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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y25
管理番号 1333359 
審判番号 取消2017-300040 
総通号数 215 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-11-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2017-01-17 
確定日 2017-09-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第5053507号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5053507号商標(以下「本件商標」という。)は,「リーン」の片仮名及び「LEAN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり,平成18年10月17日に登録出願,第24類「織物(畳べり地を除く。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,ゴム引防水布,ビニルクロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),カーテン,テーブル掛け」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,ずきん,帽子,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),草履類」を指定商品として,平成19年6月8日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成29年2月1日にされたものである。

2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第25類「全指定商品」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は,その指定商品中,第25類「全指定商品」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
請求人は,被請求人の答弁に対して弁駁していない。

3 被請求人の答弁
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標権者及び本件使用権者
本件商標権者は,アシックスジャパン株式会社(以下「アシックスジャパン社」という。)に対し,本件商標の通常使用権を許諾する商標使用許諾契約を締結している(乙1の1?3,乙2の1?3)。
(2)本件商標は,2006年2月1日から2012年1月31日までは株式会社アシックスユービッククリエイション,2012年1月1日から2013年3月31日までは株式会社アシックス(以下「アシックス社」という。),2013年4月1日から現在に至るまでアシックスジャパン社が使用しており,2006年から現在に至るまでアシックスグループが継続的に使用している。
ア 「Lean」の展示受注会カタログ(乙3の1?6)
乙第3号証は,アシックス社が開催する「Lean」の展示受注会のカタログである。展示受注会は,セレクトショップなどの業者向けに「Lean」を紹介するために開催され,サンプル商品が展示され,具体的な商談が行われる。当該カタログには商品「洋服,帽子,靴下等」が掲載され,本件商標が使用されていることがわかる。
イ 「Lean」の製品発注書類(乙4)
乙第4号証は,アシックスジャパン社が「Lean」の展示受注会カタログ(乙3の6)に掲載されている商品を製造委託先である本件商標権者に製造を発注した製品発注書である。製品発注書の購買発注NO「455796387」には,製品品番「UL4650」と製品品名「W’Sクロスストレッチロングパンツ」が表示されている。当該カタログには製品品番「UL4650」の表示がある。同様に,製品発注書(乙4)の製品品番「UL4651,UL5654,UL5655他」合計15品番が展示受注会カタログ(乙3の6)に表示されており,発注製品が「Lean」ブランドの製品であることがわかる。
ウ 商品の写真(乙5)
乙第5号証は,使用商品の一部を撮影した写真である。商品「W’Sサマーチュニックベスト」には「LEAN」と表示されている下げ札が付され,商品には「LEAN」と表示されている織ネームが縫い付けられている。下げ札の裏面にある品番の欄には「UL3605」が表示されており,展示受注会カタログ(乙3の5)に表示されている商品であることがわかる。
エ 通信販売サイトでの使用について
(ア)インターネット検索結果について(乙6)
Googleで「アシックス」及び「リーン」をキーワードとして検索すると,「ウォーマークロスパンツ」,「クロスストレッチロングパンツ」,「長袖ハイネックシャツ」,「ネックウォーマー」,「半袖チュニックシャツ」,「レディース長袖ハーフジップシャツ」,「ウィメンズUVケアキャスケット」及び「ウィメンズ長袖チュニックシャツ」など,本件商標がタイトルに表示された商品が多く表示されている(乙6の1)。
(イ)楽天市場で「アシックス」及び「lean」をキーワードとして検索すると,「ウィメンズUVネックカバー」,「WSクロスストレッチロングパンツ」,「W’Sサマーチュニックベスト」,「W’SUVキャスケット(帽子)」,「レディースサンバイザー」,「W’Sサマージャケット」,「レディス長袖ハーフジップシャツ」及び「W’S2足組ソックス」など,本件商標がタイトルに表示された商品が多数表示されている(乙6の2)。
(ウ)以上のように,本件商標を付した商品「洋服,帽子,靴下等」は,複数の通信販売サイトで多数取り扱われている。
オ 通信販売サイト(乙7の1?3)
個別の通信販売サイト(乙7の1?3)においても,本件商標が付された商品「洋服,帽子,靴下等」が取り扱われている。
