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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W30
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W30
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W30
管理番号 1330324 
異議申立番号 異議2016-900352 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-11-04 
確定日 2017-06-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5871910号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5871910号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5871910号商標(以下「本件商標」という。)は、「シューコロン」の片仮名を横書きしてなり、平成28年2月6日に登録出願、第30類「菓子,洋菓子,焼き菓子,シュー生地を使った菓子,パイ生地を使った菓子,パン」を指定商品として、同年7月11日に登録査定され、同年8月5日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次の1ないし4のほか、登録第866377号商標、登録第1798704号商標、登録第3347461号商標、登録第4469558号商標及び登録第4767283号商標であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第866376号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 コ ロ ン
COLLON
指定商品 第30類「菓子,パン」
出願日 昭和43年2月17日
設定登録日 昭和45年7月25日
2 登録第2431290号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 COLLON
指定商品 第30類「菓子,パン」
出願日 平成1年7月26日
設定登録日 平成4年6月30日
3 登録第2502375号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 コロン
指定商品 第30類「菓子,パン」
出願日 平成2年3月9日
設定登録日 平成5年2月26日
4 登録第5348593号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 Collon(標準文字)
指定商品 第30類「コーヒー及びココア,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,即席菓子のもと,糖類又は糖アルコールを主原材料とする錠剤状・粒状・顆粒状・粉末状・ゲル状・ゼリー状・ペースト状・シロップ状・液状・タブレット状・カプセル状・球状・スティック状・ビスケット状・ブロック状の加工食品 」
出願日 平成21年11月19日
設定登録日 平成22年8月27日

以下、引用商標1ないし4をまとめて「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号に該当することについて
本件商標は、片仮名「シュー」と「コロン」とを一連に書した構成からなっているものの、その構成要素中の片仮名部分「コロン」が申立人所有の著名登録商標「コロン(Collon)」を本件商標に接する取引者、需要者をして容易に想起せしめるのに対して、片仮名部分「シュー」は、本件商標の指定商品である「菓子」、「シュー生地からなる菓子」等については、菓子業界において普通に使用されている、いわゆる「シュー菓子」を想起せしめる語であることから、「コロン」に比してその識別性が弱いものである。
したがって、本件商標は、著名登録商標「コロン(Collon)」と称呼、外観、観念を同一にする片仮名部分「コロン」をその構成要素中に有しており、本件商標は、著名登録商標「コロン(Collon)」と類似し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号に該当することについて
本件商標は、その構成要素中に著名登録商標「コロン(Collon )」と同一の片仮名「コロン」を含むものであることから、本件商標をその指定商品に使用する場合、申立人の提供に係る商品「菓子」であると誤認せしめるおそれがあることから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第16号に該当することについて
本件商標の構成要素中の片仮名部分「シュー」は、いわゆる「シュー生地からなる菓子」である「シュー菓子」を容易に認識せしめる語であることから、本件商標の指定商品中の「菓子,洋菓子,焼き菓子,パイ生地を使った菓子,パン」との関係では需要者をして商品の品質の誤認を生ぜしめるおそれがあることから、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
4 結論
本件商標は、証拠(甲2?甲21)から明らかなように、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第16号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

第4 当審における取消理由
審判長は、本件商標権者に対して、「本件商標は、その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る引用商標と類似する商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品に使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨の取消理由を平成29年2月28日付け取消理由通知書で通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。

