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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない W30
管理番号 1330274 
審判番号 取消2016-300424 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-06-15 
確定日 2017-07-03 
事件の表示 上記当事者間の登録第5533132号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5533132号商標(以下「本件商標」という。)は,「出世餃子」の文字を標準文字で表してなり,平成24年5月1日に登録出願,第30類「ぎょうざ,ぎょうざのたれ」を指定商品として,同年11月2日に設定登録されたものである。
なお,本件審判の請求の登録は,平成28年6月28日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は,その指定商品について,本件審判の請求の登録前3年以上日本国内において被請求人により使用されている事実が存しない。なお,平成28年6月15日現在の登録原簿(甲1)によれば,使用権の設定登録はない。
2 答弁等に対する弁駁
(1)乙第1号証には,「ぎょうざ」を提供する飲食店である「極美」に関する「食べログ」及び「フェイスブック」のインターネットアドレスが記載されている。
乙第2号証によれば,「極美」のメニューに「出世餃子」が記載され,また,「餃子の皮」を仕入れていた会社から「極美」に対する請求書の写真が載せられている。
これらには,「極美」に関することは記載されているが,本件商標権者と,本件商標を使用していたと主張する「極美」との関係は,記載されていない。
また,平成28年6月15日現在の登録原簿によれば,本件商標に使用権の設定登録はなく,「極美」が本件商標の使用権者である事実は,認められない。
(2)本件商標の指定商品は,第30類「ぎょうざ,ぎょうざのたれ」であって,第35類「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」又は第43類「飲食物の提供」ではない。
よって,飲食店内で提供する餃子に関して,本件商標をメニューに記載して提供する行為は,商品に係る商標の使用に該当せず,乙第1号証及び乙第2号証は,本件商標をその指定商品のいずれかに使用していた事実を証明するものではない。
(3)被請求人は,本件指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしていないことについて,正当な理由があることを明らかにしていない。
3 審判長は,請求人に対し,被請求人が提出した平成28年11月27日付け(30日差出)及び同29年1月21日付け(30日差出)の回答書を送付し,相当の期間を指定して意見を求めたが,請求人から意見書の提出はなかった。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
(1)本件商標権者は,平成24年5月23日から同28年2月29日まで,東京都墨田区東駒形4-21-2において,「出世餃子 極美」を出店しており,メニューに「出世餃子」を提供していた。
ア 食べログ及びフェイスブックには,実在していた証拠となる画像や来店者のコメントの記載がある(乙1)。
イ 店頭の写真には,POPの中に餃子のメニューがあり,食べログにて第三者である来店者が投稿した写真には,メニュー名に出世餃子と記載されている。
ユーチューブで当店の取材を受けた時の動画の一コマには,人気メニュー出世餃子と明記されており,年間500店以上を食べ歩く飲食店プロデュサーの食日記に,出世餃子が掲載されている。
クーポンサイトにて,出世餃子などのメニューに利用できる食事券を販売し,餃子の皮を仕入れていた会社からの請求書及び使用していたメニューがある(乙2)。
(2)「出世餃子 極美」を出店していたのは,株式会社COOである。本件商標権者の代表取締役は,株式会社COOの代表取締役である。
したがって,「出世餃子 極美」で,本件商標を使用していたのは,本件商標権者である(乙3)。
(3)テイクアウトで販売していた事実を提出する(乙4)。
2013年9月,食べログに口コミを入れたKの添付の写真の中に,餃子のテイクアウトを宣伝している文言が確認できる。
2013年4月,食べログに口コミを入れたRの添付の写真の中に,餃子のテイクアウトを宣伝している文言が確認できる。

第4 当審の判断
1 被請求人が提出した乙各号証によれば,以下のとおりである。
(1)本件商標権者の代表取締役(乙3の1葉目)は,自身が代表取締役を務める,事業の目的を「食料品の販売」とする株式会社COO(乙3の2葉目)の名義で,東京都墨田区東駒形4丁目21番2号の「パルステアース」の建物(1階)について,貸主と,事業用賃貸借契約書(乙3の3葉目)を交わしたものであり,その「事業内容」には「飲食店/中華(主要商品 餃子)」,「契約期間」には「平成24年2月1日から平成27年1月31日まで(3年間)」の記載がある。
(2)店頭の画像(乙4の1葉目)には,店舗の入り口上部に「極美」の文字が表示され,「極美 出世餃子」ののぼり旗が掲げられ,店頭に置かれている黒板には,やや不鮮明ながら「出世餃子」の文字が記載されている。
また,乙第4号証の2葉目には,同号証の1葉目と同様の黒板に,「?極美名物?/出世餃子(8ケ)280円/※お持ち帰りできます!!」の文字が記載されている。
(3)職権調査によれば,乙第4号証のKの口コミは,2013年(平成25年)9月に訪問したときのものであり,1葉目の上段の写真と同様の写真が掲載され,店舗基本情報の店名には「出世餃子 極美」,住所には「東京都墨田区東駒形4-21-2」の記載がある。
そして,乙第4号証のRの口コミは,2013年(平成25年)4月に訪問したときのものであり,2葉目の写真と同様の写真が掲載され,店舗基本情報には,店名及び住所について前記と同様の記載がある。
2 上記1によれば,次のとおり判断できる。
本件商標の通常使用権者と認められる株式会社COOは,経営する「極美」との名称の店舗において,2013年(平成25年)9月に,「出世餃子」の表示の下,商品「餃子」に関する広告(値段及び持ち帰りできること)を記載した黒板を展示したものである。
そして,当該商品「餃子」は,本件審判の請求に係る指定商品中の「ぎょうざ」と同一のものである。
また,上記広告について使用された「出世餃子」の文字は,「出世餃子」の文字からなる本件商標と社会通念上同一のものである。
そうすると,本件商標の通常使用権者は,本件審判の請求の登録前3年以内である2013年(平成25年)9月に,本件審判の請求に係る指定商品中の「ぎょうざ」に関する広告に,本件商標と社会通念上同一の商標を付して展示したということができ,本件商標の通常使用権者による当該行為は,商品に関する広告に,標章を付して展示する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当するものと認められる。
3 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標の通常使用権者が,その請求に係る指定商品について,本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)の使用をしていたことを証明したと認められる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-05-09 
結審通知日 2017-05-12 
審決日 2017-05-23 
出願番号 商願2012-35111(T2012-35111) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (W30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安達 輝幸石井 亮 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 田中 亨子
原田 信彦
登録日 2012-11-02 
登録番号 商標登録第5533132号(T5533132) 
商標の称呼 シュッセギョーザ、シュッセ 
代理人 越川 隆夫 

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