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審決分類 |
審判 全部無効 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 無効としない W070937 |
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管理番号 | 1330278 |
審判番号 | 無効2016-890050 |
総通号数 | 212 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-08-25 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2016-08-03 |
確定日 | 2017-07-05 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5813728号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5813728号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成25年11月21日に登録出願され、第7類「ロボット型芝刈機」、第9類「ロボット型芝刈機用バッテリー,ロボット型芝刈機用電気式バッテリー,ロボット型芝刈機用充電式バッテリー,ロボット型芝刈機用バッテリーチャージャー,ロボット型芝刈機の機能拡張用接続器,ロボット型芝刈機用充電装置」及び第37類「ロボット型芝刈機の保守,ロボット型芝刈機の修理,ロボット型芝刈機の設置工事」を指定商品及び指定役務として、同27年12月18日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書及び弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 請求の理由 (1)これまでの経緯 本件商標は、審査段階において、「本願商標は、やや図案化されて書かれているものの、未だ普通に用いられる方法で『auto』及び『mower』の文字を二段に書してなるところ、その構成中の『auto』の文字は、『自動の』の意味を、また、『mower』の文字は、『草刈機』の意味を有する語であることから、本願商標全体として、『自動の草刈り機』程の意味合いを把握、理解させるものであり、本願商標をその指定商品及び指定役務中、例えば『ロボット型芝刈機,ロボット型芝刈機用バッテリー,ロボット型芝刈機の保守』について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は『自動のロボット型芝刈機,自動のロボット型芝刈機用バッテリー,自動のロボット型芝刈機の保守』程の意味合いを認識するにすぎないから、単に商品の品質又は役務の質の普通に用いられる方法で表示するものと認める。」と判断され、商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶査定が通知されている。 そして、本件商標は、審判段階において「本願商標は、特徴的な態様に図案化されていることから、本願商標の構成中の『auto』の文字が『自動の』の意味を、また、『mower』の文字が『草刈機』の意味を有する語であるとしても、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえず、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質及び役務の質について誤認を生ずるおそれもないというのが相当である」と判断されている。 以上のことから、本件商標については、主に「商品の品質及び役務の質を表示する標章のみからなる商標に該当するか」及び「商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するか」について判断されている。 (2)商品の品質及び役務の質を表示する標章のみからなる商標に該当するかについて ア 本条は、「その商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に適用される。本件商標は、「auto mower」のアルファベット小文字9文字から成り、「auto」の文字部分を上段に、「mower」の文字部分を下段に配置して構成される。 このような構成となっていることから、「auto」の文字部分と「mower」の文字部分とが明確に分離して把握され、「auto mower」を一体不可分の商標であると判断することは難しく、「本件商標が一体不可分の商標であり、造語と認められるので識別力を有する」との主張は成り立たない。 また、「auto」の文字部分は、一般的に「自動の」の意味として用いられ、「mower」の文字部分については、ジーニアス英和辞典には「刈取機、芝刈機」の意味が掲載されている。その結果それぞれの文字部分から「自動の」、「芝刈機」という意味合いが生じ、全体として「自動の芝刈機」という概念が生じる。 