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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項19号 不正目的の出願 無効としない Y25 審判 全部無効 商4条1項7号 公序、良俗 無効としない Y25 |
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管理番号 | 1331356 |
審判番号 | 無効2016-890020 |
総通号数 | 213 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-09-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2016-03-17 |
確定日 | 2017-07-19 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5130176号商標の商標登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5130176号商標(以下「本件商標」という。)は,「エーライフ」の文字を標準文字で表してなり,平成18年10月16日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,平成20年3月28日に登録査定され,同年4月18日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が引用する商標(以下「引用商標」という。)は,米国における登録商標であって,同人がTシャツ,靴などの商品及びそれら商品の小売りサービスなどについて使用し,米国及び日本において周知であるとする,別掲のとおりの構成からなる商標である。 第3 請求人の主張 請求人は,本件商標の登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を審判請求書,弁駁書及び審尋に対する回答書において要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は,以下のとおり,商標法第4条第1項第19号又は同第7号に該当するものであるから,商標法第46条第1項の規定により,その登録は無効とすべきものである。 (1)本件商標と引用商標の類似性 ア 商標について 本件商標は「エーライフ」の片仮名を標準文字で表した商標であり,一方,引用商標は「alife」の欧文字を特徴のある書体で横書きとし大小4つの円図形を欧文字の上に配して構成した商標であるから,両商標は,「エーライフ」の称呼が自然に生じるものである。また,観念については,両商標とも特に具体的な意味を有しない造語として理解されるか,または,引用商標の米国等での周知性に起因して「Alife」ブランドが想起される可能性がある。 よって,本件商標は,引用商標と少なくとも称呼において同一の,類似する商標である。 イ 商品・役務について 本件商標は,引用商標が使用されている商品又は役務と同一又は類似の商品について使用するものである。 (2)引用商標の周知性 ア 「Alife」の事業 請求人及び引用商標に係る「Alife」ブランドは,1999年,ニューヨーク市に最初の店舗がオープンしたことに始まり(甲7),請求人は,米国内では主に,アパレル製品等の小売店,デパート及び専門ブティック等約300の取引先に対して,「Alife」レーベルの下に商品を販売している。一方,米国外では,欧州,カナダ,アジアの販売者を通じて販売され,ストリートウェアのトップブランドとして認知されている。 イ 「Alife」のメディア露出等 「Alife」は,世界トップクラスの音楽アーティスト達を迎えた催しを主催しており,オンライン配信を通じて何万人もの人々に視聴されているものであり(甲11?甲14),1999年から雑誌を通じて広告活動を行っているほか,ソーシャルメディアにおいても広告を行っている(甲15)。また,2001年より,「Alife」はプーマ,カシオといった世界の有力企業とブランド・コラボレーションを行っている(甲16?甲18)。 ウ 日本における「Alife」の紹介 日本においても「Alife」は,ニューヨーク発のストリートウェアブランドとして様々なウェブサイトや実店舗での広告宣伝などを通じて紹介されている。また,「Alife」ブランドの製品は,アマゾンやヤフー等のインターネット販売を通じて容易に手に入れることができるため,米国やニューヨークの流行やアパレル,カジュアルなストリートウェアやスニーカーに興味のある需要者層においては一定の知名度があると考えられる。 「Alife」の紹介をしているブランド事典や多くのサイトでは,「Alife」はニューヨークを代表するストリートウェア及びスニーカーの個性あるブランドとして注目され有名である旨を中心に述べており,これより海外において周知である「Alife」が,日本においてもストリートウェアに係る取引者・需要者の間で認識されていることがわかる(甲19,甲20)。また,日本の企業とのコラボレーションを行って製品を生み出している(甲21,甲22)。 