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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 審判 一部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1336380 |
異議申立番号 | 異議2017-900305 |
総通号数 | 218 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2018-02-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-10-12 |
確定日 | 2018-01-22 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5965480号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5965480号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5965480号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年12月27日に登録出願、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同29年6月8日に登録査定、同年7月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 なお、申立人が引用する登録商標のうち、登録第243638号商標は、当審において職権をもって調査したところ、平成25年5月24日に存続期間が満了し、その商標権の登録の抹消の登録が同26年2月19日にされている。 (1)「アース」の文字若しくは「EARTH」の文字からなる又は「アース」の文字若しくは「EARTH(Earth)」の文字を構成中に含んでなる登録第248908号商標、登録第258476号商標、登録第270496号商標、登録第369817号商標、登録第369818号商標、登録第1085293号商標、登録第1380942号商標、登録第1380943号商標、登録第1611673号商標、登録第1668872号商標、登録第1668873号商標、登録第1668874号商標、登録第1674260号商標、登録第1674261号商標、登録第1674262号商標、登録第1674263号商標、登録第1878463号商標、登録第1878465号商標、登録第1886824号商標、登録第1886825号商標、登録第1886826号商標、登録第1886827号商標、登録第2235736号商標、登録第2353757号商標、登録第2353758号商標、登録第2488180号商標、登録第2691798号商標、登録第3234062号商標、登録第4061824号商標、登録第4445611号商標、登録第4454745号商標、登録第4556141号商標、登録第4556142号商標、登録第4685834号商標、登録第5498279号商標及び登録第5548584号商標は、いずれも願書に記載のとおりの構成からなり、それぞれの登録出願日、指定商品又は指定役務及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである。 (2)登録第1365189号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、その登録出願日、指定商品及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりである。 以下、上記(1)及び(2)にいう登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第130号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)申立人の会社沿革 申立人は、明治25年に大阪において、局方医薬品及び外傷薬チンキ、キイロン等の製造を始めたのが第一歩であり、大正14年には株式会社への組織変更をし、その後、昭和4年には本邦特産である除虫菊を主成分とする家庭用殺虫剤「アース」の製造、昭和15年には殺虫剤「アース」の姉妹品としての蚊取線香「アース渦巻」の製造、昭和28年には自噴式殺虫剤「アースエアゾール」の製造をそれぞれ開始した。 また、申立人は、昭和39年に自己の商号を商標と同じ「アース製薬株式会社」に変更した後、昭和40年には電気蚊取器「電子アース」及び電気蚊取マット「アースマット」の製造を開始した。 さらに、申立人は、昭和45年に大塚グループに編入された後には、各種医薬品のほか、ゴキブリ捕獲器「ごきぶりホイホイ」、加熱蒸散型殺虫剤「アースレッド」、液体電子蚊取器「アースノーマット」、ジェット噴射式殺虫剤「アースジェット」、入浴剤「バスロマン」、芳香洗浄剤「セボン」、口中清涼剤「モンダミン」といったユニークなヒット商品を次々と生み出している。 このように、「アース」は、上記商品の優秀性等とあいまって、我が国において、周知著名な商標となっている(甲2?甲9)。 なお、本件商標の指定商品中の「口臭用消臭剤,動物用防臭剤」と殺虫剤とは、同一の類似群(01B01)に属する商品である。 (2)商標使用の状況 申立人は、上記(1)のとおり、相当に古くして、かつ、広範囲にわたる実績を有するものであり、その創業当初から「アース」、「EARTH」を多くの商品に使用し、新聞や雑誌で宣伝しており、現在に至っている(甲10?甲64)。 そして、「アース」及び「EARTH」は、少なくとも本件商標の登録出願日(平成28年12月27日)以前において、申立人の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして、全国で広く知られた著名商標となっているものである。 (3)本件商標と引用商標との比較 本件商標は、別掲1のとおりの構成からなるものであって、その構成中、上段には横書きの「FOR THE EARTH」の文字があるところ、当該文字は、申立人の有する引用商標(甲65?甲102)又は申立人の商号と類似するものであることが明白である。 すなわち、本件商標を構成する上段の文字のうち、「FOR THE」の文字部分は接頭語であるため、当該上段の文字においては、「EARTH」の文字部分がメインとなることは明らかである。そして、当該上段の文字は、「EARTHのために」といった意味を表したものであるから、申立人の業務に係る商品と何らかの関係を有するかのように看取される。 他方、本件商標の構成中、下段の「フォジアス」の文字は、上段の文字をネイティブ風に発音したときの表音といえるものの、当該文字自体では意味が分からないものであるし、また、日本人であれば、「FOR THE EARTH」の文字については、通常、「フォージアース」と発音するものである。 そうすると、本件商標に接する一般の需要者は、本件商標の構成中の「EARTH」の文字部分に注目し、申立人と何らかの関連性があるかのように認識する。 (4)申立人に係る過去の異議事件 申立人は、過去において、「アース」の文字又は「EARTH」の文字との結合商標について登録異議の申立てをしてきたところ、その申立てに係る決定においては、申立人の著名商標である「アース」及び「EARTH」との関係で申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある旨認定されている(甲105?甲130)。 (5)まとめ 上記(1)ないし(4)によれば、本件商標は、その指定商品中の第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)「アース」の文字及び「EARTH」の文字に係る周知性について 申立人は、創業当初から現在に至るまでの間、「アース」、「EARTH」を多くの商品に使用し、新聞や雑誌で宣伝していることから、「アース」及び「EARTH」は、少なくとも本件商標の登録出願日以前において、申立人の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして、全国で広く知られた著名商標となっている旨主張し、その主張に係る証拠として、甲第10号証ないし甲第64号証を提出している。 