したがって、本件商標を「ロボット型芝刈機,ロボット型芝刈機用バッテリー,ロボット型芝刈機の保守」について使用しても、本件商標に接する取引者、需要者は、「自動のロボット型芝刈機,自動のロボット型芝刈機用バッテリー,自動のロボット型芝刈機の保守」程の意味合いを認識するにすぎないから、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認められ、本条に該当する。 イ 「モア」の文字部分の使用事実について 「モア」は、複数の企業により芝刈機に頻繁に使用されている(甲2)ため、「モア」の文字部分は「芝刈機」を意味するものであると、一般的に取引者及び需要者に認識されている。 そうすると、「mower」の文字部分に識別力を認めることはできず、また「auto」の文字部分は「自動の」の意味であることは明白であるので、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。 ウ 過去の登録例 請求人が調査したところ、語頭に「オート」の文字を配した商標で拒絶査定となった出願として、商標「AUTO SCAN」商願2007-122723(指定商品;医療用機械器具およびその部品)、商標「AutoView」商願2010-32665(指定商品;テレビジョン受信機 他)、商標「オート光センサー」商願2000-031399(指定商品;化学品,原料プラスチック,写真材料)、その他22件の存在を確認した。 これらの出願は、本願商標をその指定商品又は指定役務に使用すると、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認められるので、商標法第3条第1項第3号に該当すると判断されたものと考えられる。 上記の拒絶査定となった例を考慮すると、本件商標についても、「auto」の文字部分からは「自動の」の意味が把握され、「mower」の文字部分からは「芝刈機」の意味が把握されることから、本件商標全体として「自動で作動する芝刈機」の意味合いを把握理解させるものである。 よって、本件商標をその指定商品「ロボット型芝刈機,ロボット型芝刈機用バッテリー,ロボット型芝刈機の保守」について使用すると、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認められるので、商標法第3条第1項第3号に該当すると判断することができる。 (3)商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するかについて ア 本件商標は、「『auto』及び『mower』の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その態様は、全ての文字を斜体で表し、上段の『auto』の文字並びに下段の『w』、『e』及び『r』の文字を下線で、また、下段の『m』、『o』及び『w』の文字の上部を線でつないだ構成からなる特徴的な態様に図案化されている。」ことにより、「特徴的な態様で表された本件商標は、単に普通に用いられる方法で表示してなるものとはいい難いものである。」と判断されている。 イ 請求人が調査したところ、図案化された商標であっても商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶となった例として、商願2000-55266、商願2001-48323、その他10件の商標を確認することができた。 上記の商標は、それぞれ「特徴的な態様」と判断されることなく本条により拒絶査定となっている。 以上の例から、本件商標について検討すると、本件商標は、単に「auto」及び「mower」の欧文字を上下二段に横書きし、全ての文字を斜体で表し、上段の「auto」の文字並びに下段の「w」、「e」及び「r」の文字を下線で、また、下段の「m」、「o」及び「w」の文字の上部を線でつないだ、単純な構成であり、「特徴的な態様」と判断されるものではないことは明らかである。 ウ 過去の審決例 請求人は、ロゴとして出願されたが、図案化された商標であっても「普通に用いられる方法で表示する標章」であると判断され、商標法第3条第1項第3号に該当すると判断された過去の審決例として、不服2015ー15751、不服2015-1398、その他8件の存在を確認した。 以上の審決例から、本件商標である「auto/mower」の図案化について考えると、「auto」の文字部分の下端を横方向に伸びた直線でつなぎ、「mow」の文字部分の上端及び「wer」の文字部分の下端を横方向に伸びた直線でつないだデザインは、特に特徴的であるといえる程のものではなく、かかる態様がことさら特殊なものとはいえないと考える。 そうすると、本件商標は特徴的な態様に図案化されているとはいえず、また商標全体から「自動の芝刈機」程の意味内容が把握されることから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (4)結び 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、同法第46条第1項第1号により、無効とされるべきものである。 2 弁駁の内容 (1)被請求人の主張について ア 被請求人は、本件商標「auto/mower」は、書体及び文字の大きさが統一されており、かつ、文字の上下いずれかを線でつなぐというデザイン処理も統一されているので、全体としてまとまりのある一つの商標である、と述べている。 