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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09
管理番号 1346839 
審判番号 取消2017-300724 
総通号数 229 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2019-01-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-09-25 
確定日 2018-11-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第4622187号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4622187号商標の指定商品中、第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4622187号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成13年4月18日に登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),その他の電子応用機械器具,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」及び第42類「求人情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同14年11月22日に設定登録されたものである。
そして、本件の商標権については、商標登録の一部取消し審判(取消2017-300723、取消2017-300725、取消2017-300727)が請求され、平成30年3月22日に、その指定商品中の第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),その他の電子応用機械器具」、その指定役務中の第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」及び第38類「全指定役務」についての商標登録が取り消され、同年4月27日に上記審判についての審決の確定登録がなされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成29年10月11日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同26年10月11日から同29年10月10日までの期間を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標の使用をした事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)「録画済みDVD」についての使用か否かについて
ア 乙第1号証及び乙第2号証のコースの内容に関する被請求人の主張について
被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証に記載されたコースが講師の講義風景を録画したDVDを購入させることを目的としたものであり、授業や、教材の購入に係るものでないことについて、同号証のいずれに記載されているのかを全く説明していない。
また、請求人において乙第1号証及び乙第2号証を精査してみても、同号証が録画済みDVDの広告であることを明確にした記載は見出すことができなかった。
むしろ、例えば、乙第1号証の1頁には「直前期には高い実績を誇るTAC簿記講座自慢の『的中答練』や『公開模試』が含まれるなど、独学なのに安心して合格を目指せる、まさに究極の『いいとこどり』講座なのです。」と、2頁には「わかりやすさバツグン実力派講師陣『独学道場』では、個性豊かな人気講師が独学者向けに考え抜かれた最高の講義をお届けします!」と記載され、同コースが答練や模試を含む講座であることがうたわれている。
また、乙第2号証の1頁にも、コースの紹介として「TAC出版は・・・どの出版社にもマネできない書籍作りを実現しています。そうして作られた書籍を教材として使用する『独学道場』だからこそ、合格に必要な知識を正確かつ無理やムダなく得られるのです。さらに、合格に必要なエッセンスを凝縮した講義に加え、高い合格実績を誇るTAC簿記検定講座自慢の『的中答練』や『公開模試』が含まれるなど、充実した学習カリキュラムですから、学習に集中し合格に向かって、一直線で進むことができるのです!」と記載され、同コースが答練や模試を含む講座であることがうたわれている。
さらに、「独学道場」のポイントとして、乙第1号証の4頁には「Webでしっかりサポート」や「自分の学習スピードで講義が聴けるWeb学習」の見出しの下に、また、乙第2号証の最後の頁には「自分の学習スピードで講義が聴ける独学者のためのWeb学習」の見出しの下に、Webを通じた専門スタッフとの質疑応答やWeb学習を受けられることが記載されている。
