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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1328076 
異議申立番号 異議2016-900384 
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-05 
確定日 2017-05-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5877729号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5877729号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5877729号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成28年2月23日に登録出願、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。),ウイスキー,ブランデー,ワイン,スピリッツ,リキュール」を指定商品として、同年7月26日に登録査定、同年9月2日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、以下のとおりであり、いずれも、現に有効に存在しているものである。
(1)登録第4108738号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成8年2月20日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年1月30日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第898514号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、2006年(平成18年)7月24日に国際商標登録出願、第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年11月22日に設定登録されたものである。
(3)国際登録第1086092号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、2010年11月19日にLiechtensteinにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)5月13日に国際商標登録出願、第32類及び第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年4月20日に設定登録されたものである。
(4)国際登録第1088940号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、2010年11月19日にLiechtensteinにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)5月13日に国際商標登録出願、第32類及び第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年4月20日に設定登録されたものである。
(5)国際登録第1200443号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲6のとおりの構成からなり、2013年9月30日にLiechtensteinにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2014年(平成26年)2月19日に国際商標登録出願、第32類及び第33類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成26年11月14日に設定登録されたものである。
上記(1)ないし(5)の商標をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標と引用商標との間には微細な相違はあるものの、いずれも、翼を広げたコウモリの体が略左右対称に表され、コウモリの翼手の親指の部分(図形の翼の最上部)がその頭よりも高い位置に掲げられ、さらに、コウモリの脚(後足)が小さく、しかしながら明瞭にはっきりと表されている点で共通している。
これにより、いずれの商標も、着想、構図において、その構成の軌を一にするものと容易に認識、理解され、看者に外観上酷似した印象を与え、本件商標と引用商標とを時と場所を異にして離隔的に観察した場合、相紛れるおそれがあるといわざるを得ない。
しかも、図形の持つ情報伝達力は、今日、捨象することができない程極めて大きいながらも、簡易・迅速を尊ぶ実取引においては、必ずしも図形の細部まで正確に記憶し、想起して商品の出所を識別するとは限らず、図形全体から受ける印象によって商品の出所を識別することも少なくない。
かかる実情を勘案すれば、構成の軌を一にする本件商標と引用商標とを誤認混同するおそれは決して少なくないとするのが相当である。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当することは明らかである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、翼を広げたコウモリと思しき動物をシンメトリーにピンク色のシルエットに描いた図形(翼手の外端部は、頭の側方に位置する。以下「本件コウモリ図形」という。)、ピンク色の「eros」の文字(「s」の文字からは、液体状のものが滴っている。)及び黒色の「energy liqueur」の文字(「eros」の文字の大きさに比して、極めて小さい。)を三段に表示してなるところ、その構成中、本件コウモリ図形部分と文字部分は、分離して構成されており、両者の強い観念上のつながりなども認められないから、本件コウモリ図形部分が独立して看取される場合もあるといえる。
そして、本件コウモリ図形部分は、「ピンクノコウモリ」の称呼及び「ピンクのコウモリ」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は、別掲2のとおり、円輪郭を伴う頭が右向きの翼を広げたコウモリと思しき動物を線書き風に描いた図形(翼手の外端部は、尾の側方に位置する。以下「引用コウモリ図形1」という。)を表示してなるものである。
(イ)引用商標2は、別掲3のとおり、円輪郭状の図形を伴う頭が右向きの翼を広げたコウモリと思しき動物を線書き風に描いた図形(翼手の外端部は、尾の側方に位置する。以下「引用コウモリ図形2」という。)を表示してなるものである。
(ウ)引用商標3及び4は、別掲4及び5のとおり、円輪郭状の図形を伴う頭が左向きの翼を広げたコウモリと思しき動物を線書き風に描いた図形(翼手の外端部は、尾の側方に位置する。以下「引用コウモリ図形3」という。)を表示してなるものである。
(エ)引用商標5は、別掲6のとおり、円輪郭を伴う頭が右向きの翼を広げたコウモリと思しき動物を写実的に描いた図形(翼手の外端部は、尾の側方に位置する。以下「引用コウモリ図形4」という。)及び「MARCA DE FABRICA」の文字を表示してなるものである。
(オ)引用コウモリ図形1ないし4(以下「引用コウモリ図形」という。)は、「コウモリ」の称呼及び「コウモリ」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用コウモリ図形との類否について
(ア)外観について
上記アのとおり、本件商標の構成中の本件コウモリ図形は、シンメトリーにピンク色のシルエットに描いた図形であって、翼手の外端部が頭の側方に位置するのに対し、上記イのとおり、引用コウモリ図形1ないし3は、線書き風に描いた図形であり、また、引用コウモリ図形4は、写実的に描いた図形であって、いずれも翼手の外端部が尾の側方に位置し、さらに、頭が左右いずれかを向いているところに差異を有するから、本件コウモリ図形と引用コウモリ図形とは、翼を広げたコウモリであるという点が共通するとしても、両者から受ける印象は全く異なるものといえるから、両者を時と所を異にして離隔観察しても、外観において相紛れるおそれのないものである。
(イ)称呼及び観念について
上記アのとおり、本件コウモリ図形は、「ピンクノコウモリ」の称呼及び「ピンクのコウモリ」の観念を生じるのに対し、上記イのとおり、引用コウモリ図形は、「コウモリ」の称呼及び「コウモリ」の観念を生じるものであるから、両者は、称呼及び観念において相紛れるおそれのないものである。
(ウ)小括
上記(ア)及び(イ)のとおり、本件コウモリ図形と引用コウモリ図形とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないものであるから、結局、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1 本件商標(色彩は原本参照)



別掲2 引用商標1



別掲3 引用商標2



別掲4 引用商標3



別掲5 引用商標4(色彩は原本参照)



別掲6 引用商標5(色彩は原本参照)



異議決定日 2017-05-01 
出願番号 商願2016-24686(T2016-24686) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
T 1 651・ 263- Y (W33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 椎名 実 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 小松 里美
大森 健司
登録日 2016-09-02 
登録番号 商標登録第5877729号(T5877729) 
権利者 マルカイコーポレーション株式会社
商標の称呼 エロスエナジーリキュール、エロスエネルギーリキュール、エロス、エナジーリキュール、エネルギーリキュール、エナジー、エネルギー 
代理人 永岡 愛 
代理人 北口 貴大 
代理人 城山 康文 
代理人 横川 聡子 
代理人 岩瀬 吉和 

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