しかしながら、本件商標のデザインは、特に特徴的であるといえる程のものではなく、かかる態様がことさら特殊なものとはいえないことは、審判請求書で既に述べたとおりであるから、本件商標は、被請求人の主張するような、文字の上下いずれかを線でつなぐというデザイン処理も統一されているので全体としてまとまりのある一つの商標という主張は成立せず、本件商標は、上下二段の構成となっており、外観上明確に分離されているので、全体としてまとまりのある一つの商標であるとはいえない。 また、被請求人は、「文字の上下いずれかを線でつなぐというデザイン処理も統一されていることから、全体として一つの商標である」と述べているが、全体としてまとまりのある商標に該当するかについては、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもってまとまりよく一連に表されているかによって、主に判断されるところ、これを本件商標についてみると、「auto」の文字部分と「mower」の文字部分は、それぞれ同じ書体、同じ大きさで表されているが、これらの文字部分は上段と下段に分けて表されており、等間隔に表されているとはいえない。また、本件商標は上下二段に分かれた構造となっていることから、外観上そもそも「auto」の文字部分と「mower」の文字部分は分離して認識される。 そして、「auto」の文字部分と「mower」の文字部分は、それぞれ、線で文字を結合したデザインとなっている点では同じであるが、「auto」の文字部分は文字の下端のみを線で結合しているのに対し、「mower」の文字部分は、語頭の「mow」の文字の上端を線で連結し、さらに「wer」の文字の下端を線で連結している。 すなわち、「auto」の文字部分と「mower」の文字部分ではデザインが異なっているため、商標全体として統一された印象を持つことができず、本件商標は、全体としてまとまりのある商標とはいえないことから、本件商標は、上段に記載された「auto」文字部分と、下段に記載された「mower」の文字部分に自ずと分離され、それぞれの意味内容から商標全体として「自動の芝刈機」という観念が生じるので、商標法第3条第1項第3号に該当する。 なお、請求人が調査したところ、上下二段の構成から成る商標で、上段と下段のデザインが異なることから、全体としてまとまりのある商標であると判断されなかったため拒絶査定となったと考えられる商標として、商願2001-48323、商願2011-79132、その他8件がある。 以上のことから、本件商標は全体としてまとまりのある商標ではないことが明らかであるから、本件商標は、上段に記載された「auto」の文字部分と、下段に記載された「mower」の文字部分に自ずと分離され、それぞれの意味内容から商標全体として「自動の芝刈機」という観念が生じるので、商標法第3条第1項第3号に該当する。 イ 被請求人は、「auto」の文字部分からは「自動」という意味の他にも「自動車」、「オートバイ」、「オートレース」など複数の意味があるので、「自動車の形状をあしらった芝刈機」や「自動車の様な動きをする芝刈機」といった意味が生じ、「自動の芝刈機」という意味内容が一義的に導き出されるものではないので間接的表示に該当する、と述べている。 間接的表示については、審査基準第6版において、「品質等をそれとなく暗示させるもの、具体的には、商品の普通名称や品質表示等の一部からなるもの、あるいはそれらを結合してなるもの、具体的な商品と関係しない指定商品に係る専門用語ないしはその一部等は品質等の間接的表示に該当する」と記載されている。 複数の意味内容が生じることは、「品質などをそれとなく暗示させること」に該当しないから、複数の意味内容が生じることと、上述の間接的表示に該当することは関連付けられるものではない。 また、被請求人は、「自動」の意味に関しても、ロボット型(自走式)芝刈機のように商品の動き自体が自動なのか、商品の一部の機能が自動なのか、あるいは、単に手動ではない(何らかの動力要素を持っている)ということなのかが不明である、と述べているが、上述のとおり、複数の意味内容が生じることと、間接的表示に該当することとは関連付けられるものではない。 なお、一般に、自走式のいわゆる「お掃除ロボット」は「オートクリーナー」のように呼ばれておらず、むしろ「オートクリーナー」から「ロボット型(自走式)掃除機」を直感する者は少なく、実際に「自動芝刈機」と称して販売されている製品が存在するが、「ロボット型(自走式)掃除機」ではない、という被請求人の主張は、被請求人の主観にすぎず、かつ、乙第2号証に示されるたった1つの事例をもって、一般化できるものではない。 さらに、被請求人のウェブサイト(甲3)において、「1995年の発売以降、ロボット芝刈機Automower(TM)は継続的に改良されてきました。・・・オールラウンドなロボット芝刈機として定評があります。ハスクバーナは、今やロボット芝刈機の世界的リーダーです。・・・私たちの革新的な技術は、業界をリードしています。」という記載や、「芝を健全に維持するには、大変な労力を伴います。ロボット芝刈機があれば、人手をかけることなく、芝刈りが完了します。Automower(TM)330Xは、最大3,200平方メートルの芝生を維持管理でき、どんな天候や荒れた地形にも対応し、最大45%(24°)の斜面でも作業できます。障害物があれば、一旦停止して方向を変えます。独自のカッティングシステムを採用し、どんな条件でも信頼度の高い結果に仕上げます。」