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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W0142
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W0142
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0142
管理番号 1327064 
審判番号 不服2016-17923 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-30 
確定日 2017-04-04 
事件の表示 商願2015-104070拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ATHAP」の文字を標準文字で表してなり、第1類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年10月28日に登録出願されたものである。
そして、指定商品及び指定役務については、原審における平成28年4月25日付け手続補正書により、第1類「化学用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),生化学用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),分子生物学用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),研究用化学試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),研究用生化学試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),研究用分子生物学試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。),科学用試薬(医療用及び獣医科用のものを除く。)」及び第42類「化学に関する研究・試験及び分析,生化学に関する研究及び分析,生物に関する研究及び分析,分子生物学に関する研究及び分析,科学に関する研究・試験及び分析,受託による研究開発」と補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり。いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4369754号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成10年11月2日に登録出願、「医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究」を含む第42類、第5類、第16類、第21類、第25類、第28類、第29類ないし第32類、第39類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同12年3月24日に設定登録され、その後、商標登録の取消し審判により、指定役務中、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),娯楽施設の提供,クイズ大会の企画・運営又は開催」及び第42類「ファッション情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,機械・装置若しくは器具(これらの部分を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計」について取り消すべき旨の審決がされ、同27年7月30日にその確定審決の登録がされたものである。
(2)国際登録第800874号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ASAP」の欧文字を書してなり、2003年(平成15年)3月26日に国際商標登録出願、第1類「Chemical products for industrial purposes; plastics in the crude state (in the form of powders, dispersion, granules, pastes or liquids), in particular polymer compounds with an absorptive effect.」を指定商品として、平成17年10月14日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「ATHAP」の文字を表してなるところ、該文字は特定の意味を有する語として一般の辞書等に掲載がなく、造語と認められるものであるから、英語読みに倣って「アサップ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲のとおり、図案化された「Asap」の欧文字を表してなり、その構成文字に相応して、「アサップ」の称呼を生じ、また、当該綴りからなる文字が、特定の意味合いを有する語として一般の辞書等に掲載がないことから、造語と認められ、特定の観念を生じるとはいえないものである。
また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、「ASAP」の欧文字を書してなり、その構成文字に相応して、「アサップ」の称呼を生じるものである。また、当該綴りからなる文字は、「エイエスエイピー」と発音される、「できるだけ早く」の意味を表す英語「as soon as possible」の略語(株式会社三省堂「大辞林第三版」)でもあるから、「エイエスエイピー」の称呼をも生じ、「できるだけ早く」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
ア 本願商標と引用商標1とを比較すると、外観において、本願商標は、標準文字の欧文字5文字を表してなるのに対し、引用商標1は、別掲のとおり、図案化した特徴的な書体の欧文字4文字を表してなるものであり、その綴りも異なることから、顕著に相違するものである。
次に、称呼において、本願商標と引用商標1とは、共に「アサップ」の称呼を生じ、その称呼を共通にするものである。
また、観念において、本願商標と引用商標1とは、いずれも特定の観念を有しないものであるから、互いに相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、称呼において共通するとしても、これが外観における顕著な差異を凌駕するものではなく、観念において相紛れるおそれはないから、取引者、需要者に与えるこれらの印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両商標は、同一又は類似の役務に使用しても、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2とを比較すると、外観において、本願商標は、標準文字の欧文字5文字を表してなるのに対し、引用商標2は、太字の欧文字4文字を表してなるものであって、両商標は、中間の「TH」と「S」の文字の差異を有するものであるから、比較的短い構成文字数からなる商標同士の比較において、これらの差異により看者が受ける印象が大きく異なり、明確に区別し得るものである。
次に、称呼において、本願商標から生じる「アサップ」と引用商標2から生じる「アサップ」の称呼とは、その称呼において共通にするものである。また、本願商標から生じる「アサップ」と引用商標2から生じる「エイエスエイピー」の称呼とは、構成音及び構成音数において明らかな差異があるから、互いに相紛れるおそれはない。
また、観念において、本願商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標2は、「できるだけ早く」の観念を生じるものであるから、互いに相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、称呼において共通する場合があるとしても、外観において明確に区別し得るものであって、観念において相紛れるおそれはないものであるから、両商標の比較において、一の称呼の共通性が他の外観及び観念における差異を凌駕するものとはいい難く、取引者、需要者に与えるこれらの印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両商標は、同一又は類似の商品に使用しても、相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
ウ 小括
上記ア及びイのとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標1



審決日 2017-03-22 
出願番号 商願2015-104070(T2015-104070) 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W0142)
T 1 8・ 263- WY (W0142)
T 1 8・ 262- WY (W0142)
最終処分 成立  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 大橋 洋子
原田 信彦
商標の称呼 アサップ、エイテイエイチエイピイ、エイテイエッチエイピイ 
代理人 喜多 俊文 
代理人 江口 裕之 

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