そこで、申立人の主張に係る甲第10号証ないし甲第64号証をみるに、これらは、昭和62年6月から平成28年5月までの間に発行された新聞や雑誌に掲載された申立人の業務に係る商品の広告であるところ、その広告に係る商品の多くは、「家庭用殺虫剤」であり、また、その広告において、商品の出所を表すものとして用いられているのは、「アース」の文字からなる商標といえる一方、「EARTH」の文字からなる商標を用いているものは見当たらない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、本件商標の登録出願時(平成28年12月27日)及び登録査定時(同29年6月8日)において、「EARTH」の文字からなる商標が、申立人の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていると認めるに足る事実は見いだせない。 してみれば、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、「アース」の文字からなる商標は、申立人の業務に係る商品「家庭用殺虫剤」について、その出所を表示するものとして需要者の間に広く認識されるに至っていたとはいえるものの、「EARTH」の文字からなる商標については、そのような認識がされるに至っているとはいえない。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について ア 本件商標は、別掲1のとおり、「FOR THE EARTH」の文字と「フォジアス」の文字とを上下二段に書してなるところ、その構成中、上段の文字は、平易な英単語の組合せからなる語句であって、全体をもって、「フォージアース」の称呼及び「地球のために」の観念を生じるものといえる一方、下段の文字は、一般的な辞書類に載録されている既成の語ではないから、特定の観念を生じるものとはいえず、また、上段の文字の読みを表したものとも認められない。 そうすると、本件商標は、その構成中の上段の文字と下段の文字とを分離して観察される場合があるとはいえるものの、当該上段の文字についてみれば、その文字は、同じ書体及び大きさをもって表されており、視覚的にまとまりある一体のものとして看取、把握されるといえるものであり、その文字から生じる称呼も冗長なものではなく、その文字全体として「地球のために」という観念を生じるものであることからすれば、殊更、その文字中の「EARTH」の文字部分のみが分離して観察されることはないとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成中、上下段の各文字に相応して、「フォージアース」及び「フォジアス」の称呼を生じ、上段の文字に相応して、「地球のために」の観念を生じるものである。 イ 引用商標は、前記2(1)のとおりの構成からなる商標及び別掲2に示す構成からなる商標であるところ、これらのうち、申立人が自己の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして全国で広く知られた著名商標となっている旨主張するものは、「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標である。 しかしながら、上記(1)のとおり、「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標のうち、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(家庭用殺虫剤)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていたものは、前者のみである。 そうすると、本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性を判断するに当たり、本件商標との比較の対象となるのは、「アース」の文字からなる商標というべきであるところ、当該商標は、「アース」の称呼を生じ、「(家庭用殺虫剤のブランドとしての)アース」といった観念を生じるものである。 ウ 上記ア及びイを踏まえ、本件商標と「アース」の文字からなる商標とを比較すると、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、上記(2)アのとおり、「FOR THE EARTH」の文字と「フォジアス」の文字とを上下二段に書してなり、「フォージアース」及び「フォジアス」の称呼を生じ、「地球のために」の観念を生じるものである。 他方、引用商標は、前記2(1)のとおりの構成からなる商標及び別掲2に示す構成からなる商標であるところ、前者については、「アース」の文字又は「EARTH」の文字からなる商標に加え、例えば、「アース製薬株式会社」の文字、「アースレッド」の文字、「EARTH NOMAT」の文字からなる商標、「Earth」の文字と図形との結合商標等のように、「アース」の文字又は「EARTH(Earth)」の文字を構成中に含んでなる商標が該当し、また、後者については、地球を模した絵図からなる商標が該当するものであるが、それぞれの外観、称呼及び観念を総合勘案してみても、本件商標との比較において、相紛れるおそれがあると認めるに足るものは見いだせない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人は、自己の使用に係る「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標が、少なくとも本件商標の登録出願日以前において、申立人の製造、販売に係る商品であることを表示するものとして、全国で広く知られた著名商標であることを前提として、本件商標に接する一般の需要者は、本件商標の構成中の「EARTH」の文字部分に注目し、申立人と何らかの関連性があるかのように認識するとして、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張する。 しかしながら、申立人による上記主張に関し、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(家庭用殺虫剤)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されるに至っていたと認められる商標は、上記(1)のとおり、「アース」の文字からなる商標のみであるし、当該商標と本件商標とを比較しても、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものというべきであることは、上記(2)のとおりである。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品中の第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」について使用しても、需要者をして、申立人の使用に係る「アース」の文字からなる商標及び「EARTH」の文字からなる商標を連想、想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標は、その指定商品中、本件登録異議の申立てに係る指定商品である第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
(別掲) 1 本件商標(登録第5965480号商標) 2 登録第1365189号商標 |
異議決定日 | 2018-01-12 |
出願番号 | 商願2016-145084(T2016-145084) |
審決分類 |
T
1
652・
263-
Y
(W03)
T 1 652・ 271- Y (W03) T 1 652・ 262- Y (W03) T 1 652・ 25- Y (W03) T 1 652・ 261- Y (W03) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大橋 良成 |
特許庁審判長 |
大森 健司 |
特許庁審判官 |
田中 敬規 松浦 裕紀子 |
登録日 | 2017-07-21 |
登録番号 | 商標登録第5965480号(T5965480) |
権利者 | 株式会社シャンソン化粧品 |
商標の称呼 | フォジアス、フォージアース |
代理人 | 和田 光子 |
代理人 | 水野 勝文 |
代理人 | 保崎 明弘 |
代理人 | 鈴木 亜美 |