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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W43
審判 査定不服 外観類似 登録しない W43
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W43
管理番号 1344074 
審判番号 不服2018-1958 
総通号数 226 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2018-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-02-13 
確定日 2018-09-06 
事件の表示 商願2016-103028拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「居酒屋ふじや」の文字を標準文字で表してなり、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成28年9月23日に登録出願され、その後、指定役務については、審判請求と同時に提出された同30年2月13日付けの手続補正書により、第43類「居酒屋における飲食物の提供」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3123545号商標(以下「引用商標1」という。)は、「不二家」の文字を横書きしてなり、平成4年6月29日に登録出願、第42類「ハンバ?グ料理・ステ?キ料理・シチュ?料理・シ?フ?ド料理・焼肉料理・ピラフ料理・カレ?料理・フライ料理・ス?プ料理・サラダ料理及びスパゲッティ?料理の提供,アルコ?ル飲料の提供,茶・コ?ヒ?・清涼飲料及び果実飲料の提供,ケ?キ・パフェ及びアイスクリ?ムの提供」を指定役務として、同8年2月29日に設定登録されたものである。
(2)登録第3132543号商標(以下「引用商標2」という。)は、「FUJIYA」の欧文字を横書きしてなり、平成4年6月29日に登録出願、第42類「ハンバ?グ料理・ステ?キ料理・シチュ?料理・シ?フ?ド料理・焼肉料理・ピラフ料理・カレ?料理・フライ料理・ス?プ料理・サラダ料理及びスパゲッティ?料理の提供,アルコ?ル飲料の提供,茶・コ?ヒ?・清涼飲料及び果実飲料の提供,ケ?キ・パフェ及びアイスクリ?ムの提供」を指定役務として、同8年3月29日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」ということがある。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり「居酒屋ふじや」の文字からなるところ、その構成中の「居酒屋」の文字部分と「ふじや」の文字部分とは、漢字と平仮名の文字種の差異があることから、本願商標は、「居酒屋」と「ふじや」の文字を結合してなるものと容易に認識されるものである。
そして、本願商標の構成中「居酒屋」の文字部分は、「店先で酒を飲ませる酒屋。また、安く酒を飲ませる店。」(株式会社岩波書店「広辞苑第7版」)の意味を有する語として一般に知られているものであって、本願の指定役務である「居酒屋における飲食物の提供」との関係においては、本願商標に接する需要者をして、役務の提供の場所を表したものと認識させるにとどまることから、該文字部分は、役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
また、本願商標の構成中「ふじや」の文字部分は、一般的な辞書に掲載がなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語と認められ、特定の観念を生じないものである。
そうすると、本願商標の構成中「居酒屋」の文字部分は出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであるから、本願商標は、その構成中「ふじや」の文字部分が取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く印象付けられる要部であるといえる。
してみれば、本願商標は、その構成中「ふじや」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものであり、該文字部分が独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体から「イザカヤフジヤ」の称呼を生じるほか、その構成中の「ふじや」の文字部分から「フジヤ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標1及び引用商標2は、上記2(1)及び(2)のとおり、それぞれ「不二家」及び「FUJIYA」の文字からなるところ、該文字は、一般的な辞書に掲載がなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語と認められ、特定の観念を生じないものである。
そうすると、引用商標は、各構成文字に相応し、いずれも「フジヤ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両者は、その構成文字に差異を有するものであるから、外観上、相違するものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる称呼は「イザカヤフジヤ」及び「フジヤ」であり、引用商標から生じる称呼は「フジヤ」であるから、両者は、「フジヤ」の称呼を共通にするものである。
また、観念においては、両者は特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そして、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われていること、本願商標及び引用商標が、いずれも外観に格別の特徴を有しないものであることを併せ考慮すれば、本願商標の構成中「ふじや」の文字部分と引用商標の文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいい難く、さらに、両者がいずれも特定の観念を有しないものであることからすれば、両者の類否判断において、称呼が重要な役割を果たすものというのが相当である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において差異を有し、観念において比較できないものの、両者の類否判断において重要な役割を果たす称呼を共通にするものであり、その外観における差異が称呼の共通性を凌駕するものとはいい難く、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成文字は同書同大同色で表され、それから生じる「イザカヤフジヤ」の称呼も冗長でなく、構成文字全体から「なんらかの居酒屋」程の観念が生じ、全体が一体不可分のものと理解・認識されるので、本願商標は、その構成中「ふじや」の文字部分だけを引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されるものでなく、その構成全体を対比すべきものである、及び引用商標の商標権者による平仮名「ふじや」の使用は確認できず、同人以外の者による平仮名「ふじや」の文字の使用が複数確認できること等の取引の実情を考慮すれば、本願商標と引用商標は出所を誤認混同するおそれがないとして、本願商標と引用商標は非類似の商標である旨主張している。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標は、「居酒屋」と「ふじや」の文字を結合してなるものと容易に認識され、かつ、その構成中「居酒屋」の文字が役務の提供の場所を表示するものとして需要者に認識されるものである。
そうすると、本願商標は、その構成中「居酒屋」の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められ、「ふじや」の文字部分を要部として他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるものというべきである。
また、商標の類否判断に当たって考慮すべき取引の実情とは、その指定役務全般についての一般的・恒常的なものであり、商標の使用において商標の構成文字を同一の称呼の生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われていることは上記(1)のとおりである。
したがって、請求人のかかる主張は採用できない。
(5)本願の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願の指定役務と引用商標の指定役務は、それぞれ上記1並びに上記2(1)及び(2)のとおりであり、両者は同一又は類似の役務である。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2018-07-03 
結審通知日 2018-07-09 
審決日 2018-07-24 
出願番号 商願2016-103028(T2016-103028) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W43)
T 1 8・ 261- Z (W43)
T 1 8・ 263- Z (W43)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 小俣 克巳
木住野 勝也
商標の称呼 イザカヤフジヤ、フジヤ 
代理人 鳥巣 実 
代理人 鳥巣 慶太 

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