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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない W09
審判 査定不服 観念類似 登録しない W09
審判 査定不服 外観類似 登録しない W09
管理番号 1330242 
審判番号 不服2016-10218 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-06 
確定日 2017-07-14 
事件の表示 商願2015-110752拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「SeaGull-LC」の欧文字及び記号を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成27年5月29日に登録出願された商願2015-051102に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年11月11日に登録出願されたものである。
その後、本願商標の指定商品については、当審における平成28年8月8日受付の手続補正書により、第9類「業務用電子計算機用プログラム」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5783397号商標(以下「引用商標」という。)は、「SEAGULL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年8月22日登録出願、第9類「測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同27年8月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、標準文字により、「SeaGull」の欧文字と「LC」の欧文字とを「-」(ハイフン)を介して結合してなることから、その構成は、前半の「SeaGull」の欧文字部分と後半の「LC」の欧文字部分とに、視覚上分離して看取されるものである。
そして、本願商標の前半を構成する「SeaGull」の欧文字部分は、「海カモメ」の意味を有し、「シーガル」と発音される英語「sea gull」を表したものと認識されるものである。
一方、「-」(ハイフン)を介し本願商標の後半を構成する「LC」の欧文字部分については、一般的には、欧文字2字の標章が商品の品番・等級等を表示する記号・符号として類型的に使用されている実情があることからすれば、当該欧文字部分は、商品の品番、等級等を表す記号又は符号として認識されるものというのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中、前半の「SeaGull」の欧文字部分と後半の「LC」の欧文字部分とは、「-」(ハイフン)を介していることから、視覚上、明確に分離して観察されるものであり、前半を構成する「SeaGull」の欧文字部分が本願の指定商品との関係で自他商品の識別標識としての機能を十分に発揮し得るものであるのに対し、後半を構成する「LC」の欧文字部分は、商品の品番、等級等を表す記号又は符号を表すものとして認識され、自他商品の識別標識としての機能を発揮しないものであり、該文字部分のみから、商品の出所識別標識としての称呼、観念は生じないと認められる。
してみれば、本願商標は、その構成中「SeaGull」の欧文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであるから、本願商標は、その構成中の「SeaGull」の欧文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標(引用商標)と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって、本願商標は、構成全体より生じる「シーガルエルシー」の称呼のほか、要部である「SeaGull」の欧文字に相応して、「シーガル」の称呼及び「海カモメ」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「SEAGULL」の欧文字を標準文字で表してなるところ、上記(1)と同様に、該文字から「シーガル」の称呼及び「海カモメ」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否
本願商標の要部である「SeaGull」の欧文字部分と引用商標の「SEAGULL」の欧文字を対比するに、称呼及び観念については、「シーガル」の称呼及び「海カモメ」の観念を共通にするものである。外観については、頭文字の「S」及び4文字目の「G」以外の欧文字に小文字と大文字の違いはあるものの、両者は同じ文字綴りからなるものであるから、外観上、近似した印象を与える類似したものであるといえる。
そうとすると、本願商標の要部と引用商標とは、「シーガル」の称呼及び「海カモメ」の観念を共通にし、外観上も近似した印象を与えるものであるから、これらを総合勘案すれば、互いに類似する商標というべきである。
したがって、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用の指定商品の類否
本願商標の指定商品である「業務用電子計算機用プログラム」は、引用商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品であるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」とは、同一又は類似するものである。
(5)小活
以上からすれば、本願商標と引用商標とは、類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の「LC」の欧文字部分は「life care」の略語であって、商品の品番・規格等を表す記号として使用しているものではなく、アルファベット2文字が品番・規格等を表す記号として使用される場合があるとしても、品番・規格等は一般的には、アルファベットと数字を組み合わせて使用することによって、複数種の商品を管理するものであるから、「SeaGull」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべきではなく、本願商標は「SeaGull?LC」の全体をもって取引されるとするのが相当である旨主張する。