第5 本件商標権者の意見
本件商標権者は、上記第4の取消理由の通知に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)「Collon」及び「コロン」の文字について
ア 申立人提出の甲各号証によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は、1971年に、巻き煎餅の中央にクリームを詰めた菓子(以下「申立人商品」という。)を「クリームコロン」という名称で販売を開始し、その後、本件商標の登録査定の日前まで、「カカオコロン」、「サワーコロン」、「チョコレートコロン」、「ブルーベリーコロン」、「トロピカルフルーツコロン」、「いちごコロン」、「ブルーベリーヨーグルトのコロン」、「いちごミルクのコロン」、「バナナのコロン」、「ももコロン」、「ラズベリーのコロン」、「抹茶ミルクコロン」、「プリンコロン」、「メロンコロン」、「チョコナッツコロン」、「練乳いちごコロン」、「メープルコロン」、「いちごヨーグルトコロン」など風味の異なる多種の申立人商品を販売するとともに、ご当地限定コロンとして「京都宇治抹茶コロン」、「信州あんずコロン」、「沖縄パインコロン」、「つがる林檎コロン」、「銀座かすたあどコロン」、「北海道カマンベールチーズコロン」、「ポンジュースコロン」、「とちおとめ苺コロン」などの申立人商品を販売した(甲12、甲15、甲17)。
(イ)申立人商品の包装には、いずれも大きく表された「Collon」の文字とともに「コロン」の文字が使用されている(甲15、甲17)。
(ウ)申立人商品は、遅くとも2006年から本件商標の登録査定の日前まで日本食糧新聞や一般紙で、「コロン」の文字を用いて多数紹介されている(甲16、甲18、甲21)。
(エ)上記(イ)及び(ウ)の申立人商品の包装及び申立人商品の紹介記事には、申立人の略称である「江崎グリコ」、「グリコ」又は「glico」の文字が表示されている(甲15?甲18、甲21)。
イ 上記アによれば、(a)申立人商品は、1971年(昭和46年)から本件商標の登録査定の日(平成28年7月11日)前まで45年以上継続して販売され、新聞等では遅くとも2006年以降本件商標の登録査定の日(平成28年7月11日)前まで多数紹介されていること、(b)申立人商品の包装にはいずれにも「Collon」の文字が表示され、「コロン」の文字が使用されていること、(c)新聞記事には「コロン」の文字が用いられていることに加え、(d)いずれにも申立人の略称の表示が認められるから、「Collon」及び「コロン」の文字は、本件商標の登録査定時において、申立人の業務に係る申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「コロン」及び「COLLON」の文字を2段に表してなるもの、並びに「Collon」、「COLLON」又は「コロン」の文字からなるものであり、該「Collon」及び「コロン」の文字は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録査定時において、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、これらからは、「コロン」の称呼及び「申立人の商品『コロン(Collon)』」の観念を生じるものである。
(3)本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり「シューコロン」の文字からなるところ、その構成中の「シュー」の文字部分は、商品「菓子,パン」との関係で「シュー生地」、「シュー菓子」を表すものとして用いられていること(甲5の1、6)からすれば、その指定商品の品質を表示する文字部分といえるのに対し、その構成中の「コロン」の文字部分は、本件商標の登録査定時において、申立人商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものであるから、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そうすると、本件商標は、その構成中の「コロン」の文字部分から、「コロン」の称呼及び「申立人の商品『コロン(Collon)』」の観念を生じるものと認められる。
(4)本件商標と引用商標の類否について
本件商標の構成中、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える「コロン」の文字部分と引用商標との外観を比較すると、(a)本件商標と引用商標1及び3とは、「コロン」の文字を共通にするものであり、(b)本件商標と引用商標2及び4とは、構成文字を異にするものである。
しかしながら、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念においては、上記(3)及び(2)のとおり、「コロン」の称呼及び「申立人の商品『コロン(Collon)』」の観念を共通にするものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観において異なるところがあるとしても、称呼及び観念を共通にするものであるから、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(5)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似する商品と認められる。
(6)小括
上記(1)ないし(5)のとおり、本件商標は、その商標登録出願の日前の商標登録出願に係る引用商標と類似する商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品に使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、他の申立の理由について判断するまでもなく、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
異議決定日 2017-05-09 
出願番号 商願2016-13239(T2016-13239) 
審決分類 T 1 651・ 263- Z (W30)
T 1 651・ 262- Z (W30)
T 1 651・ 261- Z (W30)
最終処分 取消  
前審関与審査官 押阪 彩音守屋 友宏 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 大森 健司
原田 信彦
登録日 2016-08-05 
登録番号 商標登録第5871910号(T5871910) 
権利者 株式会社 不二商会
商標の称呼 シューコロン、コロン 
代理人 浜田 廣士 
代理人 工藤 莞司 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 黒川 朋也 

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