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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W28 審判 一部申立て 登録を維持 W28 審判 一部申立て 登録を維持 W28 |
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管理番号 | 1338389 |
異議申立番号 | 異議2017-900370 |
総通号数 | 220 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-12-05 |
確定日 | 2018-03-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5981238号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5981238号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5981238号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成29年1月16日に登録出願,第18類「皮革,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」,第28類「おもちゃ,人形,運動用具,釣り具」及び第35類「トレーディングスタンプの発行,衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,サングラス及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として,同年8月7日に登録査定され,同年9月15日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は,以下の3件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第408206号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,昭和25年10月28日に登録出願,第8類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として,同27年2月13日に設定登録され,その後,平成15年7月30日に第8類,第21類,第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ,さらに,同24年2月21日にその指定商品を第8類「金属製魚打ちかぎ,金属製魚さし」及び第28類「釣針」として,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 2 登録第1811713号商標(以下「引用商標2」という。)は,「EAGLE」の欧文字を横書きしてなり,昭和57年12月29日に登録出願,第24類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として,同60年10月31日に設定登録され,その後,平成17年11月16日に第20類,第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ,さらに,同27年11月10日にその指定商品を第28類「釣り具」及び第31類「釣り用餌」として,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 3 登録第1811714号商標(以下「引用商標3」という。)は,「イーグル」の片仮名を横書きしてなり,昭和57年12月29日に登録出願,第24類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品として,同60年10月31日に設定登録され,その後,平成17年11月16日に第20類,第28類及び第31類に属する商標登録原簿に記載されたとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ,さらに,同27年11月10日にその指定商品を第28類「釣り具」及び第31類「釣り用餌」として,商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 以下,これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 1 本件商標と引用商標1の対比 本件商標は,特徴のある筆記体で「DoubleEagle」と判読可能な文字を横書きしてなり,この構成中の「Double」の文字は「二つの,二倍の」の意味を有する英単語であり,「Eagle」は「鷲」の意味を有する英単語であることは知られているものであって,この構成からは「ダブルイーグル」の称呼を生じるとともに,「二羽の鷲」の観念が生じるものである。 しかしながら,構成中の「Double」の文字は前記したように「二つの,二倍の」の意味の数詞であり,商標の認識の際にはしばしば軽視又は無視されることが多い性質の文字であって,識別力に対する寄与度の低い文字であり,このことを考慮すると,本件商標は,この「Double」の文字を省略して,識別力のある「Eagle」のみにても認識される可能性があるとしなければならないものである。 このことは商標公報において掲載される称呼情報において「ダブルイーグル」のほかに「イーグル」が表示されていることによっても明らかである。 よって,本件商標は「イーグル」の称呼が生じるとともに,「鷲」の観念をも生じるものである。 これに対し,引用商標1は,線描きの写実的な描法で描かれ,その特徴から鷲と判別可能な二羽の鳥が対向し,足に持った棒状体をクロスさせて翼を大きく広げて羽ばたいている対称形の図形の下方に「EAGLE」の文字を表記してなるものであり,その文字部分からの「イーグル」の称呼が生じるものであるが,二羽の鷲が表された図形から「二羽」=「ダブル」の認識が生じ,このことから図形全体として「ダブルのイーグル」の認識が生じるものであって,この連想から「ダブルイーグル」の称呼も生じ,さらに,観念的には「鷲」又は「二羽の鷲」の観念を生じるから,両商標は「イーグル」又は「ダブルイーグル」の称呼を共通にするとともに,観念上も類似する。 また,本件商標と引用商標1はその指定商品も同一又は類似のものである。 2 本件商標と引用商標2の対比 本件商標は「ダブルイーグル」の称呼及び「二羽の鷲」の観念が生じるものであるが,前述したように「イーグル」の称呼が生じるとともに,「鷲」の観念をも生じるものである。 これに対し,引用商標2は「EAGLE」の欧文字を横書きしてなるものであり,この「EAGLE」は「鷲」の意味の英単語であり,これを「イーグル」と発音することは広く一般的に知られているものである。 よって,両商標は「イーグル」の称呼を共通にするとともに,「鷲」の観念も共通にする類似のものである。 また,本件商標と引用商標2はその指定商品も同一又は類似のものである。 3 本件商標と引用商標3の対比 本件商標は「ダブルイーグル」の称呼及び「二羽の鷲」の観念が生じるものであるが,前述したように「イーグル」の称呼が生じるとともに,「鷲」の観念をも生じるものである。 これに対し,引用商標3は「イーグル」の片仮名文字を横書きしてなるものであり,この「イーグル」が英単語「EAGLE」を想起させ,これが「鷲」を意味することは我が国の通常の英語の知識を有する者に広く知られているものである。 