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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W20 審判 全部申立て 登録を維持 W20 |
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管理番号 | 1338377 |
異議申立番号 | 異議2017-900248 |
総通号数 | 220 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-04-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-08-07 |
確定日 | 2018-03-04 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5944778号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5944778号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5944778号商標(以下「本件商標」という。)は,「Baibu Home」の欧文字を表してなり,平成28年12月2日に登録出願,同29年4月20日に登録査定,第20類「ヘッドレスト(家具),マットレス,腰掛け椅子,寝具類(リネン製品を除く。),ペット用小屋,犬小屋,愛玩動物用クッション,クッション,まくら,長まくら(まくら下用)」を指定商品として,同年5月12日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 商標異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第4条第1項第19号及び同項第7号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第19号について ア 申立人は,中華人民共和国に属する企業であり,デザインされた「Baidu」の欧文字(以下「引用商標」という。)を含む商標を2000年から使用しており,世界の国や地域において既に商標登録され,その他の多数の国や地域にも商標登録出願中であり(甲1),その指定商品は,国際分類表第20類に属するものもある。 日本においても,引用商標が付された商品がインターネットを中心に販売されており,特にこの分野について有名な企業の商標と認識されている(甲2)。 申立人は,引用商標を2000年に独自に考案し,継続的かつ広範に使用してきた。地道な努力を重ね,ようやく引用商標が世界中に普及してきており,実質的な評判や高い信頼を得て,申立人が貿易を行っている世界各国や公共の間で周知・著名性を獲得するに至った。 このように,申立人は,中国その他の外国において,引用商標を多角的に使用しており,多くの需要者が引用商標を知るところである。 以上のような事実からすれば,引用商標は,本件商標の登録出願日である2016年(平成28年)12月2日時点で,申立人の業務にかかる商品及び役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたものである。 イ 本件商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,中国その他の外国における需要者に広く認識されている引用商標と類似しており,申立人が世界において獲得した顧客吸引力,信頼をただ乗りしようとするものであり,このことは,不正の利益,申立人に損害を与え,不正の目的をもって使用する若しくは使用しようとするものであることは明白である。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第7号について 本件商標権者は,申立人の引用商標が中国その他の外国で獲得した顧客吸引力や信頼等の不正の利益を得る目的,申立人に損害を与える目的で,不正の目的をもって本件商標を使用する若しくは使用しようとするものであることは明白である。本件商標は,申立人が中国その他の外国において獲得した顧客吸引力,信頼をただ乗りしようとするものである。 このことは,ただ単に引用商標を知っていたというレベルを超え,極めて悪質なものであり,社会の一般的道徳観念に反するものといえる。このような出願は,健全な法感情に照らし条理上許されないというべきである。 したがって,本件商標は,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当し,商標法第4条第1項第7号に該当する。 第3 当審の判断 1 引用商標の周知性について 申立人が提出した証拠によれば,申立人は,「インターネット製品,サービスの開発・提供 インターネット広告の販売」を事業とする者(甲2:1葉目)であって,引用商標又は「Baidu」(BAIDU)の欧文字を含む商標が,主に第9類,第38類又は第42類等に属する商品又は役務を指定して,中国,香港及び米国等において登録出願中又は商標登録されていること(甲1),「Baidu IME」の欧文字を「日本語入力システム」に使用していること(甲2:3葉目)がうかがえる。 しかしながら,「Baidu IME」を付した申立人の商品「日本語入力システム」について,日本国内及び外国における販売数,売上高,営業の規模等を示す具体的資料は何ら提出されておらず,広告,宣伝の方法,期間及び規模等は示されていない。 また,申立人が提出した証拠によっては,引用商標が,申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして,日本又は外国において,相当程度使用されている事実を把握することができない。 そうすると,申立人が提出した証拠からは,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,日本国内及び外国において広く認識されていたということはできない。 2 本件商標と引用商標との類否について (1)本件商標は,上記第1のとおり,「Baibu Home」の欧文字を表してなるところ,その構成文字全体に相応して「バイブホーム」の称呼を生じるが,その構成中「Baibu」の欧文字は,特定の語義を有しない一種の造語といえるものであるから,特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標は,「Baidu」の欧文字を表してなるところ,これより「バイドゥ」の称呼を生じるが,当該欧文字は,特定の語義を有しない一種の造語といえるものであるから,特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標とを比較すると,外観においては「Home」の欧文字の有無という顕著な差異を有し,称呼においては語尾における「ホーム」の音の有無の差異を有するもので,観念においては比較できないのだから,これらを総合しても,両商標は,相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。 3 商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,日本国内及び外国において広く認識されていたということはできず,本件商標と引用商標とは,上記2のとおり,相紛れるおそれのない非類似の商標である。 そして,申立人が提出した証拠からは,本件商標が,申立人の引用商標の顧客吸引力や信頼にただ乗りし,不正の利益や申立人に損害を与え,不正の目的をもって使用することを認めるに足りる証左は見いだせない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第7号該当性について 引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,日本国内及び外国において広く認識されていたということはできず,上記3のとおり,本件商標が,申立人の引用商標の顧客吸引力や信頼にただ乗りし,不正の利益や申立人に損害を与え,不正の目的をもって使用することを認めるに足りる証左は見いだせない。 また,本件商標は,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるようなものでないこと明らかであり,さらに,社会の一般的道徳観念に反するなど,公序良俗に反するものというべき証左も見あたらない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。 5 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2018-02-22 |
出願番号 | 商願2016-136376(T2016-136376) |
審決分類 |
T
1
651・
222-
Y
(W20)
T 1 651・ 22- Y (W20) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 高橋 謙司 |
特許庁審判長 |
早川 文宏 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 阿曾 裕樹 |
登録日 | 2017-05-12 |
登録番号 | 商標登録第5944778号(T5944778) |
権利者 | 杭州淡竹電子商務有限公司 |
商標の称呼 | バイブホーム、バイブ、ホーム |
代理人 | 庄司 隆 |
代理人 | 大上 寛 |