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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W25 |
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管理番号 | 1343220 |
異議申立番号 | 異議2017-900307 |
総通号数 | 225 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-09-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-10-12 |
確定日 | 2018-07-17 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5967461号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5967461号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5967461号商標(以下「本件商標」という。)は,「GIANNA e FRANCO MINUCCI」の文字を標準文字で表してなり,平成29年2月10日に登録出願,同年6月26日に登録査定,第25類「被服」を指定商品として,同年7月28日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する登録第4519996号商標は,「FRANCO MINUCCI」の文字を標準文字で表してなり,平成12年12月25日に登録出願,第18類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同13年11月9日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。 1 商標法第4条第1項第8号該当性について 本件商標は,「GIANNA e FRANCO MINUCCI」の文字を表示してなるところ,その構成文字中の「FRANCO MINUCCI」は,イタリア,メンズファッション業界の重鎮であるとともに,申立人会社の取締役でもあるフランコ・ミヌッチ氏(FRANCO MINUCCI)の氏名を表示したものであり,また,本件商標の構成文字中の「e」は英語の「and」に相当するとともに,「GIANNA」は,フランコ・ミヌッチ氏の夫人のGIANNA氏に由来するものであり,商標登録を受けることについて同人らの承諾を得ていないものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について 本件登標は,その商標登録出願の日前の出願に係る他人の登録商標と類似であって,その商標登録に係る指定商品又はこれに類似する商品について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審における取消理由 当審において,本件商標権者に対して平成30年1月29日付けで通知した取消理由の内容は,要旨以下のとおりである。 本件商標は,「GIANNA e FRANCO MINUCCI」の文字を標準文字で表してなるものであるところ,その構成中に他人の氏名である「FRANCO MINUCCI」の文字を含むものであって,かつ,その他人の承諾を得ているものとは認められないから,商標法第4条第1項8号に該当する。 第5 本件商標権者の意見 審判長は,上記第4の取消理由を通知し,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,本件商標権者は,何ら意見を述べていない。 第6 当審の判断 1 「フランコ・ミヌッチ(Franco Minucci)」について (1)申立人提出の甲各号証によれば,次のとおり認めることができる。 ア 甲第2号証は,平成29年9月14日付けの申立人の「現在事項全部証明書」であり,その「役員に関する事項」の項に「取締役 フランコ・ミヌッチ」及び「平成29年2月8日登記」の記載がある。 イ 甲第7号証は,雑誌「Gentry」の2005年(平成17年)10月号であり,そこには「FIRENZE」,「妻と一緒に選んだ温もりのあるキッチン」,「フランコ・ミヌッチ氏」及び「【タイ・ユア・タイ ディレクター】」のタイトルの下,フランコ・ミヌッチ氏や同氏の住宅の紹介記事などが掲載されている。 ウ 甲第8号証は,雑誌「MEN’S EX」の2014年(平成26年)8月号であり,そこには「引退してなおエレガンスの伝道師」「フランコ・ミヌッチ●タイ・ユア・タイ顧問」のタイトルの下,「Franco Minucci」の文字とともに,フランコ・ミヌッチ氏や衣類の写真及び紹介記事などが掲載されている。 (2)上記(1)に掲げた平成17年以降の雑誌の紹介記事及び平成29年9月の時点における申立人の登記事項よりすれば,申立人の取締役である「フランコ・ミヌッチ」(Franco Minucci)という氏名の人物が実在し,本件商標の登録出願の日(同29年2月10日)及び登録査定日(同年6月26日)において生存していることが推認できる。 2 商標法第4条第1項第8号の該当性について 本件商標は,上記第1のとおり「GIANNA e FRANCO MINUCCI」の文字からなり,その構成中にスペースを有し,「e」の小文字を除いてすべて大文字で表されているため,当該文字の前後で視覚上分離した印象を与えることから,容易に「GIANNA」,「e」及び「FRANCO MINUCCI」の各語を結合してなるものと理解,認識されるものである。 そして,上記1のとおり「Franco Minucci(フランコ・ミヌッチ)」を氏名とする人物が実在すること,本件商標の構成中「FRANCO MINUCCI」の文字部分と当該人物の氏名とが同一のつづりであること,本件商標が全体として既存の物や事象を意味するなど一体不可分のものと認識されるというべき事情を見いだせないこと,及び「FRANCO MINUCCI」の文字部分を一連のものと見ることが不自然でないことをあわせみれば,本件商標は,その構成中に実在する他人の氏名(FRANCO MINUCCI)を含むものと判断するのが相当である。 また,本件商標の指定商品を取り扱う業界において,イタリア語が比較的親しまれた語であるところ,本件商標の構成の「e」の欧文字が「…と」を意味するイタリア語であることからすると,本件商標は,その構成全体として「GIANNAとFRANCO MINUCCI」のような意味合いを想起させ,なおさら上記人物の氏名を含むことが強調されたものといえる。 そして,本件商標権者が本件商標の登録を受けることについて当該人物の承諾を得ていることを示す証拠はない。 そうすると,本件商標は,他人の氏名を含む商標であって,かつ,その他人の承諾を得ているものとは認められない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に該当する。 3 むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものであるから,その他の登録異議の申立ての理由について判断するまでもなく,同法第43条の3第2項により,その登録は取り消すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-06-05 |
出願番号 | 商願2017-14661(T2017-14661) |
審決分類 |
T
1
651・
23-
Z
(W25)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 山田 啓之 |
特許庁審判長 |
小出 浩子 |
特許庁審判官 |
阿曾 裕樹 早川 文宏 |
登録日 | 2017-07-28 |
登録番号 | 商標登録第5967461号(T5967461) |
権利者 | 株式会社キャンディー |
商標の称呼 | ジャンナエフランコミヌッチ、ジアンナエフランコミヌッチ、ジャンナ、ジアンナ、フランコミヌッチ、フランコ、ミヌッチ |
代理人 | 齊藤 誠一 |
代理人 | 八鍬 昇 |