エ 小括 上記の事情から推察できるように,引用商標は,他企業とのコラボレーションや個性的なイベントの開催,ソーシャルメディアの利用等を通じて「Alife」ブランドが知られるに伴い,少なくとも米国では,既に周知となった商標であると考えられる。 (3)不正の目的 被請求人は,かつて「Alife」製品に係る日本のライセンシーであった。その詳細等について以下に述べる。 ア 国際ライセンス契約 2006年10月16日付けで,被請求人と,アーティフィシャル・ライフ・インコーポレーテッド(以下「ALI」という。)との間で国際ライセンス契約が結ばれた(以下「本件契約」といい,当該契約に係る契約書を「本件契約書」という。)(甲23)。本件契約書には,被請求人の代表者の横山秀史氏が2006年10月13日に,ALIの代表者のアルノー・デュレコール(Arnaud Delecolle)氏が2006年10月16日に署名を行っている。 これは,ALIが,自社側でデザインした履物製品を被請求人が製造し日本で販売することを許諾する旨のものであった。これに伴い,被請求人は,ALIの所有する商標(以下「Alife関連商標」という。)を履物製品に使用することを許諾されていた。 ここで,本件契約書(甲23)において,許諾者(ライセンサー)はALIであり,同社は請求人との関係では,Alife関連商標に係る登録の譲渡人(エーライフ・インターナショナル・ホールディングス・リミテッド)の譲渡人にあたる(甲4)。2006年10月16日当時,ALIは,米国ほか各国でAlife関連商標に係る登録の権利者であった。 一方,本件契約書には,被許諾者(ライセンシー)は「チャーリー・トレーディング・カンパニー・インコーポレーテッド」とあるところ,これは,被請求人を指すと考えらえる(甲27)。 本件契約の中で,両当事者は商標についても取り決めを明らかにしている。特に,「1.0 ライセンスの許諾」中の1.3条では,以下のように記されている。 「1.3 ライセンシーは,契約書商標※に係るライセンサーの所有権並びに契約書商標に係る排他的な権利,権原及び利益を認識し認める。ライセンシーは,契約書商標に係るライセンサーの権限,本契約の有効性,又は本件商標に係るライセンサーの登録出願を直接又は間接的に攻撃せず,害さないことに同意する。ライセンシーは,いずれの法域においても,契約書商標を用い又はこれらと混同を生じる程度に類似する語を用いた商標又は商号についていかなる出願もしてはならない。」(※審決注:「契約書商標」とは,本件契約書の「別紙Aに記載されている各国で登録されている(商品)商標及びサービスマークであってライセンサーが所有しているもの並びに本件契約の日付の時点で採用されているブランド名であって本件履物についてライセンサーが将来採用することがあるもの」を指す。審決では,請求人の主張及び証拠において記載されている「本件商標」を「契約書商標」と読み替えた。) この条項によれば,ライセンシーであった被請求人が日本で本件商標「ALIFE」について出願することが許されていなかったことは明らかである。また,被請求人の代表者が本件契約書に署名したことからも,被請求人は同条項について当然認識していたものと考える。 イ 請求人に係る商標登録 本件契約書の別紙Aには,本件契約が結ばれた当時,ライセンサーであったALIが所有していた各国におけるAlife関連商標の登録又は出願が明記されている(甲23)。 このうち,米国での登録商標2件は,本件無効審判請求に係る引用商標である。被請求人は本件契約をALIと結んでおり,その代表者が本件契約書に署名をしていることから,2006年10月16日当時,当然に引用商標の存在を知っていたものと考えられる。 ウ 本件商標の出願時の状況 本件商標が出願された2006年10月16日は,被請求人とALIとの間で本件契約が成立した日でもあり,被請求人代表者が本件契約書に署名した日(2006年10月13日)の3日後でもある。 本件商標の出願に関して,引用商標の商標権者であり,ALIFE関連商標の所有者であるALIに対しては何の連絡もなされなかったため,本件商標は,本来の商標所有者に無断でなされた出願といえる。また,本件契約書ではライセンシーである被請求人が「ALIFE」に係る商標出願をしてはならないと明確に取り決められており,それにもかかわらず本件契約の成立日に出願がなされていることから,被請求人の出願の経緯には本件契約の不履行のみならずビジネスの常識の面から考えても非常に大きな問題があったといわざるを得ない。 エ 請求人の米国代理人の書簡に対する回答 請求人の米国での代理人が,本件契約に係る債務不履行に関してライセンシーである被請求人の意図を確かめる書簡を2015年5月12日付で送ったところ(甲24),同年6月9日に被請求人の代理人よりメールにて返答があった(甲25)。返答書(審決注:請求人の主張において「回答書」と記載されているものを「返答書」と読み替えた。)には,請求人に係る「Alife」商標に関する被請求人側の見解や,本件商標に関する出願の正当性主張などについての記載が含まれている。 さらに,同返答書には,「私共のクライアントの登録商標『ALIFE』を日本において使用することは私共のクライアントの商標権の侵害を構成することに留意することが最も重要である」との記述も見られる。これは,請求人の日本でのAlife関連商標の使用に対する脅し文句とも取れるものであり,被請求人が請求人の日本進出を阻もうとする不正の目的を有するとも取れる。 