加えて、乙第1号証及び乙第2号証は被請求人の「TAC出版」が扱う「独学道場」の広告物であるところ、乙第3号証の2葉目には、被請求人の出版事業に関する紹介として、「電子書籍への対応や、通信教育層ユーザーに向けた『書籍+CD・DVD・WEB+教室』のセットである『独学道場』にも磨きをかけるなど、ますます多様なニーズに応えていく方針です。」として、「独学道場」が録画済みDVDだけでなく、書籍や、WEB、教室による学習を組み合わせたものである旨が記載されている。これらは、上述の乙第1号証及び乙第2号証の記載とも整合するものである。
そうすると、乙第1号証及び乙第2号証の広告物に接した取引者、需要者は、それが録画済みDVDの販売を目的とした広告であると認識するとは考え難く、録画済みDVDのみではなく、教材である書籍や、答練や、模試、Webによる学習などを含めた日商簿記に関する講座による知識の教授の広告であると認識するものである。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証に表示された商標は、録画済みDVDの出所を表示する商標ということはできない。
イ コースの定価に関連した被請求人の主張について
被請求人が主張の中で述べている乙第1号証の「日商簿記3級 湊純子講師のスッキリコース」をみてみるに、そこには、それぞれの教材と思しき絵と名称が記載されているところ、その中には「スッキリわかる 講義DVD 日商簿記3級」の記載もあるが、そのほかにも、「スッキリわかる日商簿記3級(1冊)」、「スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記3級(1冊)」、「TAC日商簿記3級 無敵の予想大会(1)」、「日商対策 的中答練3級(1冊)」、「あてるTAC直前予想 日商簿記3級(1冊)」、「無敵の簿記3級 直前総まとめ(1冊)」の記述がある。そして、当該ページの前に記載されている「独学道場」全体についての紹介部分においては、上記アのとおり、答練や公開模試、Webによる学習が含まれていることがうたわれているのである。
そうすると、当該ページの前の「独学道場」全体についての紹介部分をも踏まえるならば、当該コースは、やはり、上記アのとおり、「録画済みDVD」のみではなく、教材である書籍や、答練、Webによる学習などを含めた日商簿記に関する講座による知識の教授ということができるものである。これら乙第1号証事情は、乙第2号証においても同様である。
加えて、被請求人は、主張において、「DVDと書籍込みのフルパック」7800円のほか、「スッキリわかる日商簿記3級」と「スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記3級」を含まない「『わかる』『とける』なしパック」6200円があるとも述べているが、仮に、「スッキリわかる日商簿記3級」と「スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記3級」を除いたとしても、それによって、「『わかる』『とける』なしパック」が録画済みDVDだけの販売の広告になるわけではなく、教材である書籍や、答練、Webによる学習などを含めた日商簿記に関する講座による知識の教授の広告と認識されるものであることに変わりはないといえる。
そうとすれば、被請求人は、教材やウェブサイトの講義などによる「知識の教授」の役務を提供したといえるとしても、商品「録画済みDVD」について本件商標を使用したということはできない。
ウ 市販DVDとの対比に関する被請求人の主張について
被請求人は、加えて、「DVDのみの価格は2400円となっている。そして、DVDの外観も通常の市販DVDと何ら変わるところはない。そして、乙第2号証との関係では、このDVDが第3版となっている。」と主張して、乙第4号証及び乙第5号証を提出しているが、乙第4号証及び乙第5号証は、DVDの写真ではあっても、そこに本件商標「資格の学校」は表示されていない。
エ 小括
以上のとおり、乙第1号証及び乙第2号証は、教材である書籍や、答練、Webによる学習などを含めた日商簿記に関する講座による知識の教授についての使用になるとしても、「録画済みDVD」についての商標の使用とはならないものである。そして、そのほかに、本件商標を「録画済みDVD」について使用しているとした証拠の提出もない。
したがって、乙各号証をもって、商品「録画済みDVD」について本件商標を使用したということはできない。
(2)本件商標の「商標」としての使用か否かについて
乙第1号証及び乙第2号証に表示されているのは、「資格の学校TAC」又は「資格の学校/TAC」であって、「資格の学校」ではない。当該「資格の学校TAC」の文字は、同じ大きさと色彩の文字をもって、等間隔で、一列に横書きしてなり、外観上、まとまりよく、表示されているものである。また、「資格の学校/TAC」も、2段に横書きされているとしても、同じ大きさと色彩の文字をもって、外観上、まとまりよく表示されているものである。