といった記載や、「何もせずゆっくりとくつろいでいる間に、Automower(TM)が芝刈りをしてくれます。ウェザータイマーは、芝の成長速度にあわせて芝刈りを調整します。また、天候/スポットカット機能により、芝が伸びているエリアを感知し、芝刈りを行います。電動による高さ調整機能により、芝生全体の刈高を選択できます。」といった記載があり、被請求人自身が、ウェブサイトにおいて、本件商標から「自動の芝刈機」なる概念が生じることを前提とした様な記載を行っている。 以上により、本件商標は、間接的表示に該当するものではないことは明らかである。 ウ 被請求人は、一般的に「mower=芝刈機」とは認識されていないので、本件商標の意味を直感することはできない、と述べている。 しかしながら、全ての国民は義務教育において中学校の3年間英語を授業で習う、という教育制度下の我が国において、字数の少ない英語であれば充分に音読することができ、また自ら辞書を引くなどしてその意味を理解することも充分可能であるから、「モワー」「モウワー」などと発音したとしても、それが一般的に知られている「モア」のことであることは、容易に推察することができ、また、辞書を引いて確認することも充分に可能である。 また、被請求人は、「mower」の英単語が上級レベルであることから、「モア」「モワー」「モウワー」が「mower」のことであると直ちに認識しにくい、と述べるが、少なくとも芝刈機などの取引者、需要者にしてみると、日常的に使用する言葉であるので、当然のことながら直ちに認識できる言葉であると考える。 エ 被請求人は、国外及び国内の使用事実を挙げ、本件商標は周知であると述べているが、いずれもメディアで紹介された記事が中心であり、本件商標が国内で周知であることを明確に裏付ける使用事実ではないから、本件商標の国内における周知性は備わっていないことが明らかである。 (2)利害関係について 被請求人は、請求人に利害関係がないと主張しているが、請求人は、近い将来本件商標に類似する商標を用いた事業を計画しており、近日中に、本件商標に類似する商標を出願する予定である。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第25号証を提出した。 1 利害関係について 商標登録の無効審判は利害関係人のみが請求可能であるところ、請求人は、本件商標又はこれに類似する商標の使用を行っておらず、かつ、審判請求書に利害関係を有する旨の記載がない。 したがって、請求人は、本件審判を請求するにつき利害関係を有しているとはいえず、本件審判請求は、商標法第56条第1項において準用する特許法第135条の規定により却下されるべきである。 2 本件商標の識別力について (1)本件商標が自他商品役務の識別力を有しない旨の主張について ア 請求人は、本件商標が、「auto」と「mower」を二段に分かれて構成されるため一体不可分でない旨を主張しているが、本件商標の「auto」と「mower」は、書体及び文字の大きさが統一されており、かつ、文字の上下いずれかを線でつなぐというデザイン処理も統一されていることから、本件商標は、全体としてまとまりのある一つの商標であるといえる。したがって、本件商標は、ことさら「auto」と「mower」に分離し、それぞれの語の意味を把握するというよりも、一体不可分なものとして捉えられる。 また、請求人は、「auto」が「自動の」の意味で認識され、「mower」が辞書上「芝刈機」を意味するから全体として「自動の芝刈機」という概念が生じる旨並びに「自動のロボット型芝刈り機」等と認識され、単に商品の品質又は役務の質を表示するものであるという主旨の主張をしているが、商標審査基準では、「商標が、商品又は役務の特徴等を間接的に表示する場合は、商品又は役務の特徴等を表示するものではないと判断する。」と記載されているとおり、本件商標が商品の品質等を間接的に表示するか否かの検討が必要である。そこで検討してみると、接頭辞「auto」については、「操作が自動的に行われる装置や機械」を「オートマチック」、「各種の機械装置を組み合わせて自動的に作業を行う仕組み」を「オートメーション」と指称する用例があるが、接頭辞「auto」には、「自動」という意味の他にも、「自動車」、「オートバイ」、「オートレース」といった複数の意味がある(乙1)。そのため、接頭辞「auto」と「mower」を組み合わせてなる本件商標から生じる意味は一義的とはいえず、「自動車の形状をあしらった芝刈機」や「自動車のような動きをする芝刈機」といった意味が生じ得る。また、「自動」の意味に関しても、ロボット型(自走式)芝刈り機のように商品の動き自体が自動なのか、商品の一部の機能が自動なのか、あるいは、単に手動ではない(何らかの動力要素を持っている)ということなのかが不明である。 さらに、一般に、自走式のいわゆる「お掃除ロボット」は「オートクリーナー」のように呼ばれておらず、むしろ「オートクリーナー」から「ロボット型(自走式)掃除機」を直感する者は少なく、実際に「自動芝刈り機」と称して販売されている製品が存在するが、「ロボット型(自走式)掃除機」ではない(乙2)。加えて、一般的に「mower=芝刈機」とは認識されていない。 したがって、これらの単語の組み合わせが商品等について使用されたとしても、ぼんやりとした間接的なイメージは生じ得るものの、そこから生じる意味を直感することはできないため、商品の特定の品質等を直接的に表示するというべきでない。 