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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W12 審判 査定不服 外観類似 登録しない W12 審判 査定不服 観念類似 登録しない W12 |
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管理番号 | 1327063 |
審判番号 | 不服2016-5038 |
総通号数 | 209 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-05-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-04-05 |
確定日 | 2017-03-16 |
事件の表示 | 商願2015-14349拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第12類「乗物用盗難警報器,自転車用盗難警報器,二輪自動車用盗難警報器,船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、平成27年2月18日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における平成27年7月3日付け手続補正書により、第12類「乗物用盗難警報器,自転車用盗難警報器,二輪自動車用盗難警報器」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)。 (1)登録第1611834号商標(以下「引用商標1」という。) ・商標の構成:別掲2のとおり ・登録出願日:昭和49年9月11日 ・設定登録日:昭和58年8月30日 ・更新登録日:平成6年3月30日,平成15年8月12日,平成25年9月3日 ・書換登録日:平成16年11月10日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」及び第12類「乗物用盗難警報器」を含む第6類ないし第9類、第11類、第12類、第16類、第17類、第19類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (2)登録第2716448号商標(以下「引用商標2」という。) ・商標の構成:別掲3のとおり ・登録出願日:昭和59年7月3日 ・設定登録日:平成8年9月30日 ・更新登録日:平成18年9月12日 ・書換登録日:平成19年5月16日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (3)登録第2716449号商標(以下「引用商標3」という。) ・商標の構成:別掲4のとおり ・登録出願日:昭和59年11月22日 ・設定登録日:平成8年9月30日 ・更新登録日:平成18年9月12日 ・書換登録日:平成19年5月16日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (4)登録第2716453号商標(以下「引用商標4」という。) ・商標の構成:別掲5のとおり ・登録出願日:昭和63年2月18日 ・設定登録日:平成8年9月30日 ・更新登録日:平成18年10月17日 ・書換登録日:平成19年9月12日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (5)登録第2716454号商標(以下「引用商標5」という。) ・商標の構成:別掲6のとおり ・登録出願日:昭和63年2月19日 ・設定登録日:平成8年9月30日 ・更新登録日:平成18年10月17日 ・書換登録日:平成19年9月12日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (6)登録第2716456号商標(以下「引用商標6」という。) ・商標の構成:別掲7のとおり ・登録出願日:昭和63年4月19日 ・設定登録日:平成8年9月30日 ・更新登録日:平成18年10月17日 ・書換登録日:平成19年9月12日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (7)登録第2721301号商標(以下「引用商標7」という。) ・商標の構成:別掲8のとおり ・登録出願日:平成3年5月10日 ・設定登録日:平成9年5月9日 ・更新登録日:平成19年5月15日 ・書換登録日:平成20年3月12日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (8)登録第2721303号商標(以下「引用商標8」という。) ・商標の構成:別掲9のとおり ・登録出願日:平成4年2月25日 ・設定登録日:平成9年5月9日 ・更新登録日:平成19年5月15日 ・書換登録日:平成20年3月12日 ・指定商品:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」を含む第7類、第9類、第11類、第16類、第20類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品 (9)登録第5775735号商標(以下「引用商標9」という。) ・商標の構成:別掲10のとおり ・登録出願日:平成26年8月11日 ・設定登録日:平成27年7月3日 ・指定商品及び役務:第9類「火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器」及び第12類「乗物用盗難警報器」を含む第1類、第2類、第5類ないし第12類、第14類ないし第22類、第24類ないし第28類、第31類、第34類、第35類及び第38類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、動物の頭部と思しき図形の下部に「LION」の欧文字を、さらにその下部に「ALARM」の欧文字を配してなるものであるところ、「LION」の欧文字は、「ALARM」の欧文字と比べて、縦横の幅がいずれも約2倍(面積にして約4倍)程度に大きく表されており、かつ、太ゴシック体で表された「LION」の欧文字には、各文字を横一直線に貫くように見える白抜き線のデザインが施されている。 以上のことから、本願商標は、図形、「LION」の欧文字及び「ALARM」の欧文字からなる結合商標であると看取されるものであり、その構成中にあって、中央に大きく、かつ、白抜き線のデザインが施されて表された「LION」の欧文字部分が、視覚的に強い印象を与えるものといえる。他方、「ALARM」の文字は、「LION」の文字と比較して、やや右に傾斜してゴシック体で表されていることは共通するものの、大きさが顕著に異なる上、白抜き線のデザインが施されていないことから、「LION」の欧文字部分と「ALARM」の文字部分とは、一見してまとまりのある一体のものという印象は乏しい。 そして、本願商標の構成中、「LION」の欧文字が「ライオン」、「ALARM」の欧文字が「警報器」の意味を有する平易な英語として一般に慣れ親しまれているところ、「ALARM」の文字部分は、本願商標の指定商品との関係においては、その普通名称あるいは商品の品質を一般的に表示するにすぎず、商品の出所識別標識としての機能がないものといわざるをえない。他方、「LION」の文字部分は、本願商標の指定商品の品質等を具体的に表すものではないから、指定商品との関係における出所識別標識としての機能を有するものということができる。また、動物の頭部と思しき図形部分は、直ちに特定の称呼、観念が生ずるものとはいい得ない。 そうすると、図形部分及び「LION」の欧文字と「ALARM」の欧文字を組み合わせた本願商標は、商標全体として、特定の意味合いを生ずるものではないことから、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものである。 してみれば、本願商標は、その構成中、「LION」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきであるから、この部分を分離、抽出して、該部分から生ずる称呼、観念をもって商取引に資されることもあるといえる。 したがって、本願商標は、構成全体から生じる「ライオンアラーム」の称呼のほか、「LION」の文字部分に相応して、「ライオン」の称呼及び観念が生じるものである。 (2)引用商標について 引用商標1は、円内の中央に動物の図形を大きく表し、その下方中央に「LION」の欧文字を書してなるもの(以下「円内の動物図形と『LION』の文字」という。)であり、引用商標2は、横長の長方形内の黒く塗りつぶした左側部分に、白抜きで円内の動物図形と「LION」の文字を表し、右側余白に「ライオン」の片仮名を書してなるものであり、引用商標3は、大きな正方形内の右上方に黒く塗りつぶした正方形部分を有するものと、中央に「LION」の欧文字を書してなる長方形を上下に組み合わせた構成からなるものであり、引用商標4は、引用商標2と同じく横長の長方形内の黒く塗りつぶした左側部分に、白抜きで円内の動物図形と「LION」の文字を表し、右側余白に「LION」の欧文字を書してなるものである。また、引用商標5は、動物の頭部を簡略化したものと思しき図の下に「LION」の欧文字を書してなるものであり、引用商標6は、動物の図形の下に「LION」の欧文字を書してなるものである。 また、引用商標7は、白黒の陰影を付けた立方体の二点透視図と、その下に書した「LION」の文字からなるものである。 さらに、引用商標8は、上から「LION」、「ライオン」、「らいおん」及び「獅子」の文字を四段に書してなるものであり、引用商標9は、「LION」の欧文字を書してなるものである。 以上のとおり、引用商標は、いずれも、「LION」の欧文字からなる、又は「LION」の欧文字を含むもの(「LION」の文字のほか、「ライオン」又は「らいおん」の文字を含むものを含む。)であり、これよりは、その構成文字に相応して、「ライオン」の観念及び「ライオン」の称呼を生ずること明らかである。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標は、上記(1)のとおりの構成からなるものであって、その構成中の「LION」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであり、他方、引用商標も「LION」の欧文字からなる、又は「LION」の欧文字を含むものであり、両商標とも「LION」の文字を有するものであることから、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与え、相紛らわしいものであるといわざるを得ない。 そして、本願商標及び引用商標は、両者から生ずる称呼、観念が上記(1)及び(2)のとおりであり、「ライオン」の称呼及び「ライオン」の観念を共通にするものである。 これらを総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 また、本願商標の指定商品は、引用商標1ないし9の指定商品中の第9類「火災報知器,ガス漏れ警報器,盗難警報器」並びに引用商標1及び9の指定商品中の第12類「乗物用盗難警報器」とそれぞれ同一又は類似するものである。 以上によれば、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (4)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の図形部分はライオンが雄叫びを上げている状態を模したものであり、文字部分は「LION」と「ALARM」との配置により、ライオンの胴部を想起させるものであるから、全体として視覚的にまとまりよく一体的であるため、「ライオンアラーム」の称呼及び「ライオンの咆哮」の観念のみを生じる旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、図形部分及び「LION」の欧文字と「ALARM」の欧文字を組み合わせた本願商標は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないものであり、「ALARM」の文字部分が、本願商標の指定商品との関係においては、商品の出所識別標識としての機能がないとみるのが相当であることから、「LION」の文字部分及び「ALARM」の文字部分を常に一体的であるとみることはできない。また、仮に、本願商標の図形部分が「LION」の文字部分と一体的に把握される場合があるとしても、これら部分から「ライオン」の称呼、観念が生じることは明らかであり、上記判断を左右するものではない。 イ 請求人は、引用商標権者は「LION」等のロゴを用いて各商品を紹介している一方、これらの商品の商標として「LION+○○」という一種の結合商標を用いたものは見受けられないため、少なくとも「乗物用盗難警報器,自転車用盗難警報器,二輪自動車用盗難警報器」に関する限り、本願商標に接した需要者及び取引者が、本願商標の出所が引用商標権者であると誤認、混同することはない旨主張する。 しかしながら、請求人は、前記主張をするのみで、これら取引の実態を裏付ける具体的な資料の提出はなされておらず、たとえ、引用商標権者が「LION+○○」といった結合商標を使用していないとしても、そのことをもって本願商標と引用商標が類似することを否定する根拠となるものではない。 ウ 請求人は、「○○」と「△△○○」、あるいは 「○○」と「○○△△」等のように、同じ文字を含む登録商標が多数存在していることからも、本願商標は、引用商標とは非類似の商標である旨主張する。 しかしながら、請求人の挙げた事例は、本願商標とはその構成が相違するものであるところ、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録の例があるからといって、本願商標が登録されるものであるということにはならない。 エ したがって、請求人の上記の主張は、いずれも採用できない。 (5)結語 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本願商標)![]() 別掲2(引用商標1) ![]() 別掲3(引用商標2) ![]() 別掲4(引用商標3) ![]() 別掲5(引用商標4) ![]() 別掲6(引用商標5) ![]() 別掲7(引用商標6) ![]() 別掲8(引用商標7) ![]() 別掲9(引用商標8) ![]() 別掲10(引用商標9) ![]() |
審理終結日 | 2017-01-10 |
結審通知日 | 2017-01-17 |
審決日 | 2017-01-30 |
出願番号 | 商願2015-14349(T2015-14349) |
審決分類 |
T
1
8・
263-
Z
(W12)
T 1 8・ 261- Z (W12) T 1 8・ 262- Z (W12) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 青野 紀子 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
渡邉 あおい 小松 里美 |
商標の称呼 | ライオンアラーム、ライオン |
代理人 | 天野 一規 |