そして、乙第1号証及び乙第2号証は、上記(1)のとおり、「講座による知識の教授」に関する広告と認識されるものであるところ、その講座による知識の教授を含め、いわゆる教育サービスの役務は第41類の役務であるが、その第41類の役務においては、「資格の学校」の文字は、「資格の取得のための学校」程度の意味合いを容易に認識させるものであるから、自他役務の識別力がないものである。
このため、乙第1号証及び乙第2号証に「資格の学校TAC」又は「資格の学校/TAC」の文字が表示されているとしても、それらの文字をもって、「資格の学校」の文字部分が独立した商標、すなわち、出所を表示する識別標識である「商標」として使用されているということはできないのであって、商標本来の識別標識としての「使用」の観点からは、「資格の学校TAC」又は「資格の学校/TAC」の文字の全体をもって、初めて商標本来の識別標識としての「使用」になるものといえる。
そうすると、乙第1号証及び乙第2号証においては、商標本来の出所を表示する識別標識として使用されているのは、「資格の学校TAC」又は「資格の学校/TAC」の文字であって、「資格の学校」ではない。そして、「資格の学校TAC」又は「資格の学校/TAC」の文字を本件商標と対比するならば、「TAC」の文字の有無という明らかな差異があるから、それら使用商標と本件商標とは社会通念上同一の商標といえるものではない。
したがって、乙第1号証及び乙第2号証をもって、本件商標と社会通念上同一の商標が使用されているということはできない。
(3)要証期間内の「使用」が証明されているか否かについて
商標法第2条第3項第8号の「使用」とは、広告を前提とするならば、商品若しくは役務に関する広告に標章を付して「展示」し、若しくは「頒布」して、初めて「使用」に該当することとなる。それにもかかわらず、被請求人による、広告物の記載を根拠に、記載された期日までには頒布されていなければならないという主張は、被請求人の「このようにあって欲しい」という程度の希望を述べたにすぎず、当該広告を「展示」又は「頒布」した事実やその時期を何ら証明したことになっていない。そして、商標法第50条第2項によれば、証明しない限り登録の取り消しは免れないとされている。
また、被請求人は、見積書(乙6)及び請求書(乙7)も提出しているが、これらも、パンフレットの印刷の可能性を推認させる程度にとどまるものであり、そのパンフレットの「展示」又は「頒布」の事実やその時期を証明するものではない。
したがって、乙号証をもって、要証期間内に商標法第2条第3項第8号の「使用」に該当する行為を行ったことが証明されたということはできない。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を答弁書及び審尋に対する回答書において要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)商標としての使用
乙第1号証及び乙第2号証は、申し込むコースの内容が、講師の講義風景を録画したDVDの購入であることが記載されている。したがって、これらは、購入されるDVDの広告である。このDVDは、本件商標の指定商品である「録画済ビデオディスク」にあたるので、本件商標は、このDVDの広告パンフレット中で、DVDという商品との具体的関係において使用されており、乙第1号証及び乙第2号証は、「録画済ビデオディスク」という「商品・・・に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布・・・する行為」(商標法第2条第3項第8号)にあたる。
(2)商品性、頒布時期、社会的同一性など
ア 独立の商品性について
乙第1号証の「日商簿記3級湊純子講師のスッキリコース」(以下「本件コース」という。)の内容は、講師の講義を録画したDVD(第2版)が主体である。このコースとは、これらのDVDを販売して、それを購入者が視聴するだけの内容であるから、このDVDは、知識の教授の従属物ではなく、独立して取引の対象とされている商品であり、商標法上の商品に当たる。本件コースは、これらのDVDを購入して視聴するものであり、それ以外に教室などでの授業はなく、その教材でもない。また、このコースの料金は、このDVDと書籍込みのフルパックで7800円であるが、その中の「わかる」「とける」パックは、「スッキリわかる日商簿記3級」「スッキリとける過去+予想問題集 日商簿記3級」をお持ちの方向けで、これらが含まれないパックです。」として、6200円で販売されている。また、DVDのみの価格は2400円となっており、DVDの外観も通常の市販DVDと何ら変わることはない(乙4)。
そして、乙第2号証との関係では、このDVDが第3版となっている(乙5)。
イ 要証期間内の頒布について
乙第1号証で、表紙の最下段に記載のある「2015.06→2016.02」との対応関係を説明すると、同6頁の「日商簿記3級湊純子講師のスッキリコース」の下の真ん中に、「開講コース(実施回別)」「2016年2月第142回目標コース 11?2月」とあり、「スッキリわかる講義DVD」が2015年11月から2016年2月までの間に購入者に送付されたことがわかる。そうすると、そのパンフレットである乙第1号証も、その始まりである2015年11月までには頒布されていなければならないはずである。