このため、本件商標は、一体不可分の造語であると認識され、自他商品役務の識別力を有する。 イ 請求人は、「モア」の文字部分は「芝刈機」を意味するものであると一般的に取引者及び需要者に認識されている旨を主張しているが、「モア」が日本人にとって業界で知られているとしても、「mower」とイコールのものとして認識されていない。つまり、日本人の英語力が低いことは周知の事実であるし、日本社会では英語に接しない者も多いことからすると、上級レベルである「mow」という英単語(乙3)に「er」を付けた「mower」という英単語は一般に知られていないというべきである。そうすると、仮に、「モア」が「芝刈機」と認識している業界の者がいたとしても、それが「mower」とは認識していない。むしろ、「auto mower」を見た者は「オートモウワー」と称呼し、「モウワー」が「モア(芝刈機)」だとは直ちに認識しない。したがって、本件商標から「ロボット型芝刈機」を直感することはなく、「モア」の使用例に基づいて本件商標が識別力を有しないという主張は妥当でない。 ウ 請求人は、「AUTO」や「オート」を含む商標の出願例を挙げ、それらの出願が識別力を理由に拒絶されていることから本件商標も識別力がない旨の主張をしているが、「オートチューニング」や「オート水洗」、「無線オートロックシステム」、「AUTOLOAD」、「オートクローズゲート」、「AUTOANALYZER」、「オートロック」、「AUTO-CAPPER\オートキャッパー」、「オートチューニング」、「オートアイドリングストップ」等は、これら文字全体が商品の品質等を表す語として多数の使用例が発見されるため、本件とは事案が異なる。また、「オートキーレスシステム」は拒絶査定不服審判を経て登録に至っている。さらに、「AUTO SCAN」は商標法第4条第1項第11号を理由に拒絶されており、その引例であろう先願商標「AUTOSCAN」は登録に至っている。加えて、請求人の挙げている例は、反論すらされていないものも多い。したがって、請求人の挙げている例をもって、本件商標の識別力を否定することはできない。 エ 請求人は、過去の審査例及び審決例を挙げ、本件商標は特徴的でない旨を主張しているが、請求人の挙げている例は、いずれも本件商標と同一の特徴を有しておらず、当該審査例及び審決例は、本件とは事案が異なる。 また、請求人が述べているとおり、本件商標は、拒絶査定不服審判にて、特徴的な態様で表されており、単に普通に用いられる方法で表示してなるものとはいい難いと判断されている(乙4)ことから、本件商標が普通に用いられる方法で表示されているとは到底いえない。 オ 本件商標は、既に被請求人の本国スウェーデン及び日本、ヨーロッパ、中東等世界各国において実際に使用されており、商標としての自他商品役務識別機能を充分に発揮している。 本件商標の実際の使用態様については、本件商標を使用したロボット型芝刈機(以下「本件芝刈機」と呼ぶ。)は、様々なデザインや色のモデルが出ているが、その全てにおいて、商品の中で最も目立つ位置である正面部中央に本件商標を付して使用している(乙5)。当該使用態様から理解できるとおり、本件商標は、需要者の注意を惹くように大きく、かつ、ブランド名として認識できる位置に表示されている。このため、実際の取引における使用態様を踏まえれば、尚更、本件商標が識別力を有しているというべきである。 また、以下に示すように、需要者及び取引者は、審決時に本件芝刈機を被請求人の商品として認識している。 (ア)外国における実情について 36万2481部が発行されているドイツのガーデニング雑誌「FAMILIENHEIM UND GARTEN」(2014年4月号)は、本件芝刈機について、その機能を高く評価している(乙6)。また、オーストリアのメディア監視団体Clipが発行した被請求人に関する新聞記事の切り抜きにおいては、本件芝刈機について、他社製品と比較した上で、その機能を賞賛している(乙7)。さらに、スイスの放送局SRFが発行した他社製品との比較結果においても、本件芝刈機について、価格、性能、手入れのしやすさ、安全性といった点を総合して「とても良い」と評価するとともに、比較対象製品の間で最高得点となる5.6を与えている(乙8)。また、本件芝刈機は、使用時に静かであることを評価された結果、国際的な騒音防止団体による認証マーク「クワイエット・マーク」を与えられている(乙9)。 こうしたメディアによる評価等が示すとおり、本件芝刈機は、メディアから被請求人を出所とする製品として注目されており、上記のようなメディア刊行物の他にも、本件芝刈機を、優れた製品として紹介するウェブサイトは無数に存在している。 したがって、本件商標が、取引者、需要者の間で、被請求人の商品について使用するものとして、世界各国において広く認識されているというべきである。 (イ)日本における実情について 被請求人は、現在までに、本件芝刈機について、我が国の取引者、需要者を対象とした広告宣伝活動を精力的に行っており、被請求人は、ゴルフ場関係者等の芝刈作業を行う事業者を対象とした実演会を行っている(乙10)。また、当該ロボット型芝刈機については、大勢が来場する緑化行事においても展示・実演が行われている(乙11)。さらに、本件芝刈機は、日本各地で使用されるようになっており、企業、教育施設、医療施設といった不特定多数人の目につく公共の場所で使用されている(乙12)。