加えて,返答書の最終段において「被請求人と友好的な関係を結んで『ALIFE』ブランド製品を日本で販売すればかつてのような売上が見込めるであろう」という旨の被請求人代表者のメッセージも示している。上記の記述とあいまって,被請求人が請求人に取引の再開や代理店契約を強要しようとしている姿勢とも見える。 オ 小括 上記の事情から理解されるように,被請求人は,「Alife」商標の所有者との本件契約での取り決めに反して,かつ,所有者に無断で,本件契約成立直後に本件商標を出願している。 また,現在においては,Alife関連商標の登録(引用商標を含む)の譲受人であり現所有者である請求人に対して,本件商標の存在を根拠に,もし請求人が日本で商標「ALIFE」を使用すれば,被請求人に係る商標権の侵害を構成すると牽制又は脅しめいた返答書を送っている。さらには,被請求人と友好的に取引すればかつてのような売上が見込める,とのメッセージも送っており,これには本件商標を用いて取引を強要しようとする,又は取引再開によって利益を得たいとの思惑が示されているように取れる。 さらに,本件契約を結んでいたことから考えても,被請求人が「Alife」ブランドの米国等における人気と周知性について知っていたことは想像にかたくなく,本件商標の出願については,そうした請求人商標に係る周知性を利用して,利益を得ようとする意図があったと考えざるを得ない。 したがって,本件商標は,出願の動機と経緯に不正のある,いわゆる悪意の出願であり,公共の利益に反し社会の一般的な道徳観念に反するものであると思料する。 (4)むすび ア 商標法第4条第1項第19号について 上記(1)で述べたとおり,本件商標は引用商標と同一又は類似する商標であり,上記(2)で述べたとおり,引用商標は,日本国内又は外国の需要者の間に広く認識された商標である。さらに,上記(3)で述べたとおり,本件商標は不正の目的をもって出願されたことが容易に推認できる。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。 イ 商標法第4条第1項第7号について 仮に,本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当しない場合においても,上記(3)で述べたとおり,本件商標は,出願の動機と経緯に不正があるいわゆる悪意の出願と考えられる。こうした出願は,社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するものであり,また国際信義にも反するものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。 2 被請求人の主張について (1)本願商標に係る出願の経緯について 被請求人は,本願商標に係る出願の経緯について,「やむなく2006年10月16日(本件契約の締結日と同日)に,ALIに事前に知らせ,その了承を得たうえで,本件商標の登録出願を行」った,と主張しており,また,「被請求人の上記措置は,(中略),かつALIも知ってこれを了承していたものである」と説明している。 しかしながら,請求人は,被請求人が主張・説明しているような事実は無かったと認識している。被請求人は本願商標と商標「エーライフ」に係る出願について請求人側(当時はALI)に許可を求めてきてはおらず,請求人が同2出願の存在を知ったのは,平成27(2015)年5月上旬になってからである。 また,被請求人は,「被請求人はALIに対して,日本における商標問題に対する対処を求めたが,ALIは早期の契約締結を求めるだけで全く対応を行おうとしなかった」等と主張する。しかし,この主張を裏付ける証拠が提出されておらず,また,被請求人がどの程度の重みをもって請求人側に「商標問題」について説明し理解を求める努力を払ったかすら定かではない(請求人側は米国法人であり,商標に関する法や実務・慣習の違いから,日本の「商標問題」は十分な説明がなされない限り理解されなかったと考えられる)。そのような働きかけを実際に行ったか否かも不明な上,本件契約に明示された条項に反する出願2件を無断で,本件契約締結日と同日に行っている。こうした事実から,被請求人に本来の商標所有者から(日本での)同商標を取って自らのものにしようとする不正な意図があったと理解しても不自然ではない。 さらに,被請求人は,答弁書において「2006年10月16日に,被請求人は,ALIに事前に知らせ,了解を得たうえで,やむを得ず,本件商標の登録出願を行った」と主張していた。しかし,回答書に添付の乙第20号証には,同主張とは異なる状況が示されていると思料する。つまり,2006年10月16日に本件商標を出願し,その後に,出願の事実を請求人側に知らせるメールを送っている。請求人の「了解を得たうえで」行った,事前に承諾を得た出願であったということは証明されていない。 また,乙第20号証では,請求人が望むならば本件商標の登録出願にかかる権利を譲る用意がある旨や,同出願行為は本件契約第1.3条(甲23)の違反ではないと考えている旨が述べられている。ここよりは,被請求人が当時,本件商標の所有者は請求人であると認めており,出願は請求人のために行ったと主張する意思を有したように認識される。この点につき,回答書には「なお,同E-mailには(中略)交渉がなされたことはない」とも記載されている。