さらに、乙第1号証の最終頁右下の赤地部分には、「本書内容に記載されている内容は、2015年6月現在のものです」とある。
よって、これらから、乙第1号証は、要証期間内に頒布されたものであるといえる。
この乙第1号証については、印刷業者の見積書(乙6)の日付は2015年6月15日となっていて、330,000部印刷されることになっていたが、その請求書(乙7)の日付は、2015年7月31日となっていて、乙第1号証のパンフレットが「簿記独学道場2015.06」と表記されていて納品されていたことがわかる。
なお、乙第4号証のDVDは、「すっきりわかる講義DVD日商簿記3級」の第2版第1刷で、その発行日付は、2014年4月10日と記載されている。
他方、乙第5号証のDVDは同第3版第1刷で、その発行日付は2016年3月30日と記載されている。
ウ 商標の社会的同一性について
乙第1号証に表示されている商標は、「資格の学校」と全く同一なものである。その近くに「TAC」という文字が存在するが、1つの商標の近くに別の商標が記載されていても、結合が強固で一体不可分とならない限り、それぞれの商標の同一性認識の妨げとはならない。まして「資格の学校」は漢字と平仮名、「TAC」はローマ字であるのだから、両者は一体不可分ではない。これは組み合わせが上下左右、大きさや色にバリエーションがあっても変わりはない。
2 回答書(平成30年4月27日付け)
(1)被請求人は、本件商標を下記のように使用しているので、その証拠を提出する。
ア 使用商標:「資格の学校」
イ 使用商品:
(ア)第9類「録画済みビデオディスク」の被請求人発行の以下のパンフレット(乙8)「マンション管理士 管理業務主任者」
(イ)第9類「録画済みビデオディスク」の被請求人発行の以下のパンフレット(乙9)「貸金業務取扱主任者」
これらは、いずれも録画済みDVDの広告物であり、その表紙の左下に、本件商標の記載がある(商標法第2条第3項第8号)。
ウ 使用期間:乙第8号証のパンフレットには「このパンフレットに記載されている内容は、2016年1月現在のものです。」との記載があり、乙第9号証のパンフレットには「このパンフレットに記載されている内容は、2016年4月現在のものです。」との記載がある。
エ 使用主体:本件商標の商標権者であるTAC株式会社は、上記のパンフレットの発行者であり、記載されている「TAC出版」は、TAC株式会社の1部門である(乙3)。
(2)使用対象が商品であるのか、役務であるのかに関する判例、審決
ア 審決は、「簿記の資格取得をするための講義コース」の広告として、本件商標の「資格の学校」の文字が使用されているものであって、該文字は、上記DVDの広告のために使用されているものではありません。」と認定しているが、これは明らかに、判例、審決の基準のみならず請求人の引用する甲第2号証の審決の認定にも反する。一般に、商品性の認定は、「独立性」「有償性」「流通性」「動産性」から判断するとされ、本件では、そのうち「独立性」が問題となる。これに関する判例、審決は、枚挙にいとまがない(乙10)が、そのうち、本件のような講座とテキストとビデオとの関係を判断している判例と審決例及び甲第2号証の認定の核心部を引用する。
(ア)東京地裁平成6年4月27日判決、平成4年(ワ)第3845号商標権使用差止等請求事件(判例時報1510号150頁)
「Yの通信講座の内容は被告商品の販売のほかに、ビデオテープ教材の販売、通信指導という役務の提供も含まれているが。・・・・・・Yの主宰する気功術実践講座という通信講座は、受講者がテキスト教材、ビデオテープ教材によって学習することが中心であり、1回の上達度最終チェック表による判定以外には定期的な添削指導はなく、右通信講座の製作のための経費に占めるテキスト教材、ビデオテープ教材の製作費の割合は90パーセントに達し、通信指導のための費用の割合は10パーセントにすぎず、Yの通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売であって、その後の通信指導は、アフターサービスあるいはその販売を促進するための副次的なものに過ぎないものと認められるから、被告商品は、商標法上の商品と認めることができる。」
このような判断は、例えば、無効2003-35168など、特許庁の審決においても同様である。
(イ)これに対して周知の「DALE CARNEGIE事件」東京高裁平成13年2月28日判決は、下記のように丁寧に事実認定を積み重ねて、使用対象が商品であるのか、役務であるのかを判断し、上記判例とは別の結論に至っている。