こうした使用実績に海外での使用実績も相俟って、日本への本格的な導入前の時点で、当該ロボット型芝刈機は、日本国内においても高い評価を受けており(乙13)、複数の日本語のニュースサイトでも紹介されている(乙14、乙15)。 日本への本格導入開始の際には、本件芝刈機の展示及びデモを行うイベント「みどりとふれあうフェスティバル」が行われ(乙16)、このイベントでは、本件芝刈機のみならず、イベント時に使用された椅子にも本件商標が表示されていた(乙17)。当該イベント及び本件芝刈機の情報は多数のニュースサイトで紹介されており(乙18?乙23)、いかに本件芝刈機が注目されているかがうかがい知れる。さらに、業界紙「農業食料工学会誌」には、本件芝刈機に関する記事が掲載されている(乙24)。当該ニュースサイト及び業界紙には、「Automower」が1995年に世界で最初に製造・販売されたロボット(自走式)芝刈機である旨が記載されている。また、被請求人の商品の公式フライヤーには、この事実に加えて、本件芝刈機が世界で最も売られているロボット芝刈機である旨の記載がある(乙25)。 このように日本への本格導入前にも後にも注目されているのは、被請求人が世界で初めて自走式芝刈機を市場導入したこと、本件芝刈機が世界で最も売られていること、同種商品の市場参入者が少なく、特に日本において市場規模が大きくないこと、本件芝刈機が自走という機能面だけでなくデザイン面でも画期的であることが強く影響していると考えられる。特に、本件芝刈機が世界で初の商品であり最も売られていることは、日本の需要者にとって強い関心事項である。また、こういった重要情報は、インターネット等により情報技術が発達した昨今においては、我が国の需要者においても容易に知り得るものであり、さらに、我が国においては各家庭の芝生の庭の面積は外国に比べて狭い傾向にあることから、家庭での利用を目的とした需要者の数は多くはない。 したがって、ロボット型芝刈機の我が国における需要者層としては、ゴルフ場、ホテル、庭園、レストラン等の娯楽施設運営者や病院、公園等の公共施設運営者に加え、郊外で広い芝生の庭を持つ一部の世帯が主な需要者となる。よって、広い芝生の庭を持たない大部分の世帯は需要者層に入らない。我が国におけるこのような実情から、ロボット型芝刈機の需要者は施設運営者等が主となり、その範囲は限定されるため、市場規模は外国に比して相対的に小さく、ロボット型芝刈機を必要とする需要者は自然と、海外で売れていたり広く話題となっている商品に目を向けるといえ、本件商標の指定商品及び役務の分野においてはより一層、日本の需要者によって本件芝刈機が注目されているということができる。 以上により、本件商標に係る商品は、20年以上に亘って外国で使用され、最も売られてきており、日本での本格導入前から関連情報が出回ってきたことも相撲って、その注目度は計り知れないものとなっている。 したがって、本件商標は、広く認識されるようになっているというべきであり、この観点からも識別力を有しているといえる。 (2)小括 請求人の本件商標が自他商品役務の識別力を有しないという主張は妥当ではない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、請求人は、本件審判を請求するにつき利害関係を有しないため、本件審判請求は、商標法第56条第1項において準用する特許法第135条の規定により却下されるべきであり、かつ、本件商標は自他商品役務識別力を有しており、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 第4 当審の判断 1 利害関係について 被請求人は、請求人が本件審判を請求することについて、利害関係を有しないと主張している。 しかしながら、請求人は、近い将来本件商標に類似する商標を用いた事業を計画しており、また、近日中に、本件商標に類似する商標を出願する予定である旨主張している。 そうすると、請求人は、本件商標と同一又は類似の商標の使用を予定している者であるから、本件商標の登録の無効を求めることには理由があり、その無効審判を請求する利害関係を有するものというべきである。 2 本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について (1)芝刈機等に関する請求人提出の証拠によれば、「MOWER」等の文字の使用については、以下のとおりである。 ア 「株式会社共栄社」の製品紹介のウェブサイト(甲2号証の1ないし3)には、「GMシリーズ/Grass Mower Series」について、「バロネスGMシリーズは、ゴルフ場から公園、庭園、グランドまでの幅広い作業に適した草刈機です。」の記載があり、「GM480/手押ロータリーモア」、「GM65AW-R/自走ロータリーモア」及び「GM117A/乗用ロータリーモア」等の表示とともに商品の写真が掲載されている(甲2の1)。 また、「HMシリーズ/Hammer Knife Mower Series」について、「自然環境の整備を目的とし、傾斜地や不整地での草刈集草作業に対応するのが、HMシリーズです」の記載があり、「HM72-R/ハンマーナイフモア」、「HMB80/ハンマーナイフモア」等の表示とともに商品の写真が掲載されている(甲2の2)。 