一方,甲第25号証(被請求人代理人による2015(平成27)年6月9日付けメール)では,「私共のクライアントは(中略)自己の所有する日本商標をライセンシー(が誰であろうと)に譲渡しなければならないような,本件契約に由来するいかなる義務も負うものではない(中略)『ALIFE』を日本において使用することは私共のクライアントの商標権の侵害を構成する」等述べられており,乙第20号証や回答書における被請求人の主張とかなり異なっている。本件商標の登録出願の後に請求人への連絡を行ったことも考え合わせると,同出願に正当性があったとは考えられない。 (2)被請求人とALI,AIH,本件請求人の関係について 被請求人は,ALIとAIH,本件請求人やこれらの法人と被請求人の関係について答弁書中かなりの分量を割いて説明をしている。そして,「今般,請求人が突如として行った本件無効審判は,請求人らの購入代金支払を免れる等の不当な目的に基づく一連の行為の一環をなすもの」等と主張している。 請求人は,上記の法人同士の経済的な関係につき更なる情報を提供することはできるが,たとえ被請求人の主張するような経済的な紛争があったとしても,それは本件無効審判とは全く関係が無いことであって,情報提供も意味がないものと理解している。なお結論としては,請求人は被請求人に対して金銭的債務を負っていない。 (3)商標法第4条第1項第7号に関する主張について 被請求人は,本件無効審判は,当事者間の「私的な問題」であって,商標法第4条第1項第7号を適用すべきでないと主張する。 しかしながら,本件の場合,本件契約には「ライセンシーが自ら商標登録をしない」旨の条項があり,被請求人は本件契約に署名することで自ら商標登録をしないことを約していたところ,それに反して無断で本件商標を出願している。このような状況は「私的な問題」の範躊にあるとは到底いえないと考える。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号の適用を妨げられるものではないと思料する。 3 まとめ 以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第19号又は同第7号のいずれかに該当し,商標登録を受けることができないものであるから,その登録は同法第46条第1項の規定により,無効とすべきものである。 第4 被請求人の答弁 被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を答弁書,回答書及び上申書において要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第20号証を提出した。 1 答弁の理由 (1)本件商標の登録出願の経緯 ア 本件契約の締結の経緯 ALIと被請求人との間で2006年10月16日,被請求人が,ALI保有商標のライセンスを受け,靴製品の全世界に対するディストリビューター(製品供給者)(兼日本における独占的販売代理店)となり,他方,ALIは被請求人から靴製品の供給を受ける米国内における独占的販売代理店となることを内容とする本件契約(甲23)が締結された。 イ 本件商標の登録出願とその動機 本件契約の交渉段階において,ALIが日本において保有する商標が,ALIFEと非類似のALIFENYC(登録4626383号)だけであることが判明した。これでは本件契約の前提を欠くことから,被請求人がさらに調査したところ,第三者の先登録商標(登録第3225599号,「エーライフ」(文字),指定商品第25類履物他,以下「第三者登録商標」という。)があり,そのためALIは日本でのALIFEの商標登録取得を断念したもののようであった。しかし,被請求人が,本件契約に基づいて日本国内においてALIFEのブランドを用いて靴製品を販売しようとした場合に,第三者登録商標の存在が事業の大きな障害となるおそれがあることが判明した。そのため,被請求人はALIに対して,日本における商標問題に対する対処を求めたが,ALIは早期の契約締結を求めるだけで全く対応を行おうとしなかった(乙4)。 そこで,被請求人は,やむなく2006年10月16日に,ALIに事前に知らせ,その了承を得たうえで,本件商標の登録出願を行い,かつ,第三者登録商標に対して不使用取消審判請求を行った結果,2007年10月31日には,第三者登録商標に対する不使用取消審決がなされ(乙5),2008年4月7日に本件商標は登録査定がなされた。 ウ 本件商標の登録出願のALIへの通知について 被請求人の上記措置は,ALIが日本における商標問題について何らの行動もとろうとしないことから,被請求人が本件契約に基づくビジネスを日本において遂行するにあたって第三者による商標権の侵害の防止や,第三者から侵害であるとの主張を排除するために不可欠のものであり,かつALIも知ってこれを了承していたものである。 乙第20号証は,被請求人の代理人らから,ALIの代理人であったD’Isernia氏に対する,2006年10月16日付のE-mailである。 同E-mailには,第三者登録商標に対する商標権侵害リスクを回避し,日本における被請求人による「ALIFE」等の商標の使用に法的保護を得る必要があること,そのために,本件商標の登録出願を行い,かつ,第三者登録商標に対して不使用取消審判を行った旨が述べられている。 