「受講生には配布されるが、同印刷物のみが販売されることはなく、そのため定価も定められておらず、また、奥書もないこと、・・・本件講座を受けることを前提とした教材であって、各講座のポイントのほか、講義において指示されたことを記入するための作業欄も設けられていること、・・・印刷物は、上記のような抽象的一般的で簡潔にすぎる記載内容や、その体裁等からすると、本件講座を受講することを前提に、その講義内容の理解を助けるためにポイントとなる点を列挙したにすぎないものと認められ、独立した読み物としての内容を有していないものであって、本件講座を離れて市場において独立して商取引の対象となるものとは認められない」
(ウ)このような対象物の事実認定に基づく結論の差異は、甲第2号証の審決の認定においても下記のように踏襲されている。
「審決20頁(4)使用役務について パンフレット(乙8の3)及び学習ガイドブック(乙21)によれば、税理士「独学道場」は、主に教材とウェブサイトによる講義から構成されているもの(以下「本件講座」という。)であるところ、ウェブサイトによる講義が、「簿記論」と「財務諸表論」について、それぞれ、配信15分が40回、同60分が1回、同150分が26回あり、本件講座において相当の比率を占めるものであって、税理士「独学道場」を申し込んだ者に提供されているものというのが相当である。そうとすれば、被請求人は、主に教材とウェブサイトの講義による「税理士試験のための知識の教授」の役務を提供したものといえ、これは、本件審判の請求に係る指定役務中「知識の教授」の範ちゅうに含まれるものである。」
即ち、主に教材とウェブサイトによる講義から構成されているものではなく、主に教材から構成されているものは、「知識の教授」の範ちゅうに含まれず、「通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売であって、その後の通信指導は、アフターサービスあるいはその販売を促進するための副次的なものにすぎないものと認められるから、被告商品は、商標法上の商品と認めることができる。」ということになるはずである。
上記のような差異がコース毎に生じるのは、税理士「独学道場」は、難関資格なので、ウェブサイトによる講義が必要であるが、乙第1号証及び乙第2号証の「日商簿記3級」や乙第8号証の「マンション管理士 管理業務主任者」、乙第9号証の「貸金業務取扱主任者」は、税理士試験と比較すると難易度が低く書籍のみで学習が行いやすい資格なので、ウェブサイトによる講義を不要としているからである。そして、乙第1号証及び乙第2号証では、「日商簿記1級」では、教材とウェブサイトの講義が組み合わされているが、「日商簿記3級」では、DVD教材が主であり、せいぜい1回の模試を受けるチャンスがあるにすぎない。このように両者ははっきり区別可能である。
イ ところで、被請求人が今回提出した乙第8号証及び乙第9号証のコースは、教材からなるもので、その主なものは本件指定商品であるビデオテープであるのだから、まさに「通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売であって、その後の通信指導(模擬試験)は、アフターサービスあるいはその販売を促進するための副次的なものにすぎないもの」であるから、被請求人の「商品は、商標法上の商品と認めることができる。」ものである。そして、この乙第8号証及び乙第9号証のコースと乙第1号証及び乙第2号証のコースの内容は、「通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売」という点においてなんら差異がない。即ち、本件コースは、乙第8号証の「マンション管理士 管理業務主任者」や第9号証の「貸金業務取扱主任者」のコースと同様に、講師の講義を録画したDVD(第2版)が主体である。このコースとは、これらのDVDを販売して、それを購入者が視聴するだけの内容であるから、このDVDは、知識の教授の従属物ではなく、独立して取引の対象とされている商品であり、商標法上の商品に当たる。ちなみに、この乙第8号証の「マンション管理士 管理業務主任者」のコースの料金は、このDVDと書籍込みのフルパックで32000円であるが、その中の「テキスト」「問題集わかる」「とける」なしパックは、28000円で販売されている(乙8)。また、DVDのみの価格は16000円となっている。そして、DVDの外観も通常の市販DVDと何ら変わることはない(乙11、乙12)。この意味でも乙第1号証及び乙第2号証の本件コースと、乙第8号証及び乙第9号証のコースや東京地裁平成6年4月27日判決のケースとはなんら差異はない。
したがって、これらは、購入されるDVDの広告であり、このDVDは、本件商標の指定商品である「録画済ビデオディスク」にあたるので、本件商標は、このDVDの広告パンフレット中で、DVDという商品との具体的関係において使用されており、乙第1号証、乙第2号証、乙第8号証、乙第9号証は、「録画済ビデオディスク」という「商品・・・に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布‥・する行為」(商標法第2条第3項第8号)にあたる。
ウ 要証期間内の頒布について
