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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X35 |
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管理番号 | 1340326 |
審判番号 | 取消2017-300223 |
総通号数 | 222 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2018-06-29 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2017-03-28 |
確定日 | 2018-05-07 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5130857号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5130857号商標(以下「本件商標」という。)は,「LION HEART」の欧文字を横書きしてなり,平成19年5月11日に登録出願,第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,トレーディングスタンプ・クーポン券・ポイント蓄積式カード・割引付特典カードの発行・清算及び管理,トレーディングスタンプ・クーポン券・ポイント蓄積式カード・割引付特典カードの発行・清算及び管理に関する情報の提供,広告,商品の販売に関する情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行,建築物における来訪者の受付及び案内」を指定役務として,同20年4月25日に設定登録されたものである。 そして,本件審判の請求の登録日は,平成29年4月14日である。 第2 請求人の主張 請求人は,本件商標の指定役務中,第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯用化粧道具入れ・傘・ステッキ・つえ・つえ金具・つえの柄の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ガーター・靴下止め・ズボンつり・バンド・ベルトの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「取消請求役務」という。)についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,取消請求役務について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 請求人は,被請求人の答弁に対して,何ら弁駁していない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 被請求人は,本件商標を自己が運営する小売店舗の名称として使用しているところ,同店舗では「財布」も販売されており,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に,「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関し,使用されている。 (1)被請求人が経営する店舗における本件商標の使用 被請求人は,本件商標を自己が運営する小売店(以下「本件小売店舗」という。)の名称として使用しているが(乙1),本件小売店舗では,壁に本件商標が表されているほか,顧客に渡す紙袋や布袋,レシート等にも,本件商標が付されている。 乙第2号証は,財布が販売されていた梅田店及び池袋店の店舗の写真であるが,かかる写真をみると,本件商標が,本件小売店舗の壁に表されていることが分かる。 そして,梅田店の写真は,平成26年8月30日に,池袋店の写真は,同28年5月8日に撮影されたものである。 また,乙第3号証は,各店舗で使用されている紙袋,布袋,レシート,商品タグ(値札),ダイレクトメール,ポイントカードの写真であるが,かかる写真をみると,本件商標が,本件小売店舗で使用されている紙袋等の媒体にも表されていることが分かる。 (2)本件小売店舗における財布の販売実績 ア 本件小売店舗で販売された商品 被請求人は,大阪市中央区東心斎橋に所在の株式会社ドウシシャ(以下「ドウシシャ社」という。)が製造した「LH013」との品番の財布を同社から仕入れ,本件小売店舗で販売している(乙4)。 イ 財布の販売時期 被請求人が,本件小売店舗で財布を販売していた事実は,以下の証拠によって,明確に立証できる。 (ア)仕入伝票(乙5) 乙第5号証の仕入伝票は,被請求人がドウシシャ社から,平成26年(2014年)4月25日に,財布を仕入れた際の仕入伝票であり,品名の欄の「L/Hラウンド財布 LH013」との記載は財布の品番を示している。 なお,品名の欄の末尾の「BLK」,「NVY」との表示は財布の色彩(それぞれ,ブラック,ネイビー)を表しており,上段の「BLK(ブラック)」の商品が,乙第4号証の写真に掲載の財布である。 (イ)商品別売上明細表(乙6) 乙第6号証の商品別売上明細表は,被請求人が財布を販売した実績を示す明細表である。 この書面は,被請求人が運営する各店舗での販売実績を示しているが,これを見ると,平成26年(2014年)2月28日から平成27年(2015年)1月31日までの間,被請求人が財布を顧客に販売していたことが分かる。 (ウ)商品別売上明細表(乙8) 乙第8号証の1は,被請求人の直営店舗である梅田店(梅田ライオンハート)における平成26年5月17日付けの売上日報の写しであり,品番の欄の7段目の「LH013/BK」が財布の品番である。そのため,乙第8号証の1は,平成26年5月17日に,梅田店において,財布が販売されたことを示す明確な証拠となる。 また,乙第8号証の2は,同じく池袋店(池袋ライオンハート)における平成26年5月25日付けの売上日報の写しであり,品番の欄の7段目の「LH013/BK」が財布の品番である。そのため,乙第8号証の2は,平成26年5月25日に,池袋店において,財布が販売されたことを示す明確な証拠となる。 (3)紙袋の販売時期 乙第9号証の1ないし3は,乙第3号証の紙袋の発注時期を示している。 被請求人は,印刷会社から上記の紙袋の納品を受けた後,これを各店舗に配布し,財布その他の商品の包装に使用しており,遅くとも,平成26年12月中旬以降の財布の販売の際には,本件商標が付された紙袋が使用されている。 2 結論 以上のとおり,被請求人は,本件商標を,本件審判の請求に係る指定役務中の第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,要証期間に使用している。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び同人が提出した乙各号証によれば,以下のとおりである。 (1)乙第2号証は,本件商標権者が運営する小売店舗であるライオンハートの梅田店及び池袋店(以下,それぞれ「梅田店」及び「池袋店」という。)の写真撮影報告書であるところ,その別紙に示されたそれぞれの店舗のスタッフにより撮影された写真によれば,梅田店の壁面や池袋店の柱には,「LION HEART」の欧文字が表示されている。被請求人は,梅田店の写真は平成26年8月30日に,池袋店の写真は同28年5月8日に撮影された旨述べている。 (2)乙第4号証は,ファッション通販ウェブサイト「MAGASEEK」の画面印刷とするものであるところ,その1葉目には,「2017 SUMMER pre sale MAX70%OFF」として,黒色の商品「財布」の写真が掲載され,その右側には,「ライオンハート」,「★LION HEART/長財布(ラウンドファスナー付き)」,値下げ前の価格「¥11,880(税込)」,値下げ後の価格「¥5,940(税込)」及び「カラーを選択:ブラック」の記載があり,写真の下には,「ショップ:LION HEART(ライオンハート)」及び「メーカー品番:LH013」の記載がある。 (3)乙第5号証は,取引先名を「株式会社ドウシシャ」とする,2014年(平成26年)4月25日付けの本件商標権者名の「仕入伝票」であるところ,「品名・規格」の項に「L/H ラウンド財布 LH013 BLK」,「数量」の項に「35」,「原単価」の項に「3200円」の記載がある。 (4)乙第8号証の1は,梅田店の平成26年5月17日付けの売上日報であるところ,品番の欄に「LH013/BK」,「売上金額(プロパー)」の欄に「11000」の記載がある。乙第8号証の2は,池袋店の平成26年5月25日付けの売上日報であるところ,品番の欄に「LH013/BK」,「売上金額(プロパー)」の欄に「11000」の記載がある。 2 上記1によれば,以下のとおり判断できる。 (1)使用者及び使用に係る商標について 本件商標権者は,自己の運営する小売店舗である梅田店において,平成26年8月30日の時点に,池袋店においては,同28年5月8日の時点に,店舗の看板として「LION HEART」の欧文字からなる商標を表示している。 (2)使用に係る役務及び使用時期について 本件商標権者は,黒色の財布(品番「LH013」;値段「11,000円(税抜き)」)を,平成26年4月25日に取引先(ドウシシャ社)から仕入れ,同年5月17日に梅田店において,同月25日に池袋店において販売したものであるから,仕入れから販売までの間に(要証期間内),それぞれの店舗に「財布」が商品として陳列され,顧客に対して便益が提供されていたことが推認できる。 そして,上記の商品「財布」と関連した顧客に対する便益の提供は,取消請求役務に含まれる「財布の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であると認められる。 (3)本件商標と使用に係る商標の社会通念上の同一性について 本件商標は,「LION HEART」の欧文字を横書きしてなるものであり,本件商標権者の梅田店及び池袋店の看板に表示した「LION HEART」の欧文字からなる商標は,本件商標と同一の文字構成であるから,社会通念上同一の商標と認められる。 (4)上記によれば,本件商標権者は,要証期間に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定役務中の「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる「財布の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行っており,その間の店舗の看板に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して使用していたことが推認できるから,その行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当するものと認められる。 3 まとめ 以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者が,その請求に係る指定役務中の第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる「財布の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したというべきである。 したがって,本件商標の指定役務中,取消請求に係る指定役務についての登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2018-03-08 |
結審通知日 | 2018-03-14 |
審決日 | 2018-03-28 |
出願番号 | 商願2007-46726(T2007-46726) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(X35)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 滝口 裕子、堀内 真一 |
特許庁審判長 |
田中 亨子 |
特許庁審判官 |
平澤 芳行 阿曾 裕樹 |
登録日 | 2008-04-25 |
登録番号 | 商標登録第5130857号(T5130857) |
商標の称呼 | ライオンハート、ライオン、ハート |
代理人 | 茅原 裕二 |
代理人 | 山田 威一郎 |