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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W37 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W37 審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) W37 |
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管理番号 | 1333433 |
異議申立番号 | 異議2017-900019 |
総通号数 | 215 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-11-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2017-01-25 |
確定日 | 2017-09-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5891248号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5891248号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5891248号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年3月4日に登録出願、第37類「建設工事,建築物のリフォーム工事,建築物のリフォーム工事に関する監理又は助言,建築物のリフォーム工事に関する情報の提供,建築物のリフォーム工事の請負及びその媒介,建築物の改築・増築・修繕工事に関する情報の提供,建築物の改築・増築・修繕工事の請負及びその媒介,建築物の改築・増築・修繕工事に関する監理又は助言,建築物の外壁工事,建築物の外壁の修理又は保守,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」を指定役務として、同年9月21日に登録査定され、同年10月28日に設定登録されたものである 2 引用商標 登録第5066365号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年5月2日に登録出願、第37類「建設工事,建築物の改築・増築・修繕工事,建築物の改築・増築・修繕工事に関する情報の提供,建築物の改築・増築・修繕工事の請負及びその媒介,建築物の改築・増築・修繕工事に関する監理又は助言,台所・浴室・便所・寝室その他建物の内部のリフォーム工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」を含む第37類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年7月27日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第16号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第16号について 本件商標の構成中、「リフォーム」の語は、需要者をして、役務の質に誤認を生じさせるに至るものである。また、「さっぽろ」の語は、需要者をして、役務の提供の場所に関して誤認を生じさせるものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、その文字部分より、「オウチカン」の称呼及び著名な申立人の観念が生じ、引用商標も、「オウチカン」の称呼及び著名な申立人の観念を生ずるものである。 したがって、本件商標と引用商標とは、「オウチカン」の称呼及び観念が共通し、類似するものである。また、両商標の指定役務も互いに抵触するものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 申立人の引用商標は、広く一般に知られていることから、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものである。 4 取消理由の通知 当審において、商標権者に対し、「本件商標と引用商標とは、類似する商標であって、かつ、本件の指定役務は引用商標の指定役務と同一又は類似する役務であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。よって、本件に係る商標登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を平成29年6月1日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を提出する機会を与えた。 5 商標権者の意見 前記4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。 6 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、切妻屋根風の家を正面から見た薄い緑色の家の輪郭図形内に、上段には灰色で「快適住宅リフォーム」の文字を、中段には大きく青色、赤色等で「おうち館」の文字(「館」の文字はデザイン化されている。)を、該文字の左側には、青色で縦書きの「さっぽろ」の文字を、下段には白抜きで「OUCHIKAN」の文字を表してなるものである。 そして、本件商標の構成中、上段の「快適住宅リフォーム」の文字部分は、「快適」の文字が「ぐあいがよくて気持ちのよいこと」を、「住宅」の文字が「人が住むための家」を、「リフォーム」の文字が、「改良すること。特に、衣服の仕立て直しや建物の改築・改装」を意味する語であることから、全体として「快適な家に改築」程の意味合いを理解させるものであり、また、中段の「さっぽろ」の文字部分は、「北海道石狩平野南西部にある政令指定都市」である「札幌」の文字(いずれも「広辞苑第6版」岩波書店)を平仮名で表したものと理解されるものである。 