• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商品(役務)の類否 取り消して登録 W21
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W21
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W21
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W21
管理番号 1331460 
審判番号 不服2017-5007 
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-04-07 
確定日 2017-08-29 
事件の表示 商願2016-28944拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「CRUX」の欧文字を横書きしてなり,第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし,2015年9月29日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づき,パリ条約第4条による優先権を主張して,平成28年3月15日に登録出願されたものである。
その後,本願商標の指定商品は,原審における平成28年11月11日付けの手続補正書により,第21類「チューブ・吸口を備えた装着型水分補給容器並びにその部品及び付属品,装着型水分補給容器用の吸口並びにその部品及び付属品,装着型水分補給容器用のチューブ並びにその部品及び付属品」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5886637号商標は,別掲1のとおりの構成からなり,平成27年7月31日に登録出願,第21類「食器類(貴金属製のものを除く),水筒,保温保冷機能を備えた水筒,はし,はし箱,弁当箱,弁当箱の付属品としての袋,弁当箱専用の巾着,弁当箱用ゴムバンド,携帯可能なペットボトル用の保冷・保温用カバー,保温袋,化粧用具,洋服ブラシ,雑巾」のほか,第14類,第18類,第20類,第24類及び第26類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として,同28年10月7日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「CRUX」の欧文字を横書きしてなるところ,これからは,「クラックス」の称呼を生じ,該文字は,「核心,難問」(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典第二版)等の意味を有する英語であるから,「核心,難問」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲のとおり,上部に黒丸と「CREATION OF DREAM SPACE.」の欧文字を小さく表し,その下段に,「CRUX」の欧文字を大きくデザイン化して表し(「X」の文字部分は,他の文字より一回り大きく表してなる。),さらにその下段に「CORPORATION.」の欧文字を小さく横書きしてなるものである。
そして,引用商標の構成中,「CRUX」の欧文字部分は,他の文字に比べ,ひときわ大きく,かつ,デザイン化して表されており,視覚上,看者の注意をひくこと明らかである。また,引用商標の構成文字全体をもって,特定の意味合いを生じるものともいい難いから,引用商標においては,構成中,大きく顕著に表された「CRUX」の欧文字部分も,独立して自他商品識別標識としての機能を果たす部分といえる。
してみれば,引用商標は,構成中の「CRUX」の欧文字部分に相応して「クラックス」の称呼をも生じ,また,該文字は,「核心,難問」等の意味合いを有する英語であるから,「核心,難問」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較するに,本願商標は,上記(1)のとおり,「CRUX」の欧文字を横書きしてなるものであり,他方,引用商標は,上記(2)のとおりの構成態様により表してなるものであるから,構成全体において相違するものの,引用商標の「CRUX」の欧文字部分は,本願商標とつづりを同じくすることから,本願商標と引用商標とは,外観において,近似した印象を与えるものである。
また,本願商標と引用商標とは,ともに「クラックス」の称呼及び「核心,難問」の観念を生じるものであるから,両者は,その称呼及び観念において共通するものである。
そうすると,本願商標と引用商標とは,外観において近似した印象を与え,かつ,称呼及び観念を同一にするものであるから,両者は,類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は,それぞれ,前記1及び前記2のとおりであるところ,本願商標の指定商品「チューブ・吸口を備えた装着型水分補給容器並びにその部品及び付属品,装着型水分補給容器用の吸口並びにその部品及び付属品,装着型水分補給容器用のチューブ並びにその部品及び付属品」と,引用商標の指定商品中の「水筒」及び「保温保冷機能を備えた水筒」との類否関係について検討する。
当審における請求人の主張及び提出された証拠(原審における平成28年11月11日付け上申書及び当審における同29年5月15日付け手続補足書)によれば,本願商標の指定商品は,ポリウレタンやシリコーン等の柔らかい素材からなる平坦な袋状の液体用容器と,チューブ及び吸口から構成され,専用のバックパック等に収納させることにより,身体に装着可能な水分補給用の商品である(第16号証,第22号証,第23号証)。該商品は,主にアウトドア専門店やミリタリーショップ等において販売され(第16号証,第24号証?第28号証),また,手を使わずに,吸口を噛むだけで水分補給ができることから,主にサイクリングやマラソン等のアウトドアスポーツや,軍事・訓練・高所作業等の場面において用いられるものである(第17号証?第21号証)。
他方,引用商標の指定商品中「水筒」及び「保温保冷機能を備えた水筒」は,一般に,プラスチックやステンレス等の硬い素材からなる(第15号証),飲料水等を常温又は保温・保冷して持ち歩けるようにした容器であり,該商品は,一般小売店やホームセンター等において広く販売され,また,飲料水等を容器からカップ等に注いで飲む,又は容器を手に持って直に飲むことで水分補給ができるから,日常生活において一般に用いられるものである。
そうすると,「チューブ・吸口を備えた装着型水分補給容器並びにその部品及び付属品,装着型水分補給容器用の吸口並びにその部品及び付属品,装着型水分補給容器用のチューブ並びにその部品及び付属品」と「水筒」及び「保温保冷機能を備えた水筒」とは,その原材料,機能(品質),販売場所が明らかに相違するものであり,また,使用される場面も大きく異なるから,需要者の範囲も一致するとはいえない。
してみれば,本願商標の指定商品と,引用商標の指定商品中の「水筒」及び「保温保冷機能を備えた水筒」とは,非類似の商品というべきものである。
また,本願商標の指定商品と,引用商標のその他の指定商品とは,明らかに類似しない商品といえるものである。
したがって,本願商標と引用商標とが類似の商標であったとしても,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標が引用商標と類似するとしても,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものではないから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(引用商標)


別掲2(引用商標の指定商品)
第14類「キーホルダー,貴金属製宝石箱,身飾品,時計,時計の部品及び附属品」
第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,かばん用・袋物用のストラップ,貴金属製のがま口及び財布,つえ」
第20類「クッション,座布団,まくら,うちわ,せんす,家具,木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器」
第21類「食器類(貴金属製のものを除く),水筒,保温保冷機能を備えた水筒,はし,はし箱,弁当箱,弁当箱の付属品としての袋,弁当箱専用の巾着,弁当箱用ゴムバンド,携帯可能なペットボトル用の保冷・保温用カバー,保温袋,化粧用具,洋服ブラシ,雑巾」
第24類「織物(畳べり地を除く),布製身の回り品,敷布,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,カーテン,テーブル掛け」
第26類「テープ,リボン,裁縫箱,衣服用バッジ(貴金属製のものを除く),ワッペン,造花,靴飾り(貴金属製のものを除く),靴ひも,頭飾品,ボタン類」


審決日 2017-08-16 
出願番号 商願2016-28944(T2016-28944) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W21)
T 1 8・ 263- WY (W21)
T 1 8・ 264- WY (W21)
T 1 8・ 262- WY (W21)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 小林 裕子
平澤 芳行
商標の称呼 クラックス 
代理人 寺田 花子 
代理人 鮫島 睦 
代理人 川本 真由美 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