乙第8号証裏表紙には「このパンフレットに記載されている内容は、2016年1月現在のものです。」との記載があり、5葉目には「基礎学習+論点マスター学習目安学習スタート?2016年10月」とある。また、乙第9号証裏表紙には「このパンフレットに記載されている内容は、2016年4月現在のものです。」との記載があり、3葉目には「インプット期 学習目安学習スタート?2016年9月」とある。
よって、これらから、乙第8号証及び乙第9号証は、要証期間内に配布されたものであることが合理的に推認できるといえる。ちなみに、この乙第8号証の配布については、業者へ2016年1月25日付け発注書(乙13)で、書籍「2016年度マンション管理士・管理業務主任者総合テキスト」に「投げ込み」(配布のための挟み込み)が3400部なされたことが記載されている。また、乙第9号証の配布については、業者へ2016年5月16日付け発注書(乙14)で、書籍「2016年度貸金業務取扱主任者合格テキスト」に「投げ込み」(配布のための挟み込み)が2700部なされたことが記載されている。
エ 商標の社会的同一性について
乙第1号証に表示されている商標は、「資格の学校」と全く同一なものである。その近くに「TAC」という文字が存在するが、1つの商標の近くに別の商標が記載されていても、結合が強固で一体不可分とならない限り、それぞれの商標の同一性認識の妨げとはならない。まして「資格の学校」は漢字と平仮名、「TAC」はローマ宇であるのだから、両者は一体不可分ではない。これは組み合わせが上下左右、大きさや色にバリエーションがあっても変わりはない。

第4 当審の判断
1 被請求人の主張及びその提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、パンフレットであるところ、その表紙の上段には「TAC出版+TAC簿記検定講座による独学者向けコース」、「独学者にとっての最良の合格ルートを提案します!/簿記独学道場」の記載があり、最下段には赤色で「資格の学校TAC」及び「TAC出版」の記載がある。
また、2葉目の上段の「Point1」には、「オールTACで安心!」の見出しの下「『独学道場』は、・・・TAC出版の書籍を使用して、TACの看板講師がDVD/WEBで独学者に向けにオリジナル講義を行います。・・・TAC簿記講座自慢の『的中答練』や『公開模試』が含まれるなど、独学なのに安心して合格を目指せる、まさに究極の『いいとこどり』講座なのです!」の記載、「Point2」には、「タイプに合わせて選べるコース!」の記載と共に、その右側に縦にそれぞれ、「日商3級」「日商2級」「日商1級」等の記載がある。
さらに、3葉目の上段の「Point1」には、「Webでしっかりサポート!ひとりじゃない独学!」、「・・・独学者応援サイト『無敵クラブ』の『質問掲示板』が不安を解決してくれます。」の記載がある。
加えて、4葉目の下段の「日商簿記3級 湊 純子講師の/スッキリコース」の見出しの下「インプット期」の項に「スッキリわかる 講義DVD日商簿記3級(120分×4枚)」の記載とともにDVDの写真が掲載されている。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、パンフレットであるところ、その表紙の上段には「TAC出版+TAC簿記検定講座による独学者向けコース」、「『最良の独学合格ルート』がここにあります!/日商簿記独学道場」の記載があり、最下段には赤色で「資格の学校TAC」及び「TAC出版」の記載がある。
また、2葉目の上段の「安心Point1」には、「TACは手抜きしません!/新出願区分に完全対応!」の見出しの下「・・・そうして作られた書籍を、教材として使用する『独学道場』だからこそ、合格に必要な知識を正確にかつ無理やムダなく得られるのです。さらに、合格に必要なエッセンスを凝縮した講義に加え、・・・TAC簿記検定講座自慢の『的中答練』や『公開模試』が含まれるなど、充実した学習カリキュラムですから、学習に集中し、合格に向かって、直線で進むことができるのです!」の記載がある。
さらに、2葉目の下段の「Point2」には、「タイプに合わせて選べるコース!」の記載と共に、その下段にそれぞれ、「日商3級」「日商2級」「日商1級」等の記載がある。「Point3」には、「学習中の疑問も解消!ひとりじゃない『独学』を実現!」、「・・・独学者応援サイト『無敵クラブ』に『質問掲示板』を設置し、専門スタッフが学習上の疑問や質問にお答えしていきます!」の記載がある。
加えて、4葉目の下段の「日商簿記3級 湊 純子講師の/スッキリコース」の見出しの下「インプット+アウトプット期」の項に「スッキリわかる 講義DVD(120分×4枚)」の記載とともにDVDの写真が掲載されている。
(3)乙第4号証及び乙第5号証について
乙第4号証及び乙第5号証は、「スッキリわかる/講義DVD」の表題が付いたDVD(使用商品)の外箱の表紙、裏表紙、外箱に収納されている4枚のDVDの写真が掲載されており、それぞれの外箱の裏表紙には「発行所 TAC株式会社」と記載されているが、本件商標の表示はない。
(4)乙第8号証について