しかしながら、「LC」の欧文字2字が、本願商標の指定商品に係る分野において、「life care」の略語を表すものとして一般に認識されているとは認められず、その証左も提出されていない。また、一般的に、欧文字の2字の標章が商品の品番・等級等を表示する記号・符号として類型的に使用されている実情があることから、当該欧文字部分は、商品の品番、等級等を表す記号又は符号として認識されることは上記(1)のとおりであり、このような実情が、「電子計算機用プログラム」に係る分野においても同様であることは、例えば、別掲のとおり、同じブランド名における商品シリーズのバージョンアップした製品であること表す場合等、ブランド名の後に続けて商品の型番・種別等を表すものとして欧文字2字を付して使用されている実情があることからも確認することができる。
イ 請求人は、本願商標は「SeaGull-LC」の全体として使用され、認識されているのみならず、請求人の商標として広く知られているものであるから、本願商標は「SeaGull-LC」の全体として把握すべきであり、本願商標からは「シーガルエルシー」の称呼のみが生じるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が提出した証拠からは、本願商標が、その指定商品について使用しているのか、あるいは、例えば「電子計算機用プログラムの提供」のような役務について使用しているのかが明確でないばかりでなく、本願商標をその指定商品に使用した広告宣伝の方法、回数、商標の使用開始時期、販売数量等を示す証左も提出されておらず、これよりは、本願商標が、その指定商品の分野において、本願商標全体をもって請求人の使用する商標として広く知られているものであると認めることはできない。
ウ 請求人は、本願商標の指定商品を「業務用電子計算機プログラム」に減縮補正するとともに、「SeaGull-LC」の商品は一般の取引者を対象とするものではなく、業務用に使用されるものであり、専門知識及び高度の注意力を有する取引者を対象としており、そのような取引者・需要者にとって、本願商標と引用商標は別異のものであると認識されるであろうことは明白である旨主張する。
しかしながら、請求人は主張するのみで、これを立証する証拠の提出はない。そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似していること、上記(4)のとおりであり、それらの商品の分野において、本願商標と引用商標とが類似の商標であるとする上記判断を左右する取引の実情は見いだせない。
エ したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(7)結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであって、登録することできない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「電子計算機用プログラム」に係る分野において、欧文字2字が、商品名の後ろに続けて商品の品番、型番、種別、規格等を表す記号又は符号として使用されている例(下線は、当合議体が付加。)
(1)「セイコーエプソン株式会社」のウェブサイトにおいて、「ソフトウェア概要」の標題の下、「ソフトウェアの名称」の項目に「Type-NR タッチパッドドライバ」の記載及び「製品型番」の項目に「NR」の記載がある。
(http://www.epson.jp/dl_soft/readme/4500.htm)
(2)「株式会社構造システム」のウェブサイトにおいて、「小規模壁式鉄筋コンクリート造建物の一貫構造計算 HOUSE-WL」の見出しの下、「建物形状をそのまま入力できる壁式鉄筋コンクリート造構造計算ソフト」の記載及び「入力・モデル化」の標題の下、「建物形状では入力できない荷重を入力することや在来木造の構造計算ソフト『HOUSE-ST1』から建物重量などを受け取ることができます。」の記載がある。
(http://www.kozo.co.jp/program/kozo/house/house-wl/)
(3)「株式会社 ライトストーン」のウェブサイトにおいて、「パッケージの種類」の標題の下、「Stataは1つのソフトウェアですべての機能が揃う統合型統計ソフトウェアです。」の記載及び「Stataのパッケージは取扱うデータの規模と計算する処理速度により段階分けされており、熟練した研究者の方々から学生の方々に至るまで、多様なニーズに対応できるStataが用意されています。」の記載とともに、「・Stata/MP:マルチコアやマルチプロセッサの性能を最大限発揮できるStataです ・Stata/SE:大規模なデータセットの分析に適したStataです ・ Stata/IC:中規模なデータセットに適したStataです」の記載がある。
(http://www.lightstone.co.jp/stata/whichstata.htm)
(4)「株式会社インプレス」のウェブサイトにおいて、「『Adobe Reader』の後継ソフト『Adobe Acrobat Reader DC』提供開始、『Adobe Document Cloud』も」の見出しの下、「アドビシステムズ株式会社は7日、同社の新しいクラウドサービス『Adobe Document Cloud』を提供開始したのに合わせ、無料のPDFビューアー『Adobe Reader』を『Adobe Acrobat Reader DC』にアップデートした。」の記載がある。
(http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/696733.html)
(5)「ヤマハ株式会社」のウェブサイトにおいて、「XGworks ST」の標題の下、「概要」の項目に「人気抜群のロングセラーモデル『XGworks』が、上級モデル「SOL2」と同等のシステムを採用して、より一層パワフルに進化。XGworks STはまさに“音楽制作ソフトの新・定番”です。」の記載がある。
(http://jp.yamaha.com/product_archive/music-production/ma-65w/?mode=model)

審理終結日 2016-10-17 
結審通知日 2016-10-21 
審決日 2016-11-02 
出願番号 商願2015-110752(T2015-110752) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (W09)
T 1 8・ 261- Z (W09)
T 1 8・ 263- Z (W09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人豊田 純一太野垣 卓 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 真鍋 伸行
酒井 福造
商標の称呼 シーガルエルシイ、シーガル 
代理人 きさらぎ国際特許業務法人 

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