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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W0941
審判 一部申立て  登録を維持 W0941
審判 一部申立て  登録を維持 W0941
審判 一部申立て  登録を維持 W0941
審判 一部申立て  登録を維持 W0941
管理番号 1339336 
異議申立番号 異議2017-900292 
総通号数 221 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2018-05-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2017-09-29 
確定日 2018-03-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5962121号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5962121号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5962121号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成27年4月13日に登録出願,第9類「音声・画像又はデータを記録・送信・受信・処理・検索・再生・操作・分析・表示及びプリントアウトするための電気通信機械器具,音声・画像又はデータを記録・送信・受信・処理・検索・再生・操作・分析・表示及びプリントアウトするための無線通信機械器具,携帯ラジオ,送受信兼用の無線機,セルラー式携帯電話機,デジタル式のセルラー式電話機,携帯電話機,無線通信機,ポケットベル,携帯型無線通信機,携帯型データ受信機,グローバルコンピュータネットワーク・ダウンロード可能な予め記録された着信音・ウィジェット・壁紙・双方向ビデオゲームソウトウェアからダウンロードすることができる音楽・エンターテイメント・ニュース・スポーツ・社会的なつながりをカスタマイズするためのコンピュータソフトウェア」,第37類「携帯ラジオの修理,送受信兼用の無線機の修理,セルラー式携帯電話機の修理,デジタル式のセルラー式電話機の修理,携帯電話機の修理,無線通信機の修理,ポケットベルの修理,携帯型無線通信機の修理,携帯型データ受信機の修理,携帯ラジオの保守,送受信兼用の無線機の保守,セルラー式携帯電話機の保守,デジタル式のセルラー式電話機の保守,携帯電話機の保守,無線通信機の保守,ポケットベルの保守,携帯型無線通信機の保守,携帯型データ受信機の保守」,第38類「電気通信(「放送」を除く。),無線ネットワーク及び送受信兼用の無線機を介した音声・データ・写真・音楽及び映像の伝送交換,通信ネットワークにおけるデータへの接続用回線の提供,コンピュータ端末間のデータ送信のための通信ネットワークへの接続の提供,インターネットへの複数ユーザーによる接続の提供,データの送受信のための無線による電気通信,電子メール・ファクシミリデータ・データ・画像・情報・テキスト・数字メッセージ及びテキストメッセージの受信のための無線による電気通信」,第41類「ユーザーの携帯電話・コンピュータ・タブレット・ポータブル機器にダウンロードすることも可能な映画・スポーツによるイベント・文化的なイベント・テレビプログラム・コンピュータゲーム・音楽・ビデオ及び写真撮影のためのアプリケーション・写真及びビデオの操作・他の各種アプリケーションを介した娯楽の提供」及び第42類「携帯ラジオの初期設定及び環境設定,送受信兼用の無線機の初期設定及び環境設定,セルラー式携帯電話機の初期設定及び環境設定,デジタル式のセルラー式電話機の初期設定及び環境設定,携帯電話機の初期設定及び環境設定,無線通信機の初期設定及び環境設定,ポケットベルの初期設定及び環境設定,携帯型無線通信機の初期設定及び環境設定,携帯型データ受信機の初期設定及び環境設定,データ送信用通信機械器具に関する研究・設計・助言及び開発,データ送信用コンピュータソフトウェアに関する研究・設計及び開発,コンピュータソフトウェアの設計・インストール・更新及びメンテナンス」を指定商品及び指定役務として,同29年6月2日に登録査定され,同年7月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第5391083号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成22年8月17日に登録出願,第9類「コンピュータゲーム用ソフトウェア,ビデオゲーム用ソフトウェア,携帯電話機用ゲーム用ソフトウェア,コンピュータゲームソフトウェア(ダウンロード可能なものを含む。),電子応用機械器具及びその部品」,第16類「ゲーム攻略本その他のコンピュータゲーム・ビデオゲームに関する出版物,印刷物」及び第41類「オンラインによるコンピュータゲーム・ビデオゲームの提供,娯楽施設の提供」を指定商品及び指定役務として,同23年2月10日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第10号及び同第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用商標は本件商標の先願先登録商標であり,本件商標の指定商品及び指定役務が引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似することは明らかである。
本件商標及び引用商標ともその構成からして「アイディー」と称呼することは明らかであるから,本件商標は引用商標と称呼上相紛らわしい類似の商標となる。
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとなる。
(2)商標法第4条第1項第10号及び第15号について
申立人は引用商標を古くから日本のみならず世界各国で商品「コンピュータゲームソフトウェア」に使用してきた(甲3)。
そして,この世界的に使用されている引用商標及びこれに類似する商標の使用を保護するために,申立人は世界各国で引用商標及びこれに類似する商標を登録してきた(甲4)。申立人が世界各国で登録商標を取得したことは引用商標及びこれに類似する商標を世界各国で使用されてきたことの証左といえる。けだし,世界各国で使用されていなければ,敢えて費用をかけてまで各国で登録を取得することは経験則上考えられないからである。
以上述べたこと並びに提出した証拠方法からして,本件商標が出願された時点で引用商標は商品「コンピュータゲームソフトウェア」に関して我が国の需要者・取引者の間で周知著名なものとなっていたといえる。
一方,本件商標の指定商品及び指定役務には,「コンピュータゲームソフトウェア」と類似している「双方向ビデオゲームソウトウェアからダウンロードすることができる音楽・エンターテイメント・ニュース・スポーツ・社会的なつながりをカスタマイズするためのコンピュータソフトウェア」及び,「コンピュータゲームソフトウェア」と関連の深い「コンピュータゲームの提供」が含まれている。本件商標がこれら指定商品及び指定役務に使用された場合には,その商品及び役務が申立人の取扱にかかるものであるとして出所の混同を生じるは必定である。
