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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W03
管理番号 1346888 
審判番号 不服2018-2190 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-16 
確定日 2018-11-30 
事件の表示 商願2015-88984拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「とろみ高保湿化粧水」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年9月15日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同29年5月29日付け手続補正書により、第3類「化粧水」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『とろみ高保湿化粧水』の文字を標準文字で表してなるところ、インターネットウェブサイトの記載によれば、化粧品等を取り扱う業界において、『とろみ』の文字が、商品の感触を表わす表現の一つとして一般的に使用されている実情及び保湿効果が高い化粧水が『高保湿化粧水』と称して販売されている実情が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、『とろみのある保湿効果が高い化粧水』ほどの意味合いを理解させるにとどまり、単に商品の品質、効能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、『とろみのある保湿効果が高い化粧水』以外の『化粧水』に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「とろみ高保湿化粧水」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、普通に用いられる方法で表示するものである。
ところで、本願の指定商品「化粧水」においては、とろみのある商品を指称する文字として、「軽くねばる状態。とろりとした状態。」の意味を有する「とろみ」の文字を用いて、「とろみ化粧水」、「とろみローション」のように表示することが一般に行われ(別掲1)、また、肌への保湿効果(保湿力)が高い商品について、「高保湿化粧水」と表示することが一般に行われている(別掲2)。
加えて、とろみのある化粧水で、かつ、肌への保湿効果(保湿力)が高い化粧水を、「とろみ高保湿化粧水」と表示している事実もある(別掲3)。
そうすると、本願商標をその指定商品「化粧水」に使用したときは、これに接する需要者は、その商品が、とろみのある商品で、かつ、肌への保湿効果(保湿力)が高い商品であることを表示したものと理解し、単に商品の品質、効能を表示したものと認識するにとどまるとみるのが相当であるから、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は「とろみのある高保湿化粧水」や「とろみを有する高保湿化粧水」のように「とろみ」の語に何らかの属性を持っていることを表す「ある」や「有する」のような語が直接結び付いた態様ではないから、本願商標から一義的な意味合いを理解することはできず、その商品が「とろみ」に関した何らかの性状、触感、効果等を有するものと推測することはできても、何らかの明確な品質、効能等を理解することまでは困難である旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品「化粧水」については、上記(1)のとおり、商品(化粧水)自体にとろみのあることを指称する文字として、「とろみ」の文字を用いて、「とろみ化粧水」、「とろみローション」のように表示することが一般に行われていることからすれば、本願商標に接する需要者は、その構成中の「とろみ」の文字を、商品(化粧水)がとろみのあるものという、商品の具体的な品質を表示したものと理解するというべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
以下に示す2(2)ないし(5)及び3は、当審において職権で調査した事実であり、その他は原審において提示した事実である。

1 商品「化粧水」について、とろみのある商品であることを指称する文字として、「とろみ」の文字を用いて、「とろみ化粧水」、「とろみローション」と表示している事実
(1)「外池酒造店」のウェブサイトにおいて、「白米発酵とろみ化粧水」の見出しの下、「日本酒のほのかな香りでとろみのあるやさしい使い心地の化粧水です。」との記載がある。
(http://tonoike.jp/item-cosme/keshousui)
(2)「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて、「泉の雫(いずみのしずく)とろみ化粧水」の見出しの下、「商品の説明」の項に、「温泉水と30の保湿成分を配合したとろみのある化粧水がお肌に浸透し、うるおいとハリのあるお肌へ導きます。」との記載がある。
(https://www.amazon.co.jp/dp/B01DEZSDWO)
(3)「JBP Japan Beauty Products ONLINE」のウェブサイトにおいて、「爽活健美 とろみ化粧水」の見出しの下、「・とろみのある濃厚化粧水が角質層の奥までうるおいを届けます。」との記載がある。
(https://www.jbp-cosme.com/ps/mainvisual/products03-1.html)
(4)「中一メディカル」のウェブサイトにおいて、「PurBlanche とろみローションEX」の見出しの下、「とろみがあるから潤いが肌にとどまる、角質層へ浸透する・・・。水分と美容成分を角質層に行き渡らせて、さらにその水分を長時間キープします。」との記載がある。
(https://shop.naka-ichi.com/site/detail/purblanche/toromiroshon.html)