さらに、「LMシリーズ/Lawn Mower Series」について、「・・・バロネスLMシリーズは、ゴルフコースの芝管理に最適な専用機のラインナップ。」の記載があり、「LM12MH/自走式モーターモア」、「LMB12/自走式バッテリーモア」及び「LM315GC/乗用3連グリーンモア」等の表示とともに商品の写真が掲載されている(甲2の3)。 イ 「株式会社やまびこ」の2016年総合カタログ(甲2の4)には、「MOWER SERIES」(「SERIES」の文字は、「MOWER」の文字の4分の1程度の大きさで細く小さな文字で書されている。以下同様)の表示があり、その2頁目には、「風を感じながら/・・・操作性・作業性・耐久性を追求してきたのが共立モアシリーズ。”走る””乗る”草刈りで、どなたでもスピーディな作業が行えます。」の記載があり、「MOWER SERIES 01」?「MOWER SERIES 08」の商品が紹介されており、例えば「MOWER SERIES 02 乗ったまま広い面積をスイスイ刈れる 乗用モアシリーズ」、「MOWER SERIES 03 小回り性能に優れた歩行用ロータリーモア オートモアシリーズ」、「MOWER SERIES 04 芝刈りから雑草刈りまでマルチに活躍する歩行用ロータリーモア フレックスモア」の見出しの下、商品写真が掲載されており、また、裏表紙には、「仕様」の見出しの下、「名称」の欄に「乗物モア」、「オートモア」、「ハンマーナイフモア」、「クローラハンマーナイフモア」、「フレックスモア」、「牧草モア」の表示があり、それぞれの商品について型式、寸法等が記載されている。 ウ 「KINBOSHI Corporation」の2016年総合カタログ(甲2の5)には、「手動芝刈機/PUSH TYPE LAWN MOWER」の見出しの下、「刃調整不要の手動式芝刈機」として、「プレシャスモアー」、「ブリティッシュモアーDX」等の表示とともに、商品の写真が掲載され、その機能等が紹介されている。また、「電気芝刈機/ELECTRIC LAWN MOWER」の見出しの下、「電気芝刈機」として「ハイパーグリーンモアー ハイ&ロー」及び「カルソーモア-」等が、「充電芝刈機」として「ECO MOWER エコモ」が、その表示とともに、商品写真が掲載され、機能等が紹介されている。 さらに、「エンジン芝刈機/ENGINE LAWN MOWER」の見出しの下、「自走式グリーン専用芝刈機」として「グリーンモアー」、「自走式リール芝刈機」として「グランモアー」等が、その表示とともに、商品の写真が掲載され、機能等が紹介されている。 エ 「浅香工業株式会社」のウェブサイト(甲2の6)には、「芝刈機」の見出しの下、「金象印 手動芝刈機 トラッドモア-20」の記載とともに、商品の写真が掲載され、機能等が紹介されている。 (2)「MOWER」及び「モア」等の文字について 上記(1)によれば、芝刈機について、「LAWN MOWER」の欧文字による表記は使用されている(甲2の5)ものの、「GMシリーズ/Grass Mower Series」、「HMシリーズ/Hammer Knife Mower Series」、「LMシリーズ/Lawn Mower Series」、及び「MOWER SERIES」(甲2の1?4)の表示は、その表示中の「Mower」又は「MOWER」の文字が、草刈機又は芝刈機を表すものとして使用されていることが明らかとはいえないものであり、また、「自走ロータリーモア」、「乗用ロータリーモア」、「自走式バッテリーモア」、及び「乗用モア」、「牧草モア」(甲2の1、甲2の3、甲2の4)の表示も、その表示中の「モア」の文字が、草刈機又は芝刈機を表すものとして使用されていることが明らかでない。 加えて、「フライングモア」、「ハンマーナイフモア」、「グリーンモア」、「プレシャスモアー」及び「トラッドモアー20」(甲2の1?3、甲2の5、甲2の6)といった表示が使用されているとしても、その表示中の「モア」又は「モアー」の文字は、商品の名称として他の文字と一体不可分的に使用されているとみるべきものである。 さらに、「オートモア」の文字が使用されてる(甲2の4)としても、僅か1社にすぎず、かつ、該表示で紹介されている商品には、自走式、自動式として紹介されているものはなく、該「オートモア」の表示において、「オート」が如何なる意味合いで使用されているかが明らかなものとはいえず、「オートモア」の文字が、自動式(自走式)の芝刈機の意味合いをもって使用されているとはいい難いものである。 (3)本件商標の識別力について 本件商標は、別掲に示したとおり、「auto」の文字と「mower」の文字を上下二段に横書きしてなるものであるところ、その態様は、全ての文字を斜体で表し、上段の「auto」の文字並びに下段の「w」、「e」及び「r」の文字を下線で、また、下段の「m」、「o」及び「w」の文字の上部を線でつないだ構成からなる特徴的な態様に図案化されているものである。 そして、その構成中「auto」の文字は「(1)自身の、独自の、(2)自動の」の意味を、「mower」の文字は「(1)[主に複合語で]刈り取り機:芝刈り機(lawnmower)(2)草刈師、除草師」の意味合い(いずれも「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)を、それぞれの語のみで有しているとしても、本件商標は、外観上、同じ書体、同じ大きさをもって表示されており、かつ、文字の上下いずれかを線でつなぐという文字のデザイン化も同一であり、その全体としてまとまりのある一つの商標として把握されるものといえ、その構成文字に相応して生じる「オートモア」の称呼も長くはないものであって、よどみなく一気に称呼し得るものである。 