以上のことからして,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び第15号に違反して登録されたものといえる。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知・著名性について
ア 申立人は,「引用商標を古くから日本のみならず世界各国で商品『コンピュータゲームソフトウェア』に使用してきた」旨主張し,甲第3号証を提出しているが,これには「コンピュータゲームソフトウェア」のパッケージ,「コンピュータゲームソフトウェア」のポスターと思しき画像に,引用商標又は引用商標を白黒反転した標章が小さく表示されていることは認められるものの,単独で表示されているものではなく,他の標章と併記されており,引用商標のみが印象づけられる態様で表示されているものでもない。また,引用商標等が付された商品の市場における流通量や,広告実績等は不明である。
イ 申立人は,「引用商標及びこれに類似する商標を世界各国で商標登録してきた」旨主張し,甲第4号証を提出しているが,該資料は作成者,商標の態様が不明であり,かつ,翻訳文の提出もない。
ウ 以上のとおり,引用商標を付した商品に関する流通量や,広告実績等,引用商標の使用状況は不明であり,使用による引用商標の周知・著名性は認めることができない。
また,たとえ引用商標を各国で商標登録しているとしても,我が国における周知,著名性を直接裏付けるものではなく,商標登録の事実のみによって引用商標の周知,著名性を認めることはできない。
そして,他に申立人の業務に係る商品又は役務に引用商標を使用していることを確認できる具体的な証拠は提出されていない。
したがって,引用商標が,本件商標の登録出願時に,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして我が国の需要者・取引者の間で周知・著名なものとなっていたということはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は,別掲1のとおり,灰色の濃淡で表された曲面を含む六面体と思しき立体的形状の隣り合った2つの側面の一方に,「i」の文字と看取される表示と,もう一方の側面には,その側面の輪郭に沿った形でDの文字と看取される表示を有してなるものであるところ,全体がまとまりよく一体的に構成されており,隣り合う側面に上記図形を表示した立体的形状の斜視図とみるべきものであって,その全体からは特定の称呼,観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は,別掲2のとおりの構成からなるものであるところ,一部が白く剥がれた黒塗りのややゆがんだ四角形の中に,「i」及び「d」字状の図形を,一部が重なるように白抜きして配置したものであって,構成全体として,「i」と「d」の文字を基調としてデザインされたかすれた感じの特異な図形的な文字として,印象付けられるものといえる。
してみれば,引用商標は,上記特徴を有する特異な構成の図形的な文字であるから,これより特定の称呼,観念は生じないというべきである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標を比較すると,外観においては,上記ア及びイのとおり,明らかに異なる図形からなるものであり,両者は,外観上,明確に区別できるものである。
また,称呼及び観念においては,本件商標及び引用商標はいずれも特定の称呼及び特定の観念を生じないものであるから,両者を比較することはできない。
してみれば,本件商標と引用商標は,称呼及び観念において比較できないとしても,外観において明らかに相違するものであるから,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他,本件商標と引用商標が類似するというべき事情も見いだせない。
エ 申立人の主張について
申立人は,本件商標及び引用商標ともその構成からして「アイディー」と称呼することは明らかであるから,称呼上相紛らわしい類似の商標となる旨を主張している。
しかしながら,本件商標及び引用商標のそれぞれから,欧文字の「i」と「D」又は「d」を看取する場合があるとしても,単純に「iD」又は「id」の文字を表示したものではなく,デザイン化されて,それぞれの図形中にうまく融合して表されていることからすれば,それぞれの商標中から,あえて識別力のない欧文字2字に相当する部分を抽出し,その読みを商標から生ずる称呼として,他の商標との類否を判断することは許されないというべきである。
よって,申立人の主張は採用できない。
オ 小括
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
上記(1)のとおり,引用商標は,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
また,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
そうすると,本件商標は,他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものということはできない。
さらに,引用商標は,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると認められないものであるから,商標権者が本件商標をその指定商品又は指定役務について使用をしても,取引者,需要者をして他人(申立人)の業務に係る商標を連想又は想起させることはなく,その商品又は役務が,他人(申立人)の業務と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということもできない。
その他,本件商標と引用商標とが取引者,需要者において現実に出所の混同を生じている事実を認め得る具体的,客観的証拠は見いだせないものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号,同第10号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定によって,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)


異議決定日 2018-03-22 
出願番号 商願2015-35224(T2015-35224) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W0941)
T 1 652・ 25- Y (W0941)
T 1 652・ 271- Y (W0941)
T 1 652・ 263- Y (W0941)
T 1 652・ 261- Y (W0941)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 正和吉田 聡一 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 鈴木 雅也
木住野 勝也
登録日 2017-07-07 
登録番号 商標登録第5962121号(T5962121) 
権利者 スプリント コミニュケーションズ カンパニー エル.ピー.
商標の称呼 アイデイ 
代理人 江藤 聡明 
代理人 田島 壽 
代理人 青木 篤 

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