なお,同E-mailには,請求人が望むならば,本件商標の登録出願に係る権利を譲る用意がある旨述べられているが,現在までの間に,請求人から被請求人に対して,譲渡に関する交渉がなされたことはない。 エ 本件商標の登録出願後の経過 (ア)ロイヤリティに関するAIHとの紛争 本件契約締結後も,ALIは慢性的に資金難であり,被請求人から仕入れた靴製品の購入代金支払をたびたび滞らせていた。 それにもかかわらず,ALIは,2009年4月29日,被請求人に対し,本件契約に基づくロイヤリティが支払われていないとして,被請求人の債務不履行に基づく本件契約の解除予告通知を行った(乙6)。もとより,被請求人がロイヤリティの支払いを留保した理由は,ALIが被請求人に支払うべき靴製品の購入代金の支払いをしなかったためであった。そこで,被請求人は,ALIに対して支払われるべきロイヤリティと,ALIが被請求人に支払うべき靴製品の購入代金とを対当額で相殺すべき旨を主張した(乙7)。これに対して,ALIはロイヤリティの支払に固執し,ALIと被請求人との間の交渉はこう着状態に陥った。 ところが,AIHは,2010年3月12日付で,ALIから本件契約別紙A(甲23)に記載の各商標権の譲渡を受け,さらに,本件契約におけるライセンサーとしての地位の譲渡を受けたと主張し(その旨の連絡は,2010年7月9日になって初めて被請求人に対してなされた。乙2),さらに,ALIとAIHはあくまでも別法人であるから,AIHに対する被請求人のライセンス料支払い義務について,ALIの被請求人に対する購入代金未払とは関係がないと主張し始めた(乙8)。 このように,AIHへの地位の譲渡は,ALIと被請求人との間の,ALIの被請求人に対する靴の購入代金の未払に関する紛争を有利に展開し,実質的に購入代金の支払いを免れようとすることを専らの目的としてなされたものとみられる。ALIとAIHとが実質的には同一の企業であることは,乙第8号証の作成者であるBlake Ponuick氏のメールが,ALI(その通称はAlife NYCである)の従業員であることを示すメールアカウントであるblake@alifenyc.comから送信されている(乙9)ことからも明らかである。 しかし,被請求人は,本件契約の解除を免れるため,やむなく,交渉により一部減額を受けたうえで,AIHに対してロイヤリティの支払を行った。 (イ)ロイヤリティに関する請求人との紛争 ALIはその後も被請求人から仕入れた靴製品の購入代金支払をたびたび滞らせたことから,被請求人は,AIHに対するロイヤリティの支払を留保することとなった。 このような中,2015年7月22日になって,被請求人は,請求人が2014年1月24日付でAIHから本件契約の別紙Aの各商標権(甲23)の譲渡を受け,さらに本件契約におけるライセンサーとしての地位の譲渡を受けたことを主張するとともに,被請求人に対してロイヤリティの支払を求める通知(甲24)を受領した。そして,請求人は,被請求人からの回答(甲25)を受領するや,最初の通知からわずか10日後に,本件契約を解除する旨の通知(甲24)を行った。 このように別法人に地位を譲渡して新法人から被請求人に対して要求を行うというやり方は,ALIからAIHへの商標権及びライセンサーの地位の譲渡が行われた際の手口と全く同様であり,請求人への地位の譲渡は,ALIの靴製品の購入代金を支払わず,被請求人との間で本件契約(甲23)を解除することを目的としてなされたものというほかない。 (ウ)本件無効審判請求に至る経緯 上記のとおり,被請求人は2006年の本件契約の締結時点において,ALIが本件契約のまさに重要な要素である商標の問題に対して何らの対処も行おうとしないことから,自衛のためやむなく本件商標の登録出願を行ったものであり,かつ,出願の際にはALIに通知し,ALIもそのことを知っていたものである。 しかるに,請求人らは,専ら被請求人に対する購入代金の支払いを免れ,本件契約を解除する不当な目的のために,本件契約における商標権とライセンサーの地位を転々と譲渡した。さらには,請求人は,本件商標の登録出願から約10年(登録からも約8年)もたって突如として本件無効審判請求を行ったものである。 このように,本件無効審判請求は,請求人らの購入代金支払を免れる等の不当な目的に基づく一連の行為に一環をなすものであって,極めて濫用的で正義に反するものである。 (2)引用商標の周知性について ア 請求人は周知性の主張において,周知性の獲得時期を一切明らかにしておらず,かつ,請求人が提出した引用商標の周知性に関する証拠は,概ね2015年前後のものだけであり,本件商標の出願時及び登録査定時において,引用商標が請求人の商品役務を示すものとして日本又は外国において周知であった証拠は何ら提出されていない。むしろ出願時においては,ALIFEは日本においては,全く無名であった。 イ 日本における周知性が,現在仮にあるとしても,本件商標の登録出願以降に被請求人の活動により獲得されたものであること 被請求人は2007年から日本におけるALIFEブランドの靴製品とアパレル製品の販売を開始した。被請求人は,ALIFEブランドの発信地として,原宿に日本で唯一のALIFEブランドのスペシャリティ・ストア「ALIFE TOKYO」をオープンした。その工事費用,改装費用等は全て被請求人が負担している。また,同ストアにおいて,被請求人は自己の費用により,以下のとおり,2014年から2015年にかけて,4度にわたってALIFEブランドに関するイベントを開催した。 