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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 12 審判 全部申立て 登録を維持 12 審判 全部申立て 登録を維持 12 審判 全部申立て 登録を維持 12 審判 全部申立て 登録を維持 12 審判 全部申立て 登録を維持 12 |
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管理番号 | 1344113 |
異議申立番号 | 異議2015-685032 |
総通号数 | 226 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-10-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-10-16 |
確定日 | 2018-05-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第1224605号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第1224605号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件国際登録第1224605号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2014年(平成26年)2月11日にPeople’s Republic of Chinaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年8月5日に国際商標登録出願され、第12類「Vehicle tires;antiskid device for vehicle tires;tires(for vehicle);automobile tires;pneumatic tires;valve of vehicle tires;bicycle,push-bike tyres;aircraft tires;trolleys;vehicle wheels.」を指定商品として、平成27年4月8日に登録査定、同年8月14日に設定登録されたものである。 第2 引用商標及び使用商標 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標について、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する国際登録第964689号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2008年(平成20年)1月9日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年4月7日に国際商標登録出願され、第12類「Tyres;solid,semi-pneumatic and pneumatic tyres and pneumatic tyres and rims for vehicle wheels;wheels for vehicles,wheel rims,tyres for motorcycles.」を指定商品として、平成21年3月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)申立人が、本件商標について、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び第19号に該当するとして引用する商標は、それぞれ青色で「INTERACT」の欧文字を湾曲して表した態様(甲4の1)、やや斜めの書体で文字の大きさを揃えた「InTERaCT」の欧文字を書してなる態様(甲4の2)、黒色の背景に白抜きで「INTERACT」の欧文字を書してなる態様(甲4の3)、灰色の背景にやや斜めの書体で青色で彩色した「INTERACT」の欧文字を書してなる態様(甲4の4)、青色の背景に白抜きで「Interact」の欧文字を書してなる態様(甲4の5)からなるものであり、いずれも申立人がタイヤに使用している商標である(以下これらをまとめて「使用商標」という。)。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号及び第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について 本件商標と引用商標は、(1)いずれも、最初の五文字の「INTER」が強い印象を与える反面、その後ろの文字は、需要者に曖昧な印象を与えること、(2)両方とも横一列文字となり、文字と文字の間には空白がないこと、(3)8文字と9文字で両方とも長い商標であり、その文字の数の差は、一つだけであること、(4)両方ともアルファベット「I、N、T、E、R、A、C」の7文字だけを利用して構成されていること、(5)本件商標も引用商標も斜めに傾いていることなどから、本件商標と引用商標は外観類似である。 さらに、称呼も類似である。 また、指定商品も互いに同一・類似である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第第10号について 使用商標は、申立人の子会社である「METZELER」(以下「METZELER社」という。)の商標として、日本全国的に広く知られており、本件商標は使用商標と類似な関係であり、本件商標の指定商品も使用商標と同一又は類似な関係である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号について 使用商標は、METZELER社の商標として、全国的に広く一般的に知られているから、本件商標がその指定商品に使用された場合について混同を生じるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 商標法第4条第1項第第19号について 本件商標は、METZELER社の商標として日本及び外国に広く認識されている使用商標と類似し、不正の目的を持って使用するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、「INTERTRAC」の欧文字を横書きしてなり、これよりは「インタートラック」の称呼を生ずるものである。 そして、該文字は、特定の語義を有しない一種の造語といえるものであるから、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、デザイン化された「INTERACT」の欧文字からなるものであるところ、「INTERACT」の文字は、「相互に作用する、交流する」等を意味する英語であるとしても、一般に親しまれた平易な英語とはいえないものであって、直ちに特定の意味合いを看取させるとはいい難いものである。 そうとすると、本願商標は、その構成文字に相応して「インタラクト」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものと認められる。 (3)本件商標と引用商標の類否 ア 外観 本件商標と引用商標とを対比すると、本件商標は、黒色の太字で「INTERTRAC」の欧文字を横書きしてなるのに対し、引用商標は、左側を複数の斜線で描いた平行四辺形内に「INTERACT」の欧文字を白抜きの文字で書してなるものであり、両商標は、外観上、顕著な差異を有する。 また、本件商標と引用商標の構成文字とを対比すると、前半の「INTER」の文字部分は共通にするものの、後半の「TRAC」と「ACT」の文字部分に明白な差異を有する。 したがって、本件商標と引用商標とは、外観において明確に区別し得るものである。 イ 称呼 本件商標から生じる「インタートラック」の称呼と、引用商標から生じる「インタラクト」の称呼を比較すると、前半の「インタ」の部分を共通にするとしても、後半の「トラック」と「ラクト」の部分において明らかな差異を有するものであるから、互いに聞き誤るおそれはないものである。 ウ 観念 本件商標及び引用商標は、どちらも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。 エ 類否 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において明確に区別し得るものであって、称呼においても互いに聞き誤るおそれのないものであるから、これらを総合して考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (4)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第10号について (1)申立人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。 ア METZELER社は、技術力に定評のある世界的なタイヤメーカーの一つであり(甲5)、2009年度から日本全国で使用商標を使用している。 「INTERACT」の文字を有する商品パターンセットの2013年の総販売個数は、日本が20,055個、ドイツが74,874個、イタリアが47,021個、アメリカが15,632個である。また、国内の販売ショップは31店舗である。 イ バイク利用者が主に購入する雑誌「ROAD RIDER」の2009年6月号の記事において、「METZELER」のタイヤ「INTERACT」が高く評価されており(甲6の1)、また、該雑誌の2009年12月号に掲載された「各社のイチ押しタイヤ」といった記事において、「METZELER」のタイヤ「ロードテックZインタラクト」は、「METZELER」の真骨頂であり、そのタイヤが採用したスチールベルトは世界1の技術であると記載され(甲6の2)、さらに、インターネットにおけるオンロードバイクの総合レビュー・サイト「MotoRIDE」において、2010年2月22日付けで雑誌「ROAD RIDER」の2009年12月号の記事として掲載された(甲7の1)、同じく、インターネットにおける「MotoRIDE」の2012年12月14日付け特集記事「さらに進化したメッツラーの新タイヤとそのウラにあるピレリの開発技術」において、テストの結果、高い評価をもらった事実が記載されている(甲7の2)。 ウ その他の申立人の提出に係る甲各号証によれば、使用商標が、バイク販売店のウェブサイトにおいて表示されていること(甲8の1及び2)、インターネットにおけるブログ記事に掲載されていること(甲8の3及び4)及びインターネット上で動画が日本語のみならずイタリア語、英語、ドイツ語でも閲覧できること(甲9、甲10)が窺える。 (2)上記(1)の事実によれば、METZELER社により、使用商標が、商品「タイヤ」について使用されていることを認めることができる。しかしながら、提出された証拠の多くは雑誌の記事、インターネットのブログ及び動画等で紹介されていることを提示したにとどまるものであり、使用商標が申立人の業務に係る商品「タイヤ」について、実際に広告宣伝された時期、回数及び宣伝費等が客観的に把握できる取引実績の証明書等の提出がないものであるから、本件商標の登録出願時において取引者、需要者の間に広く認識されていたことを証明する証拠としては不十分なものといわざるを得ない。 したがって、申立人より提出された証拠を総合してみても、使用商標が、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間で広く認識されていたと認めることはできない。 (3)そして、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、非類似の商標であるから、本件商標と使用商標とにおいても、同様に非類似の商標であるといえる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号について 使用商標は、上記2のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されていたものとは認められず、さらに、本件商標とは類似しないものであって、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、使用商標と本件商標とが使用される商品の関連性、取引者、需要者の共通性を考慮したとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が使用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第19号について 上記1のとおり、本件商標と使用商標とは別異の商標であり、類似するとはいえないものである。 また、申立人の提出に係る全証拠を勘案しても、本件商標権者が、本件商標の出願時点において引用商標及び使用商標の顧客吸引力にフリーライドするなどの不正の目的をもって本件商標を使用すると認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 6 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別記】 |
異議決定日 | 2016-09-27 |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(12)
T 1 651・ 271- Y (12) T 1 651・ 263- Y (12) T 1 651・ 261- Y (12) T 1 651・ 262- Y (12) T 1 651・ 222- Y (12) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松本 はるみ |
特許庁審判長 |
今田 三男 |
特許庁審判官 |
酒井 福造 小松 里美 |
登録日 | 2014-08-05 |
権利者 | QINGDAO KETER INTERNATIONAL CO., LIMITED |
商標の称呼 | インタートラック |
代理人 | 朴 沼泳 |
代理人 | 山下 託嗣 |