乙第8号証は、パンフレットであるところ、その表紙の上段には「TAC出版+TACマンション管理士・管理業務主任者講座による独学者向けコース」、「2016年合格目標/マンション管理士/管理業務主任者/独学道場」の記載があり、最下段には赤色で「資格の学校/TAC」、「TAC出版」の記載がある。
また、2葉目の左側に「・・・コンパクトで無理やムダがなく必要十分のカリキュラムとわかりやすい教材、そして人気講師による講義と、合格に必要な内容がすべて含まれていながら、リーズナブルな料金設定で、・・・」の記載があり、3葉目の左側「POINT4」には「リーズナブルな料金も魅力!」の項に、「・・・『独学道場』は、TAC出版の市販書籍と講義DVDに加え、TACマンション管理士・管理業務主任者講座の全国公開模試などがセットになり、さらに質問カードなどのサポート体制も充実させながらも、・・・」の記載がある。
さらに、4葉目の「使用教材・カリキュラム」の見出しの下「基礎学習+論点マスター」の項に「らくらくわかる!マンション管理士/速習テキスト準拠/合格ポイント講座DVD(7枚)」の記載とともにDVDの写真が掲載されている。
(5)乙第9号証について
乙第9号証は、パンフレットであるところ、その表紙の上段には「TAC出版+TAC貸金業務取扱主任者講座による独学者向けコース」、「2016年合格目標/貸金業務取扱主任者/独学道場/独学で合格!」の記載があり、最下段には赤色で「資格の学校/TAC」及び「TAC出版」の記載がある。
また、2葉目の右側に「TAC出版の書籍、看板講師による講義DVDに加え、資格の学校TACの公開模試といった教材がセットになっているので、限られた時間の中で効率的に学習できるのです。さらに、質問フォロー体制があるので、安心して合格に向かって学習を継続できます。」の記載がある。
さらに、3葉目の「使用教材・カリキュラム」の見出しの下「インプット期」の項に「貸金業務取扱主任者講義DVD(4枚)」の記載とともにDVDの写真が掲載されている。
(3)乙第11号証及び乙第12号証について
乙第11号証及び乙第12号証は、「マンション管理士」又は「貸金業務取扱主任者」の表題が付いたDVD(使用商品)の外箱の表紙、裏表紙、外箱に収納されている6枚又は4枚のDVDの写真が掲載されており、それぞれの外箱の裏表紙には「発行所 TAC株式会社出版事業部」と記載されているが、本件商標の表示はない。
2 上記1によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証及び乙第2号証のパンフレットによれば、表紙の上部に「TAC出版+TAC簿記検定講座による独学者向けコース」と記載され、このコースの説明として、主に、書籍を利用し、DVDの講義を受け、「的中答練」や「公開模試」を利用できる学習カリキュラムであり、その上、Webにおいて独学者応援サイト「無敵クラブ」に「質問掲示板」を設置して、専門スタッフが学習上の疑問や質問に答えると記載されていることから、これらは、「簿記検定講座による独学者向けコース」の内容を説明したものと認められる。
そして、表紙の最下段には、赤色の「資格の学校TAC」の文字の表示がある。
(2)乙第8号証及び乙第9号証パンフレットによれば、表紙の上部に「TAC出版+TACマンション管理士・管理業務主任者講座による独学者向けコース」又は「TAC出版+TAC貸金業務取扱主任者講座による独学者向けコース」と記載され、このコースの説明として、主に、書籍を利用し、DVDの講義を受け、全国公開模試や質問のフォロー体制などを利用できる学習体制であることが記載されていることから、これらは、「マンション管理士・管理業務主任者講座による独学者向けコース」又は「貸金業務取扱主任者講座による独学者向けコース」の内容を説明したものと認められる。
そして、表紙の最下段には、赤色の「資格の学校/TAC」の文字の表示がある。
(3)乙第4号証及び乙第5号証並びに乙第11号証及び乙第12号証には、それぞれの「簿記検定講座」、「マンション管理士・管理業務主任者講座」及び「貸金業務取扱主任者講座」のそれぞれのDVDの外箱の表紙、裏表紙、収納されているDVDの写真が表示されているが、すべての写真に本件商標の表示はなかった。
3 上記2からすれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
上記各パンフレット(乙1、乙2、乙8、乙9:以下「該パンフレット」という。)の表紙には、上記2のとおり、最下段に赤色で「資格の学校TAC」の文字(以下「使用商標1」という。:別掲2)又は赤色で「資格の学校/TAC」の文字(以下「使用商標2」という。:別掲3、以下「使用商標1」及び「使用商標2」をまとめていうときは「使用商標」という。)が記載されている。
(2)使用商標の使用商品について
該パンフレットは、上記2のとおり、それぞれ受講する各講座のコース内容について説明したものであり、その内容の概要は、「書籍、DVD、公開模試及び質問フォロー体制等を使用して各講座の学習を進めていく」もので、つまり、これらのツールを組み合わせて講座の学習を進めていくことは「講座による知識の教授」ということができ、これらは、上記各講座の広告を記載しているものと認められる。