すなわち,引用商標3からは「イーグル」の称呼が生じるとともに「鷲」の観念を生じるものであって,両商標は「イーグル」の称呼を共通にするとともに,「鷲」の観念も共通にする類似のものである。 また,本件商標と引用商標3はその指定商品も同一又は類似のものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は,別掲1のとおり,「Double Eagle」の欧文字からなるところ,構成文字全体が筆記体風にまとまりよく一連に表され,その構成中のいずれかの文字部分を強調するような構成態様ではなく,これから生じる「ダブルイーグル」の称呼も,格別冗長というべきものでなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。 また,本件商標を構成する「Double Eagle」の文字が「双頭のワシ模様金貨」等を意味する英語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であるとしても,その意味合いをもって我が国において親しまれたものともいい難いものである。 そうすると,本件商標は,これに接する需要者をして,その構成文字全体をもって,一体不可分のものとして認識し,特定の意味合いを想起させることのない一種の造語を表したものと理解するというのが相当である。 してみれば,本件商標は,その構成文字に相応して「ダブルイーグル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 なお,申立人は,「構成中の『Double』の文字は『二つの,二倍の』の意味の数詞であり,商標の認識の際にはしばしば軽視又は無視されることが多い性質の文字であって,識別力に対する寄与度の低い文字であり,このことを考慮すると,本件商標は,この『Double』の文字を省略して,識別力のある『Eagle』のみにても認識される可能性があるとしなければならないものである。」旨主張している。 しかしながら,申立人は,「Double」の文字の意味を述べるのみで,これが商標の認識の際に軽視又は無視されることが多いとする根拠を示していないばかりか,該「Double」の文字は,本件商標の指定商品及び指定役務との関係で具体的な商品の品質や役務の質等を表示するものともいえず,直ちに,該文字の識別力がないと判断することはできない。 してみれば,本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合,これに接する取引者又は需要者が,本件商標の構成中の「Double」の文字部分を捨象して,「Eagle」の文字部分から看取される外観,称呼及び観念のみをもって,本件商標を認識又は記憶するとみることはできない。 よって,申立人の上記主張は採用できない。 (2)引用商標 ア 引用商標1 引用商標1は,別掲2のとおり,足に持った棒状の物体をクロスさせ,翼を広げて向かい合った2羽の鳥からなる図形と,その下部に「EAGLE」の欧文字を横書きした構成からなるところ,該図形部分と文字部分とは,視覚的に分離され,これを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特別の事情は見いだせず,それぞれが独立して自他商品の識別機能を果たし得るものというべきである。 そして,引用商標1の図形部分は,我が国において特定の事物を表したもの又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められず,該図形部分からは特定の称呼及び観念を生じないものである。 また,引用商標1の文字部分である「EAGLE」の文字は,「鷲」の意味を有する英単語である。 してみれば,引用商標1は,その構成中の「EAGLE」の文字に相応して,「イーグル」の称呼を生じ,「鷲」の観念を生じるものである。 イ 引用商標2及び引用商標3 引用商標2は,「EAGLE」の欧文字を横書きしてなり,また,引用商標3は,「イーグル」の片仮名を横書きしてなるところ,「EAGLE」の文字は,「鷲」の意味を有する英単語であり,「イーグル」の文字は英単語の「eagle」の読みを表したものと無理なく理解されるから,両商標は,いずれもその構成文字に相応して,「イーグル」の称呼を生じ,「鷲」の観念を生じるものである。 (3)本件商標と引用商標との類否 ア 本件商標と引用商標1との比較 本件商標と引用商標1を比較すると,外観においては,本件商標は,筆記体風に表した文字商標であり,引用商標1は,図形と文字からなる商標であるから,その構成態様が明らかに相違するものであって,外観上,判然と区別し得るものである。 次に,称呼においては,本件商標から生じる「ダブルイーグル」の称呼と,引用商標1から生じる「イーグル」の称呼とは,語頭における「ダブル」の音の有無という明らかな差異を有するものであり,両者は,称呼上,明確に聴別し得るものである。 そして,観念においては,本件商標は,特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標1は「鷲」の観念が生じるものであるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれはないものである。 したがって,本件商標と引用商標1は,その外観,称呼及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない,非類似の商標というのが相当である。 イ 本件商標と引用商標2及び引用商標3との比較 本件商標と引用商標2及び引用商標3を比較すると,外観においては,文字の構成態様及び文字数に顕著な差異を有しているから,外観上,判然と区別し得るものである。 次に,称呼においては,本件商標から生じる「ダブルイーグル」の称呼と,引用商標2及び引用商標3から生じる「イーグル」の称呼とは,語頭における「ダブル」の音の有無という明らかな差異を有するものであり,両者は,称呼上,明確に聴別し得るものである。 そして,観念においては,本件商標は,特定の観念を生じないものであるのに対し,引用商標2及び引用商標3は「鷲」の観念が生じるものであるから,両商標は,観念上,相紛れるおそれはないものである。 したがって,本件商標と引用商標2及び引用商標3は,その外観,称呼及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない,非類似の商標というのが相当である。 (4)小括 そうすると,本件商標は,引用商標1ないし引用商標3との比較において,いずれも非類似の商標であると認められるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) 別掲2(引用商標1) |
異議決定日 | 2018-03-07 |
出願番号 | 商願2017-2876(T2017-2876) |
審決分類 |
T
1
652・
261-
Y
(W28)
T 1 652・ 262- Y (W28) T 1 652・ 263- Y (W28) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中山 寛太、堀内 真一 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
鈴木 雅也 木住野 勝也 |
登録日 | 2017-09-15 |
登録番号 | 商標登録第5981238号(T5981238) |
権利者 | 株式会社レオニアン |
商標の称呼 | ダブルイーグル、イーグル |
代理人 | 中里 卓夫 |
代理人 | 三嶋 景治 |
代理人 | 川崎 仁 |
代理人 | 中里 浩一 |
代理人 | 藤田 典彦 |
代理人 | 藤田 邦彦 |