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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W32
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W32
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W32
管理番号 1327146 
審判番号 不服2016-650033 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-12 
確定日 2017-02-14 
事件の表示 国際登録第518599号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第32類「Beers.」を指定商品として,2014年(平成26年)9月26日に国際商標登録出願(事後指定)されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続している。
(1)登録第4275438号商標(以下「引用商標1」という。)は,「LINDEMANS」の文字を標準文字で表してなり,平成9年9月12日登録出願,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として,同11年5月21日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第1218565号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,2014年2月13日にAustraliaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2014年(平成26年)8月13日に国際商標登録出願,第33類「Wine.」を指定商品として,平成28年2月12日に設定登録されたものである。
以下,引用商標1と引用商標2をまとめていうときは,「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,横長長方形内に,植物を模したと思しき金色の枠飾りを配し,枠飾り内の中央から下部にかけて,肩から臀部までを露わにしたうつ伏せの女性と思しき図形(以下「女性図形」という。)を描き,枠飾りの上部から女性図形との間に,大きく特徴的な字体の「PECHERESSE」の白抜き文字,それより小さな「Peches-Lambic」及び「Artisanal」の各赤文字を上下三段に書し,さらに,女性図形の腹部から腕にかけて重なるように,上記各赤文字よりやや大きく「Lindemans」の黒文字を書してなる結合商標であり,全体としてまとまりよく一体的に表されている。
そして,本願商標の構成中の上記各文字は,我が国において一般的に使用されている英語の辞書等に記載されていない欧文字からなるものであるから,特定の意味合いを想起させない一種の造語として看取されるとみるのが相当である。
また,一般的には,特定の意味合い又は特定の読みを想起しない欧文字からなる場合,これに接する取引者,需要者は,我が国において広く親しまれている英語風の読み又はローマ字読みに倣って称呼するとみるのが自然であるから,本願商標の構成中,「PECHERESSE」の文字部分からは「ペチェレッセ」,「Peches-Lambic」の文字部分からは「ペチェ-ランビック」,「Artisanal」の文字部分からは「アーティサナル」,「Lindemans」の文字部分からは「リンデマンス」の称呼がそれぞれ生じるといえる。
他方,本願商標の構成中,女性図形から「(半裸の)女性」の観念が生じ,特定の称呼は生ぜず,また,その他の図形部分からは,直ちに特定の称呼及び観念は生じないものである。
してみれば,本願商標からは,その構成文字に相応して,「ペチェレッセ」,「ペチェ-ランビック」,「アーティサナル」及び「リンデマンス」の称呼が生じ,女性図形から「(半裸の)女性」の観念が生じるというのが相当である。
(2)引用商標
引用商標1は,前記2(1)のとおり,「LINDEMANS」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字に相応して,「リンデマンス」の称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
引用商標2は,別掲2のとおり,家屋の図形の下部に「1843」の数字を書し,これらの両脇に植物の葉と思しき図形を配し,当該数字の下部のリボン状の帯内に「FELICITAS IN VITAE」の文字を書してなる図形部分の下方に,大きく「LINDEMAN‘S」の文字を配してなるところ,引用商標2からは,その構成文字に相応して,「フェリシタス イン ヴィタエ」及び「リンデマンス」の各称呼が生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
まず,外観については,本願商標と引用商標の構成は,それぞれ上記のとおりであるから,図形部分の差異等から,両者の外観は明らかに相違するものであり,両者は外観上,明確に区別できるものである。
次に,称呼については,「リンデマンス」の称呼において,本願商標と引用商標の称呼は共通することがある。
また,観念については,「(半裸の)女性」の観念が生じる本願商標と特定の観念が生じることのない引用商標とは,観念において相紛れるおそれはない。
そうすると,本願商標と引用商標とは,「リンデマンス」の称呼を共通にする場合があるとしても,これが外観における顕著な差異を凌駕するものではなく,観念において相紛れるおそれはないものであるから,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すると,両商標は,これを同一又は類似の商品に使用しても,商品の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり,本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審理終結日 2017-01-05 
結審通知日 2017-01-17 
審決日 2017-01-31 
国際登録番号 0518599 
審決分類 T 1 8・ 263- WY (W32)
T 1 8・ 261- WY (W32)
T 1 8・ 262- WY (W32)
最終処分 成立  
前審関与審査官 和田 恵美大房 真弓 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 小松 里美
冨澤 武志
商標の称呼 ペシェリーゼ、ペーシェランビックアルティザナル、ペーシェランビック、ペーシェ、ランビック、アルティザナル、アーティザナル、リンデマンス 
代理人 岡部 讓 
代理人 田中 尚文 
代理人 金成 浩子 

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