2 保湿効果(保湿力)の高い化粧水について、「高保湿化粧水」と表示している事実
(1)「ロート製薬株式会社 Promedial」のウェブサイトにおいて、「高保湿シリーズ」及び「乾燥肌・敏感肌用 高保湿化粧水 モイスチャーローションライト」「敏感な肌に、さらりとした感触でうるおいを与え、みずみずしい肌に整える化粧水。ナノ化ミネラルヒアルロン酸(保湿成分)新配合。肌なじみがよくなり、さらに保湿力が上がりました。」との記載がある。
(https://www.promedial.jp/lineup/moisture/lotion-light/)
(2)「花王株式会社」の「SOFINA GRACE」のブランドのウェブサイトにおいて、「高保湿化粧水<美白><濃厚とろみ>」の見出しの下、「●ケラチン保水処方 乾燥して固くなりがちな角層細胞の中のケラチン線維に水分を抱えこませます。角層が柔らかくなり、うるおいで満ちあふれます。」及び「●月下香培養エッセンスα 月下香の花びらの細胞を、あえて過酷な環境で約3年培養。生み出されるエッセンスを高保湿成分に配合しました。」との記載がある。
(https://www.sofina.co.jp/grace/products/lotion-toromi/)
(3)「LOHAKO」のウェブサイトにおいて、「菊正宗 日本酒の化粧水 高保湿 500mL 菊正宗酒造」の見出しの下、「うるおいを与えて肌の状態を整える、顔にも体にもたっぷり使える大容量の高保湿化粧水です。・・・セラミド配合(保湿成分)のとろみ化粧水がかさつきや乾燥が気になる部分にすーっとなじみ、肌荒れのないしっとりもちもちの素肌に導きます。・・・アルブチン配合(保湿成分)でしっかり保湿。」及び「高保湿タイプの化粧水」との記載がある。
(https://lohaco.jp/product/9788994/)
(4)「小林製薬の通信販売オンラインショップ」のウェブサイトにおいて、「[ヒフミド] エッセンスローション <120mL> (保湿化粧水)」の見出しの下、「肌にうるおいを与え、豊かなハリを与える高保湿化粧水」との記載がある。
(https://www2.kobayashi.co.jp/products/0/21210.html)
(5)2010年9月9日付け「日本経済新聞」(朝刊33ページ)において、「保湿効果を感じやすく-ノエビア(NewFace)」)の見出しの下、「ノエビア(・・・)の高保湿化粧水『ノエビア99 モイストローション』・・・乳液を使わなくても、単品で保湿などの効果を感じやすくした。」との記載がある。

3 商品(化粧水)について、とろみがあり、かつ、肌への保湿効果(保湿力)が高い商品を、「とろみ高保湿化粧水」と表示している事実
「BEAUTY GARAGE」のウェブサイトにおいて、「ジョリ セラミドモイストローション 400ml【業務用】」の見出しの下、「業務用化粧水の決定版!美容液を超えたとろみ高保湿化粧水」及び「高保湿成分である『ヒト型セラミド』は高価な為、微量添加(0.1%以下)の商品が多い中、ナチュラルショップは0.5%も配合。高濃度の為とろみがあり、肌にのせるとスーッとなじみ浸透する特殊なテクスチャーはまさに美容液レベル。」との記載がある。
(https://www.beautygarage.jp/p/LW-2487N)


審理終結日 2018-09-11 
結審通知日 2018-09-21 
審決日 2018-10-11 
出願番号 商願2015-88984(T2015-88984) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小田 昌子 
特許庁審判長 金子 尚人
特許庁審判官 松浦 裕紀子
大森 健司
商標の称呼 トロミコーホシツケショースイ、トロミコーホシツ 
代理人 小川 雅也 

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