個別の通信販売サイトにおいて(乙7の1?3),当該サイトに記載されている商品番号は展示受注会カタログ(乙3の3?5)の商品番号と一致しており,当該カタログは2015年版であることから,本件商標を付した商品「洋服,帽子,靴下等」が本件審判の請求日前から取引されていたと容易に推測できる。
(3)以上のとおり,本件商標は,商品「洋服,帽子,靴下等」について,アシックスジャパン社により本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)に使用されていることは明らかであるから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものではない。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出する証拠及び主張によれば,以下のとおりである。
ア 本件商標の使用者について
本件商標権者は,アシックスジャパン社との間で,本件商標の「商標使用における契約書」を締結したものであり(乙1の1?3),有効期間は,2014年(平成26年)4月1日から2017年(平成29年)3月31日である。
そして,当該契約書の「第1条」には,「甲(審決注:本件商標権者)はその所有に係る末尾記載の商標(本件商標)に関し,通常使用権を乙(審決注:アシックスジャパン社)に許諾する。」,また,「第6条 3.」には,「甲は,乙が本契約の目的と関連する範囲において,乙が本契約により甲から与えられた権利を株式会社アシックスに使用または行使させることについて,許諾する。」の記載がある。
なお,アシックスジャパン社とアシックス社は,グループ会社である。
イ 本件商標の使用について
(ア)アシックス社が,2015年11月に発行した,セレクトショップなどの業者向けに開催する「Lean」製品の展示受注会用カタログ(乙3の6)(以下「本件カタログ」という。)には,その表紙の中央やや下に「Lean」の欧文字を顕著に記載(以下「本件使用商標」という。)し,その上下にその4分の1程度の大きさの書体で「2016 AUTUMN & WINTER」及び「feel the natural essence」の欧文字の記載がある。
そして,本件カタログには,商品「シャツ,ジャケット,ロングパンツ」について,品名,品番,価格,サイズ及び素材名等とともに,当該商品のデザイン及び製品の色彩を表した図(色名の表示を含む。)が掲載されている。
(イ)アシックスジャパン社が製造委託先である本件商標権者に宛てた2016年(平成28年)2月5日発行の製品発注書(乙4)に記載された製品品番,製品品名,サイズ,色名及び品目コードは,本件カタログ(乙3の6)の記載と一致し,発注した商品の納期は,いずれも2016年7月20日である。
(2)上記(1)によれば,次のとおり判断できる。
ア 本件商標の通常使用権者と認められるアシックス社は,要証期間内に含まれる2015年11月に,業者向けに開催する「Lean」製品の本件カタログに本件使用商標を表示したものであり,本件カタログに掲載された商品「シャツ,ジャケット,ロングパンツ」は,本件審判の請求に係る指定商品中の「洋服,ワイシャツ類」に含まれるものである。
イ 本件カタログに掲載された各種商品は,要証期間に含まれる2016年2月5日に,本件商標の通常使用権者であるアシックスジャパン社から,本件商標権者に製品発注されていることから,本件カタログは,2015年11月に発行の後,アシックス社により,展示受注会等において業者に頒布されたものと推認できる。
ウ 本件商標は,上記1のとおり,「リーン」の片仮名と「LEAN」の欧文字とを2段に書してなるところ,その構成中,「LEAN」の欧文字は,「寄りかかる,(ある方向に)向かう」等の意味を有する英語であり,「リーン」の称呼を生じるものである。
そうすると,本件商標は,その構成各文字から,「リーン」の同一の称呼を生じ,「寄りかかる,(ある方向に)向かう」等の観念を生じるものである。
そして,本件使用商標は,「Lean」の欧文字を表したものであり,これからは,「リーン」の称呼を生じ,「寄りかかる,(ある方向に)向かう」等の観念を生じるものであるから,本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
エ 上記のとおり,本件商標の通常使用権者は,要証期間内である2015年(平成23年)11月以降に,本件審判の請求に係る指定商品中の「洋服,ワイシャツ類」に含まれる「シャツ,ジャケット,ロングパンツ」に関する本件カタログに,本件商標と社会通念上同一の商標を付して頒布したということができ,本件商標の通常使用権者による当該行為は,商品に関する広告に,標章を付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当するものと認められる。
(3)まとめ
以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,本件商標の通常使用権者が,その請求に係る指定商品について,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって,本件商標の登録は,本件審判の請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-08-01 
結審通知日 2017-08-04 
審決日 2017-08-16 
出願番号 商願2006-96347(T2006-96347) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦林 圭輔 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 田村 正明
早川 文宏
登録日 2007-06-08 
登録番号 商標登録第5053507号(T5053507) 
商標の称呼 リーン 
代理人 為山 太郎 

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