請求人は、「モア」の文字について、複数の企業により芝刈機に使用されており、取引者、需要者に「芝刈機」を意味するものとして認識されているとして、甲第2号証を提出しているが、該甲号証において、「モア」(モアー)の文字が「芝刈機」を表すものとして使用されているとはいえないこと、及び該甲号証には「オートモア」の表示は、僅か一件しかなく、これが「自動式(自走式)の芝刈機」の意味合いで普通に使用されているとはいえないことは、上記(1)オのとおりであり、かつ、提出された証拠において「auto mower」の表示は使用されていない。 さらに、職権をもって調査するも、本件商標の指定商品及び指定役務の分野において、商品又は役務の品質、質を表すために「オート」又は「auto」の文字、「auto mower」又は「オートモア」の文字が一般に使用されている事情を見いだすこともできなかった。 そうすると、本件商標は、これらの点を勘案するならば、その全体として、一体不可分の一種の造語として理解されるものといえるから、自他商品及び役務の識別標識として機能し得ないとまではいうことができないとみるのが相当である。 また、本件商標の態様は、上記のとおり、図案化されており、特徴的な態様で表されたといえるものであるから、本件商標は、単に普通に用いられる方法で表示してなるものとはいい難いものである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号には該当しない。 3 請求人の主張について 請求人は、本件商標は「auto」の文字部分と「mower」の文字部分とに分かれて認識されるものであり、「auto」の文字部分からは「自動の」の意味が、「mower」の文字部分からは「芝刈機」の意味が把握され、その全体として、「自動芝刈機」程度の意味内容が把握されるから、本件商標は、単に指定商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示するものであり、また、本件商標に施されたデザインは、特徴的な態様に図案化されているとはいい難く、「単に普通に用いられる方法で表示する商標」として認められる範ちゅうをでるものではない旨主張し、「オート」又は「AUTO」(Auto)の文字を含む商標、文字が図案化された商標及び二段書きの構成の商標の審査例、審決例を挙げている。 しかしながら、商標が識別力を有するか否かの判断は、当該商標とその指定商品及び指定役務との関係において、その構成文字によって個別・具体的に判断すべきものであって、これら審査例、審決例をもって、本件の判断が左右されるべきものではない。 また、請求人は、「モア」の文字は、複数の企業により芝刈機に頻繁に使用されているから、「mower」の文字に識別力は無い旨、また、少なくとも芝刈機などの取引者、需要者にあっては、「モア」は「mower」であると直ちに認識できる語である旨主張し、甲第2号証を提出している。 しかしながら、この証拠には、該文字を使用しているのは僅か4社しかなく、当該分野の規模、日本における企業数なども明らかにされておらず、これをもって、「モア」又は「mower」の文字が、「芝刈機」を表す語として、我が国、あるいは、本件商標の指定商品及び指定役務の分野において、広く使用されているということはできない。 さらに、請求人は、被請求人が、自身のウェブサイトにおいて、本件商標から「自動の芝刈機」なる概念が生じることを前提とした様な記載を行っている旨主張する。 しかしながら、被請求人のウェブサイトにおける、ロボット型芝刈り機に使用する「Automower」の表示には、登録商標であることを表す際に慣用されている「TM」の文字を付しているものであるから、該表示が商品の品質を表す語として使用されているとはいえず、本件商標から「自動の芝刈機」の概念が生じるとはいえない。 したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項に基づき、その登録を無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
審理終結日 | 2017-04-27 |
結審通知日 | 2017-05-08 |
審決日 | 2017-05-26 |
出願番号 | 商願2013-91365(T2013-91365) |
審決分類 |
T
1
11・
13-
Y
(W070937)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 岩崎 安子、冨澤 美加 |
特許庁審判長 |
井出 英一郎 |
特許庁審判官 |
山田 正樹 中束 としえ |
登録日 | 2015-12-18 |
登録番号 | 商標登録第5813728号(T5813728) |
商標の称呼 | オートモアー、オートモア、モアー、モア |
代理人 | 久保 怜子 |
代理人 | 遠藤 聡子 |
代理人 | 岡村 太一 |
代理人 | 筒井 宣圭 |
代理人 | 行田 朋弘 |
代理人 | 小暮 理恵子 |
代理人 | 梶原 圭太 |
代理人 | 有吉 修一朗 |
代理人 | 森田 靖之 |