そして、該パンフレットは、それぞれの講座について、説明をし、広告しているものであって、該パンフレットにDVDの外箱の写真が掲載されているからといって、これらの写真は、上記各講座で使用する教材の1つであるDVDが写真で紹介されているにすぎないものであって、DVD単体の広告をしているとは認められない。
(3)小括
上記(1)及び(2)によれば、被請求人(商標権者)は、該パンフレットの表紙に、使用商標1又は使用商標2を表示しても、これらは、「講座による知識の教授」の役務を広告するために使用したものであり、教材の1つであるDVDの広告に使用したものではない。
したがって、被請求人(商標権者)が、本件審判の請求に係る指定商品の「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に本件商標を使用している事実を認めることはできない。
その他、被請求人が提出した乙各号証において、本件商標をその指定商品に使用したことを認め得る証左は見いだせない。
4 被請求人の主張について
被請求人は、「被請求人が今回提出した乙第8号証及び乙第9号証のコースは、教材からなるもので、その主なものは本件指定商品であるビデオテープであるのだから、まさに『通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売であって、その後の通信指導(模擬試験)は、アフターサービスあるいはその販売を促進するための副次的なものにすぎないもの』であるから、被請求人の『商品は、商標法上の商品と認めることができる。』ものである。・・・そして、この乙第8号証及び乙第9号証のコースと乙第1号証及び乙第2号証のコースの内容は、『通信講座の実体は、被告商品及びビデオテープ教材の販売」という点においてなんら差異がない。即ち、『日商簿記3級 湊純子講師のスッキリコース』は、乙第8号証・・・や乙第9号証の・・・コースと同様に、講師の講義を録画したDVD(第2版)が主体である。このコースとは、これらのDVDを販売して、それを購入者が視聴するだけの内容であるから、このDVDは、知識の教授の従属物ではなく、独立して取引の対象とされている商品であり、商標法上の商品に当たる。・・・したがって、これらは、購入されるDVDの広告であり、このDVDは、本件商標の指定商品である『録画済ビデオディスク』にあたるので、本件商標は、このDVDの広告パンフレット中で、DVDという商品との具体的関係において使用されており、乙第1号証、乙第2号証、乙第8号証、乙第9号証は、『録画済ビデオディスク』という『商品・・・に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布‥・する行為』(商標法第2条第3項第8号)にあたる。」旨を主張している。
しかしながら、上記3のとおり、該パンフレットは、それぞれ受講する各講座のコース内容について説明したものであり、その内容の概要は、「書籍、DVD、公開模試及び質問フォロー体制を使用して各講座の学習を進めていく」もので、つまり、これらのツールを組み合わせて講座の学習を進めていくことを説明しているものであるから、上記各講座の広告であると認められる。
そして、該パンフレットには、それぞれに使用されるDVDの写真が掲載されているとしても、そのパンフレットは、上記のとおり、各講座のコース内容について説明し、広告しているものであって、そのDVD単体の販売のための広告とは認められないものである。
よって、被請求人の主張は、採用することができない。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、その請求に係る指定商品について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品及び指定役務中、第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本件商標:色彩については、原本参照。)



別掲2(使用商標1:色彩については、乙第1号証を参照。)



別掲3(使用商標2:色彩については、乙第8号証を参照。)



審理終結日 2018-09-12 
結審通知日 2018-09-14 
審決日 2018-10-09 
出願番号 商願2001-35799(T2001-35799) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 金子 尚人 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
大森 友子
登録日 2002-11-22 
登録番号 商標登録第4622187号(T4622187) 
商標の称呼 シカクノガッコー 
代理人 林 栄二 
代理人 正林 真之 
代理人 小野寺 隆 
代理人 名越 秀夫 

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