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審決分類 |
審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W07 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W07 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W07 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W07 |
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管理番号 | 1346077 |
審判番号 | 不服2018-3823 |
総通号数 | 228 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-12-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-03-01 |
確定日 | 2018-11-08 |
事件の表示 | 商願2016-99619拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「MARS」の欧文字を標準文字で表してなり,第7類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成28年8月31日に登録出願,その後,本願の指定商品については,当審における同30年3月1日付けの手続補正書により,第7類「金属加工機械器具(原子炉及びその周辺の高放射線領域において使用する金属加工機械器具を除く)」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5286674号商標(以下「引用商標」という。)は,「MARS」の欧文字を標準文字で表してなり,平成19年11月8日に登録出願,第7類「災害現場・事故現場の機材搬送・重量物運搬作業用ロボット,遠隔操作式走行機能を有し原子炉及びその周辺の高放射線領域における監視機能を有する作業用ロボット,遠隔操作式走行機能を有し災害現場・事故現場の監視・測定・検知機能を有する作業用ロボット,遠隔操作式走行機能及び監視機能を有し原子炉及びその周辺の高放射線領域における弁開閉・配管開孔・ふき取り除染作業用ロボット,遠隔操作式走行機能及び監視機能を有し原子炉及びその周辺の高放射線領域における重量物の運搬・散水除染作業用ロボット」を指定商品として,同21年12月11日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は,前記1のとおり,「MARS」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,「火星」の意味を有する広く親しまれた英語(株式会社研究社 新英和中辞典)であり,該文字に相応して「マース」の称呼を生じ,「火星」の観念を生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標は,前記2のとおり,「MARS」の欧文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字は,本願商標の構成文字と同一であることから,上記本願商標と同様に,「マース」の称呼を生じ,「火星」の観念を生じるものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 以上のことよりすれば,本願商標と引用商標とは,「MARS」の文字の外観,「マース」の称呼及び「火星」の観念を共通にする同一の商標というのが相当である。 (4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 商品の類否の判断は,取引の実情,すなわち商品の生産部門,品質,用途及び需要者の範囲が一致するかどうか,完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断すべきものであり,その類否は,2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合,これに接する取引者,需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきものである。 そこで,以下,本願に係る補正後の指定商品(以下「本願商品」という。)と引用商標に係る指定商品(以下「引用商品」という。)の類否について検討する。 ア 本願商品 本願商品は,前記1のとおり,原子炉及びその周辺の高放射線領域という特殊な場所を除く,いわゆる一般的な状況において,金属を加工することを目的とする機械器具である。 次に,本願商品の製造・販売は,多数のメーカーにより製造され,その販売は,圧延機等の大きな商品については,製造業者による直接販売又は仲介業者(商社)経由で販売され,グラインダーや電気ドリルのような商品については,金物店,ホームセンター等の小売店や通信販売により販売されることが一般的である。 そして,本願商品の需要者は,一般の金属加工業者及び一般需要者である。 イ 引用商品 引用商品は,前記2のとおり,災害現場,事故現場,原子炉及びその周辺の高放射線領域等の,危険であって,作業員の立ち入りが困難と思われる場所において,作業員に代わって機材搬送・重量物運搬,監視・測定・検知,弁開閉・配管開孔・ふき取り除染作業等を行う作業用ロボットである。 次に,引用商品の製造・販売は,その作業現場の状況に合わせた特殊な機能を備えていることが要求されることから,極めて限定された企業が製造・販売しているものである。 そして,引用商品の需要者についても,上記のような特殊な現場において作業を行うことが許される,需要者に限定されるものである。 ウ 本願商品と引用商品の類否 以上のことよりすれば,本願商品は,金属を加工する機械器具であるのに対し,引用商品は,作業員に代わって作業を行う作業用ロボットであるから,需要者のみならず,その用途,生産部門,販売部門等においても著しく相違し,また,完成品と部品との関係にないことも明らかであるから,両者に同一又は類似の商標が使用された場合において,取引上,商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれはないものと見るのが相当である。 したがって,本願商品と引用商品とは,互いに類似しない商品といわざるを得ない。 (5)まとめ 以上(1)から(4)からすれば,本願商標と引用商標とは,同一の商標であるとしても,その指定商品について類似しない以上,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 その他,本願について拒絶の理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2018-10-18 |
出願番号 | 商願2016-99619(T2016-99619) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
WY
(W07)
T 1 8・ 261- WY (W07) T 1 8・ 264- WY (W07) T 1 8・ 262- WY (W07) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 高橋 幸志、齋藤 健太、谷村 浩幸 |
特許庁審判長 |
田中 幸一 |
特許庁審判官 |
榎本 政実 網谷 麻里子 |
商標の称呼 | マーズ、マース、マルズ、マルス |