,東北地方で採れる珪砂は,「飯豊珪砂」や「いわき硅砂」などが存在しており,これらは「東北硅砂」とは区別して認識されているから,本願商標が請求人の業務に係る珪砂を識別するための標識として機能している旨主張する。
しかし,上記(1)のとおり,商標法第3条第1項第3号の規定の適用において,該表示が商品の品質を表すものとして現実に使用されている等の事実は,必ずしも要求されるものではないところ,上記(2)イのとおり,本願の指定商品を取り扱う業界では,地域名や地名に「硅砂(珪砂)」の文字を組み合わせた「○○硅砂(珪砂)」の使用例があり,「○○産の硅砂(珪砂)」の意味合いで用いられている。さらに,上記(3)エのとおり本願の指定商品を取り扱う業界において「東北硅砂」の商標が請求人以外の者によって使用されている。これら取引の実情を踏まえれば,本願商標は,特定人による独占使用を認めることは適切ではなく,自他商品識別力を備えるものともいえない。
イ 請求人は,東北硅砂社が取引先であり,請求人が「東北硅砂」の商標を使用し,東北硅砂社が「天然/乾燥硅砂」の商標を使用することが取り決められている旨主張しているが,該主張を裏付ける証拠の提出はない。
ウ 請求人は,請求人の業務に係る硅砂は,コンテナバックの荷姿であり,商品自体に本願商標を表示することができないが,本願商標によって取引がなされている旨主張している。
しかしながら,上記(1)のとおり,商標法第3条第1項第3号の規定の適用において,該表示が商品の品質を表すものとして現実に使用されている等の事実は,必ずしも要求されるものではないから,仮に本願商標を請求人のみが使用していたとしても,それをもって本願商標が自他商品識別力を備えているということはできない。
また,上記(3)エのとおり,第三者による使用の事実が確認できる。
エ したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであって,かつ,同法第3条第2項の要件を具備するものではないから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-10-03 
結審通知日 2018-10-09 
審決日 2018-10-23 
出願番号 商願2016-43294(T2016-43294) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (W19)
T 1 8・ 13- Z (W19)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 矢澤 一幸 
特許庁審判長 薩摩 純一
特許庁審判官 須田 亮一
大森 友子
商標の称呼 トーホクケーシャ、トーホクケーサ 
代理人 黒沼 吉行 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