そうすると、上記「快適住宅リフォーム」文字部分は、「快適な家に改築」程の意味合いを理解させるものであり、その指定役務との関係においては、役務の出所識別標識としての機能がないか、極めて弱いものといえるものであり、また、「さっぽろ」の文字部分は、地名である「札幌」を理解させるものであるから、その指定役務との関係においては、役務の提供の場所を表すものであって、自他役務の識別標識としての機能を有しないものである。 また、中段の「おうち館」の文字部分は、その構成文字に相応して「オウチカン」の称呼を生じるものであり、かつ、構成中の「おうち」の文字部分は、これに相応する語は「お家」、「凹地」、「奥地」等複数あるものの、後二者は、一般に親しまれているとはいえない語であって、「お家」が「オウチ」と読まれる語として広く親しまれ使用されていることからすれば、この文字部分は、「お家」の語を平仮名で表したものとみるのが自然である。 加えて、「館」は、「公共の大きな建物」を意味する漢字(「広辞苑第6版」岩波書店)であり、「図書館」、「映画館」等の用例にみられるように、該文字の直前の文字に関する建物を表す際に用いられていることからすれば、該「おうち館」は、「家に関する建物」程の意味合いを表すものと理解されるものである。 そして、下段の「OUCHIKAN」の文字部分は、その上部の「おうち館」の読みを欧文字で表したものと無理なく理解されるものである。 そうとすれば、本件商標は、中央に大きく表された「おうち館」の文字及びその下部の「OUCHIKAN」の文字に相応して「オウチカン」の称呼を生じ、また、観念については、特定の観念を生じるとはいい難いものの、「家に関する建物」程の意味合いを想起させるものである。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、デザイン化された赤色、青色等からなる「お・う・ち・館」の文字(「う」と「ち」の間の中点は、切妻屋根風の家を正面から見たシルエット図形となっており、また、「館」の文字の部分は、建物の屋根及び建物様にデザイン化されている。)からなるものである。 そして、引用商標は、その構成文字に相応して「オウチカン」の称呼を生じるものであり、また、その構成中の「お・う・ち」の文字部分は、「おうち」の各文字間に中点を挿入したにすぎず、「おうち」に相応する語は「お家」、「凹地」、「奥地」等複数あるものの、後二者は、一般に親しまれているとはいえない語であって、「お家」が「オウチ」と読まれる語として広く親しまれ使用されていることからすれば、この文字部分は、「お家」の語を平仮名で表したものとみるのが自然である。 加えて、「館」は、「公共の大きな建物」を意味する漢字であり、「図書館」、「映画館」等の用例にみられるように、該文字の直前の文字に関する建物を表す際に用いられていることからすれば、引用商標からは、特定の観念を生じるとはいい難いものの、「家に関する建物」程の意味合いを想起させるものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標の類否を検討すると、両者は、外観においては、上記のとおり、その構成全体として異なるものの、本件商標の要部である「おうち館」及び引用商標の「お・う・ち・館」の文字においては、「おうち」及び「館」の文字を同じくし、近似した印象を与えるものである。 そして、称呼においては、「オウチカン」の称呼を共通にするものである。 さらに、観念においては、両者は、いずれも特定の観念を生じるとはいい難いものの、「家に関する建物」程の意味合いを想起させるものである。 そうすると、本件商標と引用商標とは、外観においてその構成全体としては異なるものの、「おうち館」及び「お・う・ち・館」の文字において近似した印象を与えるものであって、いずれも赤、青を含むカラフルな色取りと「おうち館(お・う・ち・館)」という特徴的な表現が強く印象付けられるものであり、称呼において共通し、特定の観念が生じるとはいい難いものの、同じ意味合いを想起させるものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 エ 本件商標と引用商標の指定役務の類否 本件商標と引用商標の指定役務はそれぞれ上記1及び2のとおりであり、前者の指定役務は、後者の指定役務中「建設工事,建築物の改築・増築・修繕工事,建築物の改築・増築・修繕工事に関する情報の提供,建築物の改築・増築・修繕工事の請負及びその媒介,建築物の改築・増築・修繕工事に関する監理又は助言,台所・浴室・便所・寝室その他建物の内部のリフォーム工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備」と同一又は類似の役務である。 オ 小括 上記のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、その指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわなければならない。 (2)まとめ したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、他の申立の理由について判断するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標:色彩については原本参照) 別掲2(引用商標:色彩については原本参照) |
異議決定日 | 2017-08-07 |
出願番号 | 商願2016-29994(T2016-29994) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Z
(W37)
T 1 651・ 261- Z (W37) T 1 651・ 262- Z (W37) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 安達 輝幸 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
山田 正樹 中束 としえ |
登録日 | 2016-10-28 |
登録番号 | 商標登録第5891248号(T5891248) |
権利者 | 株式会社シールテック |
商標の称呼 | カイテキジュータクリフォームサッポロオウチカン、カイテキジュータクリフォーム、カイテキジュータク、サッポロオウチカン、オウチカン |
代理人 | 藤田 隆 |