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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W053041
審判 一部申立て  登録を維持 W053041
審判 一部申立て  登録を維持 W053041
管理番号 1330303 
異議申立番号 異議2016-900358 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-11-10 
確定日 2017-06-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5874010号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5874010号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5874010号商標(以下「本件商標」という。)は、「らくらくロコモ」の文字を標準文字で表してなり、平成27年8月28日に登録出願、第5類「薬剤,消臭剤(工業用・身体用及び動物用消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」、第30類「茶,コーヒー,ドレッシング,マヨネーズ」及び第41類「健康の維持・増進を目的とする健康管理に関するセミナーの企画・運営及び開催」並びに第3類、第10類、第11類、第16類、第21類、第25類、第29類、第32類、第35類、第39類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年7月15日に登録査定、同年8月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する商標は、以下の3件であり、現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5667252号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ロコモ」の文字を標準文字で表してなり、平成25年5月23日に登録出願、第5類「食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものは除く。)」、第29類「加工野菜及び加工果実,梅干し」及び第30類「コーヒー,コーヒー豆」を指定商品として、同26年5月9日に設定登録されたものである。
(2)登録第5569065号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ロコモ茶」の文字を標準文字で表してなり、平成25年1月10日に登録出願、第30類「茶」を指定商品として、同年3月22日に設定登録されたものである。
(3)登録第5340930号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ロコモ」の文字を横書きしてなり、平成21年2月13日に登録出願、第41類「医学・医薬品に関する知識の教授及びこれに関する情報の提供,医学・薬学及び薬理学に関するセミナー・会議又はシンポジウムの企画・運営又は開催,医学に関する書籍の制作,医学に関する放送番組の制作における演出,医学・ライフスタイル・健康管理に関する書籍・手引書の電子出版物の制作,エアロビクス・フィットネス・科学・スポーツ医学に関するセミナー・研修会・講習会・会議の企画・運営又は開催,医療情報及び予防医学に関する資格の認定」を指定役務として、同22年7月30日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
本件商標「らくらくロコモ」は、平仮名「らくらく」および片仮名「ロコモ」の2部分よりなるものであるから、後半部分より「ロコモ」の称呼を生ずることは明らかである。
他方、引用商標1「ロコモ」は、片仮名部分より「ロコモ」の称呼を生ずるものであり、引用商標2「ロコモ茶」は、片仮名「ロコモ」および漢字「茶」の2部分よりなるものであり、前半部分より「ロコモ」の称呼を生ずるものであり、引用商標3「ロコモ」は、片仮名部分より「ロコモ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、共に「ロコモ」の称呼を生ずること明らかであるから、その称呼において類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標の指定商品及び指定役務は、同一又は類似のものである。

4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「らくらくロコモ」の文字からなるところ、その構成文字は、同書、同大で、まとまりよく一体に表され、これから生じる「ラクラクロコモ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、文字種が異なる「らくらく」と「ロコモ」の文字からなるとしても、視覚上も無理なく一体的に把握できるものであり、「らくらく」あるいは「ロコモ」のいずれかの文字部分が独立して看者の注意を惹くような構成態様とはいえず、これらの文字のどちらかの部分が、特に強く支配的な印象を与える文字構成ということもできないものである。
また、該「らくらくロコモ」の文字は、辞書等にも採録されておらず、その全体をもって、特定の意味合いを生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、「ラクラクロコモ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標1及び引用商標3は、「ロコモ」の文字からなるところ、該文字は、「大辞泉第二版」(株式会社小学館)において「『ロコモティブシンドローム』の略」と記載され、「現代用語の基礎知識(2013年1月1日自由国民社発行)」において「ロコモティブシンドローム」の解説として「運動器症候群。身体機能を担う筋、骨格、神経系の障害のために要介護になる危険性が高い状態。略してロコモ。」等と記載されていることからすれば、この文字の略語として理解されるものである。
してみれば、引用商標1及び引用商標3は、その構成文字に相応して「ロコモ」の称呼が生じ、また、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の観念を生じるものである。
また、引用商用2は、「ロコモ茶」の文字からなるところ、その構成中の「茶」の文字は、指定商品の普通名称であり、これを除いた「ロコモ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を発揮する要部といえるものである。
してみれば、引用商標2は、その構成文字に相当して「ロコモチャ」の称呼が生じるほか、「ロコモ」の文字に相応して「ロコモ」の称呼をも生じ、上記と同様に「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討してみるに、外観においては、前記1及び2のとおり、本件商標は「らくらくロコモ」の文字からなるのに対し、引用商標は「ロコモ」又は「ロコモ茶」の文字からなるものであり、両者は明らかに相違する。
つぎに、称呼においては、本件商標から生じる「ラクラクロコモ」の称呼と、引用商標から生じる「ロコモ」又は「ロコモチャ」の称呼とは、その音構成が明らかに相違するものであり、両者は明確に聴別し得る。
そして、観念においては、本件商標からは特定の観念が生じないのに対し、引用商標からは「身体機能を担う筋、骨格、神経系の障害のために要介護になる危険性が高い状態」を意味する「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」の観念を生じるものであるから、両者は紛れるおそれはない。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標と引用商標は、共に「ロコモ」の称呼を生ずることは明らかであり、称呼において類似の商標である旨主張している。
しかしながら、申立人は、本件商標から「ロコモ」の称呼が生じる具体的な理由を明らかにしていないばかりか、本件商標と引用商標の外観及び観念における比較については何ら言及していない。
そして、本件商標については、前記(1)のとおり、「ラクラクロコモ」の称呼のみを生じ、特定の観念は生じないとみるべきであるから、本件商標から「ロコモ」の称呼が生ずることを前提とする申立人の主張は、採用できない。
(5)小括
したがって、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-06-12 
出願番号 商願2015-82896(T2015-82896) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (W053041)
T 1 652・ 261- Y (W053041)
T 1 652・ 263- Y (W053041)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大森 友子 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
山田 正樹
登録日 2016-08-12 
登録番号 商標登録第5874010号(T5874010) 
権利者 花王株式会社
商標の称呼 ラクラクロコモ、ラクラク、ロコモ 

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