さらに,被請求人は,自ら広告宣伝費用を支出して,雑誌への広告出稿,展示会における商品カタログ作成を行った。 被請求人がこれらの広告宣伝活動に支出した費用は,2007年から2015年までの8年間で8154万9736円に及ぶ(乙10?乙18)。 以上のとおり,日本国内においては,本件商標の出願日よりも後に,ALI,AIH及び請求人の協力を得ることなく,被請求人が自ら広告宣伝の手間と費用を費やしてALIFEブランドのビジネスを独自に展開してきたものである。 (3)商標法第4条第1項第19号について 以上に述べたとおり,被請求人における本件商標の登録出願の動機・経緯は,ALIが日本における商標問題について何らの行動もとろうとしないことから,被請求人が本件契約に基づくビジネスを日本において遂行するにあたって第三者の商標権の侵害の懸念を確保するために,やむを得ず行ったものであり,かつ,事前にALIに通知し,ALIも知ってこれを了承していたものである。 また,請求人らは,専ら被請求人に対する購入代金の支払いを免れつつ,本件契約を解除する不当な目的のために,本件契約における商標権とライセンサーの地位を転々と譲渡し(ALI,AIH及び請求人は,いわゆる独立関係に無い,共通の支配関係や特別の裏取引の関係にあるものと推測される),さらには,請求人は,本件商標の登録出願から約10年(登録からも約8年)もたって突如として本件無効審判請求を行ったものであり,本件無効審判請求は,請求人らの購入代金支払を免れる等の不当な目的に基づく一連の行為に一環をなすものであって,極めて濫用的で正義に反するものである。 加えて,日本国内におけるALIFEブランドの周知性が現在仮にあるとしても,本件商標の出願日よりも後に,ALI,AIH及び請求人の協力を得ることなく,被請求人が自ら広告宣伝の手間と費用を費やして独自に獲得したものである。 以上の点からすれば,本件商標の出願時及び登録査定時のいずれにおいても,被請求人に不正の目的があったということはできず,本件商標は,商標法第4条第1項第19号には該当しない。 また,本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても,引用商標が請求人の商品役務を示すものとして需要者間に周知であったとはいえないから,この点においても同号には該当しない。 (4)商標法第4条第1項第7号について ア 商標法第4条第1項第7号を本件に適用すべきでないこと 被請求人が本件商標の出願に至った経緯は,上記(1)のとおり,被請求人が日本でALIFEブランドの靴やアパレルを販売するに当たり,第三者登録商標に基づく商標権の侵害となるおそれがあり,その旨を被請求人がALIに伝えて対処を求めたにもかかわらず,ALIが何らの対処を行わなかったことから,やむを得ずALIにも伝えたうえで本件商標の登録出願を行ったものである。 また,ALI,AIH及び請求人らライセンサーは,日本における商標について,商標出願当時に本件商標の登録出願については知らされていたにもかかわらず,本件商標の出願後約10年(登録後約8年)にもわたって何ら異議を述べることなく放置してきた。今般,請求人が突如として行った本件審判の請求は,請求人らの購入代金支払を免れる等の不当な目的に基づく一連の行為の一環をなすものであって,実質的にはALIによる被請求人に対する購入代金の未払と,被請求人によるロイヤリティ支払義務の紛争に起因するものである。 これらのことからすれば,請求人と被請求人との本件商標権の帰属等をめぐる問題は,請求人と被請求人との間の私的な問題として解決すべきであるから,本件に商標法第4条第1項第7号を適用すべき特段の事情があるということはできない。よって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。 イ 本件商標の登録出願は公序良俗に反しないこと 上記(3)に述べた出願の経緯等に照らせば,本件商標の登録出願が,社会公共の利益に反し又は社会の一般的道徳観念に反するということはできず,また国際信義に反するということもできず,商標法第4条第1項第7号に該当するとはいえない。 (5)結語 以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第19号及び同第7号のいずれにも該当しないから,本件無効審判請求は成り立たない。 2 上申書(本件商標が商標法第4条第1項第19号に該当しないことについての補足) 本件契約においては,ALIは,被請求人が許諾商標を安全に使用することについて保証する義務があった(甲23)にもかかわらず,ALIは第三者登録について何らの対応策をとることもなく放置し,契約上の保証義務を履行する努力を全く行わなかった。 本件商標の登録出願は,本件契約に基づく被請求人の利益を守るために行った正当なものであり,ALIの利益に反するものでないことは明らかである。 また,本件商標の登録出願はALIに無断で行ったものではなく,その経緯を出願日当日に報告している(乙20)。これに対し,ALIは何ら異議を述べたり商標権の移転を求めたことはなく,被請求人に対する靴製品の販売代金支払いの不履行責任を残したままになっている。 本件契約は,ALIと被請求人の双方の権利・義務が一体的に規定された契約であって,単なる商標権のライセンス契約ではない。本件契約に規定される被請求人に対するライセンス料請求債権は,双務契約の債権の一部にすぎない。 請求人は,ALIから本件契約の一部の債権であるライセンス請求債権のみの譲渡を受けたことを根拠に,被請求人に対しライセンス料の支払いを求めている。 請求人が本件無効審判請求をしているのは,本件契約上のALIの明らかな不履行責任を無視した身勝手な主張というほかなく,本件無効審判の申立ては信義則上許されない。 第5 当審の判断 1 請求人及び被請求人提出の証拠及び両人の主張によれば,次の事実を認めることができる(当事者間に争いのない事実を含む。)。 (1)本件契約について ア 被請求人はライセンシーとして,アーティフィシャル・ライフ・インコーポレーテッド(ALI)はライセンサーとして,2006年(平成18年)10月16日付けで,本件契約を締結した(被請求人代表者の署名は同年10月13日)(甲23)。 イ 本件契約書には,次の記載がある(甲23)。 (ア)ライセンサーは,ライセンシーに対し,引用商標等を付した履物を製造し,製造させ,流通させ,販売する行為,及びそれらについて引用商標等を使用する行為について,本契約の期間中,世界規模の排他的権利を許諾すること(本件契約1.1)。 (イ)ライセンシーは,引用商標等に係るライセンサーの所有権並びに引用商標等に係る排他的な権利,権原及び利益を認識し認める。ライセンシーは,引用商標等に係るライセンサーの権限,本件契約の有効性,又は本件商標に係るALIの登録出願を直接又は間接的に攻撃せず,害さないことに同意する。ライセンシーは,いずれの法域においても,引用商標等を用い又はこれらと混同を生じる程度に類似する語を用いた商標又は商号についていかなる出願もしてはならないこと(本件契約1.3)。 ウ 本件契約のライセンサーの地位,及び米国における引用商標に係る商標権は,2010年3月にALIからエーライフ・インターナショナル・ホールディングス・リミテッド(AIH)に,さらに2014年1月にAIHから請求人に譲渡されたこと(甲3,甲23,甲24,乙2,乙3)。 エ 請求人は,被請求人に対し2015年5月12日付け書簡で,本件契約のライセンサーとしての地位等をAIHから取得した旨,本件契約の有効性の確認,支払義務の不履行を履行すべき旨,及び本件商標等の出願は本件契約に実質的に違反するので請求人に譲渡すべき旨などを通知したこと(甲24,乙3)。 オ 上記書簡に対し,被請求人は,請求人に2015年6月9日にメールにて,本件商標等の出願によって被請求人が実質的に本件契約を破棄したという請求人の主張は根拠を有しない旨,本件商標を日本において使用することは商標権侵害を構成する旨など回答したこと(甲25)。 カ 請求人は,被請求人に対し2015年6月22日にメールで,2015年5月12日付け書簡で本件契約に実質的に違反する旨通告したが,被請求人は何ら是正していないので,本件契約を終了する旨通知したこと(甲24)。 (2)引用商標の使用について ア ALIは,1999年にニューヨークで設立され(甲7),引用商標を米国において,被服等の小売りサービスなどについて1999年10月から,被服等の商品について2000年5月から使用していたことが推認できる(甲2)。 イ 被請求人は,2007年から我が国において引用商標を付した商品(靴など)の販売等を開始し,2015年5月及び2016年3月には,ファッション製品等を取り扱う自己のホームページに引用商標を表示していた(甲27,甲28ほか)。 ウ 引用商標を付した商品(靴,Tシャツなど)は,我が国において,被請求人の関与は明らかではないが,少なくとも2015年2月及び11月にオンラインショップなどで販売されていた(甲22,甲8)。 エ 本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時における,我が国及び米国をはじめとする外国での,引用商標が使用された商品及び役務の取引額,取引数量など取引の実績を示す証左は見いだせない。 2 商標法第4条第1項第19号について (1)本件商標と引用商標の類否 ア 本件商標は,上記第1のとおり「エーライフ」の文字からなり,該文字に相応し「エーライフ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標は,別掲のとおり「alife」の文字をデザイン化してなり,該文字に相応し「エーライフ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 ウ そこで両商標を比較すると,両者は外観において,構成文字が大文字か小文字か,及びデザイン化されているか否かの差異を有するものの,その綴り文字を共通にするものである。 また,両者は,称呼においては「エーライフ」の称呼を共通にするものであり,さらに観念においては,いずれも特定の観念を生じないものであるから明瞭には区別することができないものである。 そうすると,本件商標と引用商標とは,外観において綴り文字を共通にするものであって,称呼を共通にし,観念において明瞭に区別し得ないものであるから,両者の外観,観念,称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は,相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。 (2)引用商標の周知性について 上記1(2)の認定事実からすれば,請求人(ALI,AIHを含む。以下同じ。)は米国において引用商標を1999年1月から被服等の小売りサービスなどについて使用していること,我が国において引用商標が付された商品は本件契約(2006年10月)後のそれほど遅くない時期から販売されていたことが推認できるものの,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時における,引用商標が使用された商品及び役務の取引額,取引数量など取引の実績を示す証左は見いだせないから,引用商標は,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において,他人(請求人)の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 (3)小括 上記(1)のとおり本件商標と引用商標は類似の商標であるが,上記(2)のとおり引用商標は他人の業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当するものといえない。 3 商標法第4条第1項第7号について (1)本件契約書の記載内容(上記1(1)イ)は,ライセンシーである被請求人が我が国において本件商標を出願したことが当該契約に違反する行為であるか否かは別として,少なくともライセンサーであるALIはライセンシーによる引用商標に類似する商標の登録出願を禁止したいとの意図を表したものと理解し得るものである。そして,被請求人は,本件契約の締結の日と同日に引用商標と類似すると自認する本件商標を我が国に登録出願している。 しかしながら,被請求人はALIに対し,本件契約の締結前に,日本において何らかの商標問題があることを知らせ(乙4),かつ,本件商標の出願を行った事実についても出願日当日に知らせたことがうかがわれる(乙20)。一方,請求人は,本件商標の存在を初めて知ったのは平成27年5月上旬であると主張するが,これを立証する証拠の提出はない。してみれば,請求人は,本件商標の出願の事実を出願日には知り得ていたものとみることができる。 さらに,被請求人は,本件商標の登録出願の際に,出願に係る権利をALIに譲渡する用意がある旨述べている(乙20)。そうすると,請求人は,本件無効審判請求までの間に本件商標に係る権利について何らかの手段をとる機会は十分にあったというべきであって,自ら適切な措置を採らなかった責めを本件商標の権利者である被請求人に求めるべき事情を見いだすこともできない。 (2)そして,本件契約は,ライセンサーがALI,AIH及び請求人に変わってはいるが,少なくとも請求人が本件契約終了を告知した2015年6月22日までは有効であり(甲24),その頃まで当事者間の取引は継続していたものと推認できる。 また,本件契約の終了の発端は,ライセンシー(被請求人)の契約不履行,契約違反に係る紛争にあるといえ(甲24,甲25),その時期(平成27年5月ないし6月頃)と本件無効審判の請求の時期(平成28年3月)からすれば,本件無効審判の請求はかかる紛争に起因するものとみるのが自然である。 してみれば,本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとする請求人の主張は,本件契約に係る当事者同士の私的な問題に基づくものといわざるを得ず,かかる私的な問題は当事者間で解決すべきものであって,そのような私的な問題について同号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」を適用することは妥当でない。また,当事者同士の私的な問題が国際信義に反するものともいえないし,その他,本件商標が公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当するものということはできない。 4 むすび 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号及び同第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効にすべきでない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(引用商標) |
審理終結日 | 2017-02-15 |
結審通知日 | 2017-02-22 |
審決日 | 2017-03-10 |
出願番号 | 商願2006-96207(T2006-96207) |
審決分類 |
T
1
11・
22-
Y
(Y25)
T 1 11・ 222- Y (Y25) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大橋 信彦、林 圭輔、内藤 順子 |
特許庁審判長 |
堀内 仁子 |
特許庁審判官 |
早川 文宏 小林 裕子 |
登録日 | 2008-04-18 |
登録番号 | 商標登録第5130176号(T5130176) |
商標の称呼 | エーライフ |
代理人 | 阿部 達彦 |
代理人 | 吉浦 洋一 |
代理人 | 森本 晋 |
代理人 | 小暮 理恵子 |
代理人 | 高橋 隆二 |
代理人 | 行田 朋弘 |
代理人 | 生田 哲郎 |
代理人 | 中所 昌司 |
代理人 | 久保 怜子 |