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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W12
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W12
審判 査定不服 外観類似 登録しない W12
管理番号 1326001 
審判番号 不服2016-3346 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-16 
確定日 2017-02-24 
事件の表示 商願2015-18330拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「eTrike」の欧文字を太字で横書きしてなり、第12類「自動車,二輪自動車,三輪自動車,自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、平成27年3月2日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第5402337号商標(以下「引用商標1」という。)は、「イートライク」の片仮名を標準文字で表してなるものであり、また、同じく登録第5425432号商標(以下「引用商標2」といい、引用商標1と併せていうときは「引用商標」という。)は、「E-TRIKE」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、共に、平成22年9月28日に登録出願、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、引用商標1は同23年4月1日に、また、引用商標2は、同年7月15日に設定登録されたものであって、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)商標の類否について
ア 本願商標
本願商標は、別掲のとおり、「eTrike」の欧文字を太字で横書きしてなるところ、該文字は、商標全体として、辞書等に掲載のない一種の造語といえるものであるから、本願商標からは、特定の観念が生じないものである。
そして、一般的には、特定の意味合い又は特定の読みを想起しない欧文字からなる場合、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるところ、本願商標は、その構成文字全体から「エトライク」の称呼が生ずるものである。
また、本願商標は、その構成中2文字目の「T」の文字が大文字で表されているところ、英語では語頭、文頭の文字を大文字で記載することが知られていることから、「T」の大文字以降を一つの語ととらえ、1文字目の「e」の文字と、2文字目以降の「Trike」を区切って発音する場合もあるというのが相当であるから、これより「イートライク」の称呼をも生じるというべきである。
そうすると、本願商標からは「エトライク」及び「イートライク」の称呼が生ずるというのが相当である。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、それぞれ、「イートライク」の片仮名又は「E-TRIKE」の欧文字及び記号を標準文字で表してなるところ、引用商標からは、その各構成文字に照応して、「イートライク」の称呼を生じ、また、該各文字は、辞書等に掲載のない一種の造語と認められるから、特定の観念を生じないものである。
ウ 商標の類否
本願商標と引用商標との類否について検討するに、称呼においては、本願商標は、上記アのとおり、「エトライク」及び「イートライク」の称呼を生じ、また、引用商標は、上記イのとおり、「イートライク」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「イートライク」の称呼を同一にするものである。
そして、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上比較することはできない。
次に、外観において、本願商標と引用商標1は、別掲及び前記2のとおり、欧文字又は片仮名からなるものであるから、両者は、外観上相違するものであるが、本願商標及び引用商標に係る指定商品「自動車,二輪自動車」等を取り扱う我が国の業界においては、欧文字からなる商標を片仮名で表記して取り扱われることも少なくないといえる。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、観念上比較できないとしても、「イートライク」の称呼を共通にするものであって、上述の本願商標及び引用商標の指定商品に係る取引の実情を踏まえると、その称呼の共通性を凌駕するほどの特徴的な外観上の相違はないというべきであるから、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
また、本願商標と引用商標2は、別掲及び前記2のとおり、「?」(ハイフン)の記号以外の欧文字の綴り字を同一にするものであるから、両者は、外観上近似するものである。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、観念上比較できないとしても、「イートライク」の称呼を共通にするものであって、外観上も近似するものであるから、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(2)指定商品の類否について
本願商標の指定商品は、前記1のとおり、「自動車,二輪自動車,三輪自動車,自転車並びにそれらの部品及び附属品」であり、引用商標の指定商品は、前記2のとおり、「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を含むものであるから、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品である。
(3)小括
以上からすれば、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、引用商標に係る商標公報に記載された称呼及びそれらの構成中に「-」(ハイフン)の記号を有することから、引用商標からは「イハイフントライク」又は「イイハイフントライク」の称呼が生じ、「イートライク」の称呼は生じず、また、本願商標から「エトライク」の称呼が生じないとする原審の判断は誤りである旨主張する。
しかしながら、引用商標1は、前記2のとおり、「イートライク」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中の片仮名の間に表された「ー」の符号は、その態様から、明らかに長音符号を表したものと見ることができるものであって、「-」(ハイフン)の記号とは異なるものであり、さらに、前後が片仮名の間に表された「ー」の符号の場合、これを長音符号として称呼することが不自然な場合をのぞき、これを長音符号と理解するのが自然であるから、引用商標1は、その構成文字に照応し、「イートライク」の称呼を生ずるものである。
また、引用商標2は、前記2のとおり、「E-TRIKE」の欧文字及び記号を標準文字で表してなるところ、「-」(ハイフン)の記号で介された欧文字は、その前後を区切って称呼することが一般的であることから、引用商標2は、「E」で区切り、「TRIKE」の称呼を続けた、「イートライク」の称呼を生ずるというのが自然である。
さらに、本願商標は、「エトライク」の称呼を生ずることを否定するものではなく、上記(1)アで述べたとおり、「イートライク」の称呼をも生ずると認められるものであり、また、本願商標から「エトライク」の称呼のみが生ずるとするような特段の事情を見いだすことはできないものである。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)



審理終結日 2016-05-27 
結審通知日 2016-06-03 
審決日 2016-06-15 
出願番号 商願2015-18330(T2015-18330) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W12)
T 1 8・ 262- Z (W12)
T 1 8・ 261- Z (W12)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
藤田 和美
商標の称呼 エトライク、イートライク、イイトライク、トライク 
代理人 和